詳細
実子をもうけなかったペガサス・J・クロフォードが、自身の後継者を確保する為に世界中から集め育てた孤児「ペガサスミニオン」の一人。双子の兄として月行がいる。
ペガサスを強く尊敬しており、彼の計画の成就を誰よりも求めていた。
決闘者王国編終了後、ペガサスの席には最愛の人物であるシンディアのカードだけが残されていた。
これによってペガサスが死んだと確信し、また決闘によってペガサスを撃破したのが武藤遊戯である事を聞かされた彼は、『武藤遊戯』に強い憎しみを抱くとともに「ペガサスの復活」を決意する。
ペガサス復活の過程で超神秘科学体系(ミスティック・サイエンス・システム)と称して「千年アイテムや三幻神に宿るエネルギーの解明・応用研究」を行い、その中でペガサスの遺品となっていた三邪神のカードデータを盗み、これのカード化を強行する。
ペガサス復活計画である「R・A(Rebirth of Avatar)計画」の実験台として、同じく決闘王国で廃人化していたバンデット・キースを復活させて『邪神イレイザー』を授ける。
その際、キースに「ペガサスを殺したのは遊戯だ」と吹き込まれたことにより、遊戯を明確に仇敵及び復讐対象と定めた。
R・A計画の骨子として「武藤遊戯への復讐」が盛り込まれ、その鍵として真崎杏子を抜擢し彼女を誘拐、さらに海馬コーポレーションのメインシステムをハッキングして乗っ取る。
ソリッドヴィジョンシステムを用いて学校の遊戯達の前に姿を現すと、計画を明かすと共に挑発し、雌雄を決し計画を完遂するため一行を海馬コーポレーションに誘き寄せるのだった。
R・A計画について
杏子を誘拐したのは、ペガサスを復活させる際にその魂を憑依させる対象、要するに生贄にするためである。
その彼女を選んだのは、曰く『心身ともに健康である』・『決闘者でない』・『遊戯へダメージを与えるのに十分な者』という3つの理由からだという。
このうち『決闘者でない』というのは、そうであった場合に決闘者としての本能によって魂が分裂してしまう危険があるかららしい。
ペガサス(男性)の魂を杏子(女性)に憑依させる、同性である本田ヒロトを選ばないなど、「ペガサスの復活」以上に「遊戯への復讐」に執着してしまっている点を時たまネタにされる。
なお、遊戯を明確に復讐対象としたのは前述の通りキースの証言によるものだが、これはキースの嘘であり実際にペガサスを殺したのは闇バクラである。
そもそも遊戯とペガサスが決闘した時点でキースは実質死亡しており、復活時点のキースはペガサスの死自体を知らなかった可能性すらある。
その為、キースの嘘こそが一連の事件の発端と言われることもあるが、夜行自身嘘には気づいていたフシがある。その上で「遊戯がペガサスを打ち負かしシンディア復活の希望を奪ったことが彼の生きる意志をも打ち砕いた」という、半ば屁理屈でもって遊戯への敵意を燃やし続けていたようだ。
邪神が撃破されるまで、夜行の表情が頻繁に人間離れした狂気的なものに変化することから、一説には「自ら顕界させた邪神によって精神を汚染されていたのではないか」とも言われている。
人間関係
- 天馬月行
双子の兄で、かつてペガサスに「パーフェクト・デュエリスト」と称された秀才。
詳細は⇒天馬月行
- リッチー・マーセッド、デプレ・スコット
天馬兄弟と同じペガサスミニオンのメンバー。カードプロフェッサーとして計画に参加している。
それぞれカードプロフェッサーのNO.1及びNo2であり、その肩書に違わず高い実力を持ち、またミニオンとして夜行の計画に強く賛同している。
デプレはペガサスを破った遊戯に、リッチーは夜行を裏切った月行に強い敵意を抱いており、それぞれデュエルを挑んでくる。
かつて無敗伝説を誇った元全米チャンピオンであり、ペガサスへの復讐のため決闘王国に参加していたデュエリスト。
王国にて千年眼の罰ゲームを受け、本人曰く「精神の死の淵にいた」らしいが、R・A計画の予行として「邪神イレイザー」の力で復活し、夜行から邪神を授けられた。
この際夜行にペガサス殺しの犯人を遊戯だと伝えているが、これは夜行を利用して遊戯一行を誘き寄せ、城之内に復讐するためであったことが本人によって語られている。
ペガサスの仇だと思い込んでいる憎き相手ではあるが、表遊戯に対しては自分と同じ立場の人間だと考えていた。自分よりも優れた才能を持つ兄の月行に対して強い劣等感を抱いていた夜行は表遊戯も闇遊戯に対して自分と同じような感情を密かに抱いていると思っていた。だが、実際には表遊戯は闇遊戯に対して嫉妬や劣等感などの感情は一切抱いていなかった。
M&Wを生み出した天才ゲームデザイナーにして、I2社の創始者。
また、天馬兄弟ら「ペガサスミニオン」の義理の父親でもある。
親として非常に愛の深い人物であったようで、ミニオン達からは強く慕われており、それ故に今回の事件へと繋がってしまった。
使用カード、戦術
強大な力を持つ三幻神に対抗する抑止力としてペガサスが生み出すも、同等以上に危険な力を持つとして現実に生み出されることなく封印された3枚のカード。
「アバター」「ドレッド・ルート」「イレイザー」の3体で構成される。
R・A計画実施の為、夜行によってカード化された。また、「ドレッド・ルート」「イレイザー」については少なくともそれぞれ2枚存在することが確認されている為、三幻神のように複製に厳しいということはない模様。
夜行のデッキの根幹であり、R・A計画の要の存在でもある。
- 従属神
夜行曰く「神に仕える存在」。
画像の「神獣王バルバロス」はもっとも有名な従属神であり、またそれらを束ねる王でもある。
王でないモンスター達は「○神」という冠詞を持つ小・中型の悪魔族モンスターであり、「ソロモン72柱」の悪魔がモデルとなっている。
また、月行と同じく小型天使族モンスターも使用している。
戦術
従属神及び小型天使族など、多様なレベルを持つモンスターを、「レベル・トリック・タクティクス」と呼ばれるレベルの四則演算を利用した展開戦術によって高速で大量展開し、それらを生け贄に三邪神を降臨させるのをメイン戦術としている。
特殊召喚不可・3体生け贄要求という超重量級モンスターである三邪神を3種全て搭載しながらも、従属神による通常のビートダウンも行える柔軟性の高いデッキである。
当然その分プレイ難度は相応に高いことが予想され、苦も無く扱って見せる様はあの海馬をして「邪神の力だけではない」と評価されるほど。
なお、夜行の「レベル・トリック・タクティクス」は前述の通り「モンスターのレベルを参照する戦術」である。作中では、モンスターのレベルを上げて展開・倒されたモンスターのレベルを分解して展開など、様々なアプローチで生け贄要員を場に揃えて見せている。
当時、漫画作品においてモンスターのレベルはもっぱら「モンスターの格を現すステータス」でしかなく、アニメまで含めても儀式召喚ぐらいでしか活用していなかった「レベルという数字」に、史上初めて本腰を入れて戦術的価値を見出したキャラクターが夜行だったのである。
その着眼点がいかに画期的で有力な物であったかは、後の各種召喚を見れば明白。
ペガサスによる「ラフ・ダイヤモンド(ダイヤの原石)」という評価はまったくもって正しかったわけである。