概要
公式設定
「ビッグデスターズ」水虎軍団将軍。
自らを液体に変化し液体から液体への移動から、人やデジモンに自在になることも出来る。このためスパイ活動を得意とし、入手した情報を自らがまとめるサイボーグ型デジモンに伝達し作戦を実行している。
どんな作戦であれ常に美しくいることが最優先事項で、自身の美貌が汚れる作戦は拒絶する性格にある。軍団は率いているものの信じる物は己の美貌のみで、軍のデジモンといえど信頼関係など微塵も持っていない。
体内で構成し形成された色とりどりで可愛らしい水精霊「ドリッピン」は見た目とは裏腹に色によって格闘・状態異常・大爆発と恐ろしいほどの攻撃能力を保有している。
「ドリッピン」の中にはスプラッシュモンこだわりの「奇跡の美容液」が詰まったものも存在し、肌がツヤツヤになると口コミで噂になっている。
中でも「ポイゾナスフォース」で放たれたドリッピン軍団は、敵軍団の指揮系統を麻痺させ戦場を混乱に陥れる。
さらに指先から高圧・高速の水圧を撃つ「ハイドロプレッシャー」や、微量の元素を集め一瞬にして敵の頭部周辺に液体化する「ビードラウン」で状態異常を起こさせる技を持つ。
スプラッシュモンが傷つき窮地に追い込まれた時、全身のチャックを解放し中からスプラッシュモンの真の姿が現れる。美貌を傷つけた者は勿論、この姿を見たもの全てを飲み込み消滅させるべく、大洪水を巻き起こす「タイガータイフーン」で逃げ場なく圧死・溺死させてしまう。
しかし真の姿はスプラッシュモンの意に反したとても醜いものなため、晒す事は極度に嫌っている。
アニメでの活躍
デジモンクロスウォーズ
CV:緑川光
サイバーランドを治めているデスジェネラルの一人で「水虎のスプラッシュモン」と呼ばれる。
普段は人間の男性に近い姿だが、これはスーツで本来の姿は不気味な顔をした水虎のデジモンである為、水棲獣人型にカテゴライズされている。
身体が水で出来ていて、光線や打撃といった攻撃はすべて効かない。
また、他のデジモンや人間に擬態する能力がある。
自分の分身である水の精霊「ドリッピン」を作り出しそれを使って戦う。
ドリッピンは複数存在し、色ごとにその能力も違う。本編では、他人を信用できなくなる作用を持つ赤のドリッピン、自分に見惚れさせる作用を持つ桜色ドリッピン、痺れの作用を持つ黄色のドリッピン、人形を操る瑠璃色ドリッピン、大爆発を起こしたり、檻に変形する黒色ドリッピン等が登場している。
デジモン(アンドロモンやホエーモン)が数体存在するものの、スプラッシュモン以外のデジモンは全てドリッピンが操った偽物である(シャウトモン達に倒されても消滅しなかった。)。
自分以外の誰も信用しない性格で、部下デジモンを一体も持っておらず、戦力が大量に必要な際はドリッピンが中に入って動かすデジモンの人形たちを使う。
サイバーランドに本来住んでいたデジモン達はスプラッシュモンの策略によって全滅してしまい、部下のデジモンを持たないが故に、サイバーランドにいるデジモンは彼だけであった。
ホエーモンの体内にルカ(声:金田朋子)という少女がいたが、彼女もデジモン同様上記の瑠璃色のドリッピンが操っていた。よく見るとルカはスプラッシュモンを女体化したデザインである。
公式設定によれば、上述の通り、ビッグデスターズ水虎軍団の将軍で、自分以外の物を醜いと考える真性のナルシストだとされており、真の姿を晒す事を嫌っているというどこぞの吸血鬼を思わせる設定である。一方でドリッピンは美容効果も期待できるというコミカルな噂も流れている。
必殺技は高圧水流を放つ「ハイドロプレッシャー」(シェルモンの技とは関係ない。)、敵を水球に閉じ込めて酸素を奪う「ビードラウン」、渦潮を吐き出して敵を呑み込む「タイガータイフーン」。
戦闘において
上記のドリッピンを使い、サイバーランドの住民を争わせ、全滅させた。
タイキ達から負のエネルギーを引き出すべく、赤や桜色のドリッピンを用いて罠を仕掛ける。
だがドルルモンに悉く阻止され、それを機にキュートモンの姿に変身して彼を捕らえる。この時、彼から必殺技である「ドリルバスター」や「ドルルトルネード」を食らうが、上記の通り液体の体を貫通するだけで無傷(態とやられた素振りもした)。
罠の存在に勘付かれると、次々と姿を変えてドルルモンやネネの姿に変身し、メタルティラノモン(無論偽物である)の軍団を操り襲わせ、タイキらとネネを分断させる。
タイキ達の前に現れ、絆を断とうとするが、タイキの姿に変身した後に彼の行動を怪しんだキリハによってデジメモリ型の爆弾を摑まされて正体を見破られる。
爆殺したと思っていたタイキ達もバリスタモンの作ったハリボテのおかげで生きており、既に企みに勘づいていた彼らは密かにリボルモンをリロードし、本拠地に潜入したキュートモンに同行させてドルルモンの救出を行わせていた。
やがて、全てのドリッピンを吸収して巨大化し、更にスーツを脱いで虎のような真の姿を現す(通称スプラッシュモンダークネスモード)。
水の身体は打撃や衝撃、光線の攻撃を防ぐ(X4やジェットメルヴァモンの技を食らっても無傷だった)。
が、蒸発だけは防げず、熱に弱いという弱点を見つけられてしまいシャウトモンDXの「ブレイブビートロックダブルクロス」の聖なる炎を受けて、徐々に萎み倒された。
皮肉にも仲間を信頼しない性格が仇となり、仲間同士が強い信頼で結ばれているクロスハートに敗北してしまったのだった。
最終決戦でダークストーンの力により心を抜き取られた状態で復活する。抜き取られた心は他のデスジェネラル同様、プリズンランドにある。ダークナイトモンに利用されていたことを悟り、グランドジェネラモン敗北と共に再び消滅した。
尚、復活した時は真の姿で現れたが、プリズンランドでは何故か元の人型の姿をしていた。
デジモンアドベンチャー:
第21話にて(クロスウォーズ出身では前話終盤に登場したスカルナイトモンに続き)まさかの再登場を果たした。
デビモン配下のデジモンで、拠点周辺の瘴気の沼に潜み、スカルナイトモンを追ってきた太一達の前に姿を現す。
上記のようにナルシストで陰湿な策略家だったクロスウォーズに対し、番犬的な存在として扱われ、終始ダークネスモードで行動し、変身能力やドリッピンを使役する知性はおろか、言葉を発する場面もなかったが、液化能力での攻撃回避や神出鬼没なヒットアンドウェイ、更に瘴気をその身に宿すだけでなく、水源たる沼から集めた瘴気のこもった水弾でメタルグレイモンとワーガルルモンを圧倒する。
そのまま倒れたメタルグレイモンの右腕に食いつき瘴気の沼に引きずり込もうとするが、諦めず立ち向かった太一の勇気でメタルグレイモンが武装鋼化(アップデート)を遂げ、新たに変化した右腕のエネルギー砲「アルタラウス」から放たれた「ポジトロンブラスター」に水弾ごとコア部分を撃ち抜かれ、消滅した。
- ちなみに前話ではベルグモンが再登場し、同話に姿を見せたカルマーラモンもそちらにシルエットで先駆けて登場していたが、スプラッシュモンとスカルナイトモンも含めこれらはすべて過去作品では自身の姿にコンプレックスがあり(スカルナイトモンは家族にもコンプレックスを持っていた)別の姿を持っていた。
デジモンゴーストゲーム
「なかなかいい…。吸い付くような瑞々しさだ…!」
「フフフ…。この世界で私は気付いた。人間こそ、私を輝かせる『究極の美容液』に最も適した素材だと!」
CV:三浦祥朗
第27話に登場。真の姿で暴れ回った前作の影響か、今作は人間態のみで活動する。
ネットで噂されている都市伝説「水に呼ばれる」の正体で、人間にしか聞こえない水の音を3回聞かせて恐怖心を煽り、恐怖が強まったのを見計らうと人間の肉体に干渉し水球に変えて誘拐。高純度の恐怖に支配された人間を素材にした「究極の美容液」を作ろうと目論んでいた。
人間は単なる素材としか見ておらず、他のデジモンも「美しさのカケラもない」と見下したりと自分の美にしか関心が無い、過去作よりも公式設定寄りな性格。勿論自身の悪事を省みたり、疑問を持つ事はない。
次のターゲットとして葉櫻学院の寮の管理人の新島さんを襲撃し、ガンマモンのために氷を取りに行った宙に見つかり対峙。ガンマモンの『ブレイクロー』をかわすが、髪の一部を切られて激昂のまま殴り飛ばし、宙の言葉にも耳も貸さず、水球に変えた新島さんを連れ去った。
その後、逃亡先の水族館にて作った美容液を試してみるが、まだ自身の納得のいく出来にならない。すると自身を傷つけた逆恨みがてら、宙一行をターゲットに定めて恐怖に陥れようとする。
夜が明けて、宙達は切った髪を頼りに捜索を開始するが、近づいたら勘付かれて大量の水と共に姿を消す上に、自分達もスプラッシュモンの流す水の音を耳にしてしまい神出鬼没の恐怖に苛まれる。
2回目の水の音を聞いた事で3人は合流し、彼の居場所である豪華客船を突き止める。しかしスプラッシュモンは切られた髪を介して宙の動向を観察しており、これも誘き寄せるための策略であったことを明かし、3人を理想の純度に近づけて素材にすべく襲い掛かる。
「では、最後の一手と行こう…。怯えろ!恐怖しろ!究極の美容液を完成させる素材となれぇ!」
船に備え付けられたスプリンクラーやシャワーを利用することで、神出鬼没の攻撃を仕掛け瞬く間にベテルガンマモンとテスラジェリーモンを水に変えてしまう。
船の甲板まで3人と残ったジンバーアンゴラモンを追い詰めるが、宙の機転でフィールドを雪原に変えられ水が凍ったことで神出鬼没の戦術を封じられる。
「やめろ…。私の身体が……瑞々しい肌がぁぁーーっ!!」
そして最後は冷気を纏った『ブレイキンストリーム』を受け急速冷凍されたことで氷漬けになり敗北。
ベテルガンマモン、テスラジェリーモンを含めた水に変えられた人たちも元に戻った。
宙「溶けたら復活するよな…」
今は凍っていても、いずれ解凍されれば人間をまた襲い、自分達も何をされるかわからない。宙達がスプラッシュモンの扱いに困っていたその直後、サンタクロースのごとくムースモンの引くソリに乗ってやってきたブラックテイルモンに回収された。
展開はかなりのホラーではあるものの、最後に被害者たちも元に戻ったりと、前回の話がアレなのでだいぶマシな印象を受ける。
余談
その性格から一部の人から「ぼっち」と呼ばれており、タイキからもその性格を寂しいとまで称された。
なお、負のエネルギーは住民達を同士討ちさせて生成していたが、結果的に住民達が全滅させてしまっており、次の負のエネルギーの供給源をタイキ達に定めている(つまり、タイキ達が来るまで供給源がなかった事になる)。他のデスジェネラルが長期的に負のエネルギーを搾取していたのとは対照的であり、短絡的な性質が見え隠れしている。
他のデスジェネラルが(部下を信用するとまでは行かないが)ある程度は部下デジモンを活用していた一方で、作戦を自分一人で担当する為か、己の策に溺れやすい節があり、ドリッピンが操るデジモン人形もそれぞれの個性を活かせている訳でもないので(単なる移動砲台に等しい)、デス"ジェネラル"という称号は名ばかりであり、実際には文字通りの"ワンマンアーミー"だと言えよう。
また、水虎将軍なのに従えているデジモンがホエーモン以外、獣型でも水棲系でもなくサイボーグ型と言ったメタルエンパイア系のデジモンばかりであり(そのせいか支配領域もサイバーランドだった)、水棲系や獣系は一切いなかったりする。過去にもスイジンモンという水との関連性がないサイボーグ型デジモンがいた事はあったが。
余談だが、次の回は皮肉にも仲間を信頼しているオレーグモンが支配するゴールドランドだったりする。しかもこちらは大海原の世界であり、オレーグモンの配下も水棲系や海獣型ばかりである。スプラッシュモンの配下に水系がいないのはこうした事情もあるのだろう。
また、デスジェネラル及びビッグデスターズ所属のデジモンで、唯一「クロスウォーズ」と後の作品で声優が異なる。
関連記事
シェルモン:同じくハイドロプレッシャーを使う。
ピノッキモン:仲間を信頼する概念がなく、仲間との結束を大事にする者達の前に敗れ去った者同士。