「ビルド殲滅計画、始動……!」
「弱い犬ほどよく吠える!」
演:勝村政信
変身する仮面ライダー
概要
元「極プロジェクト」の宇宙飛行士で、東都の新たな知事に選ばれた黒いスーツ姿の物静かな男性。知事に選出される前は、西都政府で活動していたことがある。
「ビルド殲滅計画」の立案者であり、新たな知事となったその傍らで何故か仮面ライダークローズと桐生戦兎の持つハザードトリガーを狙っている。
また、洗脳や催眠のような超能力を使うなど全体的に謎が多い人物でもある。
正体と目的
実は本物の伊能賢剛を含めた知事の3人は10年前の時点で実質的に命を落としており、彼らに寄生して入れ替わっていたエボルトと同族の地球外生命体……通称ブラッド族が彼の正体である。
石動惣一ことエボルトを除いたブラッド族のリーダー格のような存在であり、劇場版では彼を中心に計画が進んでいた。
「スカイウォールの惨劇」後は、西都にて首相の御堂正邦の側近となり、西都を戦争に駆り立てるなどして暗躍。
実は、エボルトの桐生戦兎と万丈龍我を使った地球滅亡計画の真の立役者であり、葛城巧の容姿と記憶を作り変えて「桐生戦兎」という偽りのヒーローを作り上げる計画を立案し、それをエボルトに実行させた張本人。
更に、本編第1話での戦兎と龍我の出会いを仕組んだのも彼であり、仮面ライダービルドを象徴するコンビは彼とエボルトによって作られたとも言える。
影から支援したにもかかわらず、一向に地球を滅ぼさないエボルトに業を煮やし、自分の手で滅ぼすべく地球滅亡計画を実行する。
上記の洗脳能力は人々の中にあった「軍事兵器である仮面ライダーへの恐怖」を増幅させることで操れる他、時間経過によってウイルスのように感染し、一気に広範囲の人々に拡散する厄介な特性を持つ。
その一方で、パンドラボックスの光同様に仮面ライダーの変身者には通じず、それ故に龍我に対しては彼を弱らせた上で彼の中のエボルトの遺伝子を利用する形で洗脳した(というより、元を考えればパンドラボックスの光と同じ力だと思われる)。
また、他の2人と同じく瞬間移動する事も可能で、加えて変身後は、エボルト同様に手から衝撃波を放つ能力も見せている。
人物像
普段は物静かで穏やかな言動をしているが、本性を表すと途端に高圧的になるなど、ブラッド族らしく極めて傲慢で冷徹な人物。
うちひしがれた戦兎を嘲笑いながら足蹴にする等、完全に人間(特にライダー)の事は自分の掌の上の存在として見下している。
戦闘形態
同志の2人はロストスマッシュへと変身したが、彼は仮面ライダーブラッドに変身する。
ちなみに変身には戦兎から奪ったハザードトリガーと龍我のビルドドライバー、そしてコブラロストボトルを装填したグレートクローズドラゴンを使用。ブラッド族なので、当然ながら本編の龍我同様にハザードトリガーを使っても暴走はしない。
劇場版の活躍
「ビルド殲滅計画」の手始めに洗脳能力で暴徒化させた民衆や、操られた石動美空と滝川紗羽たちに戦兎を襲わせ、彼の精神を限界まで追い詰める。
そして、自身と対峙した戦兎に都合良く動いてくれた駒だったという事実を改めて告げると洗脳された龍我の変身するクローズをけしかけてハザードトリガーを強奪。龍我の持つアイテムを使って仮面ライダーブラッドへと変身を遂げた。
エボルトの介入で逃げられてしまうも、龍我や洗脳された仲間を人質にして戦兎にパンドラボックスを持ってこさせるよう命令する。
実は戦兎を追い詰めたのはハザードトリガーを増幅して力を集まりやすくするためであり、そこに龍我の中にあるエボルトの遺伝子をぶつけて力を貯め、それを鍵としてパンドラボックスを覚醒させる。そこから一気に地殻を掘り進んでコアまで到達し、地球を内部から滅ぼすというのが真の計画であり、要はエボルトリガーの複製品であるハザードトリガーとエボルトの遺伝子でパンドラボックスの力を擬似的に再現する事で地球滅亡の実行を目論んでいた。
全ての材料を揃えていよいよ地球滅亡計画を実行するべく同志であるブラッド族が変身するロストスマッシュの2体も取り込んで再度変身すると、ジーニアスフォームをも圧倒する程の高い戦闘力を見せる。しかし、逆転の一撃を賭けたビルドの力によって龍我が分離させられてしまい、無力化されて拘束していたはずの猿渡一海と氷室幻徳が戦兎たちと合流。計画に綻びが生じてしまう。
その後はベルナージュの力で完成した奇跡のフォームであるクローズビルドフォームとなった戦兎と龍我と地底深くで交戦。
最初は、上手く連携が取れない2人を嘲笑っていたが、やがて息が合い始めたクローズビルドフォームの力に圧倒されてしまう。
これまで操って利用していた人間に追い込まれている現実を受け入れられないまま、今度は2人の攻撃で一気に地上まで押し戻され、最期は必殺技の「ラブ&ピースフィニッシュ」を受けて絶叫しながら爆散、その爆炎には断末魔のように仮面ライダーブラッドの顔が浮かび上がって消滅した。
エボルト「伊能。俺を裏切った時点で、お前たちの運命は決まってたんだよ」
その終わりは、ロストボトルの回収に来たエボルトに見下されるという皮肉なものだった。
余談
演者の勝村氏は大の仮面ライダーヲタクであり、幼少期は「仮面ライダースナック」にどハマりしていたが、3回連続さそり男のカードが出た為、買うのを諦めたという。
なお、完成作品では変身ポーズを取らないまま終わっているが、TTYOで2024年元旦に配信された『劇場版仮面ライダービルドBe The One』ビジュアルコメンタリーで上堀内監督が語るところによれば、勝村氏は衣装合わせの際変身ポーズを遠慮してしまい、それを後悔したというエピソードが残っている。
また別のスタッフからは北九州市全面協力の元地元市民と全国各地から集まったエキストラ3000人以上の前の演説で勝村氏はとても楽しそうに演説を行ったようである。
この理由について、同コメンタリーでの谷中寿成Pによれば、伊能は大袈裟なポーズを取るキャラクターではないだろうという勝村氏の判断によるものとのことだが、制作発表会見でほぼ同様の内容を語った勝村氏本人の言葉からして、年齢などから来る(ポーズを取ることへの)恥ずかしさもあった模様。
関連タグ
劇場版仮面ライダーボスキャラクター