概要
2人以上の複数人が、1発だけ弾丸を装填したリボルバー式拳銃で、弾丸が発射されるまで引き金を引き続ける死のゲーム。
複数人で行う場合1人1発ずつ撃ち、弾丸が発射されなかった場合次の人に渡すというルールである事が多い。
その名の通り、帝政ロシア時代の軍人が始めたものとも言われているが、詳細は不明。
若干の酌量がある者に対するマフィアの処刑や、命をかけたギャンブル、時にはバカな度胸試しとして行われる。
当然ながらシリンダーに銃弾が入っている時にこめかみに拳銃を発射した場合まず死は免れない。小口径弾などを使っており、運が良ければ重症や障害が残る程度で済む場合もある。
リボルバーでは構造上、シリンダーの銃口側からもリコイルシールド側からも弾の有る無しが見えて次の射撃で弾が出るかどうか分かるので、弾が発射されると予想される場合は天井に向けて撃つ、不発もしくは思い違いで出なかった場合は無条件で負けとなる等、ルールの取り決めの際はその点が問題となる。
また、重要な相手に十分な運の強さがあるか見極めたい者が相手の運を試す為に行ったり、交渉相手に自らの運の強さ、決意の強さを示して納得させる為に行ったケースもあるという。
余談
過去には1発しか装填できず、弾の入った薬室が銃身の位置に行かないようになっている特殊な構造のシリンダーを持つ絶対に弾が出ないロシアンルーレット用リボルバーを製造しているメーカーがあった。(鑑賞・展示用で実用品ではない)
間違ってもオートマチックピストルで行ってはいけない。ダーウィン賞ものである。
(ダーウィン賞とは、アホな行為によって死亡あるいは生殖能力を喪失した愚か者に対し、そのおバカな遺伝子を後世に残さずに済んだことで人類の進化に貢献した『栄誉』を讃えるという、皮肉な賞である)
雨ざらしにする等で不発の可能性を高めた銃弾を使う(金属薬莢の弾はかなり対候性が高いので失敗の可能性大)、ダミーカートを混ぜる等をすれば一応成立するが。
なお、「コードレス電話で敵を絞殺」「ピアノでヴァイオリンを演奏」「一輪車でウィリー走行」などなど、数々の「真実」が囁かれる某俳優は、「フル装填されたオートマチックピストルでロシアンルーレットを行い、見事勝利した」と言われている(注:ツッコミ禁止)が、これは例外中の例外であり、良い子は絶対に真似をしてはいけない。
銃火器以外を用いたロシアンルーレットは有名所では1999年にカンボジアで対戦車地雷を交替で踏むといった事が行われている。
こちらもダーウィン賞にノミネートされている為に予想は付くと思うが、ロシアンルーレットを行った3人とも吹き飛んでいる。
日本におけるロシアンルーレット
日本では当然このような生死を賭けたようなロシアンルーレットが行われる事は無く、もし行った場合は「未必の故意」が認められ殺人罪などに問われる、というよりもそれ以前に銃刀法違反である。
殺傷能力のないエアソフトガンや発火式モデルガンで行われる場合もあるが、想定されていない至近距離での射撃のため、怪我をする可能性が高い。
エアソフトガンの場合は至近でBB弾が撃ち込まれ、発火式モデルガンの場合は耳元で火薬の炸裂音がする為に耳に異常をきたす可能性があり、樹脂製モデルガンの場合は加えて銃口から火花が飛び出る為にやけどをする可能性がある。
安全な方法となると頭ではなく的等に向けて交代で撃つという方式となるが、日本では拳銃のみならずリボルビングライフルの合法所持はできず、他人に持たせることも禁じられているため、出来るのはエアソフトガンのみとなる。
なお、シリンダーを回しながら手首のスナップで銃に戻すというロシアンルーレット特有の行為は強度の弱いエアソフトガンでは破損に繋がるため、注意が必要である。(実銃でも負担をかける為に禁止行為であり、射撃場のレンタルガンで行ったりしたらしこたま怒られるので絶対に行わないように)
しかしながらロシアンルーレットのように「いくつかは当たり(セーフ)であるが1つだけがハズレ(アウト)」のようなミニゲームはバラエティ番組などでもよく見られる。
また駄菓子でも、外見が同じ3つ入りのガムなどで、1つだけ味が異なるというもの(辛かったり酸っぱかったり)がある。
「ロシアンルーレット」の名前が使用されたもの
- 1985年にアニメ「ダーティペア」の主題歌「ロ・ロ・ロ・ロシアンルーレット」を中原めいこが歌っている。
- 2002年の布袋寅泰のシングル「RUSSIAN ROULETTE」。こちらは鬼武者2の主題歌として使用された(関連動画参照)。
- 競馬ゲーム『ウイニングポスト』の架空の競走馬のロシアンルーレット(英表記:Russian Roulette、父:ソヴィエトスター)。こちらはスーパーホースとして登場するが、プレイヤーも史実馬やスーパーホースが所有できる7や8では海外馬になっている(そのため、海外馬カード(7シリーズ)や海外馬購入イベント(8、ただし購入できるのは1頭のみ)でのみ購入できる史実の海外馬であるかの有名な種牡馬サンデーサイレンスや生産も購入もできるサードステージ、ユーエスエスケープ、生産はできないが海外トレーニングセールで入手可能なインデュラインとは違いプレイヤーの所有ができない)。
- 上記の馬とは無関係の実在の競走馬のロシアンルーレット。こちらを参照(netkeiba.com)
ロシアンルーレットが登場する作品
漫画
- 『アカギ〜闇に降り立った天才〜』:盲目の代打ち・市川の初登場時に、赤木しげるが行った。
- 『かりあげクン』:おもちゃのピストルながら、上述の「オートマチック形」でロシアンルーレットを提案し、友人にまず第一発を撃たせようとした。
- 『ガンスミス・キャッツ』:主人公ラリーが6連のリボルバーでシリンダーを回転してシャッフル後に5連射するというロシアンルーレットを繰り返す拷問として行うなど、劇中では度々行われている。
- 『ギャンブルッ!』:8連装リボルバーを使ったロシアンルーレットが行われた。
- 『こちら葛飾区亀有公園前派出所』:旧版の1巻1話では松本という同僚について両津勘吉が「けっきょくロシアンルーレットであそんでいて即死してしまったが…じつにおもしろい野郎だったアハハハ」と言及するシーンがある(新版では「マヨネーズのいっきのみがとくいだった」に変更された)。また、198巻12話『両津散歩の巻』では両津が紛争地帯の国で20円で白い粉(実際は砂糖)を購入すると言う散歩番組(地上波での放送は不可能なのでペンカメラとドローンでの生中継)に出る事となり、目的地の犯罪組織のボスが両津に交換条件として「信頼できる相手かどうかを決める儀式」のロシアンルーレットを迫り、両津は見事2回成功させるが実はその銃には弾が5発中4発入っていた(安いリロード弾を使用していた事で不発弾が混じっていたので奇跡的に両津は助かった)。この奇跡を見た犯罪組織のメンバーや派出所のメンバーは非常に驚き、犯罪組織のボスも20円での砂糖の取引を快諾した他、動画サイトでは両津は一気に人気No.1と化し、ユーザーからは更に危険なミッションをリクエストされる事となった。
- 『ゴルゴ13』:エピソード「CRAZY PARK」序盤にてウイルキンスが劇中で刺激を求めて一人で行っている。なお、次弾が装填位置である事を予測して壁に向けて撃ち、見事当てている。
- 『魁!!男塾』:男塾入塾試験として取り入れられた。主人公たちの1年下である新一号生筆頭・東郷総司は4発分余計に入れて行い見事合格した。
- 『薩南示現流』:肝練りとして車座に座って捻った縄で吊るした火縄銃を用いたロシアンルーレットが行われている。似た行為は松浦清著の「甲子夜話」にて肝試しの一つとして書かれているが(漫画の原作である津本陽著の「薩摩示現流」も甲子夜話同様の描写)、漫画では火縄が導火線として描かれる等、元ネタや実際の火縄銃の構造とは異なる部分があるものの、そのインパクトからか商業作品含めて度々ネタにされている。
- 『ジョジョの奇妙な冒険黄金の風』:本編の前日譚にあたるエピソードでとあるスタンド使いが真実を吐かせるためにグイード・ミスタに強いられたが成功している。
- 『凍牌〜人柱篇』:高津則之が主催した『サバイバル麻雀』の特殊ルールとして登場。半荘でラスを引いた者がロシアンルーレットをする。途中からロシアンルーレットをする条件や、引き金を引く回数が追加されていき、泥仕合と化す。
- 『ドラえもん』:ラッキーガンというロシアンルーレットをモデルにしたひみつ道具が登場。4発の赤玉と1発の黒玉があり、前者が当たれば1日中幸運、後者なら1日中不運となる。ネット上でたまに話題になる、のび太に「はやくひき金をひけよ。」と迫るドラえもんのオソロしいコマはこれ。
- 『熱笑!!花沢高校』:主人公の力勝男が同盟交渉に赴いたその席上、力が手を組むに値する運の持ち主なのか見定める為に、交渉相手が眼前で1発だけ装填したリボルバーを力に突きつけ実行。
- 『ボボボーボ・ボーボボ』:クリムゾン戦で1/6のロシアンルーレットに金天ボは5回成功し、首領パッチは5回命中した。
- 『マギア☆レポート』:2stの136話にて七瀬ゆきかが六面ダイスを振って出た目の分だけ引き金を引く水名式ロシアンルーレットを解説。6が出てしまった場合は「ブッ飛びですよお」とのこと
- 『遊戯王』:ロシアンルーレットの要領で敵モンスターを破壊するリボルバー・ドラゴンが登場した。また、使い手であるバンデット・キースがある一件にて名声もプライドも地に落ちた事で酒やドラッグに溺れ裏博打のロシアンルーレットで生計を立てる様になった(流石にこれをアニメで放送するのは表現上不味かったのかアニメ版では酒場での賭けデュエルに変更されている)。この他、海馬モクバが毒入り料理を使ったロシアンルーレットを行っている。
- 『要塞学園』:協力を得るべく不良を束ねる勅使河原鉄男との勝負でダミーカートを混ぜたオートマチック拳銃でのロシアンルーレットが行われた。主人公の一人、舛田弦太郎は弾が出たので本来は負けであるが、弾が出る事を知っていた勅使河原により助けられ、仲間を助ける手段を得る為であれば死ぬ事を恐れなかった主人公らは信頼を得ることに成功した。
- 『LIAR GAME』:「24連装ロシアンルーレット」というゲームが登場した。
- 『リボルバークイーン』:光原伸の読切漫画。『アウターゾーン』1巻収録。弾丸が1発装填された6連装リボルバーを2名が交互に1度ずつ撃ち、弾が出なければ1発増やしてして続行するというルールで行われた。
ゲーム
- 『COD:BO』:ベトナム戦争下のラオスにて敵の捕虜となった主人公たちが強要される。映画『ディア・ハンター』のオマージュ的場面。
- 『真・女神転生Ⅱ』『真・女神転生if...』:隠し要素として1/32の確率で仲魔を賭けた(相手は1ランク上の仲魔)イベントが発生する地点がある。専用画面やキャラクターも用意してあり、うまく利用すれば強力な仲魔が手に入る。
- 『スーパーダンガンロンパ2』:あるキャラ(ネタバレ注意)が1発、狛枝凪斗が5発を弾倉に込めていずれも成功させている。
- 『マリオパーティ』:歴代のシリーズ作品にロシアンルーレット形式のミニゲームが登場する。『2』の「クッパだいばくはつ」(『4』では「ドキドキクッパばくだん!」としてリメイク)、『3』の「まわれルーレットタワー」など。
- 『メタルギアソリッド3』:自白を促すために運試しと称してオセロット少佐が3艇のSAAに1発だけ装填してジャグリングしながら発砲していくというロシアンルーレットを行い、最後の対決の際にはオセロットとスネークがジャグリングによるシャッフルにより一発の弾がどちらに装填されているかわからない2艇のSAAを向け合うロシアンルーレットを行った。なお、自白を促すロシアンルーレットは一度目は発射を見抜いたザ・ボスに止められ、二度目はスネークの妨害により暴発している。最後の対決の結末は選択と操作次第で変わるがどの結果となろうとタイムパラドクスとはならない。
- 『Buckshot Roulette』:異形のディーラーとショットガンを用いたロシアンルーレットに興じるホラーゲーム。
- 『ペニーガール』:病気の母親を助けるため少女がロシアンルーレットでお金を稼ぐフリーゲーム。
- 『Liar's Bar』:戦略系没入型のマルチプレイヤーオンラインゲーム。酒場で動物のようなキャラ達が命のかけた騙し合いを行う。ゲーム「ライアーズデッキ(ダウトのようなトランプゲーム)」のペナルティがロシアンルーレット。
映画
- 『クロールスペース』:1986年制作のホラー映画。クラウス・キンスキー演じる殺人鬼が人を殺めたあとで自分で行う(贖罪のつもりなのだろうか?)。
- 『ディア・ハンター』:マイケル・チミノ監督作品。ベトナム戦争にてベトナム軍の捕虜となった主人公たちが強要される。
- 『ソナチネ』:北野武監督作品の初期の傑作。メインビジュアルにも使われた主役のヤクザ村川が頭に銃を当てている映像が有名。
ドラマ
- 『西郷どん』:島津斉彬が自身に家督を譲ろうとしない父:斉興とロシアンルーレットでどちらが藩主に相応しいかを決しようとするシーンがある。家臣たちの前で斉彬が果敢に勝負に臨んだのに対し、父:斉興は恐怖のあまり引き金を引くことができず、家臣たちの前で無様にも拳銃を投げ出すという醜態を晒してしまい、結局斉彬に家督を譲らざるを得なくなってしまう。ちなみに、斉興が投げ出した拳銃を直度にお由羅が拾い上げて斉彬目掛けて引き金を引いた際に弾が発射されたことから、あのまま斉興が引き金を引いていたらそのまま弾が発射されて斉興は死亡していたと思われる。使用されたのはコルトM1848もしくはM1851、1851年当時最新式のリボルバーとなっている。
- 『サイコメトラーEIJI』:CASE 5「24HOURS 顔のない殺人者」終盤にて犯罪者との対決の際に行われた。空撃ちが続き、銃は最後の番である犯罪者へと渡るが、スリルを求めて死のゲームに参加していた犯罪者は死に怯えて撃てずに負けとなるが、実は弾は装填するふりで一発も入っておらず、絶対に弾が出ない状態であった。
- 『私立探偵濱マイク』:第10話『一分間700円』にてターゲットにロシアンルーレットを強要する殺し屋が登場する。殺し屋を演じるのは浅野忠信。
- 『仮面ライダーガッチャード』:第48話にて、娘達を人質にとった敵の策略により、九堂風雅とグリオンが行った。演出の都合か、交互に相手に向けて撃ち合うという形式になっている。部屋は錬金術でロックがかけられており他者が介入できないようになっていた。最終的に風雅に向けて弾が発射されようとするも、一ノ瀬宝太郎の機転で「宝太郎自身が銃に変身し、元の銃とすり替える」ことで敵のかけた制約をすり抜けつつ介入し、未遂に終わる。