CV:草尾毅
概要
『だったら強くなれ!ネネ、俺がそうなったように強さでしか悲しみは癒せない!!』
タイキのライバル的存在。エリート中学に通う1年生の13歳で、彼もジェネラルである。冷徹な性格。青いクロスローダーの持ち主。
彼をジェネラルとしてデジタルワールドに引き込んだのはバグラモンである。
デジタルワールドにおいて、天才的な軍略と強力な直属デジモンにより、多数のデジモンを平定している。タイキの素質を見込んで部下に誘おうとするが、命を大切にしない奴とは組めないとして断られる(2期ではタイキたちの帰りを誰よりも待っていた事を窺わせる描写があり、相当彼の能力を高く買っていたらしい)。
レイクゾーンで会ったときにはタイキに協力するなど、タイキ曰く「黒いもの」以外の部分も見せている。
マイペースなバステモンに対しては自分のペースを崩されるため苦手意識を示し、それについての会話の際には今までにない柔らかい表情を見せたこともある。
1期の彼は目が死んでいるのが特徴(第6話では2期同様にハイライトが描かれているシーンもある)。
なお、グラビモンのコアを握りつぶしていたが、握力がすごいのか少年でも握りつぶせる程度の物だったのかは不明。だが、対アポロモン戦にてタイキを腕の反動で何mも吹っ飛ばしていることからも、実際に少年とは思えないほどの筋力を持つと思われる。
第2期では服装と髪型がかなり変わった。そのため妄想においてネネから「本当はカツラなんでしょ?!」と突っ込まれる程だった。
デスジェネラルと対抗するため、仕方なくクロスハートと連合を組む。しかし方針の違いから足並みが揃わなかったり、後半は敵の策略にかかって情緒不安定となった回もあった。とはいえ、タイキたちを信頼している節があり(事実、友情を感じていたとも発言している)、タイキが自分の体調が悪い時でも仲間を気遣う性分であった事から、タイキに化けて自分を爆破ポイントに誘導しようとするスプラッシュモンの正体を暴いている。その際にどこからか調達したデジメモリ型の爆弾を使っている。
グラビモンによって暴かれた過去によると、彼は蒼沼グループと呼ばれる財閥(100以上の企業が傘下にあったらしい)の御曹司であり、未来を約束された少年であった。が、厳格な父・大悟(CV:遠藤守哉)から「弱い者は無価値である」と徹底的に教え込まれ、弱い面を見せると厳しく叱られており、優しい母・マリア(CV:吉川未来)に逃避気味であった。よってその幼少期は必ずしも華やかなものではなかった(この時の彼の声色は雰囲気も相まってまんまこの人である)。
両親の死後に蒼沼グループが他人に乗っ取られてしまい、親戚からも見放されて全てを失ってしまう。このためキリハは「弱者は無価値」、「仲間はいつか裏切る」という価値観に支配されてしまっていた。
そんな人格に豹変しながらも、家族への想いは切り離せず、家族写真が収められたロケットを肌身離さず持っていた。デッカードラモンが消滅した時の狼狽ぶりから誰よりも孤独を恐れているらしい事がわかる。
凄惨な過去をグラビモンに暴かれてからは暴走し、自身の部下であるデッカードラモンを痛めつけ、グラビモンに倒されてしまう原因を作ってしまうが、その死によって己の過ちに気づいたことで乗り越え、一皮むけて復活した。ロケットの両親の表情は成長したキリハを祝福するように微笑んでいた。
そこで彼は父親の本当の思いに気づく。それはいつも泣いてばかりのキリハを心配した父が、「悲しみを乗り越え、強くなる事で本当の仲間が持てる」という事を学ばせる為に敢えて厳格に接していたのだ。
『強くなれば、本当の仲間が持てる、本当の仲間を持つ奴が本当に強い奴なんだ!!』
そう語る彼の表情は強さに固執する冷酷だった以前と比べて晴れやかなものであり、真に『愛の戦士』として歩み出した瞬間であった。
最終回ではデジタルワールドに帰って行くメンバーにポーズを取って別れを告げるなど、キザさが増した。
第3期では脚本から登場させないと言われていたが、後にゲストとして登場を果たす。ツイッターなどでは歴代主人公を押しのけて一番話題をかっさらっていた。なんだかんだで愛されているキリハであった。
3期では渡米して日本にはいなかったが、デジクォーツの事件を受けて戻ってくる。クロスハートの面々と完全に協力体制にあるうえ、アイドルとなったネネにからかわれて顔を赤らめるなどまんざらではない様子を見せた。
前期と比べてかなり丸くなっている事がわかる。
漫画版では、アニメ版よりもかなり狡猾な性格になっている。一方で自らを「紳士」と称す面も持っている。
レインゾーンでのクロスハート・ブルーフレアとダークナイトモン軍との激しい戦いの後の数カ月の間に、アニメ版二期と同じ服装・髪型になった。こちらではタイキを『工藤』と呼ぶ。
名前の由来は、冷静でシャープ、かつ相手を打ち破る強さを持ったキャラクターをスタッフが構築し、その『冷静』と『切り込む』というイメージの語感から。
ブルーフレア
キリハが率いる実力主義の独立軍。通称は「青の軍」。
この為、基本的に弱いデジモンは味方に加わる事は無く、高い実力を持つデジモンで構成されており、使えないと判断されたデジモンは切り捨てられる…が、捨て駒扱いのゴーレモンがバグラモンの戦いに参戦していた事から、なんだかんだでデジモンは大切にしている方である。
実際にグレイモンやメイルバードラモンからは信頼されており、愛ある者に手を貸すとされるデッカードラモンが愛とは程遠いように見える彼に付いて行った事からもそれが窺える。
他軍のデジモンに対してもこれは同様らしく、シャウトモンを捨て駒にするかもしれんと言いつつ、シャウトモンのバリスタモンを助けたいという頼みを(デッカードラモンらの後押しもあったが)承諾している。
上述の過去からドラコモンを非力なヤツと見なしていたが、力は弱くとも心が強い彼を本心では認めており、『自分が同じ立場だったら強くは振る舞えない』とまで称賛した。彼の姿から『力が弱くとも折れない竜のプライド』を学び、超進化の力を扱えるようになるなど、ドラコモンの入隊はブルーフレアに大きな影響を与えている。
ゴールドランドの戦いで戦力を大きく削がれたキリハが折れなかったのも、ドラコモンの信念に依るところが大きい。
大体の戦局ではグレイモンなどのメインメンバーが重宝されるため、ガオスモンやボムモンといった戦闘員クラスのデジモンはあまり出陣させることはない(最終回のような総力戦ではじめて出陣といった具合)。中でもメイルバードラモンは冷静な性格であり、移動手段や空爆要員として運用された。
サイバードラモンはメタルグレイモンやデッカードラモンが不在の際のメイン火力としての登場が多く、ドラコモンは前線で戦うというよりも物体のウィークポイントを探すという役割で活躍することが多い。
2期終盤でシャウトモンらにも信用されるようになってからはタイキの代わりに彼らを指揮するシーンもあり、同じようにグレイモンらもタイキをキリハが認めた男として指揮下に入る事がある。
シンボルマークは火炎を吐く青いドラゴン。各ランドの旗を見るに、2期ではクロスハートの同盟軍としてバグラ軍に認定されているようである。
メンバー
- グレイモン
- メイルバードラモン
- デッカードラモン
- サイバードラモン(XW版)
- ゴーレモン
- ガオスモン
- ボムモン(XW版)
- ドラコモン(2期で加入)
- ヴォルクドラモン(3期で加入)
- ドーベルモン/ラーナモン/ハヌモン/ブリザーモン/カメレモン(漫画版での追加メンバー。デジモン4部作後期に活躍したデジモンが中心)
避難
ダークネスバグラモンの攻撃から逃れる為に一時的に自分のクロスローダーに避難させた(この時点でタイキたちと分断された為)。
関連タグ
リボルモン:『デジモンアドベンチャー02』に登場した個体は後にキリハを演じた草尾毅氏が演じた。
シンジ(ポケットモンスターダイヤモンド&パール):1期での方針が似通っている。ただし、こちらもキリハと同じく光落ちしている。
佐藤寿也(MAJOR):優等生ではあるものの親が毒親(しかもキリハと異なり母親も)で血縁の者から見捨てられて1期におけるキリハのような性格だったが彼も主人公との交流で改心している。
歴代テイマー関連
八神太一:同じくグレイモン系がパートナー。
石田ヤマト:同じくパーソナルカラーが青であり、敵に唆されて同士討ちをした経験もあるが、キリハと同様に彼の成長には必要不可欠なイベントであった。ただし、パートナーはグレイモン系とは対になるガルルモン系である。
本宮大輔:同じく合体する青いドラゴン系デジモンがパートナー。
大門大:同じくグレイモン系がパートナー。
トーマ・H・ノルシュタイン:天才的な戦略家、父親との和解を経て大きく成長する、パーソナルカラーが青であるという共通点を持つ。
城戸丈:原典『無印』では菊池正美氏が演じているが、『デジモンアドベンチャー:』(2020年版)ではキリハを演じた草尾氏が演じている。
一乗寺賢:合体するデジモンがパートナーで同じくデジモンを酷使する悪役(厳密に言えば洗脳されて悪堕ちしていた)だったが、後に改心する点が似ている。