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それは未来でもなく、過去でもない。

また、地球上ではなく、かといって宇宙に散在する無数の星々の中の、いかなる世界の事でもない。

それは君たちの心の中。いつも夢見がちで、冒険の世界に心を飛ばす事の好きな君たちの、空想の中に存在する世界。


概要編集

双葉社から刊行された『ファミコン冒険ゲームブック(小説)』シリーズのNo.3(1986年)。

文・樋口明雄、挿絵イラスト・田中夕子、編集・スタジオ・ハード


他にゼルダの伝説シリーズを原作とする作品は

がある。


内容編集

原作となるFC版の後日譚に相当する。

闇の世界から侵攻して来たガノンリンクによって倒されたが、その弟である魔将軍(ゼネラル)ガイアが登場。世界一の魔道士を名乗って国王と接触し「ゼルダ姫を花嫁に」と持ちかけるが拒否されてしまう。

怒ったガイアは、勇者リンクとゼルダ姫に呪いを掛ける。それは二人をクリスタルムーンと呼ばれる水晶球に閉じ込めるというもので、リンクは昼、ゼルダは夜にしか動けなくなってしまう。

お互いに想い合っているのに会うことが出来ない。この忌まわしい呪いを解くべく二人は旅立つこととなる。


物語の進行と共に二人の主人公が交互に入れ替わり、ゲームとしての要素にも影響を及ぼすという実験的な作品。ゼルダ姫が初めてプレイアブル化した作品でもある(外部のゲームとして初のプレイアブル化はこちら)。


本作ではゼルダ姫にもリンクに劣らぬ戦闘技術が具わっており、ライネルと一騎討ちを展開するシーンなどがある。

魔将軍ガイアの他に妖精ファニーグレアム二世(ゼルダの父)などのオリジナルキャラクターが登場する。


実は『リンクの冒険』よりも先に発売されており、ハイラル王の初登場作品となる。

また「ガノンを倒した後の物語」というコンセプトがリンクの冒険と同じである。


登場キャラクター編集

パーティーメンバー編集

 主人公。闇の世界から侵略して来たガノンを倒した少年剣士。ゼルダ姫の恋人でもある。呪いにより昼にしか動けない。

 ゼルダ姫の前ではハリウッド俳優のようなキザっぽさを見せ、頬にキスをすることも。ゼルダ姫が実はお転婆というのは見抜いた上で愛している。

 選択肢を誤ったり、イベント時にライフの数が足りていないと死亡してしまう。


 ヒロイン兼女主人公。呪いにより夜にしか動けない。初代ゼルダの伝説のゼルダ姫と同一人物。

 気が強くはねっ返りのお転婆。ボッタクリ商人相手にゲンコツをお見舞いすることも。しかし恋人であるリンクの前では淑女になる。

 生足にミニスカートという格好のため、ややキワドイシーンも(健全な小説なのでパンチラはしない)。

 リンクと同じくゲームオーバーになることもあるが、基本的にゼルダ姫の死亡シーンは描写されておらず「これから殺される」のを示唆する終わり方になる。例外としてリンクが金属に反応した落雷に撃たれるイベントがあるのだが、この時にライフが足りないとリンクだけではなくゼルダ姫のクリスタルパールも砕け散ってしまうためリンクと道連れになってしまう。


 本作オリジナルキャラクター。リンクとゼルダの冒険に付いて来る小さな妖精の少女。

 ちなみにファニーは、後に発売された小説「黒き影の伯爵」でも登場しているが、名前と性格は似ているだけの別人である。

 ファニー(Funny)はその名の通り「愉快」という意味がある陽気な妖精である。


メインキャラクター編集

 本作オリジナルキャラクター。ゼルダ姫の父親。電球頭で小柄な好々爺だが、変装好きな面を持つ。

 父親(ゼルダ姫の祖父)との約束である「ゼルダ姫はハイラル1の剣士と結婚させる」を果たそうとしている。

 実は本家ハイラル王よりも先に登場したハイラルの王となる。


 オリジナルキャラクター。本作のラスボス将軍(ゼネラル)と言っても普段は人間の中年に化け、美形なイケおじを装っている。見た目も細身で、服装も占い師や魔術師に近い。しかし真の姿は巨大な鴉。


その他編集

 故人のため名前しか登場しない。原作では素性が不明だったが、本作では「闇の世界からハイラルに侵略して来た」とされている。


ストーリー編集

詳細はを。他作品のネタバレも含むので閲覧注意。


余談編集

作者は海外のホラー小説家に憧れており、本作にもちょっとしたホラー要素を仕込んでいる。


関連タグ編集

ゼルダの伝説 初代ゼルダの伝説 ゼルダの伝説シリーズ(書籍作品版)

レトロゲーム ノベライズ ゲームブック 双葉社


リンクの冒険:本作の後に発売された初代ゼルダの伝説の続編。

知恵のかりもの:ゼルダ姫が初めて主人公になった本家作品。

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