「俺は20年後の一ノ瀬宝太郎…仮面ライダーガッチャード、"デイブレイク"だ…!」
「ケミーと一緒に未来を…とびきりの"ガッチャ"を掴む!」
変身する仮面ライダー
概要
仮面ライダーガッチャードデイブレイクの正体にして、グリオンにより壊滅状態となった20年後の並行世界の一ノ瀬宝太郎本人(壊滅の発端時で17歳のため、推定37~38歳と思われる)。
先行登場となったガッチャード本編の第16~18話では諸事情で変身後の姿のまま声のみでの登場だったが、夏映画『ザ・フューチャー・デイブレイク』で遂にその姿を見せた。
TV本編の宝太郎からは差別化のため、ライダー名から取って「デイブレイク」と呼ばれている。
生存していた数少ない錬金術師である但馬や、この未来世界ではグリオンに捨てられたため離反しているアトロポス、クロトーといった仲間達と共にグリオンと過酷な戦いを続けており…。
外見
右目に眼帯を付けており、服装もデイブレイクと同じく炎のような模様のジャケットを着用している。右目の傷はグリオンとの最初の戦いで負ったもの。現代の宝太郎が右分け気味の髪型なのに対し、右目が潰れた影響か左分けに分け目が変わっている(これは20年前から継続されている様子)。
回想シーンでは眼帯とボロボロの錬金アカデミーの制服の出で立ちであった。
また、よく見ると両手の中指に2つのアルケミストリングを付けている。一方は青であるため宝太郎の物だが、もう片方のリングはオレンジ色であり、これは九堂りんねが付けていたハイアルケミストリングである。ということは…。
人物像
基本的に明るくて活発な現代の宝太郎と比べると、希望も仲間も失いながらあまりにも過酷な世界で戦い続けた影響からか、どこか疲れたような表情を見せている。
なお、自身が守る世界についても長過ぎる戦いから半ばこの状況に対して諦めている節も見受けられ、劇中では「ここに未来なんかない」と語り、本編でも「ケミーも人も滅びる運命を辿ることになる」と現代の宝太郎に伝えるなど悲観的に捉えている。
あらすじによれば「絶望の淵に突き落とされ、平和な世界を取り戻すことを諦めていた」とも記載されており、内心ではグリオンには勝てない上に世界を取り戻すことすら諦めていることも暗に示されている。
それでも生き残った人類のためにグリオンに立ち向かうのは、息絶えた仲間たちの想いとたった一人の「仮面ライダー」としての使命感やプレッシャーによるところが大きいと思われる。
アトロポスからは「自分自身に決して消えない怒りを向けている」、「ずっと死に場所を探している」と語られており、今まで起こった数々の戦いで仲間や民衆を助けられなかった過去から、自己否定と自暴自棄に陥りやさぐれているような部分も見受けられる。
実際に、劇中でも大怪我を負ったことや負荷が大きい時間移動を勝手に行ったことを黙っていたり、負傷を誰にも伝えずろくな治療もしないままでいる、自身も苦戦していたにもかからず強化アイテムを過去の自分に譲渡しようとしたりなど、自分の身の安全を疎かにしているどころか生きることを半ば諦めている節がある。
その影響で、過去の自分やりんねが未来に来てからは、彼らに冷たく対応しており、その中でも過去の自分自身にはコンプレックスを感じてしまうのか、特に当たりが強かった。
一番の相棒であるはずのデイブレイクホッパー1に対しても「静かにしろ」と本編の宝太郎からは想像出来ないほどに冷たく言い放つ場面も見られ、デイブレイクホッパー1を落ち込ませている。当然ながら他のケミーたちとの関係も希薄化しており、ケミーの心を理解していた過去の自分とは対照的となっている。
活躍
ここから先は夏映画の詳細な内容が記述されています。ネタバレ注意⚠️
過去の世界に介入し新しい未来を創り上げた宝太郎だったが、未来への帰還後も変わらずグリオンの尖兵達と熾烈な戦いを繰り広げていた。グリオンは遂に新しい未来へと変わった現代の宝太郎達の世界にも侵攻を開始し、危機に駆けつけたカグヤや義体で現れた九堂風雅の計らいによってギガントライナーによって現代の宝太郎やりんね、加治木が時空を超えてデイブレイクの世界に駆け付けた。
そんな彼らに元の時代に帰るよう言い放つ未来の宝太郎だったが、負傷したダメージで満足に動けず、前線で戦おうとするりんねを止めることもできずに旧錬金アカデミーに待機させられることになる(その後、現代の宝太郎の活躍でラキネイレスが倒され、レジスタンスはグリオンの城へのゲートを開く鍵を手に入れた)。
それでも頑なにりんねを前線に行かせないよう警告を重ね、それに痺れを切らしたりんねからどうして止めるのかと投げかけられ、彼らにこの20年間もの時の中、地獄の様な日々を送ってきた過去を語り始める。
グリオンとの最初の戦いで手も足も出ずに完敗を喫し右目を潰されたこと。そして一人、また一人と(宝太郎曰く『じわじわと真綿で首を締めるように』)大切な仲間達を殺されていったこと。刻々と悪化していく戦況の中でグリオン達に抗い続けた末、自身を常に支え続けてくれたりんねが身を挺して囚われたケミー達を救うも冥黒王の一撃により無惨に殺害される姿を見ていることしかできなかったこと。今際の際の彼女が呟いた言葉が未だに呪いとなっていることを語った。
錬金アカデミーの仲間達を全て失った宝太郎の絶望に呼応するように、ケミーカードが赤い炎のデイブレイクケミーカードへと進化。こうして、彼は仲間を失った果てに暁の力を持つ仮面ライダー、「ガッチャードデイブレイク」となった。
その壮絶すぎる過去に唖然とする現代の宝太郎達だったが、デイブレイクが過去を変えてくれたお陰で自分の世界ではりんねやスパナにミナトなど、多くの仲間達が生き延びながら辛い過去を乗り越え前に進みだしたことを語る。
しかし、対する未来の宝太郎は遂に堪忍袋の緒が切れたのか、過去の自分に20年分の苦しみをぶつけてしまう。
「お前に何が分かる………?」
宝太郎「えっ……?」
「20年間苦しんだ…俺の何が分かるって言うんだ!?」
りんね「………確かに分からない。私が知っている一ノ瀬宝太郎は、まっすぐ前だけを見て、決して諦めたり立ち止まったりしないから…あなたも…『一ノ瀬宝太郎』じゃないんですか?」
「……………………。」
宝太郎「一緒に戦おうよ、デイブレイク!…未来の俺!」
「……そうか…そうだよな。『俺』と九堂は……」
「……行こう…!未来を取り戻しに」
自身への怒りと絶望に暮れている自分とは異なる未来を歩んだ若き日の自分自身、そして共に戦った大切な仲間の言葉を受けた宝太郎は、もう一度未来を取り戻すために再起することを誓う。
そして遂にグリオン達の根城の中心部にまで辿り着くが、そこに待ち受けていたのは人間達の絶望から産み出されたエルドラドライバーと"ダークエーテル"カードでグリオンが変身した悪の戦士・仮面ライダードラドだった。
2人のガッチャードがドラドの圧倒的な力に大苦戦を強いられる中、アルザードを倒し救援に駆けつけたマジェードも返り討ちにされ、目の前で再び殺されかけるりんねを見たデイブレイクは再び心を折られかけてしまうが…。
「やっぱり………守れなかったか……」
宝太郎「諦めるな!!一ノ瀬宝太郎!!!ケミーは、ずっと仲間だっただろ…!?ケミーが大好きで、ケミーの心を感じることができた…それが、俺だ…!」
「ケミーは、仲間……?そうだ、俺はもっとケミーのことが知りたくて、大物錬金術師になるって決めたんだ…。思い出した、俺は…!!」
過去の自分に檄を飛ばされた宝太郎は、かつて自分がケミーをもっと知りたくて大物錬金術師になりたいと決意した夢を思い出す。そして、実はかつて命を散らしたりんねはアルケミストリングを通じてザ・サンと意識が融合し、ケミーの声が届かなくなっていた宝太郎へと、20年もの間も共に戦い続ける傍らずっと語りかけ続けてくれていたことを知る。
りんね『私…まだ……一緒に、戦いたいよ…宝太郎…』
「……あれは、呪いじゃなかったんだな…」
りんね「ずっと一緒に戦いたい、私の……祈りだよ」
「戦おう、一緒に…!ホッパー1!スチームライナー!今までごめん!また俺と一緒に戦ってくれるか?」
デイブレイクホッパー1「ホッパー!」
デイブレイクスチームライナー「スチーム!」
『HOPPER1!』
『STEAMLINER!』
「変身!!!」
『ガッチャーンコ!』
『スチームホッパー!』
かつて大物錬金術師となる夢を抱いた過去の自分と同じ変身ポーズで再びデイブレイクへと変身した宝太郎は、デイブレイクザ・サンやレインボーガッチャード、マジェードと共にドラドを撃破。
20年の時を経て、遂にグリオンを粉砕することに成功する。
しかし、この世界線でのグリオンは冥黒の力を手に入れたつもりが実は冥黒王に乗っ取られてしまっており、本編とは打って変わって、ただの人形として利用されていたことが判明。
正体を明かし、そのまま巨大化した冥黒王に対してデイブレイクザ・サンの太陽の力で強化されたシャイニングホッパー1とシャイニングスチームライナーのカードを使い、最強形態の「仮面ライダーガッチャードシャイニングデイブレイク」へと変身を果たす。
同じく仮面ライダーミラクルガッチャードへと変身した現代の宝太郎やマジェードと共にギガントライナーに乗り込んだシャイニングデイブレイクは、民衆や仲間達の応援を力に変え、トリプルライダーキックで冥黒王を撃破した。
それでも命からがら生き延びた冥黒王は仮面ライダーのいない過去へと逃げ込むが、デイブレイクは仲間達と共に過去の世界へと飛び、必ず冥黒王を倒す決意を固める。それはかつて死に場所を求めながら戦い続けていた男ではなく、未来へと進むことを決意した戦士としての姿だった。
「そう、俺はデイブレイク…"暁の仮面ライダー"だ!」
その後、元の世界へと戻った現代の宝太郎とりんね。夏祭りが始まる最中、宝太郎は未来の自分の無事を心配するが、りんねは彼に過去の錬金術師の伝承を綴った『錬金術師の大いなる道』のあるページを見せる。
「ガッチャ!」
そこには冥黒の王を打倒する一匹のバッタと輝く太陽、そして暁の錬金術師の姿が描かれていた………。
余談
- 『ガッチャード』のパイロット監督であり本作を担当する田崎竜太氏によると、TV本編に出た時点で夏映画が未来の宝太郎の話になるのはほぼほぼ決まっていたようである。TV本編の段階では細かい設定は決まっておらず、眼帯をつけているのはTV本編の世界線が既に別の時間軸になったことを分かりやすく表現するため、20年間の戦いで失ったのは仲間だけではないという説得力を持たせるため、そして現在の宝太郎と未来の宝太郎が並び立った際の見た目の差別化目的もあったらしいとのこと。
- 演者であるDAIGO氏はかつて映画『ウルトラマンサーガ』にてウルトラマンと一体化する地球人を演じており、ウルトラマンに続いて仮面ライダーに変身することとなった(ちなみに、脚本担当も同じく長谷川圭一氏)。
- モチーフには『ドラゴンボールZ』の未来トランクス。なお、公式から公表される前の本編登場段階からファンの間ではその共通項もあり度々話題に出されていた。
- 変身ポーズは、劇中前半では右手でDAIGO氏の代名詞とも言えるポーズ・ウィッシュを取り入れているもの(これ→🤟)だが、劇中後半では宝太郎本来の変身ポーズへと変化している。
- 後半で変身ポーズが変わったのはグリオンに殴り込みをかける直前の二人のガッチャードの同時変身の撮影の際にデイブレイクのスーツアクターである浅井宏輔が未来を諦めてた宝太郎が本来の自分を取り戻したことを表現するために宝太郎本来の変身ポーズにしようと提案している。
- 宝太郎は料理好きの少年だが、DAIGO氏自身も冠番組として料理番組『DAIGOも台所』を持つなど料理タレントとしても活動している。また、本作公開を記念して本島氏がゲスト出演している。
- DAIGO氏が妻の北川景子女史にこの役を演じると話したところ、「20年後のヒロインは私じゃなくていいの?」と返されたという。
- ちなみに、その北川女史は以前東映制作の実写ドラマ『美少女戦士セーラームーン』に火野レイ / セーラーマーズ役で出演しており、『セーラームーン』に監督として参加していた田崎監督とも顔見知りである。実際、DAIGO氏が舞台挨拶にてこのことについてコメントしていた。
- 更に、昨年公開されたアニメ最新作『劇場版美少女戦士セーラームーンCosmos』では未来の宝太郎 / デイブレイクと立ち位置がよく似たキャラクターであるセーラーコスモスのCVを務めている。
- DAIGO氏は後に家族と共にお忍びで映画鑑賞したものの、ご息女が「あっ、パパだ!」と呟いたため、近くのファンに速攻でバレた模様。
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仮面ライダーガッチャードデイブレイク 一ノ瀬宝太郎 錬金術師(仮面ライダーガッチャード)