曖昧さ回避
- 『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』に登場するキャラクター。本項で解説。
- 『夢王国と眠れる100人の王子様』に登場するキャラクター。
概要
英語表記:「Usurper King Zant」
CV:北島淳司(トワイライトプリンセス)、玉木雅士(ゼルダ無双)
影の世界の実質的な支配者。「トワイライトの王」を僭称する。
常に仮面で顔を覆っており、素顔は見えない。
影の使者達を従え、己が信じる神のためハイラルをトワイライトに飲み込ませようと画策する。
かつては影の世界の王家に仕えていた臣下。しかし野心家であり、かつての祖先たちと同じ過ちを繰り返すことを危惧した影の世界の王により、失脚させられる。
そのショックの最中に神と出会い、その怨念と憎悪が宿り、力を授かった事で謀反を起こした。
そして影の世界の住民たちを影の使者に変え、ミドナの力を奪い、影の世界の王となった。
しかし、選ばれた真の長ではなかった為、光と影を繋ぐ陰りの鏡を完全に破壊することはできなかった。
だが影の世界の王の座を奪っただけあって能力は高い。
作中の動向
ゼルダ姫の回想シーンにて初登場。
影の使者を引き連れてハイラル城に攻め込み、ゼルダ姫に降伏か死かの選択を迫った。
物語中盤にて湖底の神殿を後にしたリンクとミドナの前に現れる。
リンクと光の精霊ラネールを返り討ちにし、ミドナを空中に磔にする形で束縛。
ミドナに近付き…
「私はお前が……欲しい。我が一族のためにもお前の力を貸しておくれ」
と耳元で囁く。
これをミドナに拒否されると彼女を無理矢理光の世界に実体化させ衰弱させた。
今度は砂漠の処刑場にて再登場。自らの魔力で生成した剣を怪物の白骨死体に突き立て、蘇生古代獣ハーラ・ジガントとして復活させリンクに差し向けた。
そして物語終盤、影の宮殿の最奥部で玉座に座りながらリンクとミドナを待ち構えていたが……。
※以下ネタバレ注意
衝撃の素性
ザント本来の性格や姿は王らしからぬネタキャラである。
まず、終盤で明らかになる仮面の下の素顔(画像右側)が「ウルトラマンの出来損ない」とか言われている。
それだけならまだしも謎の動きをしながら、自身の怒りをミドナにぶつけた。
戦闘面でも非常におかしく、十字架から落ちた時のポーズは間抜けだったり、足にチェーンハンマーをぶつけると、リンクよりも小さな姿になったり、力任せに曲刀を振る姿は素人同然の動きであった。
結果ザントはゼルダシリーズの屈指のネタキャラとして「残念王」と呼ばれることになった。
中盤で突如登場して「なぜ王に逆らう?」とか、ハーラ・ジガントを復活させて去っていったあのカリスマ性はなんだったのか。
まあミドナを相手に「私はお前が……欲しい」と耳元で囁きかけていた時点で、彼のアレな一面は仄かに垣間見えていたが。
物語終盤で影の世界に乗り込んできたリンクに敗れ、最期はミドナによって完全に止めを刺される。
その後、ガノンドロフとの戦いに決着が着いた際には、ガノンドロフの見た幻覚として登場。その際には、自らの首をへし折る(コキっと曲げる)ような謎の演出がなされ、それを見たガノンドロフも同時に絶命している。
ちなみに、このシーンにどういう意図があるのかはスタッフの大半もわからないと、青沼英二氏のインタビューで明らかになっている。
ゼルダ無双において
「トワイライトプリンセス編」の影の宮殿ステージにボスとして登場する。「黒の魔女編」ではシアから協力を申し込まれるも拒否し、対決の末に敗北。負けを認めて配下となった。
ラナに敗れた後、闇の世界を漂っていたところをギラヒムと共にガノンドロフに救われ配下に迎えられる。以後は「神」の先兵としてハイラル侵略の手伝いをする。ストーリー終盤ではギラヒムと組み、ゲルド砂漠に乗り込んで来たリンクたちと交戦。戦力的に有利だったこともあり自分たちの偽物をけしかけ、安全な場所で高みの見物をしていた。しかし窮地に立たされたラナが異世界の仲間たちを呼んだことで形勢逆転される。最期はギラヒム共々討たれ、今度こそ復活することはなかった。
強いが、やはり奇声とコミカルな動きが目立ち、プレイヤーからはまるでマスコットキャラクターのアイツを彷彿させたユーザーも少なからず。苦戦状態となると「神よお助けください!」と悲鳴を上げる。
ある条件を満たせばプレイアブルキャラクターとして登場。武器は2本の曲刀。
散々残念扱いをされているザントだが、どういうわけか無双では結構な強キャラである。
各種強攻撃を連打することで専用に用意されたゲージが溜まる。
その状態で特殊攻撃を使うと、強攻撃ボタン連打でトワイライトプリンセスでも見せた魔法弾の連射、弱攻撃ボタン連打で最終決戦で見せたあの高速回転が出来る。
特に高速回転が強力で、敵を巻き込みながら凄まじい勢いで連続ヒットする為、ザコからボスに至るまで一気に体力を削り取ることが出来る。
強攻撃もザコ掃除に向くもの、巨大魔獣に有効なもの、素早く拠点制圧できるものと便利なものが多く、戦況に合わせてオールマイティーに戦うことが出来るという、残念王の汚名を返上できる使いやすさである。
しかし、強攻撃を連打しすぎてゲージが振り切ってしまった場合、攻撃が中断されて隙だらけになってしまうため、使用する際にはゲージの管理をつねに念頭にいれておく必要がある。
余談だが、ゼルダ無双のザント、ギラヒムは攻撃モーションの凝りっぷりが素晴らしいと評判である。
スネにチェーンハンマーを食らった時どころか、とあるムービーにちょろっと出ただけの土下座まで取り入れるとはだれが考えただろうか。
漫画版
「ミドナ。おお、愛しき…我が姫君よ………。
早くこの手に、抱きしめたい。今度こそ私達は、ひとつに………。」
姫川明氏のコミカライズ『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』では大幅に出番が増えている。
原作通り影の王に仕える家臣であり、ミドナの家庭教師でもあった。
完璧主義者でもあったため、自分がミスをしてしまった時には非常に悔しがっており、その様を見ていた当時まだ幼かったミドナにからかわれていたりもしていた模様。
自己肯定感が強く、光の世界の者たちから“差別”されている立場を悔やんでいる。また光の世界に対して報復しない王家にも侮蔑の感情を抱いていた。これが反乱を起こした理由とされる。
やがて王が亡くなるとザントを後継者にという声もあったが、最終的に長老たちによって王位はミドナに決定されたが、そこでなんとしても王位を継ぎたかったザントはミドナに求婚してきた。
この求婚は長の魔力を欲しての事だったが、後々のミドナとの問答より歪んではいたものの本当にミドナに女性として惚れていたようだ。ミドナの姿を変えたのも愛情の裏返しとのこと。
6巻ではマスターソードの力に溺れ、自らの暗黒面であるダークリンクに惑わされたリンクに勝利する。金色の狼の介入に恐れをなして撤退した。
9巻ではついにリンクとの決戦を迎える。
様々な戦法を披露するも完全に圧倒され、リンクを全てに恵まれた正義面と罵倒したことで怒りを買って殴り飛ばされる。そこでザントは「リンクは自分を信じてキラキラした瞳をしている。私にはそうすることが出来ない。だからどうしても嫉妬してしまう」と本心を吐露する。
リンクから和解の手を伸ばされたが、たぶらかして地位を奪うつもりだと玉座に縋り付いて拒否。ミドナからも「ガノンドロフは神なんかじゃない」と説得の言葉を掛けられたが、ミドナの呪いは解けないと挑発したことで逆鱗に触れトドメを刺された。
ミドナには最後まで軽蔑されたままだったが、直前の戦いの中での問答でお互いにある意味での理解者となっていたリンクには同情された。
なお、原作にあったザントが首をへし折るようなシーンは雰囲気に合わないと思われたのかカットされている。
関連タグ
ハイネス…星のカービィシリーズより。素顔が変な顔だったり、狂気じみた動きと奇声を発しながら主人公に襲ってくるという点が共通している。