大リーグボール
だいりーぐぼーる
球がバットに当たりに行く「予測」の魔球。
豪速球と精密なコントロールで鳴らしていた飛雄馬の投球だが、「小柄な体格ゆえに球質が軽い」という速球投手としては致命的な弱点を抱えていた。その弱点を克服すべく編み出した、記念すべき魔球第一号。
一軍昇格の年、大洋ホエールズにいた左門によって完全敗北を喫して失踪した折に、鎌倉で知り合った禅僧の講話からヒントを得て編み出した。
自分の球質の軽さを逆手に取り、相手のバットに自分から当たりに行くことで凡打にして打ち取ってしまうという「打たせて取る」スタイルの魔球。
ただし、相手の動きを見極めるために並々ならぬ集中力を要するためスタミナを消費しやすく、飛雄馬が精神的に不安定な時は精度が鈍ってしまうのが欠点。
しばらくはこの1号で大活躍するも、命懸けの特訓を敢行した阪神タイガースに入団した花形の「バットに当たった球を強引に振り抜いて打つ」という凄まじい対策打法によって敗れた。
改良型
その後飛雄馬は更なる特訓によって打者の構えているバットのグリップエンドに当てて打ち取るという改良型を編み出す。
しかし旧型より更に精密な予測により集中力・精神力を要するという欠点もある。
最終的には飛雄馬の「越えるべき壁」へと回った父・一徹の考案した「一旦バットをストライクゾーンへ持っていってボールを誘導する」という打法をアームストロング・オズマに使われ敗れた。
御存じ消える魔球。
自宅マンションの屋上で毬突きをして遊ぶ女の子の姿をヒントに編み出した。
諸々の原理を要約すると、まずボールが本塁の手前で急激に落ち込み、さらにこのときボールに着いた土埃が煙幕と保護色になってボールの姿をかき消し、最後はまた急激に浮き上がってくるというものらしい。その性質上、強風や雨天の試合では使えない。
弾道を真横から見るとフォークならぬ、スプーンの形状のように見える。
これにより復活した飛雄馬だったが、今度は心理戦に屈して2号の真価を100%発揮させることができず、またしても花形に打たれることとなる。これを機に、他の打者たちも様々な創意工夫で2号を封殺していくようになる。
なお、全力状態での2号を打ち取った選手はおらず、この魔球が完全敗北を喫したことはない。