概要
初出は『銀魂』の銀ノ魂篇から。古今東西の漫画によく見られる最終回付近で急に次々と登場人物のカップリングが成立する現象をさす。
対義語、というか対策は「我竜退治」(ドラゴンクエスト)。要するにアレである。
これを恐れた登場人物達は、「話しかけるだけでフラグが立つ」からと会話もままならない事態になった。実際、猩々星のバブルス王女との結婚をさせられそうになった近藤の言動は、何を喋っても何をしても異常なほどに近藤の意思とは真逆に解釈されていた。逆に、バブルス王女の言語能力と優しさに救われたが。
アニメ版でもこの言葉は登場しており、その際は元ネタを意識したとしか思えない見覚えのあるロゴまで登場している。
なお、『銀魂』自体は全員フリーの状態で完結し最終回発情期は起きなかった。
その後特にネタにされていなかったが、ある漫画の最終回近くでTwitterでトレンド入り。それまで作中で一切の描写も伏線もなかったカップルの乱立で多くの読者を混乱の渦に陥れたためである(一応、その漫画は最終決戦が終わるまで一部を除いて恋愛してる余裕など無い作風だったのだが)。
考察
多くの少年漫画や青年漫画の最終回では「主人公達の数年~数十年後」が描かれる場合が多い。
その際に「かつての少年少女達は成長し、一人前の大人になった」ということを感じさせる分かりやすい展開の一つが『結婚』『出産』である。
結婚という結末自体、古くは神話や昔話の時代から存在するものであり、「結婚して家庭を持つことが一人前の大人の証」という概念が古くから定着していたのがわかる。
またバトルものの場合、最終回周辺といえば最終決戦が目前で戦いが終わる目処が立ち、登場人物達の緊張の糸が切れるタイミングであり、大きな戦争の終戦後にベビーブームが来るようなものと考えればむしろ自然という意見もある。
とはいえ、結婚に対する価値観の変化や少子化が進んだ近年では、「大人になれば結婚して家庭を持つ」というステレオタイプが時代にそぐわなくなっている感はあるかもしれない。
評価
伏線があったり、ベストカップルと言われる二人が結ばれることは読者に大いに歓迎される一方で、何の脈絡もなく急にくっつき出したり、いつの間にかポッと出の名無しキャラとくっついていたりするとご都合主義に見られやすい。
負けヒロインがいたり、他所の女にフラグが立ってたり、ハーレムエンドだったりすれば大いに荒れる最終回へと変貌してしまう。
また、残り物同士を強引にくっつけたようなカップリングも荒れやすい。これは「振られた者同士の傷の舐めあい」、要するに一時的なショックによる半ばやけっぱちの交際であり、現実的に見てそんな交際が上手くいく可能性は低いと見られてしまう。
さらに、「あれほど主人公に恋慕していたヒロインがあっさりと次の男に行く描写不足」「読者は主人公に自己投影しており、そんな主人公と好きなヒロインが結ばれないことによる不満」という部分も批判される。
どんな物語にも言えることだが、例えキャラクター自身が幸せと感じる結末だったとしても、そこに至るまでの筋道がちゃんと通っていなければ、説得力がなく違和感しかない展開と受け取られてしまうのだ。
しかしながら、本来なら素直に歓迎されるべき「ある程度恋愛フラグの立っていた者たちが最終回で結ばれる」ケースですらも最終回発情期と茶化す勢力も一部現れている。
あくまでも"「そこに至るほど絡みなかっただろ」という者同士がなぜかくっついている"という事に対する批判半分の茶化しネタであり、むしろくっついてなかったらくっついてないで「逆にまだくっついてなかったのかと言われかねない」キャラ同士がくっつくのは、全てが終わって憂いがなくなった以上至極当然の話であり、茶化すべきシーンではない。
そう言ったアンチ混じりか誤用かわからない勢力の台頭によりこのワードそのものを嫌うものもいるので使う場所は選ぶこと。
二次創作用語の総カプとの違い
あちらが『登場人物全員が恋人持ちになる』の意味に使われるのに対して、こちらは原作ならではの生々しい演出がなされるケースが多くある。
- 仲間が次々と恋人持ちになって主人公のみが余る
- 「全員が恋人持ちになる」ケースではなく「最終回付近に恋人持ちが出てくる」ケースのみを指し、主役カプや総カプのみを指さない
- レギュラーの異性とくっつくキャラの他、故郷にいる異性NPCとくっつくキャラ、同性やペットやファン(キャラの立ったモブ)とくっつくキャラ、恋愛SLGとくっつくキャラ、幸せそうな孤高キャラ、アイドルやバリキャリになって人生を謳歌するキャラ、最終章で現れる新キャラかつ最重要キャラとくっつくキャラなども出てきて、各々の幸せが型に嵌っていない
- 一次創作のみにおいて使われるため、これまでの積み重ねが効いてくる最終回付近にカプが乱立するケースのみを指し、起承転結のない手抜きの総カプは指さない
一次創作か二次創作以外の点も異なるため、留意されたし。
該当されると思われている作品
アニメ
- 機動武闘伝Gガンダム
- 新機動戦記ガンダムW
- 機動新世紀ガンダムX
- 3作品とも主人公とヒロインにはしっかりフラグが立っている。
- 機動戦士ガンダムSEEDシリーズ
- 機動戦士ガンダムSEEDではやや強引にくっついたカップルが続編で破局していたり、無印で死亡したはずのキャラクターが実は記憶を操作され生きており続編最終回付近で元恋人と再び結ばれるケースもあった
- デジモンアドベンチャー02
- 但し総当たりではなく、2組のみ。そもそも制作側では最終回でこの2組はくっつけることが想定ルート。他は既婚だが相手は不明。
- デジモンクロスウォーズ
- 魔法少女まどか☆マギカ
- 機動戦士ガンダムAGE
- マクロスF
- TV版では主人公のアルトは恋愛より空を飛ぶことに熱中している部分が度々クローズアップされておりヒロインとの関係の深掘りは行われていたが最終話では関係は曖昧に進められ一応ハーレムエンドとも見て取れる終わり方をした。
- 劇場版ではダブルヒロインの片割れ、シェリルと幼少期からフラグを立てられ相思相愛が確定しておりラストシーンで告白している。
- ライオンガード
- ヴォルトロン
- メガトン級ムサシ
映画
漫画
- 鬼滅の刃
- 主人公とサブヒロイン、仲間とヒロインにはフラグがあった
- NARUTO
- しっかりとフラグがあったものもある
- 僕のヒーローアカデミア
- ハーメルンのバイオリン弾き
- BLEACH
- ただしくっついたのは二組のみかつ、そこに至るまでのフラグはしっかり建てられていた。
- ボンボン坂高校演劇部
- 魔法先生ネギま!
- 相手が判明している、相手が何となく特定出来るキャラはともかく、詳細も無しに「結婚した」とだけ書かれたキャラは絶望しか無い。
- めだかボックス
- 最終回周辺にカップル(中には夫婦もいる)が大量に成立したが、作中の時間では10年が経過している
- ドラゴンドライブ
- 明言はされていないが、メインキャラそっくりな兄弟姉妹が登場している。家が「大空動物病院」の大空兄妹は確定的
- 絶園のテンペスト
- 主人公その1&ヒロインに関しては根回しアリ
- 巨人の星
- ジャングルの王者ターちゃん
- 2組のみだが、うち1組は全くフラグがなく、登場人物からも突っ込まれた。
小説
- 烏丸久美子は巫女でない
- カップルが乱立した訳ではないが、メインキャラの1人は単行本収録のエピローグで(結婚こそ明言されていないものの)いきなり母親になっており、ある意味コレ。
途中で発情期が起きた作品
※物語の中盤でいきなり発生した例
ほぼ毎回が発情期な作品
関連タグ
ファイナルファンタジー:似て否なる何か。我竜退治の本家:ドラゴンクエストとは異なりキャラクターとストーリーの解像度が高く、よく「没入するDQ」「眺めるFF」と揶揄される。「最終回発情期」的な展開になったのはFF4のみであり、自他共に認めるカップルになったのは主役夫婦だけ。