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概要

ゼルダの伝説』シリーズに登場するお姫様。正式名称は「ゼルダ」。

大抵の作品では主人公であるリンクの「冒険」における目的の一つに「ゼルダの救出」があり、ヒロインないしキーパーソンとして登場する。

しかし、どの作品も必ずメインというわけではなく、リンクと行動を共にする場面が描かれることもあれば出番が少なかったり名前だけの登場であったり作中に全く登場しないことすらある。

メディアミックスではリンクとゼルダが恋仲になるものもあるが、原作においてはゼルダがリンクに恋愛感情を抱く描写は少なめ。

ヒロイン?主人公?

作品名にも「ゼルダ」の名が冠されているため、作品を知らない人からは主人公だと勘違いされやすいが、上記したように『ゼルダの伝説』シリーズの主人公は「リンク」である(一部作品を除く)。

任天堂は製作に関わっていないものの、CD-iで発売された『Zelda's Adventure』(日本未発売)ではゼルダを主人公としており、従来作品のリンクと同様剣と魔法を駆使してダンジョンを攻略していく姿が描かれている。…ただし、CD-iというハードそのものの知名度が低く、なおかつCD-iで発売された『ゼルダの伝説』関連の作品は軒並みクソゲーと悪名高いため、現状、公式で唯一ゼルダが主人公を務めた作品ではあるが黒歴史扱いとなっている。

その後、とうとう『知恵のかりもの』で正式に主人公となった。

シリーズ全体における人物像

シリーズ毎にゼルダ姫も多数存在し、基本的には同名ではあるものの、作品ごとに殆どが生まれた時代の異なる別人である。(これはリンクも同様。)

「知恵のトライフォース」を宿したハイラル王国の姫で、「予知能力に長けており、ハイラルの危機を予知する」という設定で登場することが多い。

それ故に登場する作品では、ガノンドロフをはじめ彼女のトライフォースや能力を狙った悪役に狙われる役回りが非常に多い。「囚われの姫」という立場のこともあれば、悪を抑え込むため自らの意志で封印されている、ということもある。

同名である理由は、ハイラル王国の始祖となった女性の名前が「ゼルダ」であり、各時代のハイラル王家が彼女にあやかって姫を名付けたためとされている。

更にある時代には、トライフォースを巡る争いで悲劇が起きてしまい、それを忘れぬようにと歴代の姫には「ゼルダ」と名付けることを習わしとしている。この伝承が本作のタイトルにもなっている『ゼルダの伝説』である(後述の「リンクの冒険」を参照)。

このため、代が明らかになっている場合は「○○代目ゼルダ姫」と表現されることもある。

後にその正体は、女神ハイリアの生まれ変わりであることが判明する。

細剣を扱ったり光の弓矢でリンクの援護をしたり等、戦闘している描写も度々登場し、『大地の汽笛』や『ゼルダ無双』等の作品では彼女を操作する場面が存在する。

作品によっては魔法に長けている、トライフォースを攻撃手段として活用するといった設定付けがなされることもある。

「ゼルダ」という名称は、『ゼルダの伝説』シリーズの略称として使われる場合も多いため、人物を指していることを明示する場合は「ゼルダ姫」と呼ばれることが多い。

なお『スカイウォードソード』のゼルダは一般人であり、姫ではないが上記の事情から便宜上「ゼルダ姫」と呼ばれる。これはpixivのタグも同様である。

各作品のゼルダ姫(ゼルダ)

本記事では、発売されたシリーズ順にゼルダ姫(ゼルダ)を紹介している。ネタバレ注意。

(そのため、ゼルダ史における時系列順で確認したい場合は「歴代ゼルダ姫」の記事を参照することを推奨。)

本編作品

ゼルダの伝説(初代)

詳細はこちらを。

後日談を描いた蜃気楼城の戦いではロングヘアとなって登場。リンクとは両想いとなっている。

詳細はこちらを。

リンクの冒険

上記の「ゼルダの伝説」の後日談的な作品。初代ゼルダ姫が登場する。

詳しくは「初代ゼルダ姫(リンクの冒険)」を。

ゼルダの伝説 夢をみる島

神々のトライフォースの後日談を描いた作品。

ゼルダ姫は名前しか出て来ないが、彼女とよく似た容姿の少女マリンが登場した。

シリーズで初めて登場した「ゼルダ姫以外のヒロイン」となる。

ゼルダの伝説 ふしぎの木の実(大地)・(時空)

ハイラル王国の王女。この作品ではリンクシステムを使用した追加シナリオのみ登場する。

敬語とタメ口を混ぜた口調であり、少女らしく可愛らしい見た目と振る舞いをする。歴代のゼルダ姫でも可憐な方。

密かにインパに頼んでリンクのサポートを行わせていた。

魔王ガノンの復活を目論むツインローバによって拉致され、聖なる依代として肉体を利用されそうになる。しかし駆け付けたリンクが妨害したため、自らを生贄にしたツインローバによってガノンが復活。だが聖なる生贄が欠けていたためか邪悪な力が暴走しており、知性を持たない魔物になってしまった。

リンクによってガノンは倒され、ゼルダ姫は彼を真の勇者と称えた。エンディングではリンクの頬にキスをしており、お互いに照れた様子を見せていた。

ゼルダの伝説 風のタクト

詳細はゼルダ姫(風のタクト)を。(ストーリーの根幹に関わるためネタバレ注意。)

ちなみに『ゼルダの伝説 夢幻の砂時計』にはゼルダ姫本人は登場しないが、その生まれ変わりである???は登場する。

ゼルダの伝説 4つの剣

ハイラル王国の王女。

風の魔人グフーの封印を司る神殿を管理していたが、突如復活したグフーに拉致されてしまう。

しかしグフーは、フォーソードの力で分裂したリンクによってダメージを受け、弱ったところをフォーソードに再封印された。

救出されたゼルダだがリンクの数が増えていることに驚いてしまい、同時にフォーソードの伝承は本当だったと喜びを見せる。

ゼルダの伝説 4つの剣+

ハイラル王国の王女。リンクとは友人同士。

4つの剣の続編であり、6人の巫女と共にグフーに攫われてしまう。だがグフーの背後には真の黒幕が潜んでいた。

グフーはリンクたちに倒され、ゼルダ姫は救出された。

その後、崩壊するラストダンジョンから脱出しようとするが足場が崩れて階下に落下してしまう。

そこには邪悪な気の塊が鎮座していた。危険なものだと判断したゼルダ姫は封印しようとするが、それこそがグフーの背後に潜んでいた真のラスボスであった。

逆にゼルダ姫が囚われてしまい、リンクたちは最後の戦いを繰り広げることに。

黒幕の力が弱まったことでゼルダ姫は解放され、最期は姫と勇者たちの合体攻撃によって今度こそ幕を引いたのだった。

ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし

ハイラル王国の王女。リンクとは幼馴染。敬語は殆ど使わず友人としてリンクに接している。

リンクと一緒に城下町のお祭りを楽しんでいたが、武術大会の優勝者グフーから呪いを掛けられ石化させられてしまう。

グフーの目的は、エゼロから奪った「魔人のぼうし」とフォースという力を合わせることにより魔神へと至ることにあった。やがてそのフォースがゼルダ姫の体内に宿っていると気づく。

石化したゼルダはフォースを抜き取られてしまうが、魔神となったグフーもフォーソードを持つリンクに倒された。

無事救出されたゼルダだが、グフーによって城は変り果て人々も石化させられ、とても喜べる状況ではなかった。しかしゼルダの体内にはわずかにフォースが残っており、エゼロの協力の元、魔人の帽子の力によって最後の奇跡を起こし、城も人々も元の姿に戻ったのだった。

ゼルダの伝説 大地の汽笛

ハイラル王国の王女。『風のタクト』と『夢幻の砂時計』の???玄孫(5代目)に当たる。

詳細はゼルダ姫(大地の汽笛)を。

ゼルダの伝説 神々のトライフォース2

ハイラル王国の王女。ハイラルの秘法であるトライフォースを管理している。

序盤にてトライフォースを狙うロウラル王国の司祭ユガによって額縁に閉じ込められてしまう。だがトライフォースは散り散りとなり、ゼルダには知恵のトライフォースが宿る。

しかしユガは先兵でしかなく、その背後には黒幕が潜んでいた。

ところがユガは黒幕を裏切って絵画にしてしまい、己が欲望を満たすためにリンクと最後の戦いを繰り広げる。

ゼルダは額縁に閉じ込められながらもリンクに光の矢を託し、打倒ユガに最後まで協力する。

死闘の末にユガは封印されるという末路を辿り、ゼルダ姫もまた黒幕共々解放された。

黒幕のヒルダ姫は、ロウラルのトライフォースが失われたことで滅び行く世界(ロウラル)を救おうとしており、ユガが破れた今でもリンクとゼルダに敵意を向けていた。

だがしかし、元臣下であるラヴィオに自らの過ちを諭されたことで改心。滅びの運命を受け入れることに。

その後、ロウラルやヒルダ姫の事情を知ったリンクとゼルダがハイラルのトライフォースに祈りを捧げたことでロウラルのトライフォースが復活を果たす。こうして二つの世界は平和と均衡を取り戻した。

ゼルダの伝説 トライフォース3銃士

ゼルダ姫は未登場。ただし神々のトライフォースおよび神々のトライフォース2のゼルダのドレス「ハートフルドレス」がコスチュームとして登場する。

ゼルダの伝説 知恵のかりもの

シリーズ初の主人公として登場。神隠しに遭ったリンクや民を救うため、「カリモノ」の力を使ってハイラルの旅に出る。

詳細はゼルダ姫(知恵のかりもの)を参照。

派生作品

ゼルダ無双 厄災の黙示録

ブレスオブザワイルド』の100年前のifを描く本作ではプレイアブルキャラクターとして登場。

歴史が変わったことで並行世界の出来事になったため、ブレスオブザワイルドのゼルダとは別人である。

ゼルダ無双のゼルダ姫とは異なり、こちらは元々非戦闘要員だったことから戦闘中の台詞は弱気を感じさせるものが窺える。

未来から来たという正体不明のガーディアンになぜか懐かれている。

外部出演

Zelda: the Wand of Gamelon

上記の通りゼルダ姫がゲームの主人公を務めた初の作品。アメリカのPHILIPS社が任天堂の許可を取って開発したCD-i専用タイトル。日本国内ではギャメロンの杖という名称で呼ばれている。日本では1993年に発売。

ミニスカートなゼルダ姫が剣と盾を手に戦う横スクロール2Dアクションゲーム。

……と書けば心躍る方もいるかもしれないが、作画もグラフィックも出来が良くなく、ドット絵のゼルダはなぜか褐色肌に魔女のように鋭い目になっており、まるでダークエルフである。

逆にジャケットイラストは出来が良く、ゼルダ姫の外見は神々のトライフォースの王女服を参照にしている。

ハーキニアン王のいとこであるオンクレッド公爵の土地にガノンの運税が攻め入ったと報が入る。

リンクとハーキニアンが救援に向かうが、オンクレッド公爵は既に囚われており保身からガノンと取引を交わしていた。結果、リンクは鏡に閉じ込められ、ハーキニアン王もガノンのもとへ囚われの身となる。

二人と連絡が取れなくなったためゼルダ姫はナースメイド(乳母)の老婆インパを伴って冒険に出る。

ゼルダ姫はギャメロンの杖を手にすることでガノンに対抗出来る力を付け勝利。幽閉されていた王を救い出す。

公爵は王から厳罰(ハイラル中の床をピカピカにする)を言い渡されただけで命までは取られなかった。そしてゼルダ姫が鏡を破壊したことでリンクも解放された。

大乱闘スマッシュブラザーズ

第2作『大乱闘スマッシュブラザーズDX』から参戦。

リンクと同様、作品ごとに参戦しているゼルダが異なり、『DX』では『時のオカリナ』版、『大乱闘スマッシュブラザーズX』と『大乱闘スマッシュブラザーズfor』では『トワイライトプリンセス』版、『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』では『神々のトライフォース』と『神々のトライフォース2』の混合デザインとなっている。

センシティブな作品

『DX』と『X』では、下必殺ワザ「シークチェンジ」を使うことでシークに変身する。シークも「ゼルダチェンジ」でゼルダに戻ることが可能。

『for』以降では「シークチェンジ」と「ゼルダチェンジ」が廃止され、完全に独立したファイターとなっている。

スピードと手数に優れたシークとは対照的に、「動きは遅いが魔法で強化した攻撃で闘う」という対になる性能が付けられており、華奢な見た目に反してパワーファイターとなっている。

また、『時のオカリナ』でリンクが使った魔法を必殺ワザとして使用する。

詳しい解説はゼルダ(ファイター)を参照。

担当キャスト

※主に日本語版。

同一人物の場合は一行にまとめて記載。

なお、『大地の汽笛』のゼルダのみ、原作と『ゼルダ無双』で声優が異なっている。

なお『神々のトライフォース』のテレビCMでは、当時アイドルとして活動していた新島弥生が演じた。

余談

名前の由来は、小説家F・スコット・フィッツジェラルドの妻で同じく小説家のゼルダ・セイヤー・フィッツジェラルドから。

宮本茂が語るところによれば、ゲームのタイトルを付ける段階で悩んでいたところ、あるプランナーからゲームのイラストブックの企画を持ちかけられ、そこで「ゼルダ」の名前を知った。

企画自体には興味を持たなかったが名前は気に入ったためそこから拝借したとのことである。

アメリカの俳優ロビン・ウィリアムズは『ゼルダの伝説』の大ファンであり、それが高じて娘に"ゼルダ"と名付けたほど。この縁で『時のオカリナ3D』海外版のCMに親子で出演している。

ちなみに日本でかつて活動していた同名のバンド「ゼルダ」は、先述のゼルダ・セイヤー・フィッツジェラルドにちなみ、活動開始時期的にも特に関係はない。

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