概要
マンガアプリ「少年ジャンプ+」にて2021年10月20日から連載されている。原作・原案は岩田雪花、作画は青木裕。既刊12巻(2024年6月現在)。
魔法少女そのものが"職業"となっている世界観の元、社会人の魔法少女たちが「怪異」と呼ばれる怪物と戦うアクション物である。
一方、本作はベンチャー企業が仲間を得て成長する過程を丁寧に描いているのも特徴であり、所謂「お仕事もの」のジャンルに位置する作品でもある。為に、登場人物達の人間関係もかなり入り組んでおり、主役こそいるものの、様々な人物や組織がストーリーに絡む群像劇となっている。
世界観はリアルよりではあるが、作品の根底には「過酷な世界に愛と勇気で立ち向かい、人々のささやかな幸せを守りぬく」という魔法少女の王道たるテーマが貫かれており、変わり種ではあるが歴とした魔法少女モノである。
萌とJ.C.STAFFの手によってテレビアニメ化されている。詳細別途後述。
あらすじ
“魔法少女”—それは自然災害の一種「怪異」の退治業務を請け負う職業。
就職活動に苦戦する女子大生・桜木カナが面接先で出会ったのはベンチャー魔法少女企業で…!?
お仕事魔法少女アクション、開幕!
世界観・用語
- 魔法少女
世を乱す『怪異』を封じることを使命としている魔法使い。この世界においては『魔法少女』も職業として確立されており、主に若い成人女性が担っている。これは『怪異』が年月を経る毎に強大化し、最早”少女”の手に負えなくなったことが起因している。進化する怪異に対抗するため、魔法少女が使う魔法やホーキは近代科学の力によってシステマナイズされており、知識と技術を習得すれば誰にでも扱えるほど理論体系化されている。また、場合によっては命の危険にさらされる職業であるため、国を中心にあらゆる企業や組織から手厚いバックアップを受けており、待遇もしっかりしている高給取りである。作中世界において魔法少女という仕事は政治・経済・科学分野を巻き込んだ一大産業に発展しており、大小様々な魔法少女会社が乱立している。株式会社マジルミエは、そんな時代に起業した無名のベンチャー企業である。
- 怪異
太古の昔に現れた異形の存在。自然災害が具象化したような怪物であり、大昔は魔法少女の前身である神娘(みこ)と呼ばれる少女が鎮めていた。しかし、長い年月を経て怪異は徐々に進化し、引き起こす災害もより大規模化していった。怪異には魔法を用いた攻撃しか通用しないため、兵器などで退治することは出来ない。また、時代を降るごとに姿形が変化し、段々と人間に近しい形態に変貌している。魔法少女との長きに渡る戦いや過剰な魔法の使用が怪異を進化させているのではないか?という説も劇中では取り沙汰されており、未だに多くの謎を秘めている。
- 魔法
人体に含まれるマジトシンと呼ばれる栄養素、いわゆる魔力をエネルギー源にし、様々な能力として発現させる術式のこと。かつては選ばれし神娘にしか扱えない"能力"だったが、近現代に入ってからはコンピューターによって術式を構築し、専門エンジニアがサポートすることで誰でも扱える"技術"になるほど普遍化されている。火や雷の様なエレメントで怪異を叩く攻撃魔法や、傷を瞬時に癒す回復魔法といった様々な種類が存在するが、基本的に魔法はプログラムの様に規格化されたモノで、魔法少女は杖に記録した魔法の術式しか使用できない。理論上は男性も魔法は使えるのだが、男性の魔力は強すぎて肉体に凄まじい負荷をかけるため、現状魔法を使えるのは女性だけである。
キャラクター
株式会社マジルミエ
本作の主人公兼メインヒロイン。就活真っただ中の女子大生。一見すると没個性でパッとしない女の子だが、記憶力が抜群に優れており、微かに聞こえた他者の言葉をも聞き逃さない鋭敏な神経の持ち主。偶然知り合った越谷に導かれ、株式会社マジルミエの新人魔法少女に抜擢されることになった。
マジルミエ専属の魔法少女。カナの先輩にあたる。強気で男勝り気味。怪異との戦いで偶然出会ったカナに見所を感じたことから、マジルミエにスカウトすることにした。
マジルミエ社長。くたびれた感じの成人男性。何故か常に魔法少女のコスプレをしている。本作のもう一人の主人公で、読者からは真のヒロインと見做されている。
マジルミエのオペレーター。ビックリするほどそつなく仕事をこなせる気さくな青年。社長である重本を心から敬愛している縁の下の力持ち。
マジルミエの魔法エンジニア。眼鏡を掛けたオタク風の青年だが、魔法少女に必須なアイテムの調整などが得意。
株式会社ミヤコ堂
大手化粧品会社「ミヤコ堂」に勤める魔法少女。女子力が高いふんわりとした美人。魔法少女としてのプロ意識が高く、協働業務でカナと一時的にバディを組む。
ミヤコ堂の社長。かつて重本と古賀と共に仕事をしていたが、彼らが去った後に自身も独立することになった。古馴染みの重本らとは未だに連絡を取り合う仲である。
アスト株式会社
魔法少女派遣会社の最大手「アスト株式会社」の創業者。常に金のことを考える現実主義者であり、一見すると血も涙も無い冷血漢。過去に重本と仕事をしていた時期があり、その時に経験した”事件”によって道を違えることになった。重本に一方的な嫌悪感を抱いている。
アストが抱えているエース魔法少女。無表情で常に機械的に振る舞っており、ある意味アストの企業体質を体現したかのような魔法少女。
古賀の秘書。
魔法技術総合研究所
魔法技術総合研究所(以下、魔総研)の副所長にして、研究所に専属している魔法少女。丁寧な物腰をした才媛であり、研究者らしく好奇心旺盛な人物。マジルミエの独創性に興味を抱き、後に入社し仲間に加わった。
魔総研の所長にして、怪異研究の第一人者。見た目はズボラで出不精な中年男性だが、研究者としては真摯な人物。年中アロハシャツを着ている。
株式会社アプダ
マジルミエのシステムを研修するために出向したアプダ専属の魔法少女。上昇志向が強いバリキャリウーマンだが、気さくでフレンドリーな好人物。恋バナ好きだが、自身の恋愛はあまり上手くいってない模様。
塔ノ森神社
魔法少女の源流である神娘を輩出してきた、塔ノ森神社の28代目神娘。肉体そのものを変身させ、陰陽師の符術の様な技で怪異を使役するなど、通常の魔法少女とは別格の能力を扱える。京都弁のはんなりした娘さんだが、言いたい事はハッキリ言うタイプ。
サカヱの幼馴染の大学生。柄の悪い格好と横柄な態度が鼻につく不良学生だが、魔法エンジニアとしての才能は確かで、マジルミエに就職を希望している。
技術者
魔法少女が使うホーキの開発を手掛けている天才小学生。エリート科学者の家に産まれた女の子で、重本社長の頼みでマジルミエ専用ホーキの開発を受け持っている。
銀次ハナの助手。燻銀な見た目のおじちゃんだが、甲斐甲斐しく銀次のアシストを勤めている。元々は国の技術者だったが、銀次の才能に惚れ込み弟子入りした変わり者。
新日本魔法エネルギー協会
魔法エネルギー協会会長を務める壮年男性。大型魔法使用の規制緩和(大型魔法は国から使用を限定されている)を推進しており、怪異を強大化させかねないとして規制緩和に反対している重本と対立する立場にある。目的の為には手段を問わない輩で、裏では色々と悪事を重ねている。本作における前半の悪役であるが、彼自身はあくまで魔法使用の規制緩和をキッカケに日本経済に活力を吹き込むことを目的としており、単なる私利私欲の輩ではない。いうなれば、極めて独善的な人間である。
鎌倉と共に暗躍している謎の技術者。怪異を意図的に発生させる特異な技術の持ち主で、世論を規制緩和に傾けたい鎌倉の指示の元、強力な怪異を世に放ち混乱を巻き起こしている。実は重本と共に働いていた時期があり、彼とも因縁がある。鎌倉とは対照的に、明確な悪意を持った真性の悪人であり、人を弄ぶことを楽しんですらいるサディスティックな輩。経歴その他諸々が謎に包まれた怪人であり、本作における真のラスボスと言える。
テレビアニメ
2024年10月から、日本テレビ系列(NNS加盟全30局)およびBS日テレとAT-Xにて放送される。Amazonプライムビデオでの最速配信も実施される。
主題歌
オープニング
エンディング
スタッフ
関連動画
アニメPV
主題歌ノンテロップ映像
関連タグ
少年ジャンプ+ 岩田雪花 青木裕 魔法少女 職業 2024年秋アニメ
マジルミエ100users入り マジルミエ500users入り マジルミエ1000users入り マジルミエ5000users入り マジルミエ10000users入り
アクロトリップ/魔法使いになれなかった女の子の話。:同時期にアニメ版放送の作品で、世界観はやや違うが魔法使い・魔法少女ものという共通点がある。また前者とは原作の出版社が、後者とは制作スタジオが、それぞれ同じたっだりする。
トリリオンゲーム:同時期放送された企業名をタイトルにしたアニメ繋がり。