概要
大魔王ガノンドロフが自らの魔力で造り出した影武者。
『時のオカリナ』が初出で、幽体らしく分身などの戦法を使うことができる。
偽物と言えどガノンドロフを模した存在というだけあり、その実力は決して侮れない。
時のオカリナ
森の神殿に巣食う「異次元悪霊」。
英語表記:Evil Spirit from Beyond Phantom Ganon
大魔王ガノンドロフの魔力で生み出された幻影。
平時はガノンドロフそっくりの姿をしているが、戦闘時には骸骨のような仮面をつけた正体?を現す。
七年の時を越え、大人時代編に入ってからの最初のダンジョンのボスを務める。
子供時代のラストシーンで圧倒された直後だというのに、最初のダンジョンでいきなり敵の親玉の名を冠するボス敵が登場する演出には驚かされたプレイヤーも多かった。
ファントムという名前の通り影武者に過ぎないとは言え、この時点ではかなり強力な部類のボス。
攻撃方法は前後半で2パターンに分かれる。
前半は馬に乗った姿で、部屋の壁に飾られた6枚の絵の中と外を出たり入ったりしながら、飛び出した際に攻撃を行ってくる。こちらは、絵から出ている間に弓矢を使って応戦することになる。
一定のダメージを与えると、馬が絵の中に逃げていき、人型の「本体」との後半戦に突入する。
後半戦は魔法弾の打ち返し合戦で、相手が光の弾を撃ってくるため、こちらはそれを打ち返して応戦することになる。
しかしこちらの打ち返した弾は相手も更に打ち返して来るため、相手のミスを待ちながらラリーを続ける必要がある。
この攻撃はラスボスのガノンドロフも行ってくるため、来たるラスボス戦のチュートリアル的な側面も持っている。
ただし、ファントムガノンとガノンドロフとでは細かな仕様が異なっている。
- ファントムガノン
- どちらかが打ち返す度に光弾の速度が上がる。
- ガノンにヒットした球を打ち返した際の距離の大きさに応じて、スタン時間が変化する。遠距離なら大きく伸びるし、逆に近距離でラリー勝利しても1,2回しか攻撃できない(遠距離でラリーに勝った場合も近距離と同じスタン時間だと接近する間に復帰し攻撃できずに終わってしまうため、その調整が意図されていると思われる)。
- HPが減ると通常の光弾に加え、速度の緩急をつけた弾を放ってくることがある(野球で言えば変化球のチェンジアップのようなイメージで、弾のスピードが無茶苦茶遅い)。
- 光を放ちながらの突進攻撃も織り交ぜて、攻撃手段が一つだけと思わせて油断した所を奇襲してくる形になる。
- 本物のガノンドロフ
- 何度打ち返しあっても常に同じ速度である。
- 距離を取ってラリーを行ってもスタン時間は変わらない。
- たまに5つの弾を一気に放つ攻撃をしてくるが、弾を放つ以外の攻撃行動は一切ない(床を殴りつけて足場を落とす行動をとるが、これはタイミング固定である)。
それまでのボスは「特定の(たいていそのダンジョンで入手したばかりの)アイテムを使ってスタンさせてダメージを与える」というパターンだったが、ファントムガノン第二形態のスタンを取るには完全なるプレイヤースキル勝負になる。
しかも相手の攻撃力はハート1個分もあるので、回復アイテムを大量に用意していても負ける人もおり、ゲームクリアまで行ったプレイヤーからは光弾ラリーは本物より面倒臭い、下手したら本物より強いと言われることもある。
ただし被弾時に受けるダメージは本物の放つ弾の方が圧倒的に大きくなってはいる。
なおこの弾は空きビンで打ち返すことも可能。
ただしリーチが短いためタイミングは非常にシビアで、実用的かは微妙。
前作のバグを制作が公式ネタとして盛り込み直した要素としての側面も大きい。
倒した直後に、ガノンドロフ本人からのメッセージで、このガノンは幻影に過ぎないと告げられる。ファントムガノンは本物から「不甲斐ない奴」と一蹴されリンクの目の前で、次元の狭間へと消し去られてしまった。いや不甲斐ないのは作ったアナタでしょ…
風のタクト
二度目の魔獣島侵入とガノン城で何度か戦うことになる。
後に大怪鳥ジークロックや本物のガノンドロフが控えており、中ボス的な存在。
今回は馬もいなければ槍も持っておらず剣を片手に襲い掛かってくる。
最初から魔法弾の打ち返しが始まるのでさっさと打ち返して倒してしまおう。
ガノン城でのしつこいぐらいの連戦は、道さえ知っていれば無視もできる。
この作品でも空きビンによる打ち返しは出来る。
4つの剣+
4つの剣+にもボスとして登場。本編のファントムガノン戦が一対一で魔法弾を弾き返し合うテニスやバドミントンのようであったのに対して、こちらはガノンの魔法弾をプレイヤー全員でお手玉して返すバレーボールのような趣となっている。最初に戦うボスでもあるため手強くはないが、プレイヤー全員にミスのない連携を強いる初心者泣かせでもある。
が、その後もゲームをしばらく進めていると再びボスとして登場。またかと思っていると、今度は瞬時に4体に分身。4つの剣ってレベルじゃねーぞ!
ホレホレホレホレと言いたげに4体で大剣を振り回しているが、倒すべき本体は一人だけ。落ち着いて対処しよう。
ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ
「風のタクト」のものが巨大魔獣として登場する。レジェンドモードではメインストーリーの後日談を描いた「風のタクト編」で異変の黒幕として登場し、闇の世界に封じられていたシアから魔力を奪い取った。更にそこから得た情報でラナから力のトライフォースも奪って転生の扉を開き、ハイラルの一部を風のタクトの世界に上書きしてしまった。そしてジークロックを遣わすなどして侵略行為を始め、風のタクトの世界を支配しようとした。
行動パターンは2段階で、体力が多いうちは魔法弾を放ち、体力が減ると二刀流での肉弾戦に移行する。魔法弾の撃ち返し合戦に勝利すると倒れてWPが出るので叩く感じになる。二刀流モードになると魔法弾はまったく使わなくなるので、背後から殴ってダウンさせることになる(正面からだとガードされる)。また魔力解放から繰り出す必殺技でダウンさせWPを作るという手もある。
シリーズの中ボスからラスボスに格上げされた珍しい例である。
ブレスオブザワイルド
ファントムガノンそのものは登場せず、代わりに似たような立ち位置の敵としてカースガノンが登場する。
その後、DLC第2弾で『時のオカリナ』仕様のファントムガノンになりきれる「ファントムガノンの兜・鎧・具足」が登場。
セットで装備すると敵に気付かれにくくなる以外に「ガイコツ変装」と「骨武器得意」のセットボーナスが付与され、スタル系の敵に襲われなくなる。
ティアーズオブザキングダム
中ボス級の敵として登場。
外見は、全身が赤黒いミイラ状態のガノンドロフ。ガノンドロフ曰く「我が血肉から生まれし人形」。
戦法は、武器を持った本体がひたすら向かってきて直接攻撃してくるだけという 脳筋パターン。
攻撃力は高いが、挙動が素直なので慣れれば見切りやすく、中ボスの中では特別に強い部類ではない。
ただし本人の足元に瘴気が常に広がっており、触れるとハートの最大値が瘴気ダメージを受けるので接近しづらい。
本体へ何らかの攻撃を加えると足元に広がる瘴気が一時的に小さくなるため、遠距離攻撃するなどして瘴気が縮んでいる間に間合いを詰める、というのが戦い方の基本となる。
倒すと、「魔王の弓」「闇の塊」およびその個体が持っていた「瘴気の武器」の3点セットをドロップする。
瘴気武器は剣、金棒、槍の3種類があり、それぞれ高い攻撃力を持ちつつも使い続けると瘴気ダメージを負うデメリットがあるが、スクラビルドの素材として利用する分にはデメリットを無視できる。
魔王の弓は現在のハート最大値で攻撃力が変動する特殊な弓であり、最高60もの威力を持つ(瘴気ダメージでハートを削られるとその分低下する)が、瘴気武器のようなデメリットは一切ない。
闇の塊は名称からして怪しさ満点だが、実はれっきとした調味料食材。これを混ぜて調理すると瘴気ガード効果(瘴気ダメージを最高でハート3つ分無効にする)を持つ料理を作れる。
メインストーリーで1体は必ず倒すことになるが、フィールドでも遭遇することができ、またサブイベントの中ボスとして登場する。
メインストーリーでは、終盤のハイラル城探索時に登場。
4つの地方の異変を解決した後、ゼルダ姫を探すべくハイラル城へと乗り込んだ際に戦闘となる(出現場所自体へはいつでも行けるが、4地方をクリアしていない限り絶対に出現しない)。
ここでの戦闘では後述の前哨戦が無い代わりに他で出現するものより体力が多く、かつ途中から分身した状態で襲い掛かってくる。
これまでに出会った仲間たちの力を借りて戦う胸熱な展開となるため、仲間の力をうまく活用し、囲まれて袋叩きにされるのを避ける立ち回りを行いたい。
なおハイラル城を探索せずここのファントムガノンを倒さないまま直接ラストダンジョンへ乗り込むことも可能ではあるが、その際はラストバトルの前哨戦としてこの個体が登場する(これは各地方のメインボスたちも同様で、倒していないボス全てと連戦することになり、武器や料理の消耗が必至で非常に負担が大きい)。
フィールドで登場する際は、まず前哨戦として地面に広がる赤黒い瘴気の沼から生えた5本の瘴気の手「瘴気魔」との戦闘から始まる。
この瘴気魔はフィールドに複数ある決められた出現地点を通りかかった際に湧く敵で、唐突な登場の仕方とおどろおどろしい演出が抜群のインパクトを誇る、今作屈指のトラウマモンスターである。
瘴気魔からは逃げ切る事も可能で、その場合は「闇の塊」をドロップして消滅してしまうだけだが、逃げずに5本すべての腕を倒すとそのまま本命のファントムガノンが出現し連戦となる。
またコログの森のサブストーリーでも登場。
森にいたコログ達を瘴気によって自我喪失させた張本人で、デクの樹サマの体内へと入り込み、瘴気によって意識を失わせ、そこから地面に開けた深い穴に潜んでいる。
こちらも瘴気魔戦からのスタートとなり、ファントムガノンまで倒すとデクの樹サマとコログたちが正気を取り戻し、コログの森の様々な施設が機能するようになり、またデクの樹サマがマスターソードの存在を感じ取って在り処を示すサブチャレンジが発生可能になる。
なお前作にあった『時のオカリナ』仕様のファントムガノンをモチーフとしたなりきり装備は今作でも続投しているが、今作のファントムガノンとはデザインが全く異なるため、装備品の名称が「異次元悪霊の兜」のように『時のオカリナ』での二つ名を拝借したものへと変更されている。
前作同様に「骨武器得意」の効果を持つが、強力な骨武器が制作可能になった今作ではその価値が大幅に増しており、料理効果の攻撃力UPと重複させられることもあって理論値最強を求めるロマン派プレイヤーのお供となっている。
漫画版
神々のトライフォース
かぢばあたるが担当した神々のトライフォースでは2巻から登場する。魔術によって創られたレプリカモンスターであり、容姿はガノンとまったく同じ(封印戦争時代の技術であり、レプリカガノンは最近創られた新型)。
盗賊ブラインドが敗れた後、置き土産として登場。凄まじい防御力を持っているためリンクたちの攻撃でも傷一つ付けられなかった。そのままリンクたちを圧倒するが、リンクの剣がたまたま頭部の制御帯を破壊したことで機能停止する。
時のオカリナ(姫川明)
姫川明が担当した時のオカリナでは上巻から登場する。ガノンドロフに呼び出され時の勇者の抹殺を指示された。
サリアを助けに森の神殿にやって来たリンクとミドに対して絵の中からいきなり襲い掛かって来る。不意打ちをかわされた後も絵の中に逃げ隠れする戦法でリンクを翻弄して追い詰めた。
そこへミドが見つけた妖精の弓がリンクの手に渡り、絵の中から出てくる瞬間を射抜かれて消滅する。
余談
時のオカリナ百科のシナリオでは「こどもリンクの頃は使えなかった弓矢で倒したことで今の自分を少しだけ誇らしく思えた」としてリンクが自信を持つ理由付けになっている。
過去作のコミックス版にも「ガノンの分身(あるいはコピー)」という設定の敵が複数登場している。
『時のオカリナ』のファントムガノンの笑い声を再生速度を早くするとポウと四姉妹の幽霊の笑い声と同じになる。