ふつうの軽音部
ふつうのけいおんぶ
2023年1月7日からジャンプルーキー!に投稿されていたクワハリの漫画。
ランキングで1位を獲得するなど人気が出たため2024年1月14日からクワハリ原作・出内テツオ作画の体制で少年ジャンプ+で連載をスタート。
ジャンプルーキー時代は作中に登場する歌詞は伏せられていたが、ジャンプ+移行後はJASRACの許諾を得ることで歌詞を掲載している。
タイトルどおり普通の軽音部を舞台にしており、他のバンド漫画とは一線を画する。
- 「青春感を味わえ運動部みたいにキツくなくキラキラしてる」という理由(矢賀談)で志望者が多く、新入生45名の大所帯。でも途中で冷めてしまい、どんどん辞めていく。
- 主に恋愛が理由で人間関係がこじれ、頻繁にバンド解散やメンバー変更が起こる。
- 本気で音楽に打ち込んでいる者は少数で、異性とイチャついたりだべってるだけの者も多い。
などなど、やたら生々しい描写が成されており、登場人物たちもメジャーデビューのような遠大な野心を抱いた者がほぼ居らず、高校時代という一瞬の煌めきをバンドを通じて楽しもうという考えの人間が大半である。
実際の経験者からもこれらは「軽音部あるある」と指摘されており、本作のリアルさが浮き彫りになっている。
その一方で作風は基本的にコメディタッチであり、重い雰囲気ではない。
大阪を舞台にしていることから、外から引っ越してきたちひろとたまきを除き、登場人物たちは大阪弁で会話している。
また、舞台や登場キャラを敢えて普通にしている反面、おかしい人間はとことんおかしい事になっており、「ふつうの軽音部」というタイトルが霞むほど濃いストーリー展開が成されることもしばしば。
2024年8月、次にくるマンガ大賞Webマンガ部門1位を獲得した。
彼女は地味で映えない存在だが、一念発起してギターを手に入れ、ちょっと渋めの邦ロックを弾きつつ、普通の青春の音楽物語を紡いでいく…はずだったが、6月の校内ライブ前日に誰もいない視聴覚室に用意されたステージを見て気分が高揚した鳩野はギターを持って1人ステージに立ち、andymoriの「everything is my guitar」を熱唱。それをバンド仲間の幸山厘に目撃されてしまい…。
鳩野ちひろ(ギターボーカル)
【所属バンド:ラチッタデッラ → はーとぶれいく】
主人公。あだ名は「はとっち」。高校進学を機に軽音部に入部する。
陰寄りの一般人だが、向井秀徳が愛用しているからという理由で初心者用ギターではなく、フェンダーのテレキャスターを中学3年間貯めたお年玉と母からの借金で購入する、
最初のライブで大失敗を経験してから夏休み間で弾き語りの自主特訓をするなど努力家でもある。
放課後の校内ライブ用ステージでテンション任せに一人でライブをやっていた所を厘に目撃された事で、大なり小なり様々な事件にかかわっていく事になる。
蚊帳の外状態で話が進むことも多いが、決めるときは主人公らしく決める。
幸山厘(ベース)
【所属バンド:ラチッタデッラ → はーとぶれいく】
ちひろとは別のクラスの新1年生。
ショートヘアの長身おっとり系美少女…に見えて周囲の人間関係を観察して的確に引っかき回し、自分の思い通りにことを進めようと画策したりする軍師。
校内ライブ前日に一人で熱唱するちひろのボーカルを見て以来「神」と崇め、それ以来はとっちを大舞台に立てようと暗躍する狂信者。作中屈指の顔芸率を誇る。
ふつうの軽音部の中で、こいつだけ全く普通ではないと読者から評価されている。ある意味、この作品の特異性を担っているキーパーソンである。
内田桃(ドラム)
【所属バンド:sound sleep → はーとぶれいく】
ちひろと同じクラスで最初にできた友達。誰にでも分け隔てなく接する陽キャ。
当初は中学時代からの友達とバンドを組んでいたが、恋愛関係のごたごたで解散した所を厘にスカウトされ、カラオケでちひろのボーカルを見てバンドに加わる。
誰にでも親しく話しかけるフレンドリーな人柄をしている為、片思いの男子生徒が多いが、本人は恋愛に興味がなく友人との関係を重視したがっている。
【所属バンド:protocol. → はーとぶれいく】
藤井彩目(ギター)
ちひろとは別のクラスの女子生徒。クールな外見と裏腹に過去の経験からひねくれており毒舌家。
当初は「protocol.」所属で鷹見が舞伽と別れたのをきっかけに彼女に収まるが馬が合わず破局。
その後、厘とちひろの誘いを受けはーとぶれいくに加入する。
桃とは実は小さい頃の幼馴染で、その頃は太っておりいじめられっ子だった。
乃木舞伽(ベース)
大道優希(ギターボーカル)
【所属バンド:sound sleep → 解散 優希はcolor circuit】
桃の中学からの友達で、三人でバンド『サウンドスリープ』を結成。
しかし舞伽が項希に振られて退部、優希も桃への気遣いが裏目に出て関係がぎくしゃくした。
優希は桃と和解して他のメンバーと軽音部を続けており、彩目の件では手助けをしている。
新田たまき
軽音部の副部長。
新入生歓迎会のライブで銀杏BOYZの「あいどんわなだい」を演奏し周囲をドン引きさせるが、外野を気にせず好きなことやる姿勢はちひろに影響を与える。
軽音部の中でも頭ひとつ抜けた実力と存在感の持ち主で、後輩たちからも尊敬されている。
笑いのツボが変なところにある。
矢賀緑
ちひろのクラスメイト。歴史好きという共通点があり、鎌倉殿の13人の話をきっかけに仲良くなる。
中学が一緒だった厘をちひろに紹介する。
ピアノが弾けるが、謎の人物『アップデート堀井』を推すのに忙しく、部活に入る気はない。特技はイラスト。
鷹見項希(ギターボーカル)
【所属バンド:protocol.】
ちひろがギターを買った店で試奏していた少年。
高1ながら優れたギターテクニックと歌唱力、更に甘いマスクでモテているが、
その一方で他人へ深く興味を持たず、面倒になるとすぐに振ってしまうため、周囲の不和の種になっている。当人は誰よりも真剣にバンド活動に向き合っているのだが、その意識の高さが交際相手とズレを生じさせるため、関係が長続きしない一因にもなっている。
ちひろとは三年間いい感じにならないことを、一話で明言されている。むしろ、日に日に成長し存在感を増してゆくちひろにライバル心を抱き、何かと張り合うことになる。ちひろ曰く「腹立つし、生理的に無理なタイプ」
水尾春一(ギター)
【所属バンド:protocol.】
ちひろがバイト先で一緒になった男子。同じ中学だったが特に親しくはなかった。
淡白でリアクションが薄いが、実は努力家で練習好き。
しかしそれ故にエンジョイ勢と確執が起きバレー部から軽音部へと移り項希のバンドに加入。
ちひろとはバイト仲間以上の関係ではないが、その歌唱力と直向きさに一目置いている。
田口流哉(ベース)
【所属バンド:protocol.】
常識人な男子高校生、所属バンド以外にもいくつかのバンドにヘルプで入ってる。
鷹見の起こした騒動に巻き込まれたり、割と不憫役。気苦労が絶えないからなのか、思慮深く慎重な性格をしている。
実は厘のいとこ。
遠野元(ドラム)
【所属バンド:protocol.】
一見ぶっきらぼうな男子だが、桃に惚れており話しかけられた時のセリフをスマホに記録するなど、ややキモ…もとい粘着気質。
ドラムの腕は部内でも一番と桃からみなされており、桃からアドバイスを求められた時は的確に答えていた。
上昇志向の持ち主であるために意識の低い者には当たりが強くなりがちで、先輩であろうと容赦なく噛みつくため鷹見とは別ベクトルで周囲に不和を撒いている。
田端陽一(ギターボーカル)
【所属バンド:ラチッタデッラ → 吉田商店(フライデーナイツ)】
ちひろが初めて組んだバンド「ラチッタデッラ」のメンバー。通称ヨンス
気のいい奴なのだが、ネットスラングを悪ノリで使ったりと空気は読めないタイプ。男からは好かれるが女受けは悪い。
校内ライブで落選したことと、厘にモーションをかけ振られたことで軽音部を退部しラチッタデッラは解散することに。
その後、厘の指示で吉田の所属するバンドに合流し、引退まで活動した。歌唱力はなかなかのものがあり、ボーカルとして収まってからは真面目に練習をこなしている。
なお高校3年間、彼女はできなかったと明言された。
柿田駿(ドラム)
【所属バンド:ラチッタデッラ → 吉田商店(フライデーナイツ)】
ちひろが初めて組んだバンド「ラチッタデッラ」のメンバー。通称かっきー。
お互い楽器は上手くはないがヨンスとは馬が合うのかかなり親しい。
ヨンスが退部した後、幼馴染の吉田の所属バンドに合流、その後紆余曲折を経て吉田と付き合う。
吉田佳織(ギター)
【所属バンド:吉田商店(フライデーナイツ)】
垣田の幼馴染の少女、以前から思いを寄せていたが言い切れずにいた所を、厘に唆され告白し、その場では拒否されたと勘違いするも後に成就する。
ちなみに改名されたバンド名は彼女提案によるもの。
真島るり(ギターボーカル)
【所属バンド:るりるり帝国】
男子生徒の牧田、西山、進藤と「るりるり帝国」を結成。ちひろとは入部当初から仲良くしている描写がある。頼りないメンバーを女手ひとつで引っ張っている頑張り屋さんであり、その面倒見の良さから周囲にも好かれている。
巽玲羽(ギターボーカル)
ちひろと同じ中学で当時の生徒会長。今は他校の軽音部。
明るく爽やかな美少女だが、図々しく厚かましい性格をしている。
歌唱技術や華でちひろを遥かに凌駕し、内心ではちひろを見下している。ちひろもそれは察しており、いつかギャフンと言わせてやろうとライバル視している。
谷九高校 … 舞台となる高校名。大阪市天王寺区の地下鉄谷町線・谷町九丁目駅付近と思われる。
長居公園 … ちひろが弾き語り修行をした、東住吉区にある大きな公園。作中で言われている通り、陸上競技場や植物園がある。
ルーキー版ではそのままの名前だが、ジャンプラ版では「永井公園」と表記が変わった。
ちひろは徒歩で通っていたので、住居やバイト先の中華屋もこの近辺と思われる。
16話表紙の「ラジオ体操の像」も存在するがポーズが違う。
海遊館 … 19話で彩目と項希がデートした水族館。外観が一致するほか、名物のジンベエザメが描かれている。
天王寺駅 … 梅田、なんばに次ぐ大阪第3のターミナル。24話で彩目が電車を降りた。
谷町九丁目から2駅乗ったこの駅で御堂筋線に乗り換え、さらに3駅先の長居駅(長居公園目の前)を出てちひろの下へ向かったと思われる。
話数はジャンプラ版。
ちひろソロ
ASIANKUNG-FUGENERATION『ソラニン』(4話)
andymori『everything is my guitar』(8話)
Hump Back『拝啓、少年よ』(13話)
ナンバーガール『透明少女』(16話)
syrup16g『生活』(17話)
ACIDMAN『赤橙』(18話)
スピッツ『スピカ』(20話)
a flood of circle『理由なき反抗』(25話)
Mr.Children『名もなき詩』(28話)
ちひろのバンド
BUMPOFCHICKEN『天体観測』(5話)
SaucyDog『シンデレラボーイ』(5話)
あいみょん『君はロックを聴かない』(15話)
ELLEGARDEN『ジターバグ』(36,37話)
他のキャラ
RADWIMPS『おしゃかしゃま』(1話)
銀杏BOYZ『あいどんわなだい』(2話)『援助交際』(9話)
KingGnu『一途』(4話)
Hump Back『番狂わせ』(9話)
クリープハイプ『凛と』(27話)
ポップしなないで『UFOを呼ぶダンス』(35話)
CreepyNuts『Bling-Bang-Bang-Born』(3巻裏表紙)
バンド名・曲名のみ登場
フジファブリック(志村ボーカル時代)
クリープハイプ『身も蓋もない水槽』(26話の彩目のプレイリスト 単行本では消えた)
NEE『不革命前夜』(同上)
キュウソネコカミ『メンヘラちゃん』(同上)
はーとぶれいく はーとぶれいく(ふつうの軽音部):言わずと知れた主人公のバンドだが、タグが2つに分裂してしまっている。特に被るほかの名称はなかったので、ただ単に「はーとぶれいく」で問題なかったはずなのだが……
カグラバチ:週刊少年ジャンプにて連載中の漫画。次にくるマンガ大賞1位記念&主人公の名前が同じ記念でコラボイラストが公開された。
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(注意)本誌38話までの内容含みます。 はとっちに文化祭ライブで脳をやかれるクラスメイト女子を書きました。 登場人物誰とも絡みません。 ふつうの軽音部 ええぞ!!!! 初回無料で読めるからぜひ読んでみて!!! 現在40話まで掲載で読みやすいぞ!!! ▼お気軽にコメントや感想いただけますと軽率に喜びます。 marshmallow-qa.com/konaka_ymos ちなみにこのモブはクラスメイトである推しにファンとして認知されたくないので、ふとした時に夏休みの弾き語りについて聞いた時は内心滾りながらも頬の内側噛んで我慢する。4,216文字pixiv小説作品- 近距離恋愛
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①お付き合いが始まる(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=23107598) の、水尾視点のお話。6,262文字pixiv小説作品 消える景色のその中に、消せない旗がある?(ふつうの軽音部より)
前回に引き続き、ふつうの軽音部。 この漫画、幸山厘という、中国の後漢末期、曹操の下にいた賈詡(かく)みたいな謀略家がふつうの部活動漫画の中で活躍する漫画である、という事がウリの一つかと思います。 私もこのキャラクターが大好きなのですが、コミックスおまけにある彼女のキャラクターのプロフィール欄を見ると、好きな1曲はBUMP OF CHICKENの「メロディーフラッグ」という、2002年発売のアルバム「jupiter」に収録されている1曲になっています。ちなみに、アルバム内のほかの収録曲は、「天体観測」「ダンデライオン」他。 「メロディーフラッグ」は元々、BUMP OF CHICKENのボーカル、藤原基央の友人が一時的な記憶喪失になった事をきっかけにつくられた曲でして、「思い出す」「忘れないように旗を立てる」というニュアンスの歌詞が多く登場する曲です。 謀略を駆使し暴れまわる彼女らしからぬ1曲ではあるため、そのチョイスされた理由が個人的にすごく気になっている中で、昨日更新された第34話「スタジオに入る」の中の1シーンで幸山厘のパーソナルな面に触れる一コマがあり、そこからインスピレーションを受けて短い話を1話、今日1日でつくってみました。 話の時期としては、幸山厘の謀略諸々があり、主人公鳩野達のバンド「はーとぶれいく」が文化祭の登場枠に滑り込んだ後のタイミング。視点は話が描きやすそうな藤井彩目視点にて(関西弁のツッコミキャラが地の文になると非常に書きやすい……!)。 本編で「なぜメロディーフラッグなのか」が描かれるとしても、それは当分先になりそうですし、そもそも二次創作でやっているだけなので、この短編の題名も幸山厘らしく、煙に巻く意味で、本当にそうなのかまだ分からないよね、という意味も込めて「?」とクエスチョンマークを付けています。 厘がこの短編で語る話も、実は私の友人が経験したエピソードをそのまま、持ってきてます。 正直、オチが無い話なのですが、読者としてどうしても「メロディーフラッグが好き」という部分が引っかかるため、その思いを書き連なると短編として出力されてしまった、という形になります。 前置きは以上としてそれでは、本編をどうぞ。7,203文字pixiv小説作品