概要
『鬼滅の刃』の登場人物、竈門炭治郎×栗花落カナヲのNLカップリング。
鬼殺隊の同期隊士という間柄。鬼に家族を殺されながらも両親や兄弟姉妹との温かな記憶を持つ長男坊の炭治郎と、実の親に虐げられ兄弟姉妹を亡くす中で心も思考も閉ざした先で胡蝶姉妹に迎えられ末妹となったカナヲという対照的な境遇をそれぞれに抱えている。
炭治郎が15歳、カナヲが16歳でカナヲの方が一つ年上。165cmと156cmで身長差は9cm。
最終選別編
藤籠山での最終選別の通過者として初めて出会う。
その際、炭治郎は玄弥と揉め事を起こしてしまうが、同じ場にいたカナヲはうろたえる善逸と違って全く興味を示さず、この時は会話どころか名前さえ知らずにいる。
那田蜘蛛山編
任務を終えて満身創痍の炭治郎が、隊士でありながら鬼である妹・禰豆子を連れていることを蟲柱・胡蝶しのぶに見咎められ、水柱・冨岡義勇の助力で逃れた先で増援の一人として駆けつけていたカナヲに捕捉される。炭治郎は禰豆子に斬りかかるカナヲを引き止めようとするものの、脳天に踵落としの一撃を食らって気絶。逃亡者と追跡者という立場であり、恐らく互いに相手を認識すらしていなかった。
蝶屋敷(機能回復訓練)編
怪我人としてしのぶの屋敷に担ぎ込まれた炭治郎は、庭先で蝶と戯れるカナヲを最終選別時に見かけていたことを思い出し、彼女の名前と立場を隠から知らされる。
この時の原作での炭治郎は、カナヲを見て言葉を失うを体現するかのようにセリフが途切れ、ずっとカナヲを見続けている。隠によってその場から強制的に移動させられるが、それでも振り返ってカナヲを見ている。
傷の癒えた炭治郎は、同じく療養していた善逸・伊之助と共に機能回復訓練(リハビリ)に臨むが、圧倒的な実力差によってカナヲに全敗。見かねた屋敷の三人娘の助言と協力で呼吸を始めとした身体強化に取り組み、やがてカナヲと拮抗するようになる。
薬湯入りの湯飲みを奪って相手にかける反射訓練で炭治郎が初めて競り勝つも「この薬湯くさいよ かけたら可哀想だよ」と咄嗟の理性でカナヲの頭に乗せるアドリブを見せる。
療養を終え、任務の指令も届いたことで蝶屋敷の面々に出立の挨拶に回っていた炭治郎に声をかけられ、カナヲは初めて彼と言葉を交わすことになる。ようやく返事をしてくれたことに感激する炭治郎は、別れの言葉を繰り返し会話を切り上げようとするカナヲに構わず隣に腰を下ろす。
何もかもがどうでもいいから自分一人では何も決められないこと、指示されていない事柄に関しては銅貨を投げて決めていること、いま話をしているのもそうして決めたことだと話すカナヲ。炭治郎は「どうでもいいことなんてない」「カナヲの心の声が小さいのでは」と暫し逡巡し、彼女から銅貨を借りると、表側に「カナヲは心の声をよく聞くこと」と賭けて天高く放る。
受け止めた銅貨の面は表。飛び上がって喜んだ炭治郎は、銅貨を返す形でカナヲに近づき激励する。
「頑張れ!! 人は心が原動力だから 心はどこまでも強くなれる!!」
どうして表を出せたのかと不思議がり問うカナヲに、「表が出たのは偶然」「裏が出ても表が出るまで何度でも投げ続けようと思っていた」と答え、炭治郎は笑って立ち去る(アニメでは、ネット上で「人が恋に落ちる瞬間を見た」等とコメントされた)。
彼を見送った後、カナヲは銅貨を胸元に当てて握りしめ、直後に自らの行いに動揺。背後からの声に驚き縁側から転げ落ちるという、これまでの彼女らしからぬ面を垣間見せた。
この一連のやり取りが、カナヲの何かを変えていくことになる。
ちなみに原作第50話が、炭カナ初のツーショット表紙である。センターカラーだったため画集にも収録されており、炭カナ表紙について「女の子らしい華奢さ」「可愛らしさ」を感じられたらいいと作者がコメントしている。炭治郎自身も「あんな華奢な女の子が」と驚く場面があり、ちゃんとカナヲの体形を把握している。
番外編(単行本第7巻収録)
上述した銅貨の一件及びカナヲの過去が明かされる。
自分で考えて行動することができなくなっていたカナヲに銅貨を投げて決めれば良いと暫定的な対処法をカナエが提案。「根本的な解決にならない」としのぶに怒られるも、「切っ掛けがあれば大丈夫」と鷹揚に返す。そして「いつか好きな男の子でもできたらカナヲだって変わるわよ」とのカナエの言葉で締め括られるが、その台詞が書かれたコマには炭治郎の姿が描かれている。
これが何を意味するかはもう言うまでもないだろう。アニメではこの過去はカナヲの回想という形であり、回想が終わった直後に炭治郎に視線をふと向けるという演出になっている。
以下、完結まで
TV未放映分のネタバレを含むためアニメ派は注意
遊郭編
上弦の陸である堕姫・妓夫太郎との戦いを終え、仲間達と共に蝶屋敷に戻った炭治郎は二ヶ月間の昏睡状態を経た後に意識を取り戻す。
病室に花を活けた花瓶を持ってきていたカナヲは驚きのあまり花瓶を落とし割り、炭治郎に話しかけ自発的に彼の安否を気遣う(気を取られ過ぎて皆に知らせようとしてなかったため様子を見にきた後藤に怒られたが)。そして安堵の言葉を漏らすカナヲの目には涙が浮かんでいた。
カナヲは他の相手には殆ど無言のままであったが、炭治郎が眠りについた時は大声を挙げて周囲を静かにさせている。
無限城決戦編
柱が各々のやり方で自分の日輪刀を赫刀にして鬼舞辻無惨に挑むも、無惨の一撃により柱や善逸、伊之助は吹き飛ばされ負傷する。かろうじて吹き飛ばされなかったカナヲだが、腹部を負傷し足がすくみ動けない。無惨がカナヲに攻撃を繰り出した瞬間、炭治郎が間一髪で助けに入る(離れたところにいた隠(恐らく後藤)のところまでお姫様だっこでカナヲを運ぶ)。
無惨を討伐するも、201話ショックを経て鬼となった炭治郎の攻撃を止めるため、カナヲはしのぶから預かった藤の花から作られた薬(禰豆子用に作られたが、人間化薬は珠世が3つも作っていたために使用されなかったもの)を打ち込もうとする。結果、カナヲは薬を打ち込むことには成功したが、攻撃を受けてしまい「炭治郎だめだよ 早く戻ってきて 禰豆子ちゃん泣かせたらだめだよ…」と言い残し炭治郎の側で倒れてしまう。
なおこの時、童磨戦にてカナヲの右目は既にほぼ見えない状態になっていた。鬼になったばかりで荒々しく暴れる故隙がある今なら片目でも炭治郎の攻撃を掻い潜ることができると見込み、残された左目で「花の呼吸 終ノ型 彼岸朱眼」を使用した。
なお、炭治郎はカナヲが倒れるときに発した言葉に反応を見せた。実は、カナヲに打ち込まれた薬の効果が現れ人間の意識が覚醒し始めていたからである。正気を取り戻し目覚めた炭治郎は、「良かった、生きてる」とカナヲの無事を確認し、お互い倒れたままではあったが顔を見合わせて泣きながら笑い合った。
その後、紙一重で命を拾った炭治郎たちは蝶屋敷で療養し、庭の桜の木を見上げながら二人は微笑み合う。炭治郎はカナヲを「優しい」と思いながら頬を赤くして見つめている。
炭治郎は鬼化していた際に負わせた怪我をカナヲに確認するとカナヲは大丈夫だと答える。
何処か複雑そうな表情を、炭治郎は浮かべるのだった。
全てが終わり、現代へと舞台を移した日本。
そこには竈門カナタと竈門炭彦という、彼らの子孫である兄弟がいた(名前から予想がついたであろうが、カナタがカナヲ似、炭彦が炭治郎似)。
単行本最終巻の23巻では、本誌でカットされたお互いの鴉を見せながら幸せそうに笑顔で寄り添う二人の姿が後日談の1枚として加筆されている。更にファンブック弐巻では、しのぶの家をアオイと共に継ぎ、医者となったカナヲの元に月1で定期健診に訪れる炭治郎が描かれ、このまま順調に交際を重ねて結婚に至り幸せな家庭を築くであろうことが示唆された。
炭治郎は痣の関係であまり長生きはしていない可能性が高いが、カナヲと共に末永く幸せに過ごしただろうことを祈るばかりである。
惜しむらくは、カナヲの本編での出番があまり多いとは言えなかったこと(幕間エピソードなどには度々登場している)。実は最終決戦に至るまで炭治郎とカナヲが任務を共にしたり直接の共闘をしたシーンなどは全くない。
しかし少ない絡みの中、しっかりと絆を深め最終的には男女の関係へと進展できたことこそがこのカップリングの魅力と言えるかもしれない。
関連イラスト
関連タグ
マシュレモ(マッシュル-MASHLE-):原作PVにおける主人公とアニメにおけるヒロインの中の人が一緒。
ココ赤(東京卍リベンジャーズ):アニメでの男性(青年期)と女性の中の人が一緒。女性側が歳上という共通点がある。因みに女性の弟はこの人物と中の人が同じ。