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概要

4コマ漫画では基本形とされるシナリオ展開であるが、ストーリー漫画や映像作品、小説などの文芸作品、漫才・落語・ドラマ、果ては音楽までこの概念は通用する。もともとは「起承転合」といい、漢詩の概念だった。なお、欧米にはハリウッド映画でよく使われる三幕構成という概念があるが、展開の仕方には起承転結と似通った所がある。

現在の4コマ漫画においては、4コマ漫画1本1本にオチをつけながら、4コマ漫画数本~十数本に緩やかにストーリーのつながりがつけられている「ストーリー4コマ」というジャンルが確立している。

基本形

話の導入部分で、状況の説明や話の前提が描かれる。

「起」の前提を元に、話を進める。実質的にここでネタが開始されることも多い。

何らかの事件や進展などが起こり、話の流れや速度に変化をつける。

オチ。話や行動の結果が描かれる。

応用例

  • 「本線の起承転結」と「枝葉の要素の起承転結(ミニギャグなど)」が両立している作風も多い。
  • 一話単位の起承転結と長編全体の起承転結が両立していることもあり、一話単位の起承転結が成り立っていない場合はそのようなパターンが多い。
  • ダブル主人公トリプル主人公群像劇では、『主人公の一人はなかなかオチを出さないが、その間に別の主人公はオチを出し、パターンが交互に繰り返される』『計画自体は頓挫してしまうが、友情が深まったり(例:主人公と親友が恋愛勝負をしていたら結局モブだけが恋愛して主人公と親友が慰め合う)、計画の一部は成功して行動した甲斐があったり、棚から牡丹餅展開になったりする』などといった演出の工夫で、話にメリハリをつけることが多い。
  • テレビ放送作品だと、Aパートに伏線があって、BパートでAパートの伏線を回収して『なるほど』『そう来たか』と納得させる構成が有名。
  • バトル漫画の意外な戦法で敵に対抗するシーン、ブロマンスもので大切な人物を心の起爆剤として覚醒するシーン、推理もので意外な人物が犯人だと判明するシーン、恋愛ものの恋人が当て馬と仲良くしているのに嫉妬して問い詰めたら当て馬が恋人のきょうだいや既婚者だったり、日本語を勘違いしていたり(例:ペットやフィクションの恋愛話だった。同音異義語だった。)、恋愛以外の話し合いを見間違えていたシーンなどがベタな『転』として有名であり、様々な応用例がある。
  • シーンの倒置法や、視点の倒置法もある。
  • 『転』の部分が萌えやギャグに置き換わっていることもある。
  • 『還』という第五の展開が出ることもあり、爆発オチ夢オチや鬱だらけの本編を無に還すなど、応用例が多い。

派生

昔の4コマ漫画は基本的に「起承転結」で描かれていたが、現在の4コマ作品は必ずしもそうなっていない。

例としては、以下のようなパターンが挙げられる。

結起承結・結起承転

いきなりオチから始まり、残りの部分でどうしてそうなったのかが分かる展開になっているもの。いわゆる倒置である。比較的よく見られるパターン。報道プレゼンテーションのような情報伝達手段においても多用される。

起結転結・起結起結

2つのネタを連続させるが、オチの部分がほぼ同じ(あるいは全く同じ)になっているもの。いわゆる天丼ネタ。

転々々結・転々々々

ボケがひたすら続くもの。シュール系作品で多く見られる。

起承転々

起・承・転までの流れを無視したオチをつける。やはりシュール系に使われるが、使いどころが難しい。

起承承承・承承承結

オチがなく、シチュエーションを描くことに終始しているもの。近年のストーリー4コマによく見かけられるタイプだが、こうなると「全てのコマの大きさが同じストーリー漫画」に限りなく近くなってくる。

起承転還

オチがなく、「転」で最初の状態に戻ってしまい、永遠にループし続けるネタ。

起承承結

3コマ目が2コマ目とほぼ変わらない構成になっている物。

起承結結

3コマ目でひとまず結末のように見せかけて、4コマ目でそれに対するさらなるオチを描く物。

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