当記事は「キャプテン・ファルコン」から分離・独立させています。
記事の肥大化を防ぐため、先方に当記事の内容を追加しないようお願い致します。
概要
『ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ』(以下、『初代』)から参戦している準レギュラーの一角(『大乱闘スマッシュブラザーズX』(以下『X』)のイベント戦より)。
ファイター番号は11、通り名は無敵のF-ZEROパイロット(『X』)、音速のF-ZEROパイロット(『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』(以下、『for』)以降)。
声は堀川りょうが担当。
特徴
スピードとパワーに平均以上の体重、何よりもロマンを兼ね備えたファイター。
レースゲーム出身だからか、走行スピードは特例のソニックを除くと全ファイター中トップ。『大乱闘スマッシュブラザーズDX』(以下、『DX』)までは全ファイター中最速で、そのことを活かすイベント戦も存在した。
ワザは切りふだを除いて全て肉弾戦で、腰に付けている銃は使わない。
飛び道具などを持っていないため、遠距離戦に持ち込まれると苦しくなる。
中には炎・電気属性を含んだものがワザを持ち合わせているのも特徴。
必殺ワザ
- 通常必殺ワザ:ファルコンパンチ
ファルコンの代名詞ともいえるロマンワザ。
力をため、ハヤブサ型の炎をまとったパンチを繰り出す。発生が凄まじく遅いが、ふっとばし力も凄まじく強い。
『X』までは中心で当てた時が最も攻撃力が高かったが、『for』以降では固定ダメージ。
また、『X』からはふりむいて繰り出すことも可能で、発生がさらに遅くなるがパワーはさらに上がる。
ふっとばし力は『初代』が最も強く、以降は作品を重ねるたびに弱体化されている。特に『for』ではそれが顕著で、文字通りの「死に技」と化してしまった。
『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』(以下、『SP』)では『X』と同程度の強さを取り戻しているので安心しよう。
- 横必殺ワザ:ファルコンナックル
低い姿勢で前方に突進し、炎をまとった拳を振る。
地上では相手を打ち上げる。作品によって性能の変化が激しく、『DX』ではほとんどふっとばさないコンボ向けのワザ。『X』でも浮かせた後のコンボ技として設定はされているものの、『X』はやられ硬直が非常に短い仕様のため、当てても一切コンボが出来ないというイマイチ使い所がないワザであった。『for』では性能が激変し単純に相手を大きくふっとばす撃墜向けのワザになっていた。『SP』では発生が大幅に早くなり、アッパーのスキも減った代わりにふっとばし力が大幅に減少。再び適度な高さに浮かすようになった。『X』と違いコンボが可能なゲーム性の為、『DX』以来のコンボ向けのワザに回帰。さらに10%まで耐えるアーマーが付き、ある程度は強引に叩き込めるようになった。
空中では真下に叩き落すメテオワザになる。使用後はしりもち落下になるが、『SP』では相手にヒットした時に限り、自由に行動できるようになる。
- 上必殺ワザ:ファルコンダイブ
跳び上がって相手をつかみ、爆発でふっとばす。
うまく相手をつかむことができればしりもち落下にならず、復帰距離をのばすことができる。
- 下必殺ワザ:ファルコンキック
ド派手な炎をまとったキックで突進。
地上と空中で方向が異なり、地上では真横に、空中では斜め下に突進する。
『X』までは微妙なふっとばし力だったが、『for』以降は出始めのふっとばし力が大幅に上昇し、撃墜可能なワザになっている。
ちなみに『DX』のみ空中で使用すると空中ジャンプが復活するという謎の仕様があり、これで復帰距離を伸ばすこともできた。
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズにおけるビジュアルタイプの切りふだの元祖。
愛機のブルーファルコンを提げて、F-ZEROコース上で相手をふっとばす。
ファルコンの数少ない原作再現ワザだが、やっていることは轢き逃げである。
舞台はステージにもなっている「ポートタウン」がモチーフ。『for』からは成立時に初代『F-ZERO』のSEが鳴る。『SP』ではコースのデザインも初代『F-ZERO』がモチーフとなり、迫ってくるブルーファルコンに炎の翼が追加されている。
変遷
隠しキャラクターとして参戦している作品と、最初から使用可能な作品が交互に続いている。
『DX』では数多くの新ワザを獲得し、大幅リニューアル。
全体的に出が遅くなった代わりに、パワーがより強化。特に前空中攻撃「ストライキングニー」(通称:膝)は並のスマッシュ攻撃を超えるふっとばし力を誇り、ファルコンパンチと並ぶ代名詞となった。
この「膝」は今でこそ発生1F目に膝先端で当てた時だけクリーンヒット、それ以外はカス当たりになるという極端なワザだが、『DX』では発生から3F目まで攻撃判定全域がクリーンヒットというとんでもないものだった。
『X』からはヘルメットやベルトに独自のアレンジが取り入れられ、スカーフを出してなびかせている。
同作ではかなり弱体化が目立ったが、『for』では全体的に攻撃判定が改善され、パワーも取り戻し、さらに異様に前進する目に見えないダッシュつかみを手に入れた。
『SP』では何故かファイター番号がネスとプリンの間になっている。この並び順は『初代』における出現条件の優先度順や、隠しキャラの初出年順と一致しているが、一方でアシストフィギュアやサウンドテストの並び順はF-ZEROシリーズ→MOTHERシリーズのままのため、矛盾が生じている。
横スマッシュ攻撃が「オーバーヒートバックナックル」に変更され、以前よりもリーチが短くなった。しかし、前作で弱体化が著しかった「ファルコンパンチ」のふっとばし力が改善され、ロマン性を取り戻したのは、ある意味最大の朗報とも言えるだろう。
その他の細かい変更点はダッシュモーションの動作が握り拳に戻っており、ファルコンダイブで相手を掴む腕が片方だけになっていたりする。
ちなみに『X』までは打撃系アイテムの仕様がシーク共々なぜか他のキャラと異なるという特徴もあり、ボタン長押しで一度に2連続ヒットさせたり、スターロッドで一気に4発同時に発射するといった芸当ができた。ただしこの仕様のせいで『DX』の「ホームランコンテスト」では上に打ち上げてしまい、飛距離がのびないというお茶目な面も(当時はホームランバット専用のモーションがなかったため)。
その他
アピール
アピール(『X』以降では下アピールに対応)では「SHOW ME YOUR MOVES!(お前の技を私に見せてみろ!)」と言う。「醤油ムース」ではない。
また、このアピールは『DX』以降、向いている方向によってモーションが全く異なるのも特徴。特にキャンセルができない『for』まででは、左向きで出した方がスキが少ない。
カラーバリエーション
『F-ZERO X』のCMやブラッド・ファルコンを意識したカラーが存在するが、中でも目を引くのがジョディ・サマーを意識したような白+ピンクカラー。
そのあまりにも似合わないレベルの強烈さから「愛の戦士」という愛称で呼ばれている。
さらに『for』からはドクター・スチュワートを意識したような全身金色というこれまた強烈なカラーが加わった。
意外なことに、pixivでは基本カラー以外が描かれることはほとんどない。
勝ちあがり乱闘「闘いの基本は近接戦」
接近戦に特化したファイターが登場する。
原作とは無縁のルートで、ファルコンの飛び道具なしで相手に接近して戦うスタイルに由来すると思われる。
声について
原作シリーズからの流用を除くと、全作品で『初代』の時に収録された声が使用され続けている唯一のファイターだが、
『SP』ではミェンミェン参戦PVでラーメンをすする音の収録のためだけに新規収録が行われた。
堀川がファルコンの声を収録したのは実に約22年ぶりの事である。
後に堀川自身が自身のyoutubeチャンネルで語ったところによると、収録時に世界に通じるようになどいろいろ指示を受けたそうで、日本的な発音ではなくネイティブな英語らしさを意識したとのこと。
これを知らないプレイヤーの中には「本当に外国の声優がやっている」と勘違いする者も続出したとか。
スマブラにおけるキャラ付け
ワザが切りふだを除いてオリジナルを占めていることに対して「レースゲームだから」と意見されがちであるが、後に参戦した戦いに向いていていないジャンルの出身キャラが元ネタをふんだんに採用されていることを踏まえると、「参戦前当時にファイターとして使えそうな原作要素が少ない」、「『初代』が現在の作風と比較して原作再現に重きを置いていなかった」、「スマブラにおけるキャラコンセプトから現在に至った」とも言えなくもない。
とはいえ、トップクラスの機動力とパワーを両立したキャラクターとして調整されている面はF-ZEROシリーズのゲーム性を再現していると言える。
また、『DX』から『X』の間に展開されたF-ZEROシリーズではパイロット達の描写が大幅に増加しており、本編におけるファルコンの基本的なキャラも固まっていったのだが、スマブラにおいてはそれまでの独自路線を突っ走るどころか、性格面で新たな脚色が施されることとなる。
ムービーでの扱いは『X』以降ほぼギャグが目立っており、特に「亜空の使者」の初登場時は巨大ロボットアタッカーを一撃で倒すと同時に足元のピクミン達を珍妙なポーズで勢いよく着地した衝撃で全滅させてしまうというインパクトの強い迷場面を残した。
その後の作品では、ブルーファルコンに乗り込もうとした体勢のままキーラの光線に飲み込まれるというシュールな光景が晒され、CM映像ではファイターが乱戦を繰り広げる中で唯一吹っ飛ばされてしまい、極め付けはミェンミェンの参戦ムービーにおいて怒涛の勢いでラーメンを啜るシーンでプレイヤーor視聴者の笑いを誘った。
しかし、彼を構成するのは笑いだけでない。亜空軍の操縦するフライングプレートに物怖じすることなく飛び込んだり、同行しているファイター達を率いて事前に呼び寄せたファルコンフライヤーへ乗り込み爆発寸前の工場から脱出を図るなど、頼り甲斐のある活躍を見せつけている。
ルフレの参戦ムービーにおいては強者の風格を醸し出しつつルキナ達の対戦相手として登場。スタイリッシュさを交えたアニメーションは見ていて非常に爽快である。
このようにキャラクターのみにクローズアップすると先述の通りスマブラ独自の脚色が非常に強いのだが、性能やコンセプトに加えてギャグと格好良さを両立させたキャラ付けが奇跡的に絡み合った結果、スマブラ内におけるトップクラスの人気と何処か美味しい立ち位置を獲得していった。
なお、ディレクターの桜井政博氏はファルコンが初代『F-ZERO』の説明書で肉弾戦や銃撃を披露していることをしっかり認識しており、原作者に許可を貰った上で作ったことを公式ホームページのアンケート集計拳‼︎にて明らかにしている。
ステージの作り込みや各スピリット戦の元ネタの細かさなどから『F-ZERO』全体に関連する要素が蔑ろにされているわけではない。アレンジされたBGMも好評。
また、アニメ『F-ZERO ファルコン伝説』の最終話でファルコンパンチが逆輸入された。あちらでは炎を纏わず、青い稲妻を起こしている。
数多くの脚色が影響し、F-ZEROについて把握している人からも「あっ、スマブラのオリキャラだ!」「ファルコン・パンチの人だ!」等とネタにされている。中には「スマブラへの登場数がF-ZEROを上回った」と言われることもあるが、これに関しては完全に誤解なので注意。
余談
あの人物が……
何とアメリカ合衆国第44代大統領であるバラク・オバマ氏が、スマブラではキャプテン・ファルコンを好んで使っている事が判明した。
これに対して生みの親である今村孝矢氏が反応し、キャプテン・ファルコンの衣装を着たオバマ大統領のイラストを描き下ろした。
関連動画
関連タグ
ガノンドロフ:出典シリーズが異なる唯一のモデル替えキャラ(『DX』当時)で、多くのワザがファルコンと似ている。
サムス:『初代』ではサムスの骨格を使用して制作されており、ごく一部のワザも同じだった。