演:石丸幹二
変身する仮面ライダー
概要
『仮面ライダーガッチャード』の登場人物。
本作のメインヒロイン・九堂りんねの父親で、ケミーを研究していた偉大な錬金術師。
しかし、10年前にライドケミーカードを盗み出した容疑を掛けられ姿を消した。その経緯から娘であるりんねは彼を(表向きは)裏切り者と呼んでいるが、身内である以上それを完全に受け入れることはできておらず、複雑な想いを抱えている。
赤い宝石を埋め込んだ金のアルケミストリングを装着しており、地位としてもかなり高位の錬金術師に該当する。
ケミーを狙う冥黒の三姉妹に追い詰められたが、ホッパー1とスチームライナーがウロボロス界へと連れてきた一ノ瀬宝太郎へガッチャードライバーを託した。
しかし、そこに冥黒の三姉妹が強襲。彼女達から宝太郎を庇い、自身は彼女達の錬金術により放たれた光線を喰らい消滅してしまった。その後の生死は長らく不明だった。
三姉妹の三女、ラケシスからは『しぶといイケオジ』と評されていた。
ライドケミーカードを盗み出した動機は今もなお不明だが、錬金アカデミー、ひいては錬金連合の上層部は率直に言って俗物的な保守派で固まっているため、純粋なケミー達にとっては悪影響を及ぼす可能性がある。また、スパイが潜んでいたことも考えれば悪用される事を防ぐために持ち出した可能性が高い。
りんねの回想では錬金術が悪しきものにならぬよう掟の大切さを幼い彼女に優しく教えるなど、錬金術師としても父親としても立派な人物であることがうかがえる。
ケミーは研究対象であるが、宝太郎と同じく一つの生命体として対等に接しており、強い絆で結ばれている。第1話冒頭で数多のケミーの力を借りて冥黒の三姉妹に対抗していたほか、第18話ではレベルナンバー10であるクロスウィザード、テンフォートレス、ユーフォーエックスの力を借りてグリオンを退いた。
妻との関係性は不明。そもそも妻の存在すら語られておらず、本人も劇中で語ろうとしなかったことや幼少期のりんねと2人で暮らしていたような描写が多いことから、りんねが誕生した後に亡くなった可能性も否定できない。
『裏切り』の真相
時間を操作するタイムロードの能力でタイムスリップした宝太郎が見たのはグリオン率いる冥黒の三姉妹と対峙する風雅の姿。彼の裏切りはグリオンによって仕組まれたものであり、ガッチャードライバーは希望の証として連合で作られた錬金具であることが判明した。
元々、彼の底知れない悪意と野望に感づいていた風雅はケミーとドライバーを奪われないようにウロボロス界に自身の実験室を作って密かに研究を続けていた。
しかしそれを逆手に取ったグリオンは、自身の洗脳能力により「九堂風雅は貴重な錬金具とケミーを持って逃げ出した裏切り者である」と錬金連合上層部の記憶を改竄。結果として彼は裏切り者の汚名を着せられ、組織からも追われる羽目になってしまった。
1話でドライバーを託した宝太郎とも既にウロボロス界で出会っており、幼い身でありながらケミーを守ろうとした彼を勇気ある者と賞賛したが、ケミーの掟もあったため宝太郎の記憶を消している(まだ幼い子供が、これ以上危険に巻き込まれないようにするためもある)。
「友を愛する心を忘れていなければ、いつか運命に選ばれる時が来る……!」
同時に、彼が仮面ライダーになり得る資格があることを見出していた。
第24話以降の活躍(ネタバレ注意)
そして、第24話にて窮地に立たされる宝太郎の前に現れ、スチームライナー以外のケミーカードを奪われた彼に禁術である古代錬金術を伝授、仮面ライダーアイアンガッチャードへの変身をアシストした。
プテラノドンマルガム撃破後は、仮面ライダードレッド壱式となって襲い掛かるミナトを一喝してからキッチンいちのせ連合の面々を連れて撤退。禁術の反動でダウンした宝太郎を休ませ、鏡花に促される形で10年前の出来事...錫屋大輝ら若き錬金術師たちがグリオンに殺害された一件を明かした。
そして第26話では、ドラゴンマルガムに追いつめられた宝太郎たちを救うため、自ら仮面ライダーウインドに変身。マルガムを撃破したものの、その隙を突かれて背後からグリオンに襲われ、回収したケミーカード4枚を奪われてしまう。だが、実は錬金術で構築した義体を遠隔操作しており、りんねに「また会える」と言い残し一時退場した。
第40話では義体ではなく第1話の時の服装で本人が登場し、第1話以降身を隠していた隠れ家の奥で三姉妹から喰らった傷を癒していたが、冥黒王達の襲撃を受けクロアナとギガバハムを呼び出してウインドに変身する。
しかし、まだ完全に傷が治ってなかったためクロトーレビスと互角に立ち回るのがやっとであり、変身解除後ピンチに陥るもエクシードファイターの力で駆けつけた宝太郎達が助けに来たことでかろうじて逃げることに成功。義体を動かすのもままならないためしばらくはアカデミーで回復を務めながら対策を模索している。
第44話では、名前のみ登場。ラケシスを人間へと錬成させるために必要な生体組織の錬成に関する知識を鏡花に提供していることが明かされた。
第48話では、宝太郎との決闘の後行き倒れていたボロボロのスパナを保護し、自身の研究所で介抱していたところにグリオンが「私の娘を救ってくれ!」と懇願してきたため、彼から事情を聞きりんねにも危機が迫っていることを察知。「君のことを許すことはできない」と返したものの、2人を救うため利害関係の一致という形で共闘を提案した。
しかし、ガエリヤは2人が来ることを予測した上で「娘のために生命を賭けるロシアンルーレット」を強制開催。
グリオンから、自身への憧れと嫉妬を聞かされ、銃弾が自身に直撃しようとしたその瞬間、弾丸が消滅。
実は侵入を試みようとした宝太郎がバレットチョウチョの能力を駆使してグリオンの銃に擬態して侵入していた。
これには「君の発想にはいつも驚かされる」と感心していた。
そして、ガッチャードとガエリヤの交戦により空間は崩壊、全員外に投げ出され、風雅は無事に解放された娘の元に向かい抱き締めた。しかし、突如グリオンがガエリヤの紋章を上書きしてキマイラの主導権を自身に移行させるという衝撃の行動に出る。
これには風雅も唖然とし、グリオンは彼の姿を見て嘲笑。そのままグリオンと交戦することになってしまい。満足に娘のサポートに向かえない状況に陥ってしまう。
しかし、アトロポスがガエリヤの攻撃からりんねを身を呈して守り消滅。彼女の力と想いを受け継ぎりんねが仮面ライダートワイライトマジェードへと変身してガエリヤに引導を渡したことで成長した娘の姿を誇らしげに見守っていた。
その後、アトロポスとの最後の対話を済ませた娘の悲しい顔を見て、肩に手を置き寄り添っていた。
そして、振り向きながら自身を欺いたグリオンに対し「グリオン、これでお前の野望も潰えたはずだ!」と叫んだが、グリオンはそれを意に返さず「キマイラは失ったが、冥黒王が一人落ちた。結果は上々だ」と返された。
最終話では、ウインドに変身した状態で宝太郎達に加勢。宝太郎をグリオンの元に行かせた上でジェルマンと交戦。娘と軽口を叩き合いながら協力してジェルマン、ガエリヤに「ブラックバハムートビッグバンノヴァ」と「ギャラクティックノヴァ」の合技をぶつけ撃破した。
最終決戦から数ヶ月後は、りんねと共に嘗て失った時間を補うかのように仲良く親子水入らずの一時を過ごしている。
本編外での活躍
『仮面ライダーTHE WINTER MOVIEガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦』
クロスウィザードが見せたりんねの夢の世界に現れ、普通の父親として接する姿を見せた。
後半で、りんねは宝太郎や英寿達を救うべくウィザードマルガムの能力を利用して再度夢の世界に行き、鍵となるユニコンとザ・サンの力の使い方を風雅に聞く。直後、彼女に「『戦う覚悟』はあるか」と問い、アルケミスドライバーを得る力を託す。
実は存命していた風雅がりんねの夢に介入して力を与えていたようであり、仮面ライダーマジェードの戦いを見届けた後、どこかへ去っていった。その際は錬金アカデミーの服装となっている。
『ザ・フューチャー・デイブレイク』
「さぁ、旅立ちの時だ!」
今作にも登場。義体を錬成できる程までには回復しており、その義体を介してスチームライナーをギガントライナーへと錬成するための秘術を教え、宝太郎やりんね達、ナインテイル、ワープテラ、タイムロードの力を借りてギガントライナーを錬成させた。
上述の台詞の後に、役目を終えたように崩壊した。
なお、デイブレイクの存在する時空の世界においては動向は一切不明。少なくともこちらの時空の宝太郎とりんねがウロボロス界に来れていたことも考えるとこの時点までは生存していたと思われる。
20年後の世界では未来の宝太郎達も特に風雅の存在については触れていない。本来ウインドが変身に使用するギガバハムやクロアナもデイブレイクケミー化していることを考慮すると、グリオンらとの戦いで義体どころか本人も殺害されてしまった可能性が高い。
余談
- 演者の石丸氏が特撮に出演するのはこれが初めてとなる。また制作発表であまり多くを語れないと話しており、本編での具体的な役回りは長らく不明のままだった。
- なお、石丸氏がテレビ朝日で出演している番組『題名のない音楽会』はかつてはニチアサの後に放送されていた(一部地域では継続中)。
関連タグ
仮面ライダーガッチャード 錬金術師(仮面ライダーガッチャード)
富加宮隼人:過去作品のメインキャラ(仮面ライダーに変身する)の父親で、同じく子供から裏切り者と目されていた上に裏切りにはある事情があると言う繋がりがある。