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「私はこの世の法律を変える。その為に私は王となる。この世界の女王に…」

お前に判決を言い渡す……有罪!」

「私はいずれ、この世の女王となる身…跪け!」


演/CV:釈由美子


データ編集

  • 身長:200.0cm
  • 体重:98.0kg
  • 特色/力:キバのフエッスルを使ったようなアームズモンスターの武器化及び使役/蝙蝠の使役/伸ばした爪を突き刺した相手をステンドグラスのようにして粉砕

概要編集

仮面ライダージオウ』EP35「2008:ハツコイ、ウェイクアップ!」から登場するアナザーライダーの1人。

常磐ソウゴの初恋相手(?)である北島祐子が変身する。

モデルは仮面ライダーキバ キバフォーム


女性のアナザーライダーとしては2人目だが、1人目のアナザーブレイドはレジェンドキャストだったため、初のレジェンドキャストではない女性のアナザーライダーである。

アナザージオウ以来の王候補としてのアナザーライダーであり、「王は男である」という先入観から選ばれていなかった初の「女王候補」のアナザーライダーでもある。

原典の「キバ」でも「王」は重要なワードであり、「KIVA」には「King of Vampire」 の意味もある。

アナザーキバ/北島裕子


また、アナザーキバが活躍したEP35・36は脚本を担当した井上敏樹の作風が色濃く表れており、本作に登場するアナザーライダーの中でも極めて個性的な演出がされて特に話題になった登場人物でもある。


容姿編集

Another2008アナザーキバ タイトル画面用イラスト(修復版)アナザーキバ


全体的にはキバフォームに似るが、ファンガイアの物に似たステンドグラス状の器官が体を覆っており、頭部のコウモリの翼的な触角が特徴的。

なおクラッシャーの部分を隠すと本家のキバの顔のようになり、横顔は蝙蝠が飛んでいる姿のようである。

肩は飛翔態の頭、背中の翼とマントはエンペラーフォームが元ネタなのだろう。(オリジナルのエンペラーフォームは変身時に翼が展開するエフェクトが発生する)

肩は形状が変わったのに加えて色が赤くなり、魔皇石にも目玉にも見えるパーツが存在しオリジナルのキバのダークネスムーンブレイクを放つ際の右脚を思わせる。

その代わりか右脚からは拘束具が無くなっており、それによって(ライダー名と年号の表記を除き)オリジナルとは異なる完全な左右対称のデザインとなっている。

なお、肩のデザインは翼と目が存在する事から、本編には登場しなかったアーマータイムのキバアーマーの肩のデザインから取り入れられたとも考えられる。その為、ファンガイアに改造される前のキバットと見ることもできる。


アナザーライダー特有の口と目の存在もあり、全体的な印象やシルエットはキバ本人よりも、キバとモチーフを共有しているキバ本編ラスボスのバットファンガイアに近い。また、頭部は他にも仮面ライダーダークキバ仮面ライダーアークの要素も存在していると思われる。


各部の拘束がなくなり、鎖は胸部にあるものの何も縛ってはいない。オリジナルのキバがキバのと呼ばれる存在だったのに対し鎧状のパーツは少なく、顔はステンドグラスがひび割れて緑色に発光する瞳が露出しており、さながら人の自制心という仮面が壊れて怪物としての本能をむき出しにしているかのようである。滅多なことがない限り怒りを表さない紅渡とは真逆とも言える。


ベルトのキバットのデザインはキバットバットⅢ世を歪めた…というより、ザンバットソードのウェイクアップフエッスルに似た形状をしている(ザンバットソードは原典でも三体のアームズモンスター達が深く関わるアイテムであることによる繋がりだと思われる)。

また、アークキバットに似ていると言う意見もある。


脚にはオリジナルが腰に差していたウェイクアップフエッスルを思わせる意匠があるが、形状的にフエッスルというより、吸血鬼退治に使われる『銀の弾丸』か。

これは文字通りのヴァンパイアハンターである仮面ライダーイクサの要素と思われる(ちなみに、史実の伝承に於けるヴァンパイアハンターは吸血鬼と人間の混血がなると言われており、オリジナルのキバが正にそれに当たる)。


襟先には薔薇状の意匠がある。

キバに直接関係するものではないが、OPで薔薇の花びらが舞っていたのを始めサブタイトルに採用されていたり、物語のキーとなるバイオリンの名がブラッディローズだったり、チェックメイトフォーの紋章に薔薇があしらわれていたりと原典では目立つ要素であった。


総じて見ると、ぱっと見はファンガイアの要素がかなり強いもののよく見るとちゃんとキバのアナザーライダーということをこの上なく表していると言える。


アナザーライダー特有のライダー名と年号は背中から生やしたコウモリの羽に記されており、右の羽にKIVA、左の羽に2019と記されている。


能力編集

ガルルバッシャードッガの三体のアームズモンスターを使役し、必要に応じて武器に変化させ使用する。ちなみにこの三体は唸り声とはいえ、律儀に名乗る。

能力と作中の台詞からキバとなることで従えているようだが、拘束力は絶対ではないのか、少なくともガルルは独立して動けている。恐らく普段は原典と同じように本編の延長で暮らしているが、アナザーキバの変身に際して、強制的に召喚されているのかもしれない。


これまでにもアナザーライダーが武器を使う例は何体か見られたが、多くがオリジナルを歪めたような形状で、初であり唯一のオリジナルの武器そのものを使用するアナザーライダーとなる。

劇中ではガルルセイバー・バッシャーマグナム・ドッガハンマーの全てを扱っているが武器の能力は未使用。また、アナザーライダーでありながらジオウ達と初めて共闘したアナザーライダーでもある。


これらの要素は原典においては中盤以降出番に恵まれなくなったアームズモンスターの武器とそれで変身するフォームチェンジの活躍の補完とも取れ、「形はどうであれ、他種族と共存している」という意味では、アームズモンスターを絶滅させようとしたもう一人のキバ=仮面ライダーダークキバとは対照的と言えるだろう。


本体の能力としては爪を伸ばして人間をステンドグラス状にして砕くことで殺害することが可能。これは原典のファンガイアの死亡時に近い描写であり、「キバ(祐子)の敵」として始末されたということだろうか。

これ以外にも蝙蝠の集団を出して攻撃をしていた。


生身の北島祐子としても、かなり特異な能力を持つ。

相手の衣服の具合やかすかな匂いから、その食生活や家庭での様子まで正確に言い当てるといった驚異的な観察力・嗅覚を持っている。アナザーライダー化してからは前日の食事の内容やその材料の産地までも当てている。

また4年前は、40kg近くあるマンホールの蓋を両手で引き摺っており、両手でやっと持ち上げられる程度の腕力(と言っても男性でも苦労するレベルの重さの為、決して非力では無い)しかなかったが、これもキバの力を手に入れた後は片足で走行中の自動車を止めたり、マンホールの蓋を片手で放り投げたりという具合に、人間離れしたパワーになっている。

ただ、これらは明確にアナザーライダー化によって向上したものとは作中及び公式サイトでは語られていないので彼女の元々の特技や4年間で鍛えた身体能力の可能性も否定できない(上記の自動車を止めた者は、原典ではあくまで鍛えた人間である)。


EP41に登場した個体は一般人の首に噛み付くという吸血鬼らしい攻撃を見せていた。


誕生による改変編集

「キバ」サイドの状況が描写されていないため、アナザーキバ誕生後に紅渡仮面ライダーキバキバットバットⅢ世たちがどうなってしまったのかは不明。

年号が2019である事から、アナザーブレイドなどと同様に改変が生じていない可能性もある。

次狼の発言から本編で登場した「カフェ・マル・ダムール」のマスターが引退しているようだが、10年の月日によるものか改変の影響なのかは判明していない(関係はなさそうだが……)。


次狼は「キバの僕として祐子を守っていた」と発言しており、「オーマの日」以前と同じ「王候補としてのアナザーライダー」であるため、過去ではなく現代でキバの存在ごと力を奪い「キバ」に成り代わった存在と考えることもできる。

その場合、


考察編集

仮に序盤のアナザーライダー同様に「アナザーキバの誕生によりファンガイアの存在が消滅してしまった」とすると、下記のようにメインキャラたちが登場しなかった理由が説明できてしまう。

  • ファンガイアと人間のハーフである渡は当然生まれない

(「紅音也の息子」としての渡が存在する可能性はある)

※:改造前の生物としては存在するかもしれないが、もはや正史の彼らではない


『キバ』本編では1988年時点で仮面ライダーサガキバットバットⅡ世素晴らしき青空の会が存在していたが、アナザーファイズ誕生後の乾巧のようにアナザーライダー誕生後は「初めからファンガイアがいなかった世界」に歴史が書き換わると考えればこちらも説明がつく。


一方で前述のアームズモンスター達はファンガイアに滅ぼされた魔族の最後の生き残りであり、ファンガイアが消滅すれば当然彼らの運命も変わるハズである。

だが実際にはファンガイアが消えても「アナザーキバ」として「キバ」の存在だけが歴史に残ってしまっており、この矛盾のためにキバに力を貸していた彼らが次狼の言う「キバの僕」になり果ててしまったと考えられる。

次狼だけが祐子から離反できるほどの明確な自我を保ち、「時の扉で未来のビジョンを見た」という原典での記憶を持っているような台詞があったのは、彼が持っていたキバライドウォッチの影響なのかもしれない。


誕生と同時に存在が消滅してしまうと渡がライドウォッチを渡せないため、アナザービルドアナザーエグゼイドのようにタイムラグがあったと考えるのが妥当か(あちらは実際には物語序盤故の演出だったが)。


活躍編集

  • EP35『2008:ハツコイ、ウェイクアップ!』

2019年、北島祐子は4年前の「右央地区飛翔公園殺人事件」で冤罪を主張するも有罪判決を受け、服役していた。幼馴染の田上哲也との面会の後に無実を泣き叫んでいたところ、その怒りに目を付けたタイムジャッカーオーラが祐子にアナザーキバウォッチを埋め込み、アナザーキバに変貌する。


脱獄した彼女は冤罪をなくすため、「正しい法を制定する女王」として自分を無実にできなかった関係者達を襲い始める。

身なりを整えた後はかつての裁判で自身を弁護した弁護士・菊池の前に現れ、自分を無罪にできなかった彼に有罪を言い渡し襲い掛かったが、駆け付けたソウゴが変身したジオウと交戦。呼び出した3体のアームズモンスターとの4vs1でジオウを変身解除に追い込み、微笑みながら「可愛い子」とソウゴの顎を撫でて去って行った。

それはソウゴが小学生だった頃に遊んでくれたセーラー服の少女(ソウゴ曰く「セーラさん」)と同じ仕草であり、ソウゴは彼女を初恋の人と確信することとなった。


積極的に王を目指す祐子はオーラからの評価も上々だったが、「女王」として暴走する彼女は自身に力を与えたオーラすらも下僕扱いし、平手打ちを避けたオーラに逆上してマンホールの蓋を投げつけ、その頬に傷をつけた。


その後は釣り中の検事・杉村を襲おうとしたところでソウゴと明光院ゲイツと遭遇。更には顔に傷をつけられた怒りからオーラからも攻撃され、咄嗟にマンホールの蓋で防御する。そこで「正しい法を制定する女王」としての行動が何ら正当性のないただの復讐だとゲイツに論破されたため、全員に有罪判決を言い渡して襲いかかった。


ソウゴも変身しようとするが、突如見えた過去のビジョンに動きを止める。楽しそうにスワンボートを漕ぐ祐子と、その隣の哲也と呼ばれる男性……そして場面は切り替わり、その哲也は、血だらけで倒れて死んでいるらしい女性を見つめ、涙を流していた……


その間にゲイツが撃破されて、我に返ったソウゴも変身しようとしたその時、一同は何やら強大な力を放ちながら空から落下して来た謎の隕石を目撃。落下地点に向かった一同は隕石の中から現れた仮面ライダーギンガと対面する。

ギンガの攻撃でソウゴ達やタイムジャッカーの面々が吹き飛ばされる中、なお「私はこの世を統べる唯一の法律」と豪語したが、ギンガからは「私は宇宙の者。この世界の法は通用しない」と一蹴され、彼(?)が放ったエネルギー弾を受けてしまった。

それでも傷を負うほどのダメージではなかったのか、ギンガとジオウトリニティの戦いを見て変身を解き、どこかに立ち去った。


  • EP36『2019:ハツコイ、ファイナリー!』

ギンガの脅威に対抗すべく、スウォルツの発案でソウゴ達やタイムジャッカーとの共闘を申し入れられるが、条件として「全員私の前に跪け」と要求する。発案者のスウォルツやウォズ、ソウゴはもちろん、オーラやゲイツも(半ば無理やり)彼女の前に跪くこととなったが、「気が変わった」とあっさり態度を翻し、スウォルツに咎められた際には「お前の意見など求めていない」と図らずも彼の口癖で一蹴。

さらに肝心のギンガ対策については「奴の事はなかった事にする」現実逃避で済ませる始末で、一同を驚き呆れさせた。ただ一人、ソウゴだけは自分を覚えているかという質問に「思い出した。お前か」との答えを得て有頂天であった。


第3の標的として判事の及川を襲おうとする中で再び暴れ始めたギンガと遭遇するも、興味なさ気にそのまま立ち去ろうとする。しかし祐子を狙ったギンガの攻撃を咄嗟にジオウが防ぎ、負傷したソウゴを「自分を守った忠実な下僕」として手当てする。

さらにはソウゴが王様を目指していると聞き、王と女王として共に世界を支配しないかと持ちかける。

ソウゴから復讐を止めるように説得されそれに「わかった」と答えるが、祐子の心の闇を見抜いていた次狼/ガルルが「その女は腐っている」と祐子に襲いかかり、ガルルとジオウが交戦している間に姿を消す。

変身を解いた次狼はキバライドウォッチを渡すべき人物を探していた事、それがソウゴであると確信したことを告げると、「近い内、お前は深く傷つくだろう」と謎の言葉を残して何処かに去っていった。


その頃、ツクヨミは祐子の幼馴染である田上哲也から話を聞き出していた。明日、由紀という現在の彼女と結婚する哲也は、祐子が恐ろしくて身を隠していると言う。そしてツクヨミは、祐子が「自分でついたウソを本気で信じ込んでしまう」精神構造であることを知る。

同じ頃、過去の殺人事件の真相を確かめるべくタイムマジーンで過去に向かったゲイツは、マンホールの蓋で哲也の当時の彼女を撲殺し、哲也の目の前で一人嬉しそうに笑う祐子を目撃。

哲也にとっては祐子はただの仲の良い幼馴染だったが、祐子にとってはそうではなかった。そして彼に「初めての彼女」ができたと知った祐子は「哲也を取られた」と思い、彼女の殺害に及んだのだ。

祐子の行動原理であった冤罪の主張は「自分でついたウソを信じ込んだことによる思い込み」であり、彼女は本当の殺人犯だったのである。


その後、アナザーキバに襲われ集まっていた菊池・杉村・及川の前に現れまとめて殺害。ソウゴに何故約束を破ったのか問いつめられるも、「法を改正しただけ」と言い放つのみだった。

ただ祐子自身も自分の心が汚れていることには薄々気付いていた様子であり、それを死んだ母から「自分が生まれた日には激しい雨が降っていた」と聞かされた事になぞらえ「心にずっと雨が降っている」と悲しげな顔を見せた。それを聞いて「俺が祐子さんの傘になる」とひたすら自分の味方になろうとしたソウゴには心を動かされていた様子。

そこへ真相を知ったツクヨミとゲイツが駆けつけ、ソウゴ達三人と一触即発になりかけるも、天候が良くなったことで活動停止していたギンガが復活。対処に向かったジオウがギンガの放つ「ギガンティックギンガ」を喰らいそうになった際には「女王様の気まぐれ」と称してマンホールの蓋で攻撃を防ぎ、ジオウ達を助力した。


しかし復讐は諦めておらず、最後の仕上げとして哲也と由紀の結婚式が行われる教会へマンホールの蓋を片手に襲撃する。駆け付けたソウゴ達により復讐は未遂に終わるも、バッシャーとドッガをウォズとゲイツに向かわせて自身はジオウと交戦。

キバライドウォッチの起動を躊躇うジオウに優勢に立つも、彼を見かねてバッシャーを振り切ったウォズがギンガの力を宿すウォズギンガファイナリーに変身。最後は「超ギンガエクスプロージョン」の直撃を受けて倒され、アナザーウォッチも砕け散った。


変身が解け、息絶え絶えになった祐子をソウゴは抱き起こす。

彼女は精一杯の笑顔を見せながらソウゴに言った。


「ソウゴ、私に傘は要らない。全人類の傘になれ……」


しかし次の瞬間、彼女に散々屈辱を味合わされてきたオーラが放った衝撃波が祐子の身体を貫き、彼女はソウゴの腕の中で息絶えた。

こうして、ソウゴの初恋の物語は悲劇となってその幕を閉じた。次狼の予言通り、彼の心は深く傷つくことになったのである。


後日、祐子の死を引きずり意気消沈したソウゴは困っている1人の女性(演:高橋ユウ)を見かける。ソウゴが自転車を直して助けると、その女性は「ありがとう、可愛い坊や」とソウゴの顎を撫でて去っていった。

その背中に、あの日のセーラー服の姿が重なる。


「セーラさん…?」


彼女の名を呟くソウゴの目からは、一筋の涙が流れ落ちていたのだった。


  • EP41『2019:セカイ、リセット』

改変された2019年にて、加古川飛流/アナザージオウⅡの配下として登場。アナザージオウⅡが召喚したものと推測される。

劇中ではアナザーオーズと共にレジスタンスのシェルターを襲撃するも、ツクヨミとソウゴに襲い掛かろうとしたところをツクヨミに時間停止された上で銃撃され、その後はソウゴが変身したジオウⅡサイキョーギレードで繰り出した覇王斬りを喰らい倒された。


なお、本来は女性怪人なのだが、この個体は男性の声を発していた。


  • EP43『2019:ツクヨミ・コンフィデンシャル』

アナザージオウⅡが率いるアナザーライダー軍団の一員として再び出現。

一斉にジオウ達に襲い掛かり、6体のアナザーライダー達(アナザークウガアナザーブレイド、アナザーオーズ、アナザーフォーゼアナザーエグゼイドアナザービルド)と共にゲイツリバイブ疾風ウォズギンガファイナリーと交戦するも、ウォズギンガファイナリーが繰り出した超ギンガエクスプロージョンで纏めて撃破された。


ソウゴの初恋編集

祐子がソウゴの初恋の相手「セーラさん」だったかどうかは、EP36ラストに登場した女性に「セーラさん」を重ねていたのもあって曖昧になっている。

ソウゴを「覚えている」との発言も「ソウゴを利用するためについた嘘」「彼女の性格からくる思い込み」といった可能性もあり、その判断は視聴者に委ねられている。


どちらにせよ、ソウゴにとって祐子との出会いと別れが苦い思い出になってしまったことは事実だろう。

次狼が言った「男は傷つく事で磨かれる……」というセリフのように、それがソウゴの成長に繋がるかどうかは彼次第である。


マンホール編集

北島祐子は上述の通り、変身前の生身の状態でマンホールの蓋(正式名称はグラウンドマンホール。以下「マンホール」)を多用している。街中のどこにでもあり丈夫で、投げれば投擲具、構えれば盾、そのまま使えば鈍器にもなると確かに武具として優秀かもしれないが、一般にも名の知れた女優である釈由美子が生身でマンホールを振るう姿は視聴者にすさまじいインパクトを与え、ただでさえ濃いキバ編の話題をかっさらう勢いであった。


中でもちょうど公開中だった映画アベンジャーズエンドゲーム」に登場するキャプテン・アメリカ特殊合金でできた円形の盾をフリスビーのように投擲して戦うヒーロー)のようだと話題になり、Twitter上では新たに発表されたレジェンドキャストや新フォームを差し置いて「マンホール」がトレンド1位になってしまう事態にまで発展し、劇中のシーンを元にコラ画像にした「マンホールクソコラグランプリ」なるハッシュタグまで横行していた。

みんな! マンホールは持ったか!


なお、このマンホールはいずれもその場で適当に調達された物だが劇中でオーラやギンガの攻撃(しかも必殺技)を完璧に防いでいる(高性能にも程がある)。また、マンホールの重さは約40㎏と小学6年生の男女の平均体重に相当し、シリーズ内で比較すると、現役警察官の照井竜が当初取り回しに苦労していたエンジンブレードよりも重い。

さらに、近年のマンホールには勝手に蓋を持ち出されたり侵入されないように自動的にロックされる錠が付いており、素手ではそう簡単に取り外しができない構造になっている。

本来なら専用の工具を使う必要があるのだが、祐子はピンヒールを履いた片脚で踏みつけるだけで楽々と外している。

こんなとてつもなく重い物を涼しい顔で使いこなしている祐子もさることながら、投げつけられて掠り傷で済んだオーラや素手でキャッチしたゲイツも大概である(某強力系ヒロインには及ばないが……)。


結婚式のシーンはエキストラを募ったシーンであり、シリーズを知る参加者の中にはキバ編と予想できた人は少なからず存在していたかもしれないが、まさか「マンホールを片手に結婚式に乱入するキバとは全く無関係な釈由美子」が登場するという突飛すぎるシチュエーションを予想できた人は誰一人いなかったであろう。

因みに本人曰く、マンホールを足で蹴り上げて投げるシーンはなんと一発OKだったらしい。

時雨


あまりのインパクトからTwitterで行われた「平成仮面ライダー系の質問のうち、柳田理科雄が検討するならどの題材?」というアンケートでは62%で圧勝。

この検証によればジオウ以上のキック力を持つとされた。

※上記の検証ツイートでは最初の被害者の女性と結婚式の女性(由紀)が混同されて生きているものと勘違いされているが、祐子は最初の被害者を殺害した罪で服役している。


ここまでなぜマンホールに拘るのかは不明だが、「真実を覆い隠そうとする祐子の心情」を表しているという考察や「リアルすぎるという苦情を避ける為に敢えて現実離れした殺害方法にした」との意見もある。

もっとも、井上脚本ではキャラクターがボタンのように、変な物に拘りを持つのはよくある事なのだが。


『キバ』未視聴の人は「仮面ライダーキバの武器はマンホールだったのでは」と勘違いするかもしれないが、そんなことはない。念の為。


さらにこれだけでは終わらず、鳥取県に設置されることになったポケモンが描かれたマンホール「ポケふた」の発表会登壇のオファーをなぜか釈が受けており(新型コロナウイルスの影響で発表会自体は開催中止)、鳥取県や『ジオウ』の公式Twitterの悪ノリもあってか「マンホール女優」なる称号が生まれてしまい(ちなみに釈本人もブログで使用している)、一気にトレンドに入ることになった。

リオンとポケふた

なお、全くの余談になるが、釈はポケモン側でも映画水の都の護神』のゲストキャラリオンを演じており、ポケモンとも全く無関係という訳ではない。


ここで終わると思いきや、2022年には横浜下水道150広報大使(横浜市の近代下水道導入150周年のPRを行う)にまたしても釈が抜擢。

マンホール女優という肩書きが何年経ってもしっかり根付いていることを証明する形となった。


そして2023年の『仮面ライダーガッチャード第2話にて、ヒロインマンホールの蓋を操って怪人を攻撃するシーンが描かれる事態に。案の定元祖である釈の名前と「マンホール女優」がトレンド入りした。

更に翌年の『爆上戦隊ブンブンジャー』のバクアゲ6では主人公敵幹部の渾身の攻撃をマンホールを用いて防御する展開が起きた。マンホールと釈由美子がその後トレンド入りしたのは言うまでもないだろう。視聴者からは「東映はマンホールを強化武器だと思っているのでは?」と言われてしまっている。特撮世界のマンホールは最強装備なのかもしれない。


余談編集

  • 変身者である北島祐子は、脚で車を止めたり判決といった言葉を多用している事から、名護啓介登太牙を意識したキャラクターである事がわかる。
    • 後述のように、これまでのアナザーライダーも原典のライダー以外の登場人物を思わせる要素が少なくなかったが、ここまでわかりやすく描写されたのは初めて。もしかしたらレジェンドの関係者を多く出演させる事の出来なかった公式なりの補完かもしれない。
    • また、ウソを本当のことだと信じ込んでしまう精神性を持つ彼女だが、本編が始まる前のキバにおいて紅渡も「この世アレルギー」だと思い込んでいたため、彼女の思い込みの激しい性格もそのオマージュなのかもしれない。
    • さらに渡は『キバ』本編の終盤にて「最愛の人を殺してしまった」と思い込んでいたことがあった(この件の真犯人は別にいる)が、それもまた「自分は誰も殺していない」と思い込んでいた彼女とは対照的と言えるだろう。
    • 女性が変身するキバ系ライダーという意味では仮面ライダーキバーラ麻生親子、刑務所からの脱獄犯という意味では杉村隆、主要人物の初恋の人で女王という意味では鈴木深央の要素も併せ持っていると思われる。
    • 彼女の「心にずっと雨が降っている」というセリフの真意は不明であるが、家族関係に問題があったと解釈する説もある。井上脚本においては、幼少時の過酷な生い立ちにより、歪んだ人格が形成されたキャラが多く、妥当な解釈かもしれない。
    • 「ソウゴ…私に傘はいらない。全人類の、傘になれ…」というセリフは紅音也の「渡…人に流れる音楽を守れ…その為に戦え…! 渡、大切な物を守る為に……男は戦うんだ……!」というセリフのオマージュかと思われ、キバのモチーフがコウモリな為、コウモリ傘にも掛けているのだろう。
  • アナザーキバウォッチが破壊された後、バッシャーとドッガは武器に変化してしまった。
    • 次狼は描写がないが恐らくガルルに変身していなかった為、影響を受けず人間態で暮らしているのかもしれない。
    • 原典ではキバの鎧の所持者はアームズモンスターをシールフエッスルを用いて「彫像化」し従えるという設定があり、武器化するのは戦闘時にフエッスルで召喚された時のみであるが、この違いがアナザーライダーの特性故かは不明。
  • バッシャーマグナムは不遇ネタがあり、映像作品での最後の登場は「ディケイド」で銃撃することもなく負けるというものだった。
    • ただし、今回はジオウを変身解除に追い込む活躍を見せている。
  • 「自らが王となって世界をより良くする」というソウゴと同じ思想を持ち、なおかつ自分が王になると疑わない、他人の夢を否定しない等、祐子の振る舞いはどこかソウゴと似ている。
    • また、彼女の「自分の嘘を本当と信じ込む」精神性は、ソウゴの「自分の夢を現実に変えてしまう」能力を彷彿とさせる。
    • 彼女が王に対しての女王を名乗り、悪の道を走り家来(と見なしていたオーラ)の手で斃された事を考えると、彼女もまた加古川飛流と同じように「常磐ソウゴ」という人物の1つのアナザーと言えるかもしれない。
  • アナザーライダーの変身者の中では(劇場版の黒幕を除けば)初の死亡退場者となった。
  • 祐子を演じた釈由美子は、ブログで自身の事を「レジェンドでもなんでもない」と謙遜しているが、彼女もかつて、『仮面ライダーディケイド』放送開始から6日後に放送された『仮面ライダーG』のヒロイン:日向恵理役で出演したことがある。
    • 「G」は正式なシリーズ作品ではない上に今回は別役とはいえ、彼女もレジェンドキャストであるという見方もできなくはない。
      • 「仮面ライダーG」に変身した稲垣吾郎は以前とある番組内で「僕は仮面ライダー9号」(実際にシリーズ化するなら11号だが)と発言していたがまさか「G」の出演者が9号になるとは思わなかったであろう。
      • また吾郎は門矢士と会ったオリジナルライダーの1人だが彼に救われておりオリジナルのキバである紅渡は作中における『反ディケイドの筆頭』でありここから『ディケイドに救われた者がディケイドの敵の歴史を奪う』とも取れる。
  • 「有罪!」と言う際に相手を指差すポーズを取っているが、これはかつて釈が演じた『スカイハイ』の主人公イズコ決め台詞である「お逝きなさい」のパロディ。
    • 東映公式サイトでもプロデューサーの白倉伸一郎がこのことに言及しており、釈も前述のブログにて「わかる人にはわかる、あの懐かしのポーズもしていますので 笑」と書いている。
    • 挙げ句EP36では、ウォズがアナザーキバを撃破する直前、あろうことか「お逝きなさい」のセリフを彼女に対し言い放つという一種の意趣返しと思われるシーンが存在する。
  • 今回の脚本家はキバでも脚本を担当した井上敏樹であるが、裏番組『ゲゲゲの鬼太郎』では実の娘である井上亜樹子が脚本を担当している。
    • なお、Twitter上では「父が書いているが鬼太郎の裏なのでよろしくとは言えない」とネタにもしていた。
  • 仮面ライダーで裁判ネタと言えば『仮面ライダーディケイド』の「龍騎の世界」が連想されやすいが、龍騎は『ディケイド』第1話でキャッスルドランに乗っていたりする。
    • なお、演じる釈由美子も同じテレ朝系ドラマ『7人の女弁護士』で主役を演じていた。
  • デザインを担当したのは篠原保であり、同じく篠原がデザインを担当したアナザーライダーであるアナザーウィザードアナザー鎧武アナザークイズアナザーリュウガアナザー龍騎アナザーブレイドアナザーカブトと、腕や脚、アンダースーツの装飾などが共通している。
  • ソウゴが王様になる夢を持っている知った際、ソウゴが王・自分が女王となり「私達の子供で全世界を埋め尽くす」というニチアサにあるまじき発言が飛び出した。
    • ソウゴは冗談だと思っていたが、祐子がどこまで本気だったのかは不明である。
    • それでも原典の『キバ』にたまに見られた表現に比べればそこまで問題発言ではない。
    • さらに言えば、そもそもの4年前の殺人の動機が(祐子の一方的な思い込みとは言え)三角関係のもつれであり、原典の『キバ』然り子供向け番組としてはかなりきわどい表現でキャラクターを強烈に印象付けるのは井上脚本の真骨頂か。
  • 彼女の弁護士・菊池がソウゴたちに出会った際には、自身がかつて携わった裁判について「無実と信じていた被告を守れなかったこともある。あんなきれいな娘さんが今も刑務所にいると思うと…」と語っているが、祐子は実際のところは真っ黒であり、彼はこの冤罪を掛けられた女性の名前も明らかにしていない。
    • さらに菊池が店を出てからすぐ後、突然彼の車の前に祐子が現れて足で停止させたのだが、それに対し彼は「なんなんだ君は!」とまるで祐子の顔を忘れているような反応を示していた。
    • ただし、祐子の高圧的な語りを聞いているうちに彼女の事を思い出して名前で呼んでおり、本来なら彼女は服役中のためこんな場所に現れる筈がないと思い込んでいたためとも考えられる。
    • 裁判当時の祐子の「無実」という思い込みが弁護士も欺くほど迫真のものだったのか、あるいは彼が話した無実の女性は祐子以外の別人だったというミスリードなのか、ここも視聴者の想像に委ねられている。
  • 祐子の幼馴染である田上哲也を演じた永山たかしはかつて『仮面ライダー龍騎』にて手塚海之の親友・斉藤雄一を、『ROGUE』にて氷室幻徳の親友・布袋幸司をそれぞれ演じている。
  • 劇中の北島祐子の言動は現実の「統合失調症」の症状(「恋敵を撲殺した犯行を冤罪だと思い込む」ような強い被害妄想や嫉妬妄想。アナザーキバになって以降も含めれば「血統妄想」も当てはまる)に極めて近いものであり、リアルな恐ろしさでも視聴者を震え上がらせた。
  • 令和初のライダー怪人でもある。



関連タグ編集

仮面ライダージオウ アナザーライダー

仮面ライダーキバ キバ(仮面ライダー) マンホール

井上キャラ


ビートルファンガイア10周年作品の方のキバ編で出た怪人で、おそらく元ネタの一つ。容姿に反映された要素はないと思われるが、こちらもアームズモンスターを使役しており、キバにも変身した。違いとしてはこちらはファンガイアの王族なので正規の資格そのものは持っている。そして何の因果か、『ジオウ』キバ編の次はカブト編

デェムシュ:そっくりさん。偶然なのか、担当声優はキバットや仮面ライダーギンガと同じく某フリーダム声優

浅倉威:自分を無罪にできなかった弁護士を襲った悪のライダー。なお、こちらはライダー名に「王」の文字がある。

仮面ライダーG:ヒロインの日向恵理を演じたのはアナザーキバと同じく釈由美子である。そのため上述の通り、ある意味レジェンド出演と言われている。

ノーライダー:アナザーライダーのプロトタイプと思われる怪人。こちらも変身者が女性である。

キバ男爵キバ一族45年前の仮面ライダーに登場するキバ繋がりの特撮悪役。


ドラキュラ伯爵:元ネタと思われるが、性別的にはこっち?


オニコマギア令和ライダーシリーズ初たるコウモリモチーフのライダー怪人。


紅渡:現実の仮面ライダーキバ


コウモリの平成ライダー怪人編集

ズ・ゴオマ・グ ダークウィング/ダークレイダー バットオルフェノク バットアンデッド バットイマジン バットファンガイア(リボーン) バット・ドーパント コウモリインベス ロイミュード(バット型) ガンマイザー・ライフル


アナザーライダー登場順

アナザー響鬼← アナザーキバ →アナザーカブト



外部リンク編集

アナザーライダー|仮面ライダージオウ|テレビ朝日

アナザーキバ | 仮面ライダー図鑑 | 東映

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