概要
『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』に登場するゼルダ姫。
『ゼルダの伝説 時のオカリナ』及び『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』のゼルダ姫の遠い子孫。
栗毛の長髪を持ち紫と白のロングドレスを着用している。
歴代作品でも特に「大人の女性」感が強め。
今作ではメインヒロインをミドナが務めており、ゼルダはサブヒロインに置かれている。このためリンクとの関りは浅い。
『大乱闘スマッシュブラザーズX』と『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』のゼルダはこの作品が出典となっているため、スマブラプレイヤーには馴染み深いかもしれない。
ちなみに『大乱闘スマッシュブラザーズDX』は『時のオカリナ』のものが、『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』は『神々のトライフォース』のものがモデルになっている。
作中の動向
影の世界から侵略して来た僭王ザントの軍勢に降伏し、ハイラル城の一室に幽閉されてしまう。
後にザントによって瀕死の重傷を負ったミドナを治癒させ、光の世界でも実体化できるようにした。
しかし引き換えにゼルダは光となって消滅してしまった……かに思われた。
実際は肉体はハイラル城に留まり、意識の方はミドナの心と共存する形で同居してリンクを見守っていた。
これを恩義にと考えたミドナは態度を軟化させ、心からリンクに協力するようになる。
ラストバトルでは真の黒幕によって憑依されてしまい、一番手としてリンクと激突する。
助けられた後は退場したミドナに代わってリンクのパートナーとなり、騎馬戦にて弓矢を用い自ら戦列に加わる。
最後の一騎討ちでは障壁に遮られて手出しができなかったが、目を逸らすことなくリンクの奮闘と勝利を見届けた。
出番が少ない上に登場する際はシリアスなシーンばかりである関係で、他のシリーズのゼルダと違い、笑顔を見せるシーンが一切ないのが寂しい。一方で大乱闘スマッシュブラザーズXの亜空の使者では冒頭に原作では叶わなかった彼女の笑顔を見ることができる。
漫画版
姫川明のコミカライズ版では多数の独自設定が施されているのが特徴。
姫川は「長らくゼルダの伝説シリーズを手掛けてきた身としてゼルダ姫の扱いを軽くしたくない」として古の勇者(かつての時の勇者)とのロマンスを加えている。
原作通りザントに乗っ取られたハイラル城にいたが幽閉はされておらず、逃げようと思えばいつでも逃げ出せる状態だった。しかし、国民たちが影の領域に取り込まれて魂のみの存在となったことを憂い、弔いのためにあえてここに残っていた。
実は幽閉中、闇に関する書物を読んだ際に「これは過去の自分」が書いたものだと気づき「時のオカリナのゼルダ姫」としての記憶を取り戻していた。
これは知恵のトライフォースを宿した影響であり、7年前と7年後の両方の記憶を持っている。当然、時の勇者を元の時代へ帰したことも覚えていた。
設定が変わっており「時のオカリナの力で時間を7年前に巻き戻した」というものになっている。
7巻では意識と自由を封じられていたが、ガノンドロフによって解放されお茶の席に誘われる。
そこでガノンドロフは、自分たちが前世の記憶(『時のオカリナ』の7年前と7年後)を持っていること、リンクはまだ目覚めていないことなどを口にする。更には「リンクとゼルダはいつも仲良く共謀する。2対1では不公平だ」と口にして遠回しにゼルダを勧誘して来た。
当然ゼルダは、
「笑止千万。あなたはハイラルの敵!」
「このゼルダを座っているだけの人形だと思わぬが良い」
「機があれば剣を持ち戦うことをいといませぬぞ」
と睨みつけて拒否。しかしガノンドロフは「それでこそ俺の協力者だ」と嗤い、ゼルダを驚かせるのだった。
ちなみにガノンドロフの処刑をハイラル王に進言したのは時のオカリナの子供時代のゼルダ姫とされており、ガノンドロフもそのことを知っていたが「今のゼルダ姫は違う」として気にしていないようだ。
最後の戦いでは原作通りガノンドロフに憑依されリンクに刃を向ける。リンクにゼルダを傷つけることはできず、それをいいことに攻め立てレイピアで片目を潰そうとするところまで追い詰める。
その瞬間、ゼルダの意思がガノンドロフの自由を奪い、レイピアで頸動脈を切って自害しようとする。
だがしかし、駆け付けたミドナによってガノンドロフは引き剥がされゼルダは解放された。
ミドナが倒れた後はリンクと共に騎馬戦に参加。光の弓矢でガノンドロフの胸部を撃ち抜き、魔力の源を破壊した。
リンクとガノンドロフが一騎討ちを繰り広げる中、最後の味方として古の勇者が参戦。リンクとの回転斬りによってガノンドロフに膝を突かせた。
その戦いぶりを見届けたゼルダは、無念を晴らして成仏する古の勇者…すなわち時の勇者と最後の別れを迎えるのだった。
そして勇者との魔王の死闘にも決着が訪れる。
ガノンドロフは死の間際にゼルダを見つめ、「また、いつか。再び会える日を、楽しみに待つとしよう」と別れの言葉を紡ぎ、自ら命を絶った。
この時ばかりはゼルダも目を細め、同情した様子を見せていた。
姫川によればガノンドロフの最後の台詞には「またお茶会のひと時を過ごしたい」という旨の台詞を入れる予定だったとのこと。