「これはほんの挨拶代わりよ。北都の力を思い知らせてあげる」
演:魏涼子
概要
北都の女性首相。53歳。スカイウォールの惨劇の時に居合わせており、パンドラボックスの光を浴びている。
その影響からか好戦的冷酷な人物へと成り果てているようで、第19話では元農家の御曹司である猿渡一海に恩義を感じている北都三羽ガラス(元々は一海の元で働いていた農家)たちの気持ちを利用して、使用すれば大幅に“ハザードレベル”を上げる事が出来るが、その代償として敗れると肉体が消滅して死に至る“ハザードトリガー”の使用を進んで行うように仕向けたり等の行為を見せている(ただしその行為の裏ではブラッドスタークの思惑が絡んでいる為、一概には何ともいえないが…)。
自分が統治する北都は、東都・西都と比べ子育て支援と農業政策を推進している事をアピールしている。
しかし、それは表向きの理由で実際は国家予算のほとんどを軍事開発に使用している事が第16話で東都首相代理である氷室幻徳によって指摘される。その後は幻徳の挑発に乗る形で東都に戦争を仕掛け、東都に仮面ライダーグリスを送り込んだ。
その第16話の最後では何故か首相室にブラッドスタークと共にいたが、どういう関係であるかは現時点では不明(第15話で戦兎が完成させたスクラッシュドライバーとスクラッシュゼリーの設計データを惣一がコピーして盗んでいた事から、恐らく彼が北都政府にデータを横流ししたと思われる)。
第17話で東都がパンドラボックスの力を一人占めしようとしているのを阻止するという口実で、お互い手を組むよう西都の御堂正邦首相にも進言しているが、当然それも一時的なものと考えており、最終的には自分がパンドラボックスの力を使って世界を自分の意のままにするという野望が明かされた(元から野心が強かったのか、パンドラボックスの影響による物なのかは不明)。
第21話では、氷室泰山から「東都と北都による仮面ライダー同士の代表戦で戦争に決着をつけたい」と頼み込まれ、多治見もそれを了承。
しかしその裏では、もしグリスが代表戦で敗北した場合、北都軍を東都に侵攻させて東都を一気に叩き潰す事を目論んでいたようで、どう転んでも約束を守るつもりは微塵もなかった(なお、この目論見はスタークから指示された物である)。
その為、第22話でグリスがビルドに敗れた後は北都軍を東都に侵攻させようとしたが、彼女が北都軍に通達しようとしたところでスタークが妨害。その直後、首相官邸に侵入してきた西都のガーディアン達によって多治見は拘束。北都軍を東都に侵攻させていたせいで北都の守りが手薄だったため、もはや北都には降伏以外の道はなく、事実上北都は西都に制圧されてしまった。
それ以降、登場が無いどころか消息すら言及されていなかったが、後に第40話で再登場。
高濃度のネビュラガスを注入された上でオウルロストスマッシュへと変貌させられてしまい、倒されれば死に至るリスクを抱える事となるが、ジーニアスフォームによって死ぬことなく救出された。
救出の際に体内のネビュラガスを中和されたことで元の人格に戻り、今までの行いを涙ながらに謝罪するのであった。
最終話で誕生した「スカイウォールのない新世界」では、新しく発足した内閣に彼女が厚生大臣として登用された事が泰山の演説で語られた。
余談
演じる魏涼子氏は、過去にも『仮面ライダーW』で有馬鈴子(ベル)/ゾーン・ドーパント役で出演している。その役も今回と同じく、表向きの性格と本性が全然違う人物だった。
そしてボトルを差し込んだ位置もさし方も、ゾーン・ドーパントの時と同じだった。
なお、このゾーン・ドーパントはWの最強フォームが初めて撃破した怪人でもあり、「主役ライダーの最強フォームが初めて撃破した怪人」の役を魏氏が演じるのはこれが2回目となる。
ちなみに実生活の配偶者は、同じく『仮面ライダーW』で井坂深紅郎/ウェザー・ドーパント役を演じ、50代という若さで急逝してしまった檀臣幸氏である。
苗字の「多治見」は岐阜県に実在する多治見市からとったと思われる。どちらかというと西都の領土。
なお、第21話では彼女も冒頭のナレーションに登場しており、東都軍が北都に進軍中である事が本当なのかを戦兎に問い詰め、戦兎は「そんな事実はございません」と誤魔化そうとするも、彼女には通用しなかった。
御堂が第28話で泰山が第33話でそれぞれ死亡してしまい、多治見の方は生存した状態でクランクアップを迎え三国の首相の中で唯一の生き残りとなった(しかし、終盤でエボルがブラックホールで人々を地域毎に殺害しているため既に死亡している可能性もある)。