概要
バンデット・キースは、遊戯王に登場するキャラクターの一人。
本名は「キース・ハワード」。
プロフィール
人物像
かつて全米一のカードプロフェッサー(賞金稼ぎ)として名を轟かせた決闘者。アメリカ国旗のバンダナとサングラスがトレードマーク。無精髭を生やした大男である。
カードプロフェッサー故にあらゆるデッキを使いこなすが、主に機械デッキを使用。切り札は「リボルバー・ドラゴン」。使用する機械モンスターはあらゆる魔法攻撃を無効化する「対魔法装甲」を備えており、その重装備で敵を殲滅、場を制圧する。
数々の大会で輝かしい戦果を残しており、賞金を全てかっさらう事からバンデット(盗賊)・キースという通り名で呼ばれていた。海馬瀬人には「ハイエナ」と評されている。
ペガサスとの因縁
過去に自分が世界一の決闘者であることを証明するために、ペガサスに挑戦状を叩きつける。
最初は乗り気でなかったベガサスであるが、「100万ドルの賞金マッチにすること」「全米にテレビ中継を流すこと」を条件に承諾し、5万人収容可能なスタジアムで決闘が行わることとなった。
しかしキースはペガサスの所持する千年アイテムであるミレニアムアイの力によって心を読まれてデッキ・戦術・手札を全て暴かれ、ペガサスがその場でメモを渡して代理を頼んだ初心者の少年トムに敗北を喫し、その光景をマジック&ウィザーズのCMに利用されてしまう。
この決闘は最初からペガサスの罠であり、賞金マッチにしたのも初心者に代理を頼んだ後にキースが決闘を放棄しないようにするための仕掛けだったわけである。実際、キースはペガサスの態度に怒りはしたが内心では「まあいい、賞金さえ頂けりゃあ…(ニヤリ)」※と完全に目先の欲に目が眩み、当初の「ペガサスに勝利して世界一の決闘者だと証明する」という目的など眼中になくなっていた。
こうしてエサに釣られた魚の如く、ペガサスの目論見通りに全米中に醜態を晒されたキースは、名声もプライドも地に堕ち、その消息は不明となる。ペガサスによると、その後のキースは酒やドラッグに溺れ、裏博打のロシアンルーレット(アニメでは表現規制の為かカジノでの賭けデュエル)で生計を立てるなど、身を破滅させていったという。
※(キースの賞金への執着はかなりのもので、下記の王国編にて「ペガサスを倒して地獄から抜け出す」という目的で数々の不正行為をしてペガサスの元まで辿り着き、ペガサスの頭に凶器を突き付けるという復讐するなら正に今というところで、あろうことかキースが要求したのはペガサスとのデュエルでもなく、ましてやペガサスの命でもなく、賞金であった。)
決闘者の王国編でのキース
凄惨な転落人生を送っていたキースは、この地獄から抜け出るには、あのペガサスを倒すしかないと考え、決闘者の王国へと密航。飛び入り参加(不法参加)する事となる。ペガサス打倒という唯一の目的の為に、自分を慕うゴースト骨塚・佐竹・高井戸清の三人の下っ端を率い、最終的には彼らが集めていたスターチップを強奪、楽々と決勝戦に乗り出した。
当時は賞金稼ぎ(決闘者)としての強いプライドを持った自信家だったが、零落れた後は目的・勝利の為なら手段を選ばず、またそれを信条とする文字通りの無法者(バンデット)となる。ペガサス城においての海馬の投身の宣言によって勝負を破棄した遊戯に対する「あのガキ、何をやっているんだ?勝てた勝負をみすみす逃しやがった」などの発言はそういった性格の表れであり、決勝戦においては飛び入り参加した結果、参加証カードを所持していなかった為、城之内の参加証カードを盗んで脱落させようとしたり、彼とのデュエルではイカサマ等も平然と行い、とことん汚い手を使っている。キングダムにおけるルールも眼中に無く、着用するチョッキに何種類ものデッキを忍ばせ、下っ端のデッキを改造して彼らのバックアップも行っていた。
基本的に荒くれ者気質で、短気で暴力的な面を度々見せるが、喧嘩の腕では城之内に一歩劣るが、アニメでは自身に殴りかかってきた城之内の拳を受け止めて「落ち着けよ」と諫めるなど大人の対応をしている(上記の性格や下記の顛末を見るとどの口で言ってるのかという話になるが)。
最後
決勝戦において城之内に主力の機械デッキでデュエルを挑むが、激闘の末に完敗を喫し、脱落する。しかしペガサスへの復讐(=地獄からの脱出)を諦めきれなかった彼は、ペガサスの前に現れて賞金を渡す様にナイフ(アニメ版では拳銃)で脅迫。
だが、ペガサスから数々の不正行為と規定違反を宣告され「私との戦いで既に決闘者のマインドを失ったようだ」と失望とも哀れみとも取れる言葉のあと、罰ゲームによって魂を砕かれ、死亡した。
王国編後
王国編後では、原作とアニメによってキースの活躍が分かれている。
邪神の手により生還
前述の通りキースは一度死亡したが、武藤遊戯に対する復讐心とペガサスの復活を強く望む天馬夜行のR.A計画の実験体として、邪神の力によって蘇る。
『R』に置いての黒幕であり、R・A計画を本格的に起こした張本人。
復讐の対象の1人であるペガサスがもうこの世に存在しない為、王国で自分を負かした事で、ペガサス同様に憎悪の対象である城之内への復讐を目的とする。
天馬夜行から「邪神によって命を保たれている。」と「邪神イレイザー」を手渡されるが、夜行のカードにより自分の命が握られている事の気にくわなさと、自分の僕でありながら相手のカードにより能力が変化する効果が自分のデッキと合わないことから、キースは『邪神イレイザー』を「相手によって左右される不甲斐ないモンスター」と下等に評価する。
再戦に置いて、邪神入りのモーターデッキを使用し、『邪神イレイザー』を召喚した後は追い込む。
だが城之内のカード強奪コンボにより、邪神を倒されながらも『イレイザー』の真の力で城之内と共に死の世界に飲み込まれるが、復讐を果たしたい一心で『デモニック・モーターΩ』を召喚するも倒せず、どうして自分が死んで城之内が生きているかが納得できず、遂には復讐の呪縛を開放する為にと城之内が『鉄の騎士 ギア・フリード』の召喚による攻撃で再び敗北する。
その後は『黒き決闘盤《ブラック・デュエルディスク》』を渡して再戦を申し込まれるも、復讐意識がまだ残っている為、城之内に再戦を断られ意識を失う。
その後は城之内から純粋にカードを楽しんだ頃の自分を取り戻せばいつでも対戦すると『時の機械-タイム・マシーン』を返される。
操り人形
アニメでは死亡しておらず、ペガサスが護身用に仕掛けていたトラップによって海に放り出され、後にグールズに拾われて利用されている。
その後、マリクの手により操られて、遊戯から千年パズルを奪って廃墟となった工場で千年パズルをかけて、本来の遊戯とデュエルを行う。
『機械王』を中心とした得意の機械戦術を展開し、それらを攻略された後は『ゼラ』や『ホーリー・ナイト・ドラゴン』といった複製レアカードを用いた戦術を展開する。
また、王国での城之内戦のときと同じように隠しカードを用いる不正行為も行ったが、それは全てマリクの手によるもの。
デュエルを行っているうちに、自身の自我の強さ故か、マリクの洗脳に抵抗する様子を見せる様になり、バクラの力で洗脳が弱まったことで、マリクの命令に抗い錯乱状態に陥る。
そして、遊戯の千年パズルを崩した挙句、その場から逃走。行方不明となった。
キースがグ-ルズの一員となった設定は、DM7でも見られて『ゼラ』を中心とした悪魔族・機械族デッキで主人公を攻める。そして、あるイベントでは「抜け殻」となってしまうが、その際のデュエル後の選択肢によっては完全に行方不明になるが、逆に主人公に励まされて再出発の兆しを見せるという展開もある(この場合、後から再びキースに決闘を申し込むことができ、今度は何度倒しても諦めず立ち上がってくるようになる…つまり何度でも戦える)。
DM8では最終的にマリク脱退後のグールズを乗っ取り、ネオ・グールズとして決起し、暗躍する姿が描かれた。
中盤におけるボスであり、神のカード『ラーの翼神竜』を復活させる(ただし、その時はまだ(スフィアモード)であり、ラーを投入したデッキで主人公に攻める。
そして決闘《デュエル》後に、神の怒りを触れた事で神の捌きを受けて意識を失う。
使用デッキ
多彩なデッキを使用しているが、機械(マシーン)デッキを使用する。
彼の使用する魅力的な機械族モンスターによって、神話・伝承を元にしてきたモンスター群の流れが一変。
今では、戦士族モンスターに次ぐ種類数を誇っている。
特に彼の使用するリボルバー・ドラゴンは効果モンスターの革命と言われた。
また、多少悪魔族を入れている。
原作・アニメで使用されたデッキは全て機械族である。
フルメタル装甲デッキ
闇属性・機械族を中心とされている。
魔法攻撃を一切受けないなど、魔法使い族にとって天敵効果を持つ。
王国編での決勝戦の敗北後、ペガサスに対する復讐心を忘れられずにカードを放棄したままの為、多少のカードを城之内に拾われ『R』で『時の機械-タイムマシーン』を城之内が2度使う(なお、後に『復讐を捨て楽しくデュエルしていた頃を思い出せ』というメッセージと共に返されている)。
機械王&ウルトラレアカードデッキ
アニメで使用した機械王を中心とした機械デッキ。
前半は機械族を並べて『機械王』の力を最大限に発揮させる戦法を取る
だが彼を洗脳してるマリクの手により、王国編以上のイカサマによる『ゼラ』を中心としたウルトラレアカード攻めで遊戯を追い詰めるも、デッキを無視したレアカード頼りの単純攻め戦法に隙を突かれてしまう。
邪神入りのモーターデッキ
原作のアバターストーリーである『R』により、リッチー戦や城之内戦で使用。
『モーター』と名の付く機械族モンスターを中心に構築されていて、その中には三邪神の一角である『邪神イレイザー』も入れている。
主力カード用の『エンジンチューナー』による守備力の半分を攻撃力に加える効果と、破壊された後、モータートークンを呼び出すトークン召喚効果が特徴である。
主な使用カード
キースを代表とする彼のエースモンスターであり、機械族に革命を起こしたカードの1枚。
攻撃力の高さに、場合によれば一気に3体のモンスターを容赦なく破壊するとんでもない効果を持っている。
OCGではこの効果に近い効果を持ったモンスターが存在する。
『メタル化』によって機械化されたデビルゾアの姿。
その攻撃力は3000と『青眼の白龍』に匹敵する。
さらに機械化した事で、『サラマンドラ』とのコンボで魔法攻撃を仕掛けてきた『炎の剣士』を返り討ちにした。
トドメとして『『守備』封じ』で攻撃表示にした『アックス・レイダー』を攻撃しようとするが、『落とし穴』(アニメでは『串刺しの落とし穴』)で破壊される。
『リボルバー・ドラゴン』の攻めの追撃として召喚されたカードだが、実は城之内の前に立ちはだかる最後の切り札でもある。
何の効果も持たないモンスターだが、原作では『7カード』を唯一装備できるモンスターである。
攻守会わせて最大2100ポイントまで上げられ、守備力を3000まで上げて攻撃力を3400まで上げた(だがキースは残り2枚の『7カード』をリストバンドに仕込んでおき、こっそり手札に加えるイカサマを行ってた故に不正コンボであるが、ペガサスはその行為を見逃さなかった)。
最大限までパワーアップした後、『バンデットー盗賊ー』カードで城之内から奪った『右手に盾を左手に剣を』で『レッドアイズ・ブラックメタルドラゴン』を戦闘破壊した。
しかし『墓荒らし』によって発動された『時の機械-タイム・マシーン』で『レッドアイズ・ブラックメタルドラゴン』を蘇生され、戦闘破壊されて敗北に導いてしまった。
アニメオリジナルの遊戯戦で使用。
フィールド上の機械族の数だけ攻撃力をアップする効果を持っている。
機械族を増やし、さらに『機械改造工場』の効果でパワーアップしたが、『魔霧雨』と『デーモンの召喚』のコンボで破壊された。
元々デッキには入ってなかったが、キースを洗脳したマリクが不正行為で手札に加え、遊戯を倒す為に召喚された激レアカード。
その高い攻撃力を活かして彼を追い詰めた。
モーターデッキにおける最上級モンスター。
邪神無しでなら、本来キースのエースモンスターでもある。
攻撃力2800とモーターモンスターの中でも最大攻撃力を誇るが効果は無い。
しかし何と、城之内がお得意のカード強奪コンボで逆に召喚してこのカードで邪神イレイザーを倒した。
だがイレイザーの効果によって墓地に送られ、今度は『ニコイチ』の効果でキース自身の場に召喚され、トドメを誘うとするも、『悪夢のサイコロ』の効果で攻撃力が大幅に下げられてライフを削りきれず、最終的に『鉄の騎士―ギア・フリード』によって破壊された。
『遊戯王R』の登場人物、天馬夜行がこのカードの力によってキースを生還させたカード。
三邪神の一角であり、その力は三幻神に匹敵する為に魔法・罠カードの効果対策を受け付けない。
相手フィールド上に存在するカードの数だけ攻撃力をアップする効果であり、墓地に送られると全てのフィールド上のカードを瞬殺すると言うとんでもない破壊効果を持ってる。
だが、いくら真意が自らの命の引き換えによる全体破壊効果とは言え、相手フィールド上に存在するカードの数に余って能力が変化すると言う人任せな効果による為、所有者であるキースですら「相手によって左右される不甲斐ないモンスター」と見られている。
余談
原作でのインパクトのある退場は各所でネタにされ、後年ジャンプで連載された『太臓もて王サーガ』でも「自分の指鉄砲で死ぬ奴」とネタにされた。
名前の由来は某格闘ゲームに登場する、名前がよく似た悪役から言われる。ただしキースの外見はその部下によく似ている。高橋和希先生は格闘ゲーム好きということもあり、可能性は高い。ちなみにその悪役とは、当初は間違いなく死亡した筈なのに続編でしれっと復活しているという点も共通している。
良い人?
前述の通り本編ではペガサスに心を折られた結果イカサマやリアルファイトも辞さない悪党に堕ちてしまっているのだが、SNS上では初心者遊戯王プレイヤーに親切に接するコラ画像が多く作られている。
「きれいなキース」の元になったのは、twitterユーザーのたけのこ@決闘者@takenoko_Duel氏が2020年ごろに連作したコラ画像。
この影響でキース=いい人ネタが徐々に浸透していき、本編未読でコラに触れた人たちには「バンデット・キース=良い人」と認識されたり、2022年になるとグーグルの検索候補に「バンデット・キース いい人」が表示される様になった。
ファンによる一説では、城之内から返されたカード「タイムマシーン」で純粋にデュエルを楽しむ心を取り戻した世界線の彼などと言われている。
関連タグ
機械龍(遊戯王)・メタル化・魔法反射装甲・メタル化(遊戯王)