概要
CV:瀧本富士子(子供時代)/檜山修之(大人時代および鬼神リンク時)
『ゼルダの伝説 時のオカリナ』および『ムジュラの仮面』に登場するリンク。
コキリの森に住む少年で、コキリ族でありながら妖精を持たずにいたため、周りからからかわれたり、友達のサリアからは心配されていた。
実は彼はコキリ族ではなくハイリア人であり、妖精が現れなかったのもそのため。
十数年前にハイラルが戦火に包まれた際、母親によってコキリの森まで逃がされていた。この赤ん坊に数奇な運命を見たデクの樹は、素性を隠してコキリ族として育ててきたのだった。
容姿
『時のオカリナ』(子供時代)・『ムジュラの仮面』
シリーズおなじみの緑の服を着ており、実質的なワンピース。
作中のコキリ族は女も男も(※)この格好をしており、どうやらある種の民族衣装という設定らしい。
※:ミドをはじめとする男のコキリ族は全員ズボンも併用して着用しているので、男で下半身がスカート状なのはリンクのみである
当初は服の下に何を穿いているかについては定かではなかったが、
後述する『大乱闘スマッシュブラザーズDX』に参戦した際には、服と同じ色をしたスパッツのような短パンを身に着けているのが確認できる(『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』、『ゼルダ無双』、及び『ゼルダの伝説 時のオカリナ3D/ムジュラの仮面3D』でも同様のインナーを着用しているが、64版ではその部分が作られていないため、それと同様のインナーを着用しているようにも見える)。
とはいえ資料等で明確に言及されているわけでも無いので、(特に二次創作上では)描き手次第で下穿きの種類が変わる事もしばしば。
『時のオカリナ』(大人時代)
大人時代になっても緑色の服・帽子のままだが、新たに白いインナーと白いタイツみたいな下着が追加されている。
また、防具として茶色い篭手のようなものと、アクセサリーとして耳元に青いイヤリングを身に着けている。
活躍
時のオカリナ
ある日突然、妖精のナビィが現れ、運命に導かれる形で時を超えた冒険へと旅立つ。時を操るその勇姿から、後世では「時の勇者」と呼ばれるようになる。
ゼルダ姫からガノンドロフがトライフォースを狙っていると聞かされ、その野望を阻止すべく聖地への扉を開くも、マスターソードを引き抜いた際、リンクの精神や身体が幼過ぎると判断されたため、7年間の眠りにつくことになる。
だがその空白の7年の間にガノンドロフが聖地に侵入し、力のトライフォースを手に入れてハイラルを支配してしまう。その後、「時の勇者」として目覚めたリンクは子供時代と大人時代を行き来し、六賢者を目覚めさせる(その後は主に大人時代のダンジョン攻略をすることになるが、大人時代では入れない井戸の底と子供時代・大人時代の双方で攻略が必要な「魂の神殿」では双方の形態をうまく使い分ける必要がある)。
最後はガノン城に乗り込み、黒幕であるガノンドロフを倒した。
ムジュラの仮面
前作の最終決戦でガノンに勝利した後、元の(7年前)時代に戻った後の話になる。
ゼルダに未来の出来事を話してガノンドロフの野望を事前に阻止した後、時のオカリナを持ってハイラルから遠ざかるようゼルダ姫に言われ、かけがえのない友を探す旅をしていた最中に、ムジュラの仮面とスタルキッドが作り出した幻の異世界「タルミナ」へと迷い込んでしまう。
出会ったばかりであるはずのお面屋に「勇気」と「力」を見透かされ、3日後に月が落ちてくるこの世界で、付けた仮面に応じて自由自在に変身できるようになったリンクは、時のオカリナの力で時を巻き戻しつつ、元の世界に戻るためにタルミナを救う為の冒険に出る。
この作品ではマスターソードによるタイムスリップがないため、基本的には子供の姿のままで冒険することになるが、ゲーム最終盤で入手する「鬼神の仮面」を被ると、銀色の鎧で大人の姿をした鬼神リンクに変身する。
後の作品での影響
トワイライトプリンセス
上記のムジュラの仮面から更に遥か未来の話。
時を駆けて「ハイラル」「タルミナ」の二つの世界を救った勇者のその後が描かれる。
詳細は別の記事にて【左記リンク先、トワイライトプリンセスのネタバレ注意】
風のタクト
こちらはガノンに勝利した後の大人時代からの世界線。
時のオカリナから数百年後の時代が舞台である為、上記で述べた冒険の内容は“時の勇者伝説”として語り継がれ、プロロ島では12歳になると緑の服を着て祝う風習があるほか、旧ハイラル城にも彼の像が建てられている。
しかし、この時間軸は「大人リンクが元の時代へ帰った後の世界」であるため、時の勇者本人はこの時間軸に存在していない。
それが遠因となり、最終的にハイラルは海の底へ沈んで滅亡する事になる。
神々のトライフォース
『時のオカリナ』にてリンクがガノンに敗北した世界線との事から、(こちらでは)ガノンドロフとの決戦で死亡した可能性が高い。
外部出演
『ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ』では『時のオカリナ』の大人時代の姿が、『大乱闘スマッシュブラザーズDX』では子供時代の彼が登場。
ただし、こちらはマスターハンドに命を吹き込まれて動く人形(フィギュア)という設定があるため、スマブラに登場しているのはリンク本人ではない。
(時の勇者の)イメージに合わせて、『ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ』のリンクと『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』のこどもリンクの登場演出は、高い青い光から降臨する演出になっている。
『時のオカリナ』の大人時代の姿でゲストキャラクターとして登場。
ハイラルから太陽を奪った魔術師が異世界(16世紀の地球)にあるはずの邪剣ソウルエッジの欠片に操られていることを知り、ゼルダ姫の命で中世イギリス・ヨーロッパへと旅立つ。
本編の時系列的には繋がらないため、ゲストとして呼ぶために作られたオリジナルストーリーに過ぎないが、爆弾や弓矢、回転斬りなども再現され、ごまだれのファンファーレやとあるステージではメインテーマが流れるなど、他のゲストキャラクターとは一線を画した雰囲気になっている。
ゼルダの伝説シリーズは海外でも非常に人気があるため、彼が登場したゲームキューブ版が最も売れたらしいが、後にPlayStation 3で発売されたHDオンラインリマスター版では(『Ⅱ』に登場したゲストキャラクターの中では)唯一ハブられたキャラクターである。
「時のオカリナ百科」に記載された内容
エンディング後のリンクがどうなるのかについては、スタッフの間でもそれぞれ解釈がされている。
「リンクの記憶は残っていて、ガノンドロフの陰謀をゼルダに話す。だから不幸は起こらず、リンクはもう時を飛ばさない」
「リンクは8歳と15歳の間をぐるぐると回り、出口のない輪廻に居続ける」
「ゼルダは予知夢でこれからのことをすべて知っていて、最後の戦いから帰還したリンクも全てを知っている」
「皆は7年後も時を過ごすが、リンクだけそれができない」
「そうやって『人のために』戦うのが時の勇者であるリンクの使命」
公式的に採用されたのは一番上の部分だが、当時のエンディングにはその後を想像してほしいというスタッフたちの想いが込められていたようだ。(リンクに年齢が8歳と15歳と記されているが、これはスタッフの1人がそう言っているだけであり、公式的な年齢かどうかは不明である。)
また同著に掲載された創作小説にも「同じ未来を繰り返すのか、望む未来を手にするのか。それはリンク次第」と記されている。
漫画版
姫川明版『時のオカリナ』
裏表がなく、元気溌剌な少年として登場。
ミドとはいいケンカ友達で負けず嫌いな面をよく見せる。見世物にされていた幼竜のヴァルバジアを買い取るなど心優しい一面がある一方、(正体を知らなかったとはいえ)本人がいる前で『ゼルダ姫ってすっげえブスだったりして!」と悪口を言ったり(この言葉を聞いたゼルダはブチギレて、わざとボムチュウをリンクに当てる形でお仕置きした)、ゼルダの乳母であるインパのことを『おばさん』呼ばわりしてキレられそうになるなど、子供故の態度の悪さも垣間見えた。
また、パンチラするシーンがあったり、ゼルダ姫に頬キスされて舞い上がるなど、三枚目なところもある。
素性に関してはゲーム版より明確に描写されており、燃え盛る城(ハイラル城ではない)から母親に連れ出されるシーンがある。この事からハイラルの貴族ないし王族に連なる可能性もあるが、真実は最後まで不明だった。
当初は売買の概念を知らずに飲み食いしてしまい、困っていたところをゼルダに助けられたことで知り合う。
剣術の素質はあるがまだまだ未熟であり、ガノンドロフやスタルフォスなどに圧倒され、自らが「子供」であることを悔やむ場面もあった。
下巻の読み切りには、リンクが冒険に出る前の出来事(スタルキッドとの出会い)が描かれている。
姫川明版『ムジュラの仮面』
こちらの作品でも主人公を務める。
前述の『時のオカリナ』の続編にあたる本作では、騎士団長と互角に渡り合うほどの剣士に成長を遂げている。
前作で大人になった時の記憶を持っている為か、見た目は子供でも精神的には大人である為、(時のオカリナと比べると)前述の子供っぽさは鳴りをひそめている。ただし、序盤でチャットと初めて会った時は(エポナと時のオカリナをスタルキッドに盗られたこともあって)喧嘩染みたやり取りをしていたり、中盤でグレートベイを訪れた際には、生まれて初めて見る海に興奮していたりするなど、年相応の子供らしさは残っている。また、時のオカリナ時は誰に対してもタメ口だったのに対して、こちらでは目上や年上の相手にはちゃんと敬語で会話したり、助けたデク姫から感謝をされた際には礼儀正しく応じるなど、礼節も弁えるようになっている。幾多の戦いを経験してきたからか物事を冷静に見極められるようになっており、スタルキッドの心を踏み躙ったラスボスに対して激しい怒りを見せつつも鬼神の仮面の意志に取り込まれることはなく、鬼神リンクとなって終始圧倒した。更には(ある意味、今回の事件の元凶とも言える)被害者であるお面屋にまで怒りの矛先を向けていた。
後に連載された漫画版『トワイライトプリンセス』にもこれらの設定は反映されており、「もう一人のリンク」として登場している。
谷上俊夫版『時のオカリナ』
熱血漢の苦労人(お人好し)と少年漫画の王道を行く性格になっている。
こちらでもジャブジャブ様に飲み込まれる際にパンチラしている。
ゼルでん!〜なりゆき勇者リンクくん〜
『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面3D』の発売を記念して別冊コロコロコミックSpecialで連載されていた漫画。現在は連載終了している。
なお番外編が公開されている。
2010年代では姫川以外で執筆した貴重な例。
関連イラスト
関連タグ
- 古の勇者:『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』での事件解決後、更にその先の未来での姿。リンク先ネタバレ注意。
- リンク(ファイター)/こどもリンク(ファイター):大乱闘スマッシュブラザーズシリーズにゲスト出演した際の詳細はこちらに記載。
- リンク(コミックス版ゼルダの伝説):漫画版『ゼルダの伝説 時のオカリナ・ムジュラの仮面』での差異はこちらに記載。