もしかして
概要
.357マグナムの二大ブランドであるスミス&ウェッソン・M19とコルト・パイソンの良いとこどりをしたカスタムガン。
デイビス・カスタム社が作成。
「スミス+パイソン」で「スマイソン」。別名として「スモルト(スミス+コルト)」
M19のフレームを使用しているため、M19のカスタムモデルとなる。
信頼性の高いM19のボディと精度の高いパイソンの銃身を組み合わせたもの。
M19もパイソンも銃身はフレームにねじ込んであるだけなので、ネジを切りなおす等の加工を施せば通常であれば付けれない別のフレームへの移植も一応は可能であり、両方の拳銃さえあれば比較的簡単な部類の改造である。(他の魔改造よりは容易な部類というだけで、実はリボルバーの銃身の交換は繊細な調整が必要で、加工の必要のない同一製品の銃身の入れ替えでさえガンスミスの手を必要とする非常に面倒な作業である)
なお、パイソンの精度が良いと言われるのは他社製品の同口径の銃身と比べてわずかとはいえタイトであるからと推測されており、M19のフレームが好まれたのも信頼性が高いというよりもパイソンのダブルアクション時の後半でトリガープルが重くなりハンマーが落ちるタイミングが読めないという独特の癖が好まれないからという話もある。(なお、S&Wでのダブルアクションでは重さが一定、ハンマーが落ちる直前にシリンダーがロックされるため判りやすい、トリガーを引き切る直前にトリガープルが軽くなる、といった癖があるが、これがシューターに好まれる癖だったことから評価が高かった)
しかし後年は、コルト社のコスト削減の影響でパイソンの精度が落ちた事と、M19の後継銃・M586では銃身の精度が上がった事で廃れた。
似た製品で、パイソンの銃身とスタームルガーセキュリティシックスのフレームを組み合わせた「クーガー」、コルトトルーパーMK-Vのフレームを使用した「ボア」、コルトキングコブラのフレームを使用した「グリズリー」等がある。
ライバル会社の製品同士の組み合わせなのでファクトリーカスタム製品はデイビス社のみ(現在は消滅)で、基本的にはS&Wのフレームとパイソンの銃身を使用してガンスミスにより作成される。(ガンスミス次第ではM19と同じKフレームのみならず、Lフレームなどでも作成可能な場合もあった)
日本では1983年に国際産業(コクサイ)と東京CMC(後年ハートフォード(HWS)に金型が引き継がれ、現在も発売されている)からM19をベースにモデルガン化されたことから、1989年に放送されたTVドラマ『ゴリラ・警視庁捜査第8班』で舘ひろしが使用した。
ちなみに言うまでもないが、一種の魔改造品であり、当時であってもきちんとフィッティングのされた程度のカスタムモデルにさえ精度等は劣っており、現在言われるほどの性能はなかった。(一方でスマイソンはカスタムモデルという扱いとならなかったレギュレーションもあったため、その点では優位であった模様)