古の勇者

いにしえのゆうしゃ

古の勇者とは『ゼルダの伝説トワイライトプリンセス』に登場するキャラクター。

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目次 [非表示]

1 概要

2 容姿

3 彼の正体および過去(ネタバレ注意)

3.1 正体

3.2 過去

4 漫画版

5 余談

5.1 『時のオカリナ』エンディング後のリンクがどうなったのかについて

5.2 シリーズ内の余談

6 関連イラスト

7 関連タグ

「怯まずに進め、我が子よ！」

概要

「勇者」として生まれながら歴史に名を残す事ができず、そのことが心残りでこの世に留まっている亡霊で、過去作における奥義習得のイベント要員。

ハイラルの各地に存在する石碑「ウインドストーン」にウルフリンク状態になって近づくと遠吠えイベントが発生し、成功すると出会うことができる。

この時代のリンクをハイラルを救う「黄昏の勇者」へと導くべく、自身が持っている7つの「奥義」を授けていく事になる。

容姿

スタルフォスの亜種のような姿で、一般的なスタルフォスとは違い、片目だけが赤く光っている。

本作のリンクと同様、狼の姿に変身することができ、こちらは金狼の姿になる。

彼の正体および過去(ネタバレ注意)

※以下、『トワイライトプリンセス』中盤以降やシリーズそのものに関するネタバレあり!!

※ゲーム未プレイの方は今すぐブラウザバックをお願いします。

正体

実は、かつてハイラルやタルミナを救った「時の勇者」の成れの果て。つまり、『時のオカリナ』や『ムジュラの仮面』の主人公として登場したリンク本人である。

このため、利き手に関してもリンクと同じ左利き（※左右反転の世界になっているWii版では右利き）となっている。

「勇者として生まれながら後世に名を残せなかった」というのも、ゼルダと共にガノンドロフの野望を阻止し、「勇者と魔王の戦い」が2度と起こらない世界を作ったため。（そのため、歴史改変が起きてしまった。）

一方、大人時代の世界では「時の勇者の伝説」なるものが存在しており、その未来の世界では伝承として語り継がれている。

『トワイライトプリンセス』のリンクの事を「勇者の血を引く者」と呼んでいるが、後に発売された『ハイラル・ヒストリア』にて、『トワイライトプリンセス』の主人公を務めるリンクは彼の遠い子孫にあたる事が判明した。

勇者として名を残す事は出来なかったが、奥義を子孫に伝え、自分が生きた証を残して次の勇者にバトンを渡す事が出来たという事実が、彼にとっては最大の救いなのかもしれない。

過去

生まれてすぐに父と母を失い、ハイリア人でありながらコキリ族として育ち、さらにハイラルを救う勇者としての宿命も背負わされてしまう。

紆余曲折がありながらもガノンドロフを倒した後は、ゼルダ姫が吹く時のオカリナによって、元(7年前)の時代へと帰っていった。

元の時代に帰還したリンクであったが、その生涯は余りにも悲哀に満ちたものであった。

自身にとっては第二の故郷であるコキリの森には(自身がハイリア人かつ大人に成長する事もあって)帰ることも出来ず、さらに自身がゼルダ姫との初対面を果たした時間軸へ帰還したため、これまでの冒険の中で知り合った人達とも初対面の関係になってしまう。

その後は自身が大人時代の世界で体験した出来事をゼルダ姫に伝え、それによってガノンドロフのクーデターを未然に阻止したため、『時のオカリナ』本編で起こった出来事も実質的に消滅した。

そのため、ゴロン族の族長であるダルニアからは「キョーダイ」と呼ばれる事が無ければ、ゾーラ族の姫君であるルト姫にも好意を抱かれる事もない。ちなみに、リンクの幼馴染でコキリ族のサリアは、前述の事情が原因で最終的に身を引いた可能性が高い。（リンクがコキリ族でない事に前々から気付いていた節が見られる為。）

リンクとの関係が変わらない(と思われる)のは、ガノンドロフによる謀反を（トライフォースの力を借りる事以外の方法で）今度こそ共に食い止める事が出来たゼルダ姫と、ハイラル城へ侵入する前に必ず出会い、続編でエポナを譲ってもらう事になるタロンとマロン、後述するムジュラの仮面での事件を通じて再び友情を築く事が出来たスタルキッドくらいである。

『時のオカリナ』の後日談となる『ムジュラの仮面』では、(前述の事情もあり)時のオカリナを持ってハイラルから遠ざかるようにゼルダ姫から言われていた事やリンク個人としても新たな目的が出来た事を理由に（恐らく謀反を阻止した後に）ハイラルを去る事となり、その旅の最中にハイラルとは違う異世界「タルミナ」へと迷い込む事となる。

そして、タルミナで起きた数々の危機を救った後はスタルキッド達に別れを告げ、元の世界へと帰っていった。

しかし、そのタルミナもムジュラの仮面が持つ魔力とスタルキッドの記憶と妄想によって誕生した世界であったため、『ムジュラの仮面』のED後にタルミナ自体が消滅していた事が明かされている。

結局、(時の勇者としての)リンクの活躍を覚えている者はほとんど皆無であり、かつ勇者として名を残せなかったため、勇者と言う自身のアイデンティティを知る者がいないに等しい世界に取り残されるという不憫な末路を辿っていた節が見られるのである。

これでは、死後に未練が残って亡霊となってしまったのも仕方がない事だろう。

漫画版

姫川明氏の漫画版では「時の勇者」…つまり、かつては『時のオカリナ』や『ムジュラの仮面』の主人公として登場したリンクであることを自ら明言しており、物語におけるキーキャラクターのひとりとして活躍している。

ゲーム版からはキャラ設定が一部変わっており、漫画版では時のオカリナでの戦いでガノンドロフを封印した後、ゼルダ姫が奏でた時のオカリナによって、7年前の世界へと戻されたという設定になった。

上記したように、彼もまた『リンク』であり、『時のオカリナ』時の記憶を持つ(トワプリの)ゼルダ姫とは思い合っている。また(トワプリの)リンクとの血縁関係はないという設定に変更されたが、それでも「息子」として見ている。

時が巻き戻された事で「時の勇者と魔王の戦い」は(現在の世界では)無いことになった。しかし、トライフォースを通じて次元を超えた記憶と因縁が(現在の)ゼルダやガノンドロフにも受け継がれてしまい、本来は無関係であるはずのリンクをも巻き込む事となってしまった事を詫びた。

自らの死後は(制限はあるものの)時間・空間・次元を渡る力を得て、金色の狼の姿で影の世界を見張っていた。ミドナとは金色の狼時に交流があり、王女として気の休まる時が全くなかったミドナにとって数少ない理解者となっていた（※ただし、彼が死者であることを含めて、その正体までは知らなかった）。

ザントが反乱を起こした際に消滅させられるも生存しており、後にザントに敗北したリンクの窮地を救った際には驚かれていた。その時は威圧するだけでザントを撤退させている。

かつて、リンクが“ガウロフの剣（※影の世界を封印する蓋）”を引き抜いて（故郷もろとも）影の世界に引きずり込まれそうになった時には、骸骨の剣士の姿でリンクだけを光の世界に戻した。……が、リンクは「死神に引きずり込まれそうになった」と勘違いしてしまい、さらに故郷を失ったショックも重なった事で一種のトラウマと化していた。

その後は技量・精神共にまだまだ未熟なリンクを叱咤激励しつつ、影からリンクやミドナの旅を支えている。

その実力は、マスターソードを手にして「俺は最強の戦士」と舞い上がっていたリンクを圧倒するほど。リンクに奥義である回転斬りを伝授しようとした事もあったが、まだまだ未熟だとして一度は見送っている。

最終巻では、リンクとガノンドロフの一騎討ちの最中に最後の味方として助太刀する。リンクはガノンドロフから「魔王は何度倒されても蘇る。つまり勇者(リンク)は魔王(ガノンドロフ)に勝てない」と聞かされた事で精神力が弱り、その隙を突かれていた。そこに颯爽と現れて救った後は「逆にガノンドロフも魔力の源を失って魔法が使えなくなっている」ことを指摘し、ガノンドロフを動揺させた。

その直後、リンクと共に放った師弟回転斬りでガノンドロフにダメージを与え、膝を突かせる。愛弟子の成長を見届けたことで無念は晴れ、「 血の繋がりはなくともお前は息子だ 」という餞別の言葉を送り、最後はゼルダ姫に見送られながら昇天していった。

密かに復活していたのか、その後のエンディングでは新たな旅に出るリンクに対して（茂みの中から見つめながら）餞別の咆哮を上げている。

余談

『時のオカリナ』エンディング後のリンクがどうなったのかについて

「時のオカリナ百科」のスタッフは「リンクはガノンドロフと戦うという輪廻を繰り返す。みんなは7年後も生き続けるがリンクだけはそれができない。人のために生きる、それが勇者としての使命だから」と推測している。時の勇者が『人のために生きる』という選択をした結果、無念だけが残って亡霊となってしまったと思われる。
『時のオカリナ』『ムジュラの仮面』でディレクターを務めた青沼英二氏は『トワイライトプリンセス』でも担当しており、当時のインタビューで「僕自身は、ゲームの中に「これがオレだ」というのを入れたいところがあって（中略）今回は彼が僕の分身なんです（笑）」と答えている。
その一方で、ファンの間では「時の勇者の子孫として『トワプリ』のリンクが存在しているのなら、時の勇者は誰と添い遂げたのか？」という点について様々な考察がなされている。
- その候補として最も有力視されているのはマロン。『トワプリ』に登場するリンクが牧童である事、「エポナの歌」が後世まで伝わっている事、たとえ『時のオカリナ』での冒険が無くとも良い関係を築けた数少ない人物の一人である事やマロンの父であるタロンからも「嫁に貰ってくれないか？」と言われたことがある事などが根拠として挙がっている。
  - これに加え、『ムジュラの仮面』でのラストシーンの際にお面屋から「アナタもそろそろお帰りになられた方がよろしいのでは...？出会いがあれば必ず別れは訪れるもの。ですが、その別れは永遠ではないはず... 。別れが永遠になるか一時になるか...、それはアナタ次第。」という言葉をかけられている事から、「お面屋の言葉は『タルミナから元の世界に帰る』という意味だけでなく、『友人になってくれた人がいるハイラルに帰ってもいいのでは』という意味もあり、それを受けてハイラルに戻ったのではないか？」と考察する人もいる。

シリーズ内の余談

『トワイライトプリンセス』の発売から17年後に発表されたティアーズオブザキングダムでは、全ての祠をクリアすると報酬として「古の勇者の魂」という名の装備を入手できる。ただし、こちらはゾナウ族とハイリア人の間のような異形の姿をしている。その姿や周囲の反応から見ると、その正体は1万年前に厄災ガノンを封印した当時の勇者である事から、こちらの古の勇者とは無関係である可能性が高い。