Pfeifer Zeliskaとは、オーストリアで製造された世界最大級の拳銃である。とは言え後述のスペックを見ると拳銃と呼んで良い代物かは疑わしい所があるが…。
とりあえず、これを見てくれ
これがPfeifer Zeliskaのスペックだ。↓
正式名称 | Pfeifer Zeliska Revolver(プファイファー ツェリスカ リヴォルヴァー) |
---|---|
全長 | 550mm |
全高 | 210mm |
最大幅 | 69mm |
重量 | 6.0kg |
銃身長 | 335mm |
サイト長 | 440mm |
弾丸 | .600 N.E.、.458 Win.Mag. |
どう思う?
お分かりいただけたであろうか?
55cmというハンドガンとしてあるまじき全長(あのM500でさえも38cm)であり、普通15cmいくかどうかのハンドガンで21cmという全高、更に6kgという拳銃にあるまじき重量(L85ですら5kg以下)。
そして極めつけは弾丸の600NE弾。
600NE弾は象撃ち用のライフル弾である。リアルに象の頭蓋骨を砕き、初期(WW2以前)の装甲車の装甲ぐらいなら軽くぶち抜く威力を誇り、本来拳銃にカテゴライズされる銃に使用するような弾薬ではない。
拳銃なのにライフルの弾を使うこの仕様は、バイオで言えばハンドガンのジャンルの武器が「ハンドガンの弾」ではなく「ライフルの弾」を使うというバグ同然の事がおきているのである。事実は小説よりも奇なりとはよく言ったものである。通常の600NE弾は反動が強すぎるため、火薬の量を減らした減装弾を使っているが、それでも発射時の反動も相当なものになっているので、手持ちでの射撃は難しい。バイポッドやトライポッドに固定すること、または匍匐姿勢で土嚢に乗せるなどが求められる。
規格外な仕様ゆえ完全オーダーメイドという形をとっているが、試作品ではなくきちんとした製品である。価格は13,840ユーロ(日本円にしておよそ200万円)程で、こちらも拳銃としては最大級と言える。
一部の専門家からは「ハンドキャノン」と分類され、とうとう拳銃のカテゴリから外されている。
ある意味、人間の発想の伸びゆく可能性を垣間見る一品である。
なお「世界最大の拳銃」として知られているがこれは誤りで、
実際に「世界最大の拳銃」としてギネスに登録されているのはポーランドのとある人物が
制作したレミントンM1859を巨大化させた物である。
ギネスブックの記事にPfeifer Zeliskaが誤って登録され更にそれを元に、
ニュース系ブログ等が「世界最大のリボルバー、その名はツェリスカ」とする記事を書いたため「世界最大のリボルバー」として誤って広く知られるようになったらしい。