概要
第一作目の『F-ZERO』から登場しているF-ZEROマシン(反重力自動車)で、本編の主人公であるキャプテン・ファルコンの愛機。
ファルコン自身の手によってまとまりのあるチューニングが施されている。
製作者はいずれの作品においても不明。
戦闘機のような造形の青色のボディと二枚の大きな羽が特徴。ブースト、グリップ、ボディの硬度などの性能が平均的に設定されており初心者でも扱いやすい一方、可もなく不可もない分プレイヤーの技量が反映されやすいマシンでもある。
マシンのナンバーはいずれも「ラッキーセブンの7」が由来で、初期の“111”は、斜体で書いた“1”が“7”に見えることから“777(スリーセブン)”を意味している。
コクピットの描写は作品ごとに異なり、『F-ZERO GX』ではフロントウィンドー部分がスライドするように、アニメ『F-ZERO ファルコン伝説』と大乱闘スマッシュブラザーズシリーズでは上下に開閉する仕掛けになっている。
基本スペック
F-ZERO
重量 | 1260kg | エンジン | BF2001×4 |
---|---|---|---|
最高馬力 | 3200ps | 最高速度 | 457km/h |
マシンナンバー | 111 |
同作品における他のマシンと同様に丸みを帯びたフォルムをしており、グリーンカラーのフロントウインドーが目立つ。エンジン4基の他に、側面にサブエンジンらしきものが見られるがそれらへの言及はない。
特長はバランスの取れた性能と操作性の良さ。
挙動が素直なため初心者にも扱いやすく、咄嗟のアクシデントも回避しやすい。
テクニカルコースでこれらの強みが活きてくるため、キングリーグの攻略に最適な一台と言えるだろう。
ただし他車との接触時にバランスを崩しやすいため、それらをしっかり回避する丁寧な走りが求められる。
『F-ZERO X』の3年前に発生した大事故で、本機からエンジンが2基盗まれてしまい、ブラッドホークのサブエンジンにされてしまった。
F-ZERO X、F-ZERO GX/AX
重量 | 1260kg | エンジン | BF2003×4 |
---|---|---|---|
性能評価 | ボディB/ブーストC/グリップB | マシンナンバー | 7 |
性能の5段階評価は『F-ZERO X』から設定されたもの。
エンジンを含め新調され、直線的なフォルムとなり、このデザインが以降の作品にも継続されている。
『F-ZERO X』『F-ZERO GX/AX』共にバランスの取れた性能は健在。
特に後者では全マシンでも指折りの操作性の良さ、癖の無さが特長。
ストーリーモードでも主役機として登場する。
カラーチェンジが可能になり、『F-ZERO X』では灰色、緑、マゼンタ、『F-ZERO GX』では赤、緑、黒を主体とした配色に出来る。
また、『F-ZERO X』の非売品拡張セット『EXPANSION KIT』では、重量790g、ボディA/ブーストB/グリップAの性能を持つ『スーパーファルコン』というマシンも登場する。
F-ZERO 99
ボディ強度 | 3.0 | 回復度 | 3.5 |
---|---|---|---|
グリップ | 3.0 | 最高速度 | 457km/h |
基本的に初代準拠だが、旋回性能が上がりコーナリングしやすくなった。
長所はバランスの取れた性能と素直な操作性。
特段苦手とするコースがなく、安定した走りがしやすい。扱いやすさに直結するステータスがやや高めなことから、初心者にお勧めの一台。
短所は器用貧乏な点と接触時の弾かれやすさ。
先頭を維持するには回復度が足りず、かと言ってひたすら集団に留まるには接触時の安定性やボディ強度が不足気味。上位を目指すには常に周囲の状況を見極め、臨機応変に立ち回ることが重要となる。
今回は条件を満たすことで様々なカラーやデカールがアンロックされる。シリーズを代表するマシンなだけあり、正統派の格好良さを持つデカールが多い。
F-ZERO ファルコン伝説
キャプテン・ファルコンの愛機だけあり活躍は多い。リアクターマイトを一つ搭載。
『F-ZERO X』『F-ZERO GX』よりもさらに直線的かつシンプルなフォルムとなり、エンジンは中央に1基、周囲にサブエンジンらしきものが4基。
ファルコンフライヤーとのドッキングが可能。
レースや賞金稼ぎ以外の時は、とある場所に格納されていたが、物語中盤にクランクによって発見される。
ちなみにファルコンハウスにはブルーファルコンを模したポストがある。
ゲーム『F-ZERO ファルコン伝説』と『F-ZERO CLIMAX』におけるスペックは以下の通り。
重量 | 1280kg |
---|---|
性能評価 | ボディB/ブーストC/グリップB |
マシンナンバー | 7 |
ほとんど性能に変化はないがリアクターマイトを搭載しているからなのか、重量が従来の作品と比べて20kg増加している。
『F-ZERO ファルコン伝説』ではシリーズでもトップクラスの挙動の素直さを持ち、速度維持も最高レベルとなっている。
『F-ZERO CLIMAX』では隠し要素として性能の異なる機体も登場している。
小説『F-ZERO・・・そしてスピードの神へ』
初代『F-ZERO』準拠で登場。
超磁力エンジンBF2001型(単体でもモンスターと評されていた)を4基搭載。しかしながら車体はコンパクトにまとめられ、規定のサイズを大幅にクリア。さらには総合性能も他の追随を許さないほどだった。
ボディは滑らかな合成ファイバーで、シートや操縦桿には(この時代では希少な)本革を使用。
作中での描写から、キャプテン・ファルコン自身がメカニックも担当していたらしいことがうかがえる。
かつてキャプテン・ファルコンはこのマシンを操り、数々の新記録を打ち立てている。
そして彼の引退後は、彼のアパート内に秘匿されたガレージにて保管されていた。
死期の近づいていた彼は、主人公スワン・リーを気に入るも、スワンのマシン「ラビット」の性能では今後のレースで勝てないと判断。そこで彼にブルーファルコンを託すことにした。
一度目の改造
スワンは、両側面のウイングがもたらす優秀「すぎる」安定性が、自身のレーススタイルと相性が悪いと判断。(急激な方向転換による体当たりや変則的な機動がしにくくなる。)
また攻撃的すぎるフォルムが気に入らなかったこともあり、彼の望む『天使のような顔をした悪魔のマシン』にするべく、相棒のメカニックであるエディに改造を提案した。
シャーシはそのまま、ウイングが排され車体が薄くなったことで外見が大きく変化。地の文では、「水滴が落ちるその様を、そのまま薄くのばした、そういうかたちをしていた。」と述べられている。
キャプテン・ファルコンはこの改造に好意的な反応を示しており、「彼らは最先端のレースを知っている。私など出る幕はない」とすら言い切っている。
しかし勝ちにこだわるスワンは、秘密裏にレギュレーション違反である隠し武器を搭載させていた。(エディは当初反対するも、最終的に相棒の意思を尊重し組み込んでいる。)
これで密かに他車を攻撃し優勝するが、キャプテン・ファルコンには看破されており「お前の走りは間違っている」と断じられている。
運営にも露見してしまうが、F-ZEROをより残虐にし、自身の独裁を有利にしようとする総裁の思惑により、「武器を搭載を禁ずる」というレギュレーションが撤回『されていたことになった』。
二度目の改造
スワンと相思相愛の少女タイメが、『ベガ』と呼ばれる組織に誘拐され、「彼女を無事返して欲しければ次のレースでリタイアせよ」という要求が来る。
彼は応じるべきか悩むものの、(彼自身の出自から)負ければ全てが終わるという焦燥感が決め手となり、タイメのことを頭から消し戦う道を選ぶ。
そしてその原因となったF-ZEROを荒らし、叩きぶすためにブルーファルコンに武器を満載することにした。
しかしこの決断には流石にエディも愛想を尽かし、スワンの元を去っていってしまっため、彼自身が改造を施している。
ブルーファルコン本来の設計思想を無視し、ボムチャックやレーザーネットといった武器がねじ込まれた。安定性が下がりすぎたため、左右と後部に計3枚のウイングが追加されている。
その外見はドラゴンと形容されており、先述の武器やウイングが角や鰭に例えられている。
しかしレース開始の瞬間、突如『スプレム』(スワンの中に宿る不可思議な霊体であり、本作のキーパーソン)が現れ、彼を咎めるかのようにあらゆる機能を停止させていった。
こうしてブルーファルコンはグリッドから少しも動けないまま、リタイア処理用のクレーンに乱雑に掴まれて退場した。
(結果的に『ベガ』の要求に応じたことになるため、タイメは無事返された。)
新生ブルーファルコン
生まれて初めて敗北を経験し、3人の男達との交流をえて、「自分は何故走るのか、走るべきなのか」を見つめ直していくスワン。そんな彼のため、3人の男達は密かに結集。
彼らは不眠不休で試行錯誤を重ね、ファイアースティングレーと同型の高出力エンジン4基、ワイルドグースを参考にした高い居住性のコクピット、ゴールデンフォックスの設計を応用した軽量のボディ、そしてかつてのブルーファルコンそのままのフォルムを持つ最強マシンを作り上げた。
彼らと合流したスワンはミュートシティのスペシャル・セッションに飛び入り参加。
さらにスプレムも現れ、不可思議な力でトラップや武器を消し去ったことで、純粋に『速さを追い求める』F-ZEROが再スタート。
3人の男達とタイメが見守る中、スワンはこのマシンを巧みに乗りこなし、圧倒的出力のエンジンを唸らせて見事優勝。
残虐さを求めていた人々にスピードの素晴らしさを思い出させ、スワン自身もスピードを追い求めて走り続けることを誓ったのだった。
立体物
バンダイ「ブーストダッシュ」シリーズにラインナップ。※現在、入手困難
F-ZERO以外では
キャプテン・ファルコンおよびF-ZEROシリーズを象徴するマシンとして、他の任天堂作品にも登場している。
マリオシリーズ
『スーパーマリオRPG』では、とある店にこのマシンの模型がある。同じ店には他にサムライゴローのマシン「ファイアスティングレイ」や、『スターフォックス』シリーズの戦闘機「アーウィン」の模型もある。
マリオカートシリーズでは、原作とほぼ同じ機体形状にタイヤを取り付けたカートとして登場。
『マリオカートWii』では、軽量級キャラ専用のカートとして登場。デザインは『F-ZERO X』準拠となっている。
所謂、スピードに特化したタイプのマシンでありスピード以外の性能はそれぞれ軽量級マシンとして見ると総じて低く設定されている。
一応、この手のマシンとしてはかそくに優れ、車体も小さめなのでアイテムを喰らいにくい長所を持つ。また、ドリフトの値が平均的なおかげで「急コーナーをギリギリ曲がれるうえにミニターボがすぐたまる (『マリオカートWii』はドリフトの値が低ければ低いほどミニターボがたまりやすい仕様になっている) 」という何気ない強みを持っている。
総合的に見て、ブルーファルコンはスピードタイプマシンの入門にオススメとなっている。更にキノピオを乗せれば安定した走りができるようになるのでオススメ。
余談だが、ブルーファルコンは原作を意識したのか他のマシンよりも滞空時間が長く設定されており、思わぬショートカットができたりする。
『マリオカート8』では、有料の「追加コンテンツ 第1弾」にてフレームパーツとして約6年ぶりにマリオカートシリーズに登場。本作では初代『F-ZERO』のデザインとなっている。
本作では新たに「反重力」という要素が登場し、コースのカベや天井などを走ることができるようになったのだが、本作のブルーファルコンは反重力状態で走る『F-ZERO』の世界観にちなんでか、反重力での性能が高く設定されており、特にN64 レインボーロードやミュートシティとビッグブルーなどの反重力区間が多い、もしくは反重力のみで締められたコースで真価を発揮できる。
そして『マリオカート8』では、スピードが最速カスタムに匹敵するほど高いことやかそくが「2」で調整できる (『マリオカート8』ではかそくのステータスがバグで小数点以下を切り捨ててしまっていたため、「2」や「3」といった数値に調整するのが常だった) こと、そして反重力区間ではかそく「2」の状態で最速カスタムと同様のスピードで走れたことなどの理由により、わくわくビートルと並び最強マシンという評価を受けるまでに至っている。
どうぶつの森シリーズ
同じくブルーファルコンの模型が登場する。『おいでよどうぶつの森』では配信アイテム、『とびだせどうぶつの森』ではフォーチュンクッキーの景品。
Nintendo LAND
1人用アトラクション「C・ファルコンのツイスターレース」に本機をモチーフとしたゼンマイじかけのマシンが登場。
今回は車体後部中央の突起も推進器になっている。
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ
キャプテン・ファルコンのステージ登場時や、「ミュートシティ」「ビッグブルー」といったファルコン専用のステージで他のマシンとともに登場している。何気に皆勤賞。
さらに『大乱闘スマッシュブラザーズX』以降のタイトルではキャプテン・ファルコンの最後の切りふだとして使用されており、ファルコンがマシンに乗り込み猛スピードで敵をはね飛ばすというダイナミックなものになっている。
デザインは『F-ZERO X』以降のものであるが、コクピット左右付近に「F」に翼を生やしたマークがペイントされている。これは『F-ZERO X』の説明書21ページ目のイラストが元ネタであり、以降の作品もこのデザインが用いられている。
関連
???:『F-ZERO ファルコン伝説』にて登場したキャプテン ファルコンの後継者。メットとブルーファルコンを継承している。