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N700系

えぬななひゃくけい

N700系とは、JR東海及びJR西日本が共同開発した新幹線車両である。
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N700系新幹線電車

東海道・山陽新幹線のぞみ


JR東海JR西日本が共同開発した新幹線電車。
2007年7月1日より東海道・山陽新幹線で主に「のぞみ」として営業運転に就いており、現在両社において増備が続けられている。また、九州新幹線全線開業に伴い2011年3月12日より山陽・九州新幹線直通列車「さくら」「みずほ」にも7000番台・8000番台が投入された。

先代の標準形である700系をベースに曲線通過速度・最高速度・加減速性能、乗客の快適性、環境対策の向上を狙って設計された。最高速度は300km/h(山陽新幹線区間)。営業用新幹線電車としては初となる車体傾斜システムの導入などで東海道新幹線においては300系投入時以来となる時間短縮を実現している。当初は東京~博多は最速4時間50分(基本停車駅のみ停車)、山陽新幹線内ほとんどの「のぞみ」が基本停車駅+姫路駅や福山駅、新山口駅などのうち1駅追加停車していたこともあって大半の列車については従来同等~停車駅増加した分遅くなっていた……のだが、その後の山陽新幹線内ATC改良に伴い東京~博多間最速4時間46分となっており、ついに500系が出した記録である4時間49分が塗り替えられることとなった(当時品川駅は未開業で新横浜駅と新神戸駅は通過)。

2008年に鉄道友の会よりブルーリボン賞を受賞。他、多数の賞を受けている。

番台区分

すでに使用できる番号が枯渇するほど制約があるため、使用番号が複雑化している。

使用形式77X形、78X形766形、78X形73X形、74X形
0番台Z編成、JR東海所有の16両編成
1000番台G編成、JR東海所有の16両編成
2000番台X編成、0番台から改造
3000番台N編成、JR西日本所有の16両編成
4000番台F編成、JR西日本所有の16両編成
5000番台K編成、3000番台から改造
6000番台
7000番台S編成、JR西日本所有の8両編成
8000番台R編成、JR九州所有の8両編成
9000番台JR東海所有の16両編成で試作車。X0編成JR東海所有の16両編成で試作車。J0編成

9000番台(77X形、78X形)

試作車。JR東海所有の16両編成1本が在籍。量産車とは客室形態が異なるため営業運転に就くことは最後までなく、新技術の実車試験やデータ収集などに用いられていた。1000番台・4000番台にあわせる改造工事を施行したが、番号は9000番台のままであった。
N700系の廃車第1号として2019年に除籍となり、このうち3両はJR東海が運営する鉄道展示施設「リニア・鉄道館」にて静態保存。

0番台・3000番台→2000番台・5000番台

最初に登場したグループで16両編成。耐用年数を迎えた300系を置き換えるために製造された。JR東海所有のZ編成が0番台、JR西日本所有のN編成が3000番台として登場した。

のち1000番台・4000番台にあわせる改造工事を行なわれた。主な改造内容は以下の通り。

  • キャリパー式車輪ディスクブレーキのブレーキディスクのボルト締結方式を、内周締結式から中央締結式に変更してブレーキ性能を強化
  • 定速走行装置の搭載
  • 地震ブレーキの搭載
  • 車体傾斜装置の改良
車番が+2000され、全編成が2000番台・5000番台となった。JR東海所有のX編成が2000番台、JR西日本所有のK編成が5000番台。

N700系X59編成(2000番台)

2015年6月30日の東海道新幹線火災事件の被災編成。1号車の車内が大きく損傷した。
事故後、X59編成は三島車両所へ回送され、事件から一年になろうとしていた2016年6月29日未明に、代替新造のための新たな一号車が日本車輌から陸送された。
因みに今回陸送さた車両、前照灯は1000番台と同様の形状だが側面の青帯やロゴマークは2000番台のものとなっている。その為編成の前後でライトの形状が微妙に異なる編成となる。

7000番台・8000番台

山陽・九州新幹線さくら


2011年九州新幹線(鹿児島ルート)全線開業に伴う山陽・九州新幹線直通列車向けに製造された。8両編成。JR西日本所有のS編成が7000番台、JR九州所有のR編成が8000番台である。
S編成・R編成の相違点として、車内チャイムの違いが挙げられる。

座席は700系「ひかりレールスター」をベースに改良が施されており、指定席の座席は通路を挟んで2列ずつとされている。また、6号車がグリーン車・普通車の合造車という珍しい構成である。
九州新幹線内の急勾配に対応するべく、全電動車構成とされた。一方で、東海道区間とは異なり主要区間が線形の良い山陽新幹線でもあるため車体傾斜装置は未搭載であり、準備工事に留めている。

1000番台・4000番台

JR東海 N700系1000番代 ロゴ


2013年からは改良型の1000番台・4000番台が製造開始。
「Advanced」の意味を込めて「N700A」の通称が与えられたが、あくまでN700系の一員である。
耐用年数を迎えた700系を置き換えるために製造された。16両編成。JR東海のG編成は1000番台、JR西日本のF編成は4000番台を名乗っている。車体側面のロゴマークには大きく「A」の文字がある。

従来車からの改良点は、概ね以下の通り。

  • ATCと連動した定速走行装置を搭載
  • キャリパー式車輪ディスクブレーキのブレーキディスクのボルト締結方式を、内周締結式から中央締結式に変更することでブレーキ性能を強化
  • 台車振動検知システムの採用
  • 車体傾斜装置の改良
  • 一部照明のLED化
  • ドア開閉警告灯を設置
  • 一部部材の見直し
  • トイレに温水洗浄便座を装備(2014年度落成分以降)

9000番台(73X形、74X形)

「Supreme」(最高の)の意味を込めて「N700S」の通称が与えられたが、あくまでN700系の一員である。
試作車であるJ0編成はX0編成と同じく「9000番台」となったが、各車両の車両形式は変更された。

N700Sの記事を参照

車両設計

車体

700系と同様の、アルミニウム合金によるダブルスキン構造の構体であるが、車体傾斜装置の搭載を前提として、車両限界に収まるよう車体幅が狭められている。車体幅を狭めた分、側構体を薄くすることにより、従来と同等の車内空間を実現している。
側構体を薄くした上で強度を維持するため、窓面積を小さくしている。その窓についても、従来の複合ガラス構造から、透明なポリカーボネート板に変更し、大幅に軽量化。

前面形状

700系のエアロストリームを発展させた、エアロ・ダブルウィングと呼ばれる形状を採用。
圧力のピークを前面形状によって適切な位置に分散させ、圧力波の最大値を抑えるという革新的な設計である。さらに、左右に長い窪みを設け、前面ガラス周辺を盛り上がらせることで、気流の整流作用を向上させている。
ノーズは700系よりも少し長く、運転室扉に干渉しており、またその直後の客用扉はプラグドアとなっている。また、トンネル突入時の圧力変化を抑えるため、先頭車は後ろのデッキ部を除いて屋根が低くなっている。
これにより、300系と同じ座席配置を維持しつつ、300km/h走行時のトンネル微気圧波基準を満たせるようになった。

全周幌

700系では一部の号車に装備されていたセミアクティブ左右動ダンパを、N700系は全車両に搭載した。これにより、車体の横揺れが少なくなったので、車体の端部同士を繋げてしまう形で全周幌を搭載することが可能になった。
全周幌本体は四角いタイルのようなパーツとなっており、車体に1つずつねじ止めされ、連結部を跨いだ白いカバーの形態となっている。伸縮性のある特殊な素材でできており、高い強度と耐久性を持つ。
車両全体が平滑になるので、空気抵抗の削減が期待できる。

走行機器

300km/h運転を目的として、主電動機は連続定格出力を305kwに増強し、歯車比も2.79まで落とすことで、高速性能を確保。
主変換装置は従来よりも小型軽量化・信頼性向上を図った新型を採用。先頭寄りのユニットには、走行風冷却方式の主変換装置を搭載している。1000番台・4000番台は全車両に走行風冷却方式の装置を採用し、さらなる小型軽量化を実現。
700系に引き続き、グリーン車の駆動装置にはTD継手を採用し、不快な床振動を無くしている。しかし、車外騒音がかなり大きく、通過時は編成の中央辺りから風切り音のような騒音が見られる。
台車は300系以来の円筒積層ゴム+コイルばね軸箱支持方式である。しかし、九州新幹線直通用の7000・8000番台では、500系以来の軸梁式となっている。
パンタグラフは新形状のシングルアーム式を採用。下部のアームが極端に短くなり、外観では一本主枠に見える。
電動車比率を14M2Tに高め、車両制御システムによる遅れ込め制御を導入したことで、常用ブレーキを全て電動車の回生ブレーキで賄うことが可能になり、よって渦電流ディスクブレーキを廃止。

700系では東海車と西日本車で走行機器に違いが見られたが、本系列では特に見られない。

車体傾斜装置

東海道新幹線内に多数点在する半径2500mの曲線を高速で通過するため、新幹線車両で初めて空気ばね高さ制御による車体傾斜装置を搭載する。半径2500mの曲線において、本則+15km/h、270km/hでの通過が可能であり、曲線通過時の加減速を不要とした。
車両の傾斜制御プログラムと地上設備の位置情報を元に、正確な傾斜制御を行い、乗り心地を向上させている。
N700Aでは車体傾斜の動作条件を半径5000m未満の曲線にまで拡大し、半径3000m以上の曲線において285km/hでの通過を可能とする。
なお、傾斜制御装置が故障した際は、700系と同じ運行ダイヤとなる。

山陽新幹線においては傾斜制御が不要であるため、車体を水平に保つ制御のみを行う。また、7000・8000番台では準備工事措置となっており、車体傾斜制御装置は搭載しない。

設備面

座席は、軽量化と座り心地を両立するため、座面クッションに金属のSバネと樹脂を合わせた複合バネを仕込んでいる。
グリーン車の座席は、リクライニングと共に座面後部が連動して沈むようになっており、包み込まれるような座り心地を実現。また、荷棚下には飾り照明が付いている。

受動喫煙防止の観点から、車内は完全禁煙とされた。ただし、喫煙需要にも応えるべく、16両編成では3・7・10・15号車に、8両編成では3・7号車に喫煙ルームを設置。

また、痴漢防止やテロ対策を図り、運転室と全ての客用ドア上部に防犯カメラが設置された。ドア上部のカメラは、デッキの出入口周辺を撮影する格好となる。
しかし、2015年の東海道新幹線火災事件を受け、更なる防犯措置としてデッキの通路を撮影するのに1台ずつ、さらに客室用として案内表示器の右側に1台ずつカメラが増設された。

性能

電動車比率の増加、空気圧縮機の増設など重量増加の要因が増えたため、700系よりも編成重量は増加しているものの、708tに対して715tとかなり抑制されている。

運行ダイヤの過密化が進む東海道新幹線において、後続列車から素早く逃げるため、起動加速度は2.6km/h/sとかなり高めに設定。JR東海の313系と同等であり、しかも定格速度が100-120km/hであるため、並の在来線車両ではこの加速力に追いつくことは不可能である。
山陽新幹線内では、最高速度300km/h運転を行う。

車体傾斜装置によって曲線通過時の余計な加減速を無くしたことと、全周幌の採用による空気抵抗の削減により、東京〜新大阪間走行時の消費電力は700系比で19%カットとなった。

運用範囲

東海道・山陽新幹線用

JR東海所属車・JR西日本所属車が両者共通で16両編成の「のぞみ」「ひかり」「こだま」で運用されている。

山陽・九州新幹線用

JR西日本所属車・JR九州所属車が両者共通で8両編成の「みずほ」「さくら」「つばめ」「ひかり」「こだま」で運用されている。このほか、JR西日本所属の7000番台・S編成に関しては博多南線での定期運用があり、JR九州所属の8000番台・R編成はダイヤ乱れ時の突発的代走以外での運用はない。

関連タグ

0系 100系 300系 500系 700系
のぞみ ひかり こだま みずほ さくら つばめ
東海道新幹線 山陽新幹線 九州新幹線
JR東海 JR西日本 JR九州

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