ゾナウ族
ぞなうぞく
※この記事は『ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム』の物語の核心であるネタバレを大いに含むため、閲覧は自己責任でお願いします。
元々は『ブレスオブザワイルド』で初めて存在が仄めかされた種族であり、ゲーム内において「ゾナウ遺跡群」という地名で登場するのみだった。
当時はゲーム内において、設定どころか存在すらほとんど言及されず、知る人ぞ知る裏設定でしかなかった上、その後発売された公式設定資料集である『マスターワークス』でも「数千年前に忽然と姿を消した謎多き古代民族」という程度の情報しかなかった。
その後、遂に「ブレスオブザワイルド」の続編である『ティアーズオブザキングダム』にて本格登場。
浅黒い肌と白い髪、大きな耳や額に第三の目を持つ羊獣人のような異種族であることが判明した。
ティアーズオブザキングダムのタイトルロゴやリンクの異形化した右腕にも現れているように、今回のストーリーに大きく関わるキーパーソンとなる種族であり、その正体はハイラルが建国されるより以前、神話として語られるような遥か昔に空より地上に降り立ったという神の末裔を名乗る種族である。
地底で採掘される鉱物「ゾナニウム」を資源として高度な魔術と科学の力を発達させており、持ち主の力を倍加させる勾玉状の秘宝「秘石」や、様々な機能を有した「ゾナウギア」、自律稼働し雑務や警備をこなすロボットゴーレムを保有するなど、栄華を極めていたようだ。
公式によると、名前の由来は"謎"という言葉らしい。
(謎…つまり「ナゾ」の読みを逆にすると「ゾナ」となり、ゾナ→ゾナウとなった。)
本作で始めて遭遇するゾナウである古代の衣装を身に着けた長い耳が特徴の青年「ラウル」をはじめ、ゾナウ族は遥か昔からハイラルに貢献していた。
そのゾナウの青年は地上に降りてからもその力で大地の人々を導き、やがて古代ハイリア人の巫女と結ばれ、国を興す事になる。
これこそが「ティアーズオブザキングダム」におけるハイラル王国の発祥であり、何を隠そう、ラウルこそが初代ハイラル王であった。
しかしハイラル建国の時点で、理由は定かではないがゾナウ族は大きく数を減らしており、生き残りはラウルとその姉ミネルの二人だけという状況になっていた。
そして神の末裔を名乗るだけあって、その振る舞いにはどこか誇り高い…悪く言えば傲慢なものがあったらしく、その反感もあってか野心溢れるゲルドの男王ガノンドロフに造反され、王妃ソニアの命と共に秘石の一つが奪われてしまう。
秘石の力で魔王へと変貌したガノンドロフを倒すため、ラウルはガノンドロフと袂を分かったゲルド族も含め、ハイラルの各種族の長を招集。
彼らに秘石を分け与え、魔王に対抗する「賢者」として伴い、自らガノンドロフに立ち向かった。
後に『封印戦争』と呼ばれるこの戦いの中で、魔王の力の凄まじさに撃破が敵わないと知ったラウルは、自身を犠牲にガノンドロフの封印を敢行した。
そして「魂の賢者」として共に戦ったミネルは瘴気に体を蝕まれてしまい、程なくして肉体を失い、魂だけの存在になってしまった。
自らの驕りが招いた魔王の誕生により、ゾナウ族は滅ぼされたのである。
過去
元々は地上で暮らしていた種族であり、地上に残る彼らの遺跡には独特の渦巻き模様の意匠が見られる。また、豚・梟・龍を象った遺跡が多く、これらの動物の意匠はそれぞれ力・知恵・勇気を意味していると考えられており、ハイリア人同様にトライフォース信仰が存在していたと考えられる。
その後、何らかの理由で空の大地に住むようになったが、やはり何かが起きて数を減らしたため、ラウルとミネルは地上へと戻って来たという。
右腕で発動していた不思議な術の正体
リンクがラウルの右腕で発動していた不思議な術の数々は『ゾナウマジック』と呼ばれ、ゾナウ族は個々で別々の能力を持っていた様である。例として、地底にはトーレルーフを使って移動する用途を想定とする施設があるが、実際に似た能力を持ったゾナウ族が複数いたからからこそ活用されていたものなのだろう。
現在確認できるゾナウマジックは…
- 重量に関わらず自在に物を浮かせて操り、物体同士を接着する『ウルトラハンド』
- 武器に他の物体をくっ付け、それに応じた力を武器に授ける『スクラビルド』
- 下から地形を貫通し、天井に昇り上がりできる『トーレルーフ』
- 材料さえあれば作ったものを瞬時に再現する『ブループリント』
である。
すべてのゾナウ族が等しく同じ能力を持てるわけではなく個々で性質や持てる数が異なっていたようだ。
なぜゾナウ族は数を減らし、滅びたのか?
作中世界で文献などもなく、なぜこれ程まで栄華を誇った種族が衰退したかは定かではないが、疫病、天災、資源の枯渇…もしくは戦闘用ゴーレムの存在から外敵や同族同士の争いによって数が激減したのではないかと考えられている。
ゾナウ族は長命種族と考察され、その分子供が多く生まれてこなかった可能性もある。最後の末裔であるミネルとラウルの『姉弟(きょうだい)』として産まれることそのものが珍しいのかも知れない。
ゾナウ関連装備の数々とその豆知識
実のところ『ブレスオブザワイルド』から登場していた蛮族シリーズはゾナウ族と直接的な関係はない。
これに関しては色々な説があり…
・ゾナウ族に反抗する過激派集団
・袂を分かったゾナウ族の一派
・ゾナウ族原理主義者・信仰集団。
と仮説が立てられているものの、実態はゾナウ族以上に不明といった状況らしい。
- グライドスーツ
『大勇を試す島』・『勇気を試す島』・『剛勇を試す島』の飛び込みの儀をクリアすることで貰える服。
当時の状況を知るゴーレムによれば、ゾナウの成人は勇を示し一人前として認められるための儀式だった模様。
グライドスーツはゾナウの成人としての一人前の証でもあるらしい。
- ゾナニウムの鎧
ゾナウギアの消費バッテリーを抑える服。
どことなく古代ハイリア人兵士が着ていた鎧と似ている。
- 採掘の服
地底の宝箱から入手できる服。
ゾナウ族は天に文明を築き上げていたが、地底にあるゾナニウム鉱床とその精練施設、また鉱脈の規模から考えると地底でもゾナウ族は活動していたようだ。
『ラムダの秘宝』と呼ばれる服の品々でそれぞれがどこかオルドラ、ネルドラ・フロドラに似ている。
ゾナウ族でもかなりの貴族階級の者が着ていた服の様である。
ラウル(ティアーズオブザキングダム) ミネル(ティアーズオブザキングダム)
ゾナウ(表記ゆれ)
シーカー族:前作に登場した古代シーカー族のもつ超常技術と類似した要素が多く、祠を筆頭に深い影響を及ぼしていたと推測できる。