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概要

ゲーム本編におけるガノンドロフの活躍はこちらを参照。

多くが古い作品のため現在では入手困難である。

物語の要点やネタバレまで含めて記載しているため、これから読みたいという方は閲覧注意

ゲームブック「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」

本作では名前が“魔盗賊ガノンドロフ”となっている。

しかし著者が名前を間違って覚えているようでたびたびガノンドフと言われる。リンクの最期の決め台詞まで名前を誤字っているので台無しに。

小説「ゼルダの伝説②_神々のトライフォース

冒頭のカラーページにてガノンドロフ時代の容姿が描かれている

この頃は時のオカリナこそ発売していないが、時のオカリナのガノンドロフの容姿にかなり近い。

田口順子「神々のトライフォース

冒頭にて盗賊時代のガノンドロフが描かれた。

原作と同じく盗賊団のリーダーだが、偶然から聖地の入り口を発見したのではなく探し当てたようである。

外見は金髪(もしくは銀or灰色の髪)の大男で、前髪は額が見えるくらい分けられていて、後ろ髪がやや長め。まだ『時のオカリナ』が出る前だったこともあり容姿はまったく異なる。当然ゲルド族の設定自体がないためハイラル人である(神トラの説明書では「ハイラル人」表記)。ただし「額が出たオールバック」「屈強な体格」という点は一致する。

冒頭にて聖地の入り口を発見すると、「もうお前たちに用はない」として鎖鎌を用いて部下たちを次々と虐殺。トライフォースを独占する。しかし、そこに映った己の醜い姿を見た時、彼の姿形は醜悪なブタの化け物となってしまった。

ついには心まで卑劣で卑小なブタに成り下がり、最終決戦では敗色が濃くなると泣いてリンクの足に縋りつき、命乞いしてから不意打ちで倒そうするも失敗して死ぬという結末を辿った。

このようにユーザーの中にあるガノン像とはかなり異なったキャラクターになっている。

ちなみに名前が「ガノンドルフ」と誤記されている。

「背後から不意打ち、騙し討ちなど卑劣な手段を用いるガノンドロフ(これまでのユーザー像とは異なるキャラクター)」

「過去にマスターソードを持つリンクと戦い破ったことがある」

という設定のガノンドロフは、後の作品で登場している。

かぢばあたる神々のトライフォース

登場するのはガノンとしての姿のみだが、彼が聖地へ侵攻する前に犯した悪行が語られている。

とある村に住む青年カニカ(オリキャラ)がハイラル王宮に王室学士として迎えられると聞きつけたのか、村を焼き払いカニカの両親や村人を殺害。カニカを無理やり参謀に加えた。以後カニカは600年に渡ってガノン(とその配下であるアグニム)に支配され続けることに。

その後についてはガノンの記事にある項目を参照。

なお「ガノンドロフが聖地に侵入する過程で主要人物の親を殺害し故郷を焼き払う」という行為は、時のオカリナで描かれている。

同じく「主要人物の家族や仲間を殺害して故郷を滅ぼし結果的に自由を奪った」というのもこのキャラで描かれている。

谷上俊夫「時のオカリナ」

90年代にハイパーコロコロに掲載されていたコミカライズ版。全2話。

リンク、ゼルダ姫と擦れ違った際に無言で礼をするなど不愛想かつクールなキャラ付けがされている。

4コマ航海記

風のタクトの唯一のコミカライズ作品。ギャグマンガではあるが一貫してクールなキャラとなっている。彼の存在自体がネタバレの上、終盤にて判明する諸々の謎が明かされるため未プレイの方には重大なネタバレになってしまう。

ただし最終決戦までは描かれていない。

姫川明

時のオカリナ

元のゲームよりも出番が増えており、7年後の髪型も原作よりも長髪にされている。

戦闘では剣(太刀に近いデザイン)を使うという独自のバトルシーンも描かれた。ゲームで使った「拳を打ち付けて床を落とす」という技は、床を砕いて穴を開けるという描写になっておりクーデターを起こした際に使用している。

普段は年相応に落ち着いた態度を見せており、クーデターを起こす前はゼルダ姫に対しても腰を低くして礼儀正しくしていた。

自身も服従する者に対しては寛大であり、シーカー族のシークに関しては「遠い昔にハイラルから追放されたシーカー族の末裔が王家の崩壊を聞いて戻って来た」ということで部下として手元に置いている(ただし疑問はあったようで「なぜオレに仕える? (王家への)復讐か?」と問うている)。

シークから精神的に弱った時の勇者の始末を進言された時も監視を続けるように告げるなど、目先の勝利に釣られることなく冷静な判断が下せることが窺える。

しかし激昂の面も多く見せており、「時の勇者がいずれあなたを倒す」と告げた幼少のゼルダ姫に怒りを抱き殺そうとしたり、インゴーがガノンドロフに献上するはずだったエポナ(馬)が手違いからリンクに渡った時は反逆罪として処刑しようとするなど、刃向かう者・不利益をもたらした者に対しては一切容赦しない。

この性格は後述の『トワイライトプリンセス』にも見られ、歪んだ憎悪を抱くに至っている。

初登場時にはリンクとゼルダが出会った中庭に姿を見せており、三者が一堂に集うというシチュエーションが描かれた。この時はゼルダに対して恭しく振る舞い、時のオカリナの所在について問うが取りつく島もなく追い払われた。

クーデターを起こした際はゼルダとインパを追い詰めるが逃げられてしまい、二人を部下に追わせる一方で、自身も馬を駆り二人を追跡する。そこへリンクと遭遇し、時のオカリナを渡されたのを見て奪い取りにかかる。リンクをあっさりとねじ伏せると、サリアのオカリナを持ち去った。その後、リンクが聖地に封印されたのと入れ替わるように聖地を訪れ、力のトライフォースを手にした。

後にオカリナが偽物だと気づき、自身の影から生み出した悪霊ファントムガノンを大人リンクへの刺客として仕向けるが失敗。次に呪いで洗脳したヴァルバジアをリンクへの刺客にするがこれも失敗に終わる(ちなみにヴァルバジアは幼体の頃、こどもリンクとは友達だったという独自設定がある)。シークから旧友を殺して動揺している今が攻め時と進言されるが、ガノンドロフは監視を命じるにとどめ「時の勇者とゼルダを絶対に引き合わせてはならない」と告げた。

配下のインゴーは、ガノンドロフに献上するはずだったエポナをリンクに取られてしまったため、裏切り行為とみなされて処刑されるはずだった。だがツインローバが待ったをかけ、洗脳したことでリンクへの刺客となった。ガノンドロフも「面白い」ということで認めた。

その後、シークの正体が露見するとすぐさま捕らえ、時の勇者を誘き出す餌として利用した。この素早い行動は、時の勇者を泳がせておけばいずれゼルダ姫が接触してくるだろうと見当をつけていたからである(一方でシークには「リンクとゼルダを逢わせてはならない」と告げており、できることなら離れ離れの内に確保したかったようである)。

リンクとの決戦では徒手空拳、魔法、剣と豊富な戦闘技術を披露した。しかし鍔迫り合いではリンクに圧されており、分が悪いと見て電流魔法を流して押し返す。この時にリンクから「卑怯だぞ」と言われ、「退魔の剣でオレの魔法を切ったらどうだ」と挑発する。これが仇となって魔法弾を跳ね返され、それを弾いた隙を突かれマスターソードによって切り裂かれた。

その後、リンクへの怒りから力のトライフォースが暴走しガノンへと変貌。最後の戦いを繰り広げる。

ちなみに「ガノンドロフが剣を使ってリンクと戦う」というシチュエーションは、のちに発売されたトワイライトプリンセスにて描かれている。しかも鍔迫り合いのシーンまできっちりある。

「太刀に似た剣を所持している」というのもティアーズオブザキングダムのガノンドロフが該当する。

付け加えると電撃をまとった剣でリンクが感電するのはこいつとの戦いで描かれている。

神々のトライフォース

封印戦争のイメージとして人間時代のガノンドロフが描かれた。影が掛かっているため顔立ちははっきりしないが、シルエットは時のオカリナの7年前に近い。

盗賊団との殺し合いの末にトライフォースを手に入れ、その歓喜の哄笑はハイラルまで届くほどだったという。

しかし現在は、欲望だけが暴走した猪の怪物ガノンになり果ててしまっている。アグニムと交信して配下にするなど知恵は回るが、トライフォースに対する執着心は凄まじい。

トワイライトプリンセス

長らく間を開けたがトワイライトプリンセスの連載に伴い再登場。時のオカリナの時と比べると憎悪と復讐の権化と化している。

力のトライフォースを通して「時のオカリナのガノンドロフの記憶(7年前と7年後)」を持っている。このため自分が聖三角の輪廻にいることを自覚しており、リンクの息の根を完全に止めることで勇者の魂の転生を止め、忌まわしい鎖を断ち切ろうとしている。

逆にゼルダ姫に対しては恋愛感情を抱いており、磔にしていた彼女を解放して茶会の席に誘っている。そこで仲間になるように誘いを掛けるが、ガノンドロフの感情に気づいたゼルダ姫に険しい表情で跳ね除けられる。だがますます気に入ったと笑い、ゼルダ姫を唖然とさせた。

リンクとの対決時には「ゼルダ姫は喜んで協力してくれた」と大ウソを吐いていた(無論即座に見破られた)。

当面の目的はハイラルの滅亡。そうすることでハイラル王家と『リンク』への復讐を果たそうとする。特に『リンク』に対する憎悪は凄まじく、『リンク』さえいなければ世界を支配できていたと語る。

最終的には3つのトライフォースを得ることで完全体となり、すべての世界(恐らくは光と影の両世界)を支配すると語る。

一人称の多くが“俺”になっていて「時のオカリナの記憶を持つガノンドロフ」であることが強調されている。

ザントを傀儡として表舞台には出なかったが、黒幕として何度か姿を見せている。

7巻ではハイラル城に捕らえていたゼルダ姫を解放するとお茶会の席に誘い「リンクとゼルダはいつも仲良く共謀する。不公平だ」と言ってゼルダ姫を仲間に誘うなど執着心を見せる。それを見抜いたゼルダ姫には取り付く島もなくはねのけられるが、ますます気に入ったと笑うのだった。

10巻では復讐の序曲として無数の魔物たちをハイラル各地に解き放ち、人類の滅亡に向けて動き出す。特にレジスタンスが駐留している城下町は激戦区となった。圧倒的な手勢の前にレジスタンスはほぼ壊滅状態となる。

そこへリンクとミドナ、そしてオリジナルキャラクターたちが駆け付け形勢を押し返す。更に改心したキングブルブリンまでリンク側に立つ。こうしてハイラル城・王の間に乗り込んで来たリンクとついに対峙する。

「トライフォースは世界を創生した時、神が地上に置いた〝黄金〟だ」

「触れた者の最初の願いを形にする」

「〝汝望むものあらば、我もまたそれを望む〟」

「どんな願いかではない。願い―――。すなわち神の意思。それがトライフォース」

「俺が支配者となる事が神の意思なのだ!!」

手始めにゼルダに憑依してリンクに襲い掛かる。リンクにはゼルダを攻撃することができず、それを利用して攻め立て圧倒。『リンク』への恨みつらみを語り、「骨を砕き、内臓をえぐり、お前の苦悶の叫び声を時をかけて楽しんでやる」と告げる。しかし加勢に現れたミドナによってゼルダと分離させられ、今度は魔獣ガノンとなってリンク&ミドナと対峙。リンクもまたウルフリンクとなって激突する。戦いはミドナの手助けを得たウルフリンクに分があり、壮絶な攻防の末に心の臓を食いちぎられる。

しかし心臓から再生を果たし、今度は本気を出したミドナと激突を繰り広げる(戦闘描写はない)。

11巻では軍配はガノンドロフに上がったことが判明。平原に転移したリンクとゼルダ姫の前でミドナの兜を砕き絶望を味わわせる。

そして漆黒の騎馬に跨りリンクへと襲い掛かる。リンクもまたミドナを殺された怒りで冷静さを失っていたが、ゼルダ姫の呼び掛けによって正気を取り戻し、そこへエポナが駆け付けたことで騎馬戦を開始する。

ガノンドロフはゼルダの弓術を褒めながらも光の矢を容易くかき消し、「所詮は令嬢の手慰み」と嘲笑いながら勝負を付けようとする。しかし攻撃に出る一瞬の隙を逃さなかったゼルダ姫に胸を撃たれ、続けてリンクの斬撃によって落馬する。優位に立ったリンクだが、あえて追撃はせずガノンドロフが態勢を立て直すのを待っていた。

長き時を得て対峙した勇者と魔王。互いに憎悪と憤怒を燃やし、最後の一騎討ちを繰り広げる。

互角の剣戟を展開する中、ガノンドロフは「魔王は必ず復活する。つまり勇者は毎回、敗北しているのだ」と精神的に揺さぶりを掛け、リンクをひるませることに成功。一気に勝負を付けようとする。

だがそこへ思わぬ援軍が現れリンクを救う。それはかつてガノンドロフと死闘を繰り広げた時の勇者であった。更には先のゼルダ姫の一撃によって魔力の源を破壊されていたことを見抜かれ、不利を隠すための脅しに過ぎないと指摘される。

激昂するガノンドロフだが二人の『リンク』には敵わず、師弟が放った回転斬りによって膝を突く。

リンクの成長を見届けた時の勇者は、無念を晴らすと共に天へと昇って逝った。しかし魔王は未だ健在であった。

己を不死身と信ずる執念によって立ち上がり、再びリンクと剣をぶつけ合う。

先に一撃を与えたのはガノンドロフであった。その一瞬を逃さず怒涛の連続攻撃をリンクに見舞い、倒れたのを見て「俺は闇の王。誰も俺に勝てる者はおらぬ!!」と勝ち誇る。

しかしリンクもまた執念によって立ち上がり、正真正銘最後の激突を展開。互いに防御を捨てた撃ち合いの末、今度こそガノンドロフは地に付す。その間隙を突いた勇者の一撃により魔王は胸を貫かれ敗北した。

決着を付けたリンクだがそこに安堵の表情はなく、「ガノンドロフを倒してしまうから終わらないのではないか」、「おれに、やつを斬る資格があるのか」、「悪も、立つ側が変われば正義。正義もまたしかり、悪なのだ」と悟る。

そしてリンクが見出した答えは……知恵、力、勇気――三つのトライフォースが安定を保つことで本当に戦いが終わるのではないかというものだった。

「ここに、そんな調和などいらん」

「“力”がいらぬ者など、いなかろう」

「人間がこの地上にはびこる限り。この俺は必要とされ、再び復活するのだ」

「何度倒されようと滅ぶ事など、ありはしない」

「ゼルダ姫………」

「また、いつか。再び会える日を、楽しみに待つとしよう」

立ち上がったガノンドロフは、これまでの狂気が嘘であるかのように穏やかな表情を見せながらリンクの答えを否定。ゼルダに別れの言葉を紡ぐと同時に自ら死を選ぶのだった。

「過去の時代に封印されていたガノンドロフが、ある事情からリンクとゼルダのことを知っている(特にリンクのことは敵として意識していた)」

「最後の一騎討ちの際、封印戦争を得て変わり果てた存在がリンクに助太刀したことで劣勢となる」

というのは形を変えて後の作品で描かれている。

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