Personal Handyphone System
1995年にサービス開始。
強力な基地局をコンパクトにして、建物内や地下街でも設置できるようにした携帯電話。
コードレス電話の発展系であり、PHS端末をコードレス電話の子機として使うことも可能。
サービス開始当初は、携帯電話に比べて通話料が安く、また当初からメール(※)の使用ができたこともあって若年層を中心に普及。また、早い時期からデータ通信の定額サービスを開始していたことから、外出先でインターネットを使いたいヘビーユーザーやビジネスマンにも愛用された。PCまたはPDAのPCカードスロットに挿すタイプのPHS端末もあった。
1996年頃のPHS全盛期に女子高生の間でPHSを「ピッチ」と呼ぶ風潮が生まれ、その呼び名が一般にも広まった。
(※)NTTパーソナルでは「きゃらトーク」、アステルでは「Aメール」、DDIポケットでは「Pメール」という名称で提供、DDI-セルラーの「たのしメール」を含めて4社間でのやりとりができた。
その後、携帯電話の低価格化・サービスの多様化が進むにつれシェアを奪われていくが、維持費の安さを重視する法人向けや個人には根強い支持があり、内線電話をPHSにしている企業も多かった。
また、医療現場のような携帯の使用が制限される場は、長らくPHSの独壇場であった。しかし、(医療機器への影響が少ない)第3世代移動通信システムの普及とともに携帯使用制限の緩和が進み、第2世代移動通信システムが停波した現在では、ほとんどの病院で通常の携帯電話が使えるようになっている。
停波へ
NTTドコモと日商岩井によって設立されたNTTパーソナルは1999年に日商岩井の撤退に伴いNTTドコモに売却され2007年にサービス終了、電力会社とKDD、日本テレコムによって設立されたアステルは2003年の九州でのサービス終了を皮切りに2011年までに沖縄を除いてサービス終了している。
残るのはDDIによって設立されたDDIポケット改めウィルコムであるが、2005年にKDDIから米国の投資ファンドであるカーライルに売却され、2009年にそのカーライルも撤退し2010年に会社更生法適用を申請、2000億円を超える焦げ付いた負債を肩代わりしてくれたソフトバンク傘下になり、現在はイー・モバイルと合併してワイモバイルとしてサービスを提供している。また沖縄のアステルは同社の地域会社となっている。
こうして細々と息を紡いできたPHSだが、ワイモバイルは2018年3月31日をもって新規受付を終了。
既存加入者も2021年1月末のサービス終了(当初の2020年7月から延期)で終了した。
フィクションでは
上述の機器が隆盛中に発売されたRPG『ファイナルファンタジー7』で「パーティ編成システム」として(掛詞)登場。メニュー画面でのパーティ編成はこのシリーズ初であった。
(※FF7リメイクでの変動につきましては追記を待望いたします)