左門豊作
さもんほうさく
巨人の星・新・巨人の星（原作：梶原一騎、作画：川崎のぼる）に登場するキャラクター。
昭和24年（1949年）生まれ。
熊本農林高校 → 大洋ホエールズ（現・横浜DeNAベイスターズ）
ポジションはライト。右投げ右打ち。
星飛雄馬の高校時代からの友人で、熊本県出身。団子鼻にニキビ面、丸眼鏡がトレードマークの巨漢スラッガー。
お世辞にもイケメンとは言い難い容貌だが、飛雄馬の手助けもあり元不良少女の京子（名字不明）と交際。結婚し円満な家庭を手に入れた。
頭脳明晰で鋭い観察眼を持ち、ほんの数回見ただけで選手の投打のクセを読むことが出来る。几帳面な性格で気づいた事は逐一ノートに纏めており、その内容の充実ぶりには伴宙太やビッグ・ビル・サンダーも唸っていた。
周囲との関係は良好で、飛雄馬も自分以上にハングリーな境遇にシンパシーを感じたのか、成人後は特に「左門さん」と呼ぶようにしているなど、一人の人間として尊敬している。左門も飛雄馬は妻との馴れ初めに関わる恩人という事で、親友として付き合っている。
小学校4年の時に両親を亡くして以来、親戚宅に身を寄せ厳しい仕打ちに耐えながら農作業で3人の弟・2人の妹を養う。
学業は優秀。中学時代に電灯を使わせてもらえず、月明かりを頼りに猛勉強したため目が悪い。
たまたま野球をした際、すさまじい打球を放ったことから高校の野球部がスカウトに来たが、親戚は左門を高校に行かせたがらず、弟・妹たちが自分たちが働くからと懇願し熊本農林高校に進学することができた。
野良仕事で鍛えられたためパワーは並外れており、初登場シーンでは花形満の場外ホームランを球場の外で撃ち返している。ミート力も高く、投げられた薪を斧の一振りで真っ二つにしていた。高校時代には握力を付けるために常にゴム毬を握っていたが、飛雄馬の投球を見た際に興奮して力が入り過ぎ、パンクさせていた。
夏の甲子園の準決勝で飛雄馬らが所属する私立青雲学園に敗北するが、その活躍がスカウトの目に留まり大洋ホエールズに入団した。その際、多摩川沿いにある2DKのアパートに弟・妹達を呼び寄せている。
大リーグボール1号打倒では花形満に先を越されるが、記者のインタビューに対し「左門豊作は守らにゃんらんとです 死ぬほど無念であれ くやしくあれ このきょうだいたちを！ この城の生活を！」「ブルジョアのあとつぎの花形くんのごとく ほんの一打席の意地にかけてぱっと 玉砕するわけにはいかんとです！」と答えている。
「新・巨人の星」では加齢と環境の変化でニキビはなくなった。
飛雄馬失踪後も引き続き弟妹たちの面倒を見る為、ライバル達の中では唯一現役選手としてプロ野球界に留まり、引き続き大洋に所属している。
5年後に飛雄馬、花形満が復帰し、花形の復帰に際しては「気まぐれで戻った御曹司なんぞに負けるわけには……」と感情的な独白をするなど不快感を顕にするが、飛雄馬が復帰後に編み出した大リーグボール右一号を打ち砕くのは花形であった。
飛雄馬を二軍落ちさせる以外には目立った見せ場が無く、本人もメタ的に愚痴るほどであったが、TV版では、飛雄馬の再起後では初の対決がクローズアップされ、一話がその話に費やされるなど、ライバルとしての役割を果たせるようにされていた。とはいえ、とうとう大リーグボールをいの一番に打倒する事は果たせずじまいであったため、飛雄馬のライバルという点からは不遇さが目立った。
