概要
『鬼滅の刃』の登場人物、我妻善逸×竈門禰豆子のNLカップリング。
鬼殺隊所属の善逸が16歳、鬼である禰豆子が14歳。本来、鬼殺隊の隊士である善逸は鬼を殺さなければいけない立場だが、禰豆子のことを殺そうとは(それこそ「出会う」以前から)ただの一度も考えたことがない。惚れっぽい善逸だが禰豆子への好意は明確かつ一途。
一方で意思表示の手段が制限されている禰豆子自身が善逸のことをどう思っているかは長らく不明だったが、ファンブックによれば “珍妙なタンポポ” だと感じているらしい。
鼓屋敷編
鬼狩の任務のために炭治郎と行き合った善逸。二人が山中の屋敷に突入するにあたって、炭治郎は正一・てる子兄妹を守るために背負っていた「箱」を置いていく。善逸はこの時点で既に、箱の中から「鬼の音」がすることを承知しており、それでも炭治郎の人柄と、彼が「命より大事なもの」と呼んだ箱の中の鬼に、納得するに足る事情があるものと信じて、気にする素振りさえ見せなかった。
正一と共に一足先に屋敷を出た善逸は、同じく屋敷から出てきた伊之助が屋敷の外に置き去りにされていた箱から鬼の気配を嗅ぎつけて躊躇なく斬りかかるのを制止する。中の鬼のことは自分が炭治郎に問い質す、手を出すなと啖呵を切った善逸は、箱にかじりついたままろくに抵抗もせず、伊之助の猛攻を耐え忍んだ(数々の情けない言動の中で善逸が株を上げた貴重な場面でもあった)。果たして箱の中の鬼は炭治郎の妹である禰豆子だったのだが、初めて彼女を目にした善逸は、傷だらけになって守ったものが炭治郎の彼女だったと誤解して、嫉妬のあまり激昂することになる。
那田蜘蛛山編
禰豆子に一目惚れした善逸は炭治郎に対してあからさまに低姿勢になる。禰豆子に花をあげるなど懸命にアピールしている様子。善逸の禰豆子への花渡しはここから始まっている(アニメでは禰豆子がカットされ箱に花を差し出す善逸の絵に差し替えられている)。また、禰豆子を連れて戦闘に向かう炭治郎の行動に対して「俺の大切な禰豆子ちゃん」と発言し、禰豆子が心配な一心で尻込みしていた蜘蛛山に突入している。
蝶屋敷(機能回復訓練)編
機能回復訓練でのことを、箱ごしに禰豆子に伝える善逸。禰豆子も箱の中からカリカリと音を立てて応えている。花を手に取り、今日の夜はこの花が咲いていた場所に連れていくよと話しかけている(アニメでは残念ながら全カット)。
おまけページでは、善逸が持ってきた金魚鉢を見て、禰豆子がそれを興味深そうに眺めるイラストが登場した(ただししのぶの部屋から無断で持ち出していたため、この後善逸はアオイに叱られることとなる)。
無限列車編
鬼の罠にかかった善逸は、禰豆子と手を繋いでデートする夢を見ている。
白詰草の花の輪っかを作ってあげると花畑を目指す途中、泳げないから川は渡れないという禰豆子に、善逸はつま先まで濡らさないと約束し、禰豆子を背負って幸せの跳躍をする。
善逸には真っ暗な無意識領域があることが判明する。意識が強く異常に我が強い場合のみ無意識領域に人が存在するが、そこには口が悪く目つきも悪い剪定鋏を持った攻撃的な善逸がいた。
「ここに入ってきていいのは禰豆子ちゃんだけなんだよ殺すぞ」
戦闘が始まると敵に絡まれ身動きが取れなくなった禰豆子の前に、善逸が即座に助けに現れる。霹靂一閃六連を決めて「禰豆子ちゃんは俺が守る」。
禰豆子からホワッとした描写が入るが、善逸が鼻ちょうちんを出して寝ていたため、禰豆子も目が点になってしまった。
列車転覆の際は禰豆子と乗客の親子を庇ったらしく、3人を抱いたまま頭から出血し意識を失っている。単行本では禰豆子が意識のない善逸を膝枕する描写が入る。32話で「起きたとき禰豆子ちゃんの膝枕だったらもうすごい頑張る」と言っていた善逸の夢が叶った瞬間でもある。
戦闘後、朝日から守るために善逸が必死に禰豆子を箱に入れようとしている。炭治郎たちと合流時には禰豆子の入った箱を善逸が背負っている。
以下、完結まで
TV未放映分のネタバレを含むためアニメ派は注意
無惨が死に、全てが終わった後。
人間へと戻れた炭治郎と禰豆子は善逸と伊之助と共に竈門家で暮らし始め、賑やかな日々を送る。
そして現代。
そこには我妻燈子と我妻善照という、善逸と禰豆子に瓜二つの容貌を持つ彼らの子孫である姉弟がいた。善照はとにかく騒がしく「気持ち悪い」と言われる程の女好きな特徴を、燈子はしっかりした長女気質をそれぞれ引き継いだようである。
燈子曰く「あんなヘタレな曾祖父(善逸)」、兄夫婦の玄孫(4世大甥、燈子から見れば再従甥)から「(高祖父母を)知っている人は羨ましい(4世大叔母となる禰豆子)」と語られた。善逸は善逸伝なる小説を作り、そのノートまで作成していたので、亡くなった後も語り告げられるような破天荒なひとだったのであろう。
23巻描き下ろし(結末までネタバレ注意)
23巻の表紙で幸せそうに微笑む禰豆子の視線の先には善逸がいる。カバーをめくった裏表紙では禰豆子は善逸に駆け寄り、善逸はハートマークを出して禰豆子を見ている。
巻末には204話後が加筆され、善逸が禰豆子の頭に花冠を乗せたイラストが登場する。196話では花束を持った笑顔の善逸が禰豆子視点から描かれたが、こちらでは対照的に善逸視点から花冠をもらった笑顔の禰豆子が描かれている。
竈門家で暮らす4人での春夏秋冬の暮らしも見られる。善逸は常に禰豆子の横に寄り添い、最後のページでも手を繋いで物語の幕を閉じた。
ファンブック弐巻描き下ろし
姉弟(母子?)のように仲良しな禰豆子と伊之助に嫉妬し、赤ん坊返りのように関心を買おうとする善逸を見かねた炭治郎に「それでは異性として見てもらえなくなる」と助言されて奮起一番
「一年後に返事がほしい」と求婚する。
……ついでに力み過ぎて当の禰豆子は大音量で半日耳が聞こえなくなるというオマケがついたが、炭治郎と共に一年後が楽しみである。
その他
描き下ろし
作者本人による描き下ろしまとめ。4巻で禰豆子を探し回る善逸、6巻では2人で金魚鑑賞、7巻で善逸が禰豆子を背負った幸せの跳躍、8巻では禰豆子が善逸を膝枕する、などが単行本で描き下ろされている。
カレンダーの特典ブロマイドでは自作の禰豆子人形を抱える善逸が、コロナ対策のイラストでは禰豆子にハートを飛ばす善逸が描き下ろされている。
キメツ学園
作者公式の現代を舞台にした学園パロ。フランスパンをくわえてフガフガ喋る禰豆子を見て、善逸は少女漫画のヒロインのように可憐だと思っている。
夏は禰豆子の水着姿に興奮し奇声を上げながら死亡、来世も夫婦になって添い遂げようと遺言を残す。
冬にはクリスマスパーティーに禰豆子を呼び、2人きりで過ごし、あわよくばそのまま結婚式をあげようとタキシードを着て待ち構えている(遊郭編第3話の予告枠にて映像化)。
キメツ学園!
上記を原案にした最強ジャンプの漫画。
善逸は禰豆子に片想いしており、彼女のためにポートレートを描き直したり(描き直しの末に顔拓が完成し美術教師の笑いを買った)川の上流に住む怪魚(周辺の生き物を食い尽くし、更には逃げられたものの人間も飲み込んだ。)を退治しようと立ち向かったりする。
禰豆子から善逸への想いは不明だが、虫歯事変の時に励ましてくれた彼へ感謝のドーナツを渡したり、ダンスに誘われた時は笑顔でその手を取った。
鬼滅ラジヲ
鬼滅の公式ラジオ(YouTubeの公式チャンネルにて全アーカイブ配信中)。パーソナリティを務める善逸役の下野紘氏が禰豆子をとにかく可愛がりぜんねずに優しい。
第1回から「(禰豆子は)善逸のものだから」、第28回では「善逸は禰豆子一筋ですから」、第39回ではアニメ23話の柱合会議の感想で禰豆子が不死川実弥に刺されたことに対し「善逸があの場にいたら実弥嫌いだもん。実弥なんか禰豆子連れてガン無視」など、その他にもいろいろぜんねずに優しい発言をする。
劇場版 鬼滅の刃無限列車編 舞台挨拶
禰豆子役の鬼頭明里氏へ「どんな気持ちで演じられましたか?」との質問を下野氏がシラッと遮り「禰豆子ちゃんの可愛さを聞かれたんじゃないの?」と語りたくてたまらない様子。
下野氏はその後も改めて禰豆子について「いつでも可愛いですよ、夢の中の禰豆子ちゃんは最高でしたね」「いやぁ可愛いですよね!お宅の妹さん最高よ!ねっお兄さん」等と善逸そのものの様に絶賛している。
鬼滅テレビ 無限列車編公開スペシャル
こちらでも下野氏は禰豆子の映画の一場面が出てきた途端「かーわーいーいー」と叫び、その他にも「炭治郎たちが寝てからの禰豆子ちゃんもそうだけど夢の中の禰豆子ちゃんも可愛さゼンカイだったよ」「列車の人たちを守ろうとして戦っているいる禰豆子ちゃんは格好良かった」とも。更には夢の中の禰豆子のとある場面が可愛くて「善逸と自分自身がシンクロした」と語っていた。