星一徹
ほしいってつ
CV:加藤精三
主人公・星飛雄馬の父親。
巨人軍選手時代は、川上哲治が「幻の史上最高の三塁手」と評したほどの名選手であったが、太平洋戦争の折に徴兵を受けて戦場へと赴き、利き肩を負傷した。そして、以前の様な送球能力を失ってしまったが、妻・春江の励ましなどによって再起した。復帰後は、送球の遅さを補うために「魔送球」を編み出すが、球が当たらぬ事を読まれないために走者に故意にぶつけることもある「魔送球」は邪道であると川上に指摘され、己の過ちに気付き、プロ野球界から去った。
息子・飛雄馬誕生後は、日雇い人夫として家族を養うも野球への未練を断ち切れず、酒浸りの荒れた日々を送っていた。そして、妻の死を経て、飛雄馬への苛烈な野球の英才教育に傾倒する原動力となっていった。ボールにガソリンをかけ、火をつけての千本ノックや、大リーグボール養成ギプスなど、数々の常軌を逸した特訓で飛雄馬を鍛え上げてゆく。勿論今やったらただの虐待であり、野球好きの子持ちの親は彼のやり方を“絶対に”真似てはいけない。
なお、彼がそこまで野球を愛し、自らの子をも巻き込む狂気とも言える行為に手を込めた背景には、巨人軍の同僚達が次々と戦火に倒れていく戦場体験(吉原正喜の戦死に立ち会ったとの事)をした事で、戦友らの無念を自らの子に託した面が大きい。
新巨人の星では、当時50代後半ながら、燃え尽きた事を象徴するかのように、髪は白髪になっていたが、V9後の巨人を案じていた。息子の飛雄馬の復帰には当初は反対するが、右投手としての復帰後は『飛雄馬はもはや自分の作品ではない』とし、これまでと態度を一転、飛雄馬を支える選択を取る。その後は『右投手用ギプス』の作成や、当時の巨人軍にOBとしてアドバイスを行うなどの行動も見せる様になり、当初は飛雄馬からさえ怪訝そうに取られるほどであった。老境に入った故か、壮年期までの厳格さは影を潜めつつあり、長嶋茂雄に『過保護パパに成り下がってはいない』と言いつつも、戦術をコーチングするなどの行動を見せている。ここ以後の彼の最終的な行末は二通りある。
アニメ版では、これまでの無理が祟ったか、1978年から心臓病を患うようになり、同年に娘の明子が子を産むと同時に息を引き取り、その人生に幕を下ろす。伴宙太がその最期を看取った。享年58歳。
毒親:常軌を逸した狂気的な特訓に対して、見方を変えればこれ。自分の教育のせいで飛雄馬の誕生日に誰1人来なかったとしても、飛雄馬に対して「 貴様はこれだけの支度をして待っていた。だが誰も来ない。それはみんなが貴様を野球ロボットだということを知っていたからだ! 」と言い放つなどその一面が垣間見える。
モロボシ・ダン・ウルトラマンレオのMAC隊長時代にレオを鍛え上げたが、此方もシルバーブルーメの襲撃で生死不明になる。
車大作・アローエンブレムグランプリの鷹に登場する主人公を鍛えた謎のコーチ。キャラクター設定と担当声優が断鉄と同一。
竹田五兵衛・銀牙・流れ星銀に登場するマタギ。素質のある犬なら生後間もなくでも過酷な訓練を課す程のストイックさを持つ。最期に悲願を果たし自らが鍛えた最後の熊犬・銀に死に目を見取ってくれた事は、本望だったかも知れない。
ロス・イゴール・超獣機神ダンクーガに登場する獣戦機隊初代長官。厳格・頑固一徹の共通点があれど、部下からは内心信頼を置かれていたり、勘当同然の息子の事を心配していた。
志半ばにして逝く事になるが、最期に息子と和解出来たのは本望かも知れない。(第三次スパロボαではこの最期が更に発展し、ファイナルダンクーガ誕生の契機となる。)
ベン・ルーニー・機甲戦記ドラグナーの鬼軍曹。新兵時代の主人公トリオを鍛え上げ、主人公トリオが上官になってからはお目付役を務めた。父との再会を躊躇う上官となった主人公ケーンを敢えて殴るシーンと、除隊後に名残惜しく別れるシーンは名場面だった。
チックくん・ストッパー毒島に登場するマスコットキャラに扮した覆面コーチ。此方は正体不明のまま、物語に幕を下ろした(抽象的に正体は描かれていたが…)
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