※アステルだと別の記事になるので、本稿では英字表記といたします。
概要
電力会社とKDD、日本テレコムにより設立、1995年にサービスを開始する。
営業区域は電力会社と同一であり、たとえば静岡県の富士川東部は東京電力の管轄区域なのでアステル東京、富士川西部は中部電力の管轄区域なのでアステル中部、といった具合である。
サービス開始当時、他のPHS事業者と同様にNTT公衆網を使っている地域と電力独自網を使っている地域でローミングができなかったが、後に解消される。
また、基地局は電力会社の電柱に設置されていたが、サービスを終了してもなお基地局が残置されていることが多い。(本来ならばサービス終了後速やかに撤去すべきものだが)
PHS事業者のすべてが累積する債務に苦しめられる中、各地域の電力系通信会社が経営を巻き取ることになり、2003年の九州地区でのサービス終了を皮切りに2011年までに全地域でサービスを終了することになる。ただし沖縄だけはそれなりに契約者がいたからか、ウィルコム傘下に寝返ることになる。
データ通信
1999年にPHS3社がデータ通信の64Kbps(※当時としてはISDN並の高速サービス)を開始するにあたり、アステル東京では「32Kbpsデータ通信対応音声端末2台+巨大なコンバータを使ったモビリティ無視な代わりに既設のISDN用アクセスポイントに接続可能」な方式を採用している。あまりにも力技過ぎたからか、後に「32Kbpsデータ通信対応音声端末1台+同端末を接続し64Kbpsデータ通信に対応可能なカード型端末」も登場し、ようやく実用的なところに落ち着いた。
また、自社営業地域内限定とはいえ北海道・東北・北陸・四国では32Kbpsでの定額データ通信サービスを提供していた。なかでも2000年3月に開始したアステル北海道の「HOTCN定額ダイアルアップ接続」は日本国内初のモバイル定額データ通信サービスだった。(2004年サービス終了)
さらにケイ・オプティコムの「eo64エア」とエネルギア・コミュニケーションズの「megaegg64」は64Kbpsでの定額データ通信サービスで2011年まで提供していた。
インターネット対応PHS端末
1999年に開始されたNTTドコモの「iモード」に追従すべく、音声端末単体でインターネット接続が可能な端末を各社が発売する中、2000年に発売されたのが「AJ-51」である。
携帯電話会社(当時4社)+PHS1社(DDIポケット)とは異なり、「端末そのものにグローバルIPアドレスを割り当てる」「そのために各種接続設定が必要」という当時としてはあまりにも画期的過ぎた端末だったが、全国では発売されずまた後継機種も出ないまま収束してしまった。
現状
内線電話機能に対応する一部PHS端末が、電力会社の窓口や事務所内で2015年時点でも使われているという情報がある。(初版執筆者は東京在住なので未確認情報であるが)
関連タグ・リンク
電力会社 - 株主。
レレレのおじさん - アステル東京のCMキャラクター。