「いよーし、オマエ達やってみろ。ボスもきっとお喜びになるだろう」
「ただし!俺様の顔に泥を塗る様な真似はするなよ?」 (バクアゲ2)
「騒音はお手の物、暴走は俺の物。ハシリヤン斬込隊長、マッドレックス参上……!」 (バクアゲ8)
データ
全高 | 193cm(ギャーソリン大強化体:45.7m) |
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重量 | 232kg(ギャーソリン大強化体:550.3t) |
エンジン | 騒音ヘッド |
スピード | 一騎討ち最速、斬り込み最速(フューリー) |
カスタム | 怒りのデスロッド、ハシリ犬(ケン)、ナンバーディスプレート(フューリー) |
ナンバー | 1979、1981、1985 |
ファーストラウンド | コース:工場地帯~イベント会場、廃墟(フューリー) |
セカンドラウンド | コース:倉庫~ビル街 |
ファイナルラウンド | コース:工場地帯~ビル街、廃墟(フューリー) |
CV | 神谷浩史(ハシリ犬も兼任) |
スーツアクター | 清家利一、今井靖彦(バクアゲ25) |
概要
大宇宙侵略大走力団ハシリヤンの部隊の一つ「ハシリヤン斬込隊」を率いる斬込隊長。サンシーターの上司に当たる存在で『1st LAP』におけるラスボス。 一人称は「俺様」。
また、初登場以降から上記3番目の台詞を決め口上にしている模様。
存在が示唆されたバクアゲ2の時点では姿を見せず、スクリーン越しにサンシーターに指示を与えるのみである一方、バクアゲ3ではサンシーターに対し「オマエらの活躍がマッドレックス隊の出世に掛かっている」と口にしている様子から、彼自身もハシリヤンの中では良くても中間管理職、悪いとサンシーターより上なだけの可能性もある。
バクアゲ6では失敗続きのサンシーターに痺れを切らして自ら地球に赴き、ここで初めて姿を現した。
両肩に螺旋状の焼き跡が刻まれたドリルが装着された赤いライダースジャケットを着こなし、車やバイク等の動力部を思わせるメカニカルな頭部『騒音ヘッド』の左側は、左眼を中心に焼き切れて内部の機構が見える程の傷が刻まれている。尚、衣服の下に見え隠れするボディは苦魔獣の素体と同じ物である。
また、左脚(左腰?)部分にはペットハシリ犬(ケン)と呼ばれる黄色い犬を接合している(……ように見えたのだが、後にハシリ犬の全身像が見られた事情から、マッドレックスの体に空洞があってそこに入居している可能性が浮上した)。こちらはマッドレックス本人とは別に自我を持っており、時折り「パラリラパラリラ」との鳴き声を発して本人とコミュニケーションを取っている。そしてちゃんとドッグフードも食べる。
腰に巻きつけている3本のベルトには、かつて相対した敵より倒して奪い取った3枚の紫色のナンバープレートが付いており、ナンバーは上から「1979」「1981」「1985」。前述の歴戦の勲章を誇示する辺り自身の戦闘衝動を満たしたいがために、現場第一主義で積極的に出向いていると思われる。
戦闘能力
多種多様なジャンクパーツ(主にドリルとロケット砲とタイヤ等が確認できる)を組み合わせた、自身の身の丈程もある大型槍『怒りのデスロッド』を携行しており、それを用いた荒々しい戦闘を得意とする。
ドリルの穂先で穿ち突く、質量を活かして柄兼砲身で打ち据える重い近接攻撃を繰り出す他、撃ち込んだドリル部分で地中を掘って相手の足元を奇襲、それを囮に大上段から襲い掛かる等テクニックと発想性に富んだ戦い方も取る。
ドリルの穂先に螺旋状のエネルギーを集約して放つ、相手を派手に事故らせる武器と同名の必殺技・“怒りのデスロッド”を持つが、それを打ち返されても狼狽えず叩き落して窮地を切り抜ける姿を見せている。尚、必殺技は同名ながら複数の攻撃バリエーションを持っている為、この名称はどの技にも共通して行われている、獲物の先端のドリルにエネルギーを一点集中するギミックを指している(あるいは技の名前を考えるのが面倒臭いので、得物の名前をそれ代わりに叫んでいる? )のかもしれない。
更にデスロッドの柄を中折れ状態にし、上半分をハンドルとした飛行式一輪バイクに変形させて騎乗すると、ハンドルの正面に位置したドリルを衝角に突撃する高機動戦も可能。
これを活用し、白兵戦と騎馬戦を瞬時に切り替えながらパワフルな攻撃で攻め立てる、目まぐるしく自在かつ荒々しい戦い方で敵を圧倒する、総じて『斬込隊隊長』の肩書きに恥じぬ武闘派。
それまで殆ど劣勢にならなかったブンレッドに対し、純粋な戦闘力による一騎討ちで追い詰め、それ以外のブンブンジャーが束になって掛かっても返り討つ、高い実力を持つ強者。
特に自身と互角だったブンレッドとは、両雄そろって “ノーブレーキ” で突っ走って幾度もなく激戦を繰り広げた。
ただし、初対決の時に彼が「ブーン……! レッド!」と溜めを利かせて名乗ったので、最後まで正式名を「ブンレッド」ではなく「ブーンレッド」だと思い込んでいた。
人物像
悪の組織の幹部らしく粗暴な口振りである一方、そのポジションに反して若々しくも情熱的な声の持ち主。
強調したい事柄を伝える際には、巻き舌かつ声が裏返る程シャウト気味に発言したり、時にエンジンの如く「ブルンブルン!」と叫ぶ奇癖を持つ。
侵略や作戦等はサンシーターに一任しており、記事冒頭にも示した台詞でメンツ(……以上に敬愛するボスからの評価)にこだわる様子を見せるものの、それ以上に失敗を悔やまないノーブレーキ精神を重視する暴走魂の持ち主である。
失敗続きのサンシーター達に対しては威圧的な言動が目立つものの、叱責の内容自体は飽くまでも組織人としての範疇に止めている上、バクアゲ2等で時に期待を込めた発破を掛ける等、飴と鞭の使い分けもできている様子から上司として公私混同が目立たない。
また、敵であっても実力者ならば素直に認め、相応の言動を見せる武人肌な面も持つ。
尚、ハシリ犬に対しては普段の粗暴さから一転、猫撫で声で応対する程に溺愛しているのがわかる。
……もっとも、上記の言動はハシリヤン斬込隊長としての立ち振舞いであり、私人としてのマッドレックスの本性はデッドヒートな勝負や限界ギリギリのチキンレースに悦びを露にする程の、生粋のスピード狂にして戦闘狂。
ブンレッド/範道大也との戦いによって闘争心が点火してしまった以降、バクアゲ7ではサンシーターの安堵の微笑に気付くや、唐突に「ナメるなぁ!」の一言と共に容赦なくデスロッドを突き出したり、バクアゲ8では自縄自縛に陥ったサンシーターを「マヌケ面」と酷評し横暴に振る舞う(フォローするとブンレッドを除くブンブンジャー4人、あるいはその両方の可能性も……)、認めた相手であっても自身の逆鱗に触れたのならば容赦なく暴力で訴える等々の姿から、悪の組織の幹部に相応しいブラック上司ぶりな一面が露呈された。
ただし、その実力と闘争心故に戦う相手を渇望している節から、相手が自分の都合に合う様ならば好意的になり、そうでなくなればぞんざいに扱うだけの雑な判断を下している様にも見える。つまり危険な戦闘狂であると同時に極端な気分屋でもあり、自分と互角にやり合える奴を除いた他者は、一様に「邪魔者」でしかないとも考えられる。
そんな個人主義なマッドレックスがハシリヤンに属し、あまつさえ部下を使役する中間管理職を引き受けているのは、彼からして「宇宙より遥かにデカい器を持つお方」と評したボスへの忠誠心の模様。
反面、戦闘狂故に自らの命を懸けられる環境に身を晒す状態を渇望しているらしく、それを与えてくれる、叶えてくれそうな相手には一定の敬意等を示す漢気 も見せており、ボスもこの点を見抜いてマッドレックスを心酔させ、配下に下らせたと推測される。
また、過去のキャノンボーグとの遣り取りや、サンシーターとの初邂逅の応対を見るに、胸中では「自分を高められる実力者ならば味方であっても良い」「小手先の力よりも、決して折れない心構えこそが重要」などと考えている意外な面もあるようで、その考えからか使えない部下は忖度抜きで「役立たず」と扱き下ろす一方で、即座に見捨てる真似をしないどころか、悪態混じりながらも叱咤激励するなど、何だかんだ面倒見の良い親分肌の持ち主でもある。
上記の面はある種のカリスマになっていたらしく、横暴と身勝手に振り回され(下記のような凶行を働かれ)ながらもサンシーターが最後までマッドレックスを慕い、協力的だったのもそれに由来するのだろう。
同僚であるキャノンボーグは上記の通り、仕事に対するスタンスの違いからあまり良く思っていなかったようで、お互い皮肉を吐き捨て合うほど。
また、マッドレックス・フューリーとしてブンレッドの一撃で正気を取り戻した際、ディスレースの名前を聞くや怒気に満ちた声を漏らした様子から、キャノンボーグ以上に嫌悪している可能性があると考えられる。
ちなみに、地球に来た直後から悪の組織の上役にしては、妙に律儀かつ憎めない部分も少なからず見せており、配下のサンシーター達とは案外似た者同士なのかもしれない。
各話の動向
バクアゲ6
上記の通り失態続きのサンシーターに痺れを切らし赤い流れ星に近い姿で地球に襲来するが、マッドレックスと気付かずに流れ星と思ったイターシャ(&後から一緒に願い始めたデコトラーデ、ヤルカー)は「ギャーソリンがガッポリ手に入りますように……」と神頼み。
「その願い……自分で何とかしやがれェッ!!」
しかし、そのマイペースかつ危機感のない言葉に叱責混じりの返答をしながら遂に地上へ降臨。
その後、サンシーターを振り回しつつ引き連れる最中、ハシリ犬に導かれるがままに公衆トイレに辿り着くと、男子用の個室トイレが空いているかどうかわざわざノック&声掛けして確かめたり、女子用に入ろうとしてサンシーター達に全力で止められたり等の紆余曲折の末、ようやく空いている1基の多目的用の便器を発見。「攻める時はインベタ!ノーブレーキだ!」とハシリヤンイグニッションキー(続くバクアゲ7の様子からイターシャの物を取り上げていた模様)を挿し苦魔獣・トイレグルマーを生み出した。
直後、折しも開発した宇宙人探知システムの試運転中に、マッドレックスの地球来訪を察知して大也が現場に駆け付ける。マッドレックスは彼と戦おうとするデコトラーデを蹴飛ばすと、彼等に対し「こいつは俺の獲物だ。オマエらはギャーソリンをかき集めてこい!」と指示を下す。
「遥々 “こんな星” までやってきたんだ。“楽しませ” てもらおうじゃねェか! “スピードの向こう側” までよォ……!」
自身は大也/ブンレッドとのタイマンを開始。マッドレックスは相手をデスロッドで吹っ飛ばして追撃、移動した先の街外れの工業地帯でも待ったなしの猛攻を仕掛ける。それを捌き粘るブンレッドの姿を見て、彼が期待以上の強者であるのに喜びながらマッドレックスはとっておきの必殺技・怒りのデスロッドを放つも、寸前で玄蕃が投げ渡したマンホールを盾にしたレッドに攻撃を反射される。
これには流石に僅かに動揺を見せたが、すかさず反撃して打ち落とし事なきを得た。
緊迫した空気の中で互いに次の手を警戒する両者だったが、唐突にハシリ犬が鳴き声を上げ始めた途端に「おっ、散歩の時間だな。帰るか!」とマッドレックスは唐突に撤退を宣言(この『敵の体の一部が愛犬』かつ『ペットに散歩をねだられた敵が戦闘を放棄し撤退』する予想の斜め上にブッ飛んだ光景には、さしものレッドも面食らっていた)。そして去り際にはレッドの実力を認める様に名を尋ねた。
「このマッドレックス様と走って、事故らねェ奴が居るとはなァ……テメェ! 名前は?」
ブンレッド「ブーン……! レッド!」
そしてレッドの名乗りを聞き終えると、マッドレックスは感心したような様子を見せつつ「ブーンレッド……次のコースで会おうぜ」との言葉と共にその場を後にした。
バクアゲ7
前回の血湧き肉踊る熱戦の余韻に浸るマッドレックスだったが、能天気なサンシーターの声が癪に障り声を荒げ暴れそうになるも、ハシリ犬が近くのブロック塀を見て吠えると落ち着きを取り戻すや、イターシャに命令しブロックベイグルマーを生み出させた。
その後、ギャーソリンを集めつつイベント会場で暴れ回るブロックベイグルマーに対処すべくブンブンジャー4人が現れ、レッドがトドメの一撃を放たんとした瞬間、待っていたとばかりにスタジアムの天井を突き破りながら出現。挨拶代わりの怒りのデスロッドを放ち、ブロックベイグルマーとの連携で4人を苦しめる。
「ブーンレッド! やはり、オマエの率いる族は面白ェ。だが、次こそ……スクラップにしてやる!!」
そして、1度はレッドに防がれた最大火力の怒りのデスロッドを放って変身解除に追い込むも、直後に5人目のブンブンジャー・ブンオレンジが参戦、晴れて5人揃ったブンブンジャーとの再戦に突入。
引き続きレッドと互角の勝負を繰り広げるも、最終的にブロックベイグルマーが討たれた上にデスロッドの回転を利用されて、遠心力が加わったレッドの一撃を喰らいボディに傷を負わされた。
「クフフフ……ハハハハハ! 俺様自慢のボディに傷を付けるなど……フフフフ……。おのれェ……ブーンレッドォォッ!!」
一撃を与えられたマッドレックスは怒りを覚えるも、それ以上に狂喜に満ちた声を上げつつ、怒りのデスロッドを放ち撤退した。
バクアゲ8
「これじゃあ……地球ナワバリ計画はブレーキかかりっぱなしだッッ!! ボスに顔向けが出来ねェッ!! 我らがボス……ワルイド・スピンドー様ァ~! 必ず、必ず地球を献上して見せますぜェッッ!!」
「熱いぜェ……このエンジンがオーバーヒートする感覚……ブーンレッドォォォッ!!オマエが俺を滾らせるッ!」
自分が地球に直々に出向いても計画が邪魔され続け、ボスへの面目が立たないと憤りを募らせるや、同時に自らのボルテージを上げ自身が本気で地球侵略に打って出る事を決意。
その気迫を怖がって逃げようとしたサンシーターを制止させると、ブンレッドを自分の元へ連れてくる様に命令。それに合わせてか多少の入れ知恵をしたのか、ネジレッタに人々を苦しめさせてギャーソリンを捻出・回収させるのとブンブンジャーを誘き出す囮へする役を与えた後、まんまと相手が誘い出されたタイミングで一時撤収し、廃工場の倉庫でデコトラーデとイターシャ諸共ブンブンジャーを檻(※中でブンブンチェンジしようとすると電撃が走る、ハシリヤン通販特製品らしい)に閉じ込めるトラップを仕掛ける。
そして運良く、ブンブンジャー4人を檻に閉じ込めて大也を孤立させ、サシの状況に持ち込んだマッドレックスは「スピードの向こう側まで、ノーブレーキで突っ込んでいこうじゃねえか!」と意気揚々に三度のタイマンを開始。
「堪んねェぜ、この手応え! ブーンレッド、俺と組まねェか? ……俺には分かるッ! オマエも〈自分を滾らせる相手〉を探してるんだろッ!? 見ろよ、檻ン中のマヌケ面! あんな奴らとつるんでるよりッ! 俺と宇宙を走り回る方が楽しいぜェ……!?」
互いに引かないガチンコなぶつかり合いの最中、大也/レッドを「自分と同じ血が滾る環境に身を置きたい同類」と見なしたマッドレックスは、上記のセリフに加え「ボスも気に入ってくれる」と念押しした上でハシリヤンへの勧誘を持ち掛けた。これに対しレッドは「俺に勝ったら俺のハンドル、握らせてやる」と挑発も込めて返答し、それで更にボルテージを上げたマッドレックスはタイマンを再開、両者はより激しくぶつかり合う。
そして突進しながら怒りのデスロッドを突き込むも、レッドは間一髪で宙に逃れた上、逆にカートテクターを応用したカタパルト突進で反撃。これで不意を突かれてまともな一撃を喰らい、膝を地に着けてしまう。
レッド「……フッ。勝負、あったな」
「……ふざけるなッ!……仲間にならないなら、廃車(=敗者)にしてやるッ!! ヤルカー! ギャーソリンだッッ!!」
だが、それを受け入れられないマッドレックスは、激昂するまま先程サンシーターが捻出、ヤルカーに集めさせたギャーソリンをヤルカーの身体を圧搾する形で自分に浴びせ摂取。「ギャーソリン満タンッ! 第2レースと行こうじゃねェか!!……」とギャーソリン大強化体となり巨大化する。
この際の余波で檻が壊れ、自由になった他のブンブンジャーとレッドが繰り出したブンブンジャーロボとビル街での第2ラウンドに移行。しかし斬込隊長の名に恥じぬ戦闘力を見せつけ、ポリスをデスロッドを変形させた一輪バイクの高速ギャロップで翻弄、ビルダーはバイクを槍に戻しての、強襲インファイトでまともな反撃の隙も与えず圧倒。
更に武装換装時の隙を突いてブンブンワゴンを乗組員諸共叩き落とす、代わりに装備されたブンブンクラシックも用いた二刀流も怒りのデスロッドで打ち破った上で、「どォだ、ブーンレッド! これがハシリヤン斬込隊長の本気だァ!!」と勝ち誇って挑発する。
しかし追い詰められたレッドは、切り札として試作品であるオフロードゴーストを使用。ブンブンオフロードに乗っていたブンブルーとオレンジを弾き飛ばしながら誕生したブンブンジャーロボパンチャーへ、最後にレッド1人が残った為、変則的だが4度目のタイマン(?)に持ち込まれる。
「面白ェ!フルスロットルの俺に、勝てる物かァ!」
息巻いて一輪バイクで突進するも、相手のアッパーによるカウンターでバイクより叩き落されたので、「ブーン、レッドォォッ!!」と叫びながら自らの拳を相手の頬に叩き込むも、パンチャーの方も負けじと渾身の左ストレートをマッドレックスの顔面へ叩き込み、見事なクロスカウンターが決まった。
こうして激闘の末、互いに満身創痍だが引き分けに終わったので、負傷とギャーソリン大強化体になった際の疲労によりボロボロとなったマッドレックスは「ブーンレッド! 勝負は預けた!!」と捨て台詞を残しながら、騒音ヘッドから出す排気ガスに紛れての撤退を選ばざるを得なかった。
命ギリギリの走りを望む過激な走り屋の最期(バクアゲ9)
前回の振り返りをサンシーターがジャックしたバックで、ハシリ犬が「パラリラパラリラ」と延々鳴き続ける構成のアバンが挿入される(※結局はデコトラーデに「うるせぇ!」と遮られたが)。
「ブッ潰してやるぜ、ブーンレッドッ! キサマのツラからタイヤを引っぺがし、ボスに献上してやるからなァ!!」
ハシリ犬「パラリラパラリラ~」
「おおゥ、今回は相討ちなんて無様な真似はしねェ。ぜってェ、勝つ…!!」
前回のタイマンの戦績が気に入らずに苛立ち、身体を絞られたヤルカーの怪我を手当てしていたデコトラーデとイターシャを突き飛ばしながら、今度こそレッドを倒すべく活動を再開。
レッドを誘き出すべく工業地帯で暴れていた様だが、そのレッド=大也がタイマンを乗り切った際のダメージ回復の為長く寝ていたので、代わりに迎撃へ現れた他のブンブンジャー4人と交戦。「俺は暇じゃねェんだ! とっととブーンレッドを連れてこいッ! 雑魚に用はねェんだよォッ!!」と荒ぶりつつ4人を圧倒し、怒りのデスロッドからドリルの弾幕を浴びせて変身解除とダウンに追い込む。
そのまま止めを刺そうとしたタイミングで、調にブンブンスーパーカーの運転を代行してもらう格好で大也が怪我を押し参戦。変身前の宿敵を倒すのは美学に反したか、他のブンブンジャーが自分の意志で大也に付いていく意思を示しそれに大也も了承、改めてブンブンジャーがチームとして団結するバクアゲな光景を見届けた。
その上で相手がブンブンチェンジと一斉名乗りを決めたのに対し、「そのタイヤ、残らず抉り取ってやらァ!!」と吠え正面から激突。1対5の押し合いを騒音ヘッドを吹かして力づくで破ろうとするも、ブンブンジャーはブーンブーツでの急加速によるパワーで押し返し、それで均衡が崩れた隙を狙い前後からの挟み撃ちで反撃。
これをデスロッドを振り回して追い散らし、飛び込んで来たレッドと武器を使っての二度目のクロスカウンターに持ち込まれるが、ここでレッドが我が身を張ってデスロッドを受け止めその場へ縫い止められた所で、ブンブンジャーはバクアゲハンドリングドライブ(ロッドVer.)を発動。それで5方向より衣服を留めるネジめがけて強烈な回転突きを諸に入れられたのをしばし耐えて振り払うが、直後に受けたダメージへ耐えられず片膝を付いてしまう。
「サンシーター! ギャーソリンを寄越せェ!!」
当然これしきで屈する筈も無く、彼の命令に応じたデコトラーデとイターシャが蹴り込んだヤルカーをキャッチしてまたも絞る形でギャーソリンを摂取(※前回でかなりの量をストックしていたか、改めて集め直したかは不明)。再度ギャーソリン大強化体と化し、ブンブンジャーも対抗して初投入されたブンブンジャーロボナイトとビル街で激突。
「ほう、チューンナップして来たかァ? だがなァ!!」
新たな形態に興味を引きながらも、動揺することなく一輪バイクでの勇猛果敢な突撃に、相手もブンブンブースターで加速しての横一閃でカウンターを放ち、バイクから振り落とされてしまう。
すぐさま起き上がり、「速ェじゃねェか…! いいぞォ…! もっと俺のエンジンを熱くさせろォォ!!」と気炎を上げて突っ込むも、バクアゲソードの素早くスマートな剣戟に防がれ、続けて突貫で復旧された他のブンブンカー達から前回のお礼参りと言わんばかりに突撃されてしまう。
いよいよ後が無くなって来たのを悟ったか、渾身の怒りのデスロッドを発動し突進するも、再びカウンターで放たれた『バクアゲソード・ブンブンフィニッシュ』で擦れ違いざまに斬られ完全敗北。
しかし最後まで死合いを走り切って負けたからか、どこか満足さを湛えていた。
「ブーンレッドよ! まだまだその腕じゃァ、ボスには勝てねェぜッ……!!」
ハシリ犬「パラリラパラリラァ……」
短い期間ながらも自らを熱くさせた彼に言い残すと、デスロッドを掲げながら倒れ爆散。
同時に一蓮托生のハシリ犬も鳴き止んで爆炎に消え、戦いの喧騒とデッドヒートを愛した斬込隊長は地球で今生のフィニッシュを迎えたのだった。
その後
たびたび回想シーンで登場。
バクアゲ25
自らが赴いても地球のギャーソリン納品不足が改善されない状況に業を煮やしたキャノンボーグが最終手段・ジャッキー・ホイホイの稼働を目論んでいたが、これまでの鬱憤が爆発したサンシーター「マッドレックス様と違って前線に出ず隠れてばかりで戦わない卑怯者」と文句を言い怒りをまき散らし「マッドレックス…?まったく忌々しい!!」とかつての彼を思い出す。
ハシリヤンの縄張りとなった荒廃した惑星において「自ら先頭を走って戦うなど、あなたのやり方は非効率の極みです。マッドレックス…」と彼に対して皮肉を口にするが、マッドレックスも「キャノンボーグ、テメェはなァ…一人で走っているから遅ェんだよ」と皮肉を返していた。
バクアゲ26
キャノンボーグの死後負け続けた記憶やキャノンボーグの嫌みと重なり、自分達がブンブンジャーに討伐される悪夢を見たサンシーターはハシリヤン本家からの連絡が来ない事に見捨てられたと思っていたが、3人はふとマッドレックスとの遣り取りを思い出す。
キャノンボーグの回想とは違う惑星の路地裏。3人はここでも任務を失敗し、デコトラーデはボコボコにされイターシャとヤルカーは泣き出していた。
その時「探したぜ、役立たずども」と吐き捨てながら、3人を探したマッドレックスが現れる。
3人は土下座して謝り「ハシリヤン失格」だと意気消沈していたが、マッドレックスは突然デコトラーデの胸ぐらを掴んで殴り飛ばし、
「だからどうした!? 止まるんじゃねェ!いいか? 暴走魂フルスロットルで生きやがれ! ノーブレーキで突っ走れ! わかったか!?」
と彼なりの叱咤激励を行い3人がやる気を取り戻し彼に抱擁する(その際若干嫌がったが)回想後、3人は再びやる気を取り戻しギャーソリン収集に動き出した。
このように、乱暴だがいつでも裏表なく豪快だったその生き様は、強いカリスマ性としてサンシーター達の記憶に焼き付き、死後も変わらず慕われており、対照的に陰険な振る舞い……もとい改造が祟って最終的にキャノンボーグは前述の彼の皮肉のように、裏方作業に集中し過ぎた結果完全に見捨てられるに至った。
しかしここのところ、「パラリラパラリラ」という騒音が多発しているという苦情が錠へ寄せられていた。
そして何処かの高架下に捨てられたゴミ置き場に、マッドレックスと共に死んだはずのハシリ犬の姿が……。
戦闘狂の斬込隊長、衝撃の復活(バクアゲ28)
ディスレース「さぁ、蘇れ! サステナブルな侵略目標で、今ここにバージョンアップ!」
ディスレース「マッドは生まれ変わった。お前の名前は今日から『マッドレックス・フューリー』だ!」
「テール・トゥ・ノーズ……」
「ミッション。ブンブンジャー殲滅」
ハシリヤン再建隊長ディスレースがハシリ犬と前回のカーペットグルマーの活躍でカーペットに蓄積させたギャーソリン、そして総合理化学研究所で手に入れたマッドレックスの体組織の一部であるマフラーを使い、怪しい儀式を用いて『マッドレックス・フューリー(以降はマッドレックス・F)』として復活させられる。
腰にあったハシリ犬がマペットよろしく左腕に移動している以外は、外見に大きな変化はない。
戦闘でも怒りのデスロッドを使った近接戦闘が主体だが、左腕のハシリ犬から放つ光弾『バラリラボンバー』や閃光で距離を取りながらの戦闘も可能にしている。
加えてディスレースによる手が加わっているかは不明だが、バクアゲ30では、それまで苦戦する描写がなかったブンレッド119のホースインパクトを完全防御し、その時の等身大戦最大火力であるズンズンオーバードライブに怒りのデスロッド(必殺技)で押し勝ち、119の武装を解除するという戦果をあげており、元々のマッドレックスより戦闘力は向上していることがうかがえる。
ただ、その実態は『マッドレックスの代替品』。かつての記憶は「ゴミ」だとこき下ろし、作戦の効率化重視でマッドレックスの戦闘力だけを求めるディスレースの施す呪術によって新たな人格に上書き、封印されており(サンシーターには「暴走魂を失っている」と評されている)、ハイテンションな喋り方は何処へやら、ロボットのように無機質な言動に変わり果て、唯々ディスレースの用心棒として命令を聞く「対ブンブンジャー撃滅マシン」と言う名の傀儡と化している。そして素材にされた愛犬・ハシリ犬も「バラリラバラリラ」と少し濁り気味な鳴き声に変わっている。
故に以前熱く死闘を繰り広げた大也/ブンレッドの記憶も封じられており、復活直後に面を合わせて姿や名乗りを見ても「意味不明」「理解不能」などと言っては全く興味を示さず、戦闘に突入している。かつての宿敵の変わり果てた様を間近で見せられた大也は「今のアイツは自分で自分のハンドルを握っていない」と、嫌悪とも憐憫ともつかない感想を述べた。
バクアゲ28
ディスレースはサンシーターを使って密かに生き残っていたハシリ犬を見つけさせ、上述した通りハシリ犬を素体として新たにマッドレックス・Fとして再生を果たした。
しかし上記の経緯故に、あの頃のような好戦的な姿勢は微塵にも感じられず、荒っぽく接しても自分を慕ってくれたサンシーターは「なんか違う」とすぐに違和感を覚えている。
その後、直接ハシリヤン本家へとギャーソリンを届けようとして、謀略の限りを尽くすネオングルマーが占拠するレストランへと向かうブンブンジャーの前に出現。強敵の復活に動揺しつつもブンレッドは残るメンバーに苦魔獣の撃退に向かわせ、1人相対するもマッドレックス・Fはブンレッドに何の反応も示さず冷徹に襲いかかった。
やがてネオングルマーが撃破され、ブンブンジャーロボの正体がブンブンである事実に勘づいたディスレースの命令で、ハシリ犬から放たれたフラッシュを目眩しに戦線離脱した。
バクアゲ29
撤退したマッドレックス・Fはディスレースの間近で沈黙していたがそこにサンシーターが現れた瞬間、侵入者と誤認し彼らに攻撃し掛けた(この際、ディスレースの口から「記憶を消した」旨が明かされた)。
その後、ブンブルー並びブンバイオレットと戦うゴンググルマーを守るべく、ブンレッド/ブンピンク/ブンブラックを分断させるマッドレックス・Fだったが、最終的にゴンググルマーが敗北したため、直様その場を後にしようとした刹那の隙を突かれて、頭部の騒音ヘッドにブンレッドの一撃を受けてしまう。
「ウアァ…! アァァァッ……!! 俺はどうして?……んっ!? オマエは……!?」
その直後、衝撃で記憶がフラッシュバックしたのか、かつての口調で苦悶の声を上げるマッドレックス・Fだったが、怨敵であるディスレースの居所を探すブンオレンジが介入、居場所を聞き出そうとするも、ディスレースが自身を蘇らせた現状に混乱しつつ(この時「…ディスレース…だとォ…!?」と『様』付けをやめている)、ハシリ犬から放った閃光を目眩しに撤退に成功した。
バクアゲ30
一時的に正気を取り戻したが、再度ディスレースの呪いで洗脳され、「マッドレックス・F」に仕立て上げられたマッドレックス。
サンシーターは、ギャング達にボコボコにされながらも心折れずに立ち向かう心意気を買われ、マッドレックスと宇宙を走り回ったかつての日々を思い出し、マッドレックスの『暴走魂』を取り戻させるべく、記憶を思い出させようと行動を移す。
誰かと連絡するディスレースに、「マッドレックスが食事に行きたがっている」と同行させる許可を貰い、マッドレックスと関わりのある地球の場所を転々とするも悉く失敗し、遂には最終手段として敵のブンブンジャーの名乗りの真似までするが全く反応しない。
しかし、デコトラーデが仮面を投げ捨てた拍子でヤルカーが被っていたブンレッドの仮面が弾き飛び、それを見て微かな反応を示したのを見て、サンシーターは「本物のブンレッドと戦わせれば思い出すはず」と一縷の望みに賭けて、ブンブンデンジャーを介してブンブンに『運び屋の依頼』を実行。
上記の目論見通り大也/ブンレッドが指定の場所まで誘導させる事に成功、サンシーターはマッドレックス・Fと彼と相対させるも、ここまでの行動に気づいたディスレースの呪いでより強く洗脳をかけられ、ブンレッドと交戦。
途中で大也の救助のためブンブルー、ブンピンク、ブンブラックが来訪するが、3人はブンブンキラーロボに搭乗するサンシーターに足止めされたため、マッドレックス・Fはそのままブンレッドと交戦を続け、パワーアップしたブンレッド119をものともしない容赦ない攻撃で撃破寸前まで追い込むも、ブンブンキラーロボを撃破し彼らの元へ来たブンブンジャーロボナイトをふと目にした瞬間、マッドレックス・Fは過去の決戦のフラッシュバックを起こし、苦悶の声を漏らしながら撤退した。
撤退したマッドレックス・Fは何事もなかったようにディスレースの側に待機し、先の巨大戦闘で満身創痍になったサンシーターは手を尽くしても元に戻せなかったと弱気になるも、即座にデコトラーデの発破で改めて決意を固めていたが、3人のその姿にマッドレックス・Fは微かに視線を向けるや否や、ハシリ犬も「パラリラパラリラ」と清んだ鳴き声を漏らしていたようだったが……。
バクアゲ31
ディスレースがギャーソリン回収のために出店した『ハシリ屋カレー』の裏口で門番として見張ったのち、ディスレースの命によりアジトへ撤収する。
アジトではディスレースの居場所を突き止め、潜入していた玄蕃と遭遇し、ブンオレンジに変身したのち交戦するも終始圧倒。しかしとどめを刺さず、サンシーターが気付かないところで記憶を取り戻していたマッドレックスは、玄蕃がかつてディスレースに制圧されたブレキ人である事を気づくと、
「ブーンレッドに伝えろ。『俺を殺せ』。オマエが生きて戻れたらの話だが」
という伝言を残し、ディスレースの元へ行かせた。
斬込隊長、二度目の最期!その身尽きても その暴走魂は死なず…(バクアゲ33)
冒頭からギャーソリン大強化体となって巨大化を果たし、ブンブンジャーがサンシーターの納車したストーン兄弟なる2体の苦魔獣と交戦する中、唯一巨大戦に漕ぎ着けたブンバイオレットの駆るビュンビュンマッハーロボと交戦。
一時は圧倒するも前話で10年前の先輩レッドから託された烈車を召喚、武装したビュンビュンマッハーロボトッキュウカスタムに押され、大ダメージを受け元のサイズ縮小、路地裏へと吹き飛ばされてしまう。
その夜、ボロボロの身体をなんとか座らせていると、先程までの戦いを傍観していた玄蕃が自分の元に現れる。
「……何しに来た?」
玄蕃「なぜ、記憶を失くしたフリをしている……?」
「さァてな?それより伝えたのか?ブーンレッドには」
玄蕃が自分の復讐にブンブンジャーを巻き込めないため戻れないと語ると…
「復讐か…。フフ…テメェもディスレースに踊らされてる、哀れなピエロってことか」
玄蕃「ピエロ…踊らされている…?私が?」
「そうさ……俺もテメェも、自分のハンドルをヤツに奪われ、行き場がねぇってことさ」
玄蕃「だから『俺を殺せ』と……死に場所を探しているのか?」
「死に場所?フッ、もう俺は死んでんだよ」
「どうしようもねぇのさ。かわいい子分たちのためにもな。テメェはまだ自分のハンドルを取り戻せる、俺と違ってな……」
そう言い残して自分を探していたサンシーターの元へ去って行った。
しかし、サンシーターにしびれを切らしていたディスレースの「アイツらも操り人形にしてやるか?」という言葉に怒りを隠しきれず、遂にディスレースに記憶が戻っていたことが露呈してしまう。そしてディスレースに違法改造パーツ「ナンバーディスプレート」を取り付けられ、暴走状態に陥りブンブンジャーに差し向けられてしまう。
リミッターを外され限界以上まで引き上げられた戦闘力で4人を追い詰め、トドメを刺そうとした瞬間、自分のハンドルを取り戻した玄蕃の初めてブンレッドと戦った時と同じように投げたマンホールに再び阻まれ、玄蕃が持ってきたチャンピオンブンブンカーによってパワーアップしたチャンピオンブンブンジャーと激突するもブンブンカーの力を扱う5人に圧倒される。
チャンピオンブンレッドのバクアゲチャンピオンドライブを受けた彼は、ナンバーディスプレートだけ破壊され正気を取り戻せた。
「『俺を殺せ』と言っただろうが……」
Cオレンジ「お前さんのハンドルはディスレースなんかには奪えない。だから…自分で握れ」
「フッ……そうかい」
Cレッド「もう一度、決着をつけるか?」
「それも悪くねェが……散歩の時間だ」
ハシリ犬「パラリラパラリラ~………」
そう言ってその場を去ろうとするが、ナンバーディスプレートの副作用により、体内のエネルギーが暴走し爆発寸前の状態になってしまう。これもディスレースの策のうちであり、正気に戻ったとしても、どのみちブンブンジャー諸共自爆させようと考えていたのだ。
Cレッド「これは…!?」
「暴走したエネルギーが、もうすぐ爆発する!」
Cオレンジ「!?、ま、まさか」
「………テメェらごとぶっ飛ばすつもりだったんだろ!これが、ディスレースってヤツよ!」
ディスレースはそういうヤツだと理解していたマッドレックスは最後にブンブンジャーたちに語り始める。
「だが、悪くねェ気分だ……。一度死んだこの俺が…最期に自分のハンドル握って走れるんだからなァ……」
「テメェらなら、いつか届くかもな……。ボスの領域……スピードの向こう側まで……。あばよ!!」
そう言い残すと、デスロッドに乗り一人宇宙へ飛び立つ。
地上を見ると、そこには今も諦めずに自分を元に戻そうと奮闘するサンシーター達の姿が。それを見たマッドレックスは、かわいい子分たちに激励と別れの言葉を送り、一人、宇宙へと走り続けながら、最後に自身のハンドルを取り戻し、ハシリヤン斬込隊長としての誇りを抱きながら、その顔は清々し満足していた………………。
「達者で走れよ。テメェら……」
ハシリ犬「パラリラパラリラ~………」
「騒音はお手の物、暴走は俺の物……。俺様が、ハシリヤン斬込隊長、マッドレックスッ!!!」
そして、大気圏外で暴走したエネルギーが爆発。
こうして、ハシリヤン斬込隊長・マッドレックスは、一つの瞬く星となって消え去り、2回目の、そして最後のフィニッシュを遂げた…
皮肉にも、彼の二度目の死は「ブンブンジャーに倒された」という虚実入り混じった形でディスレースからサンシーターに伝えられ、子分たちがブンブンジャーに敵意を燃やすための起爆剤として利用されてしまった。
ディスレースの哀れな玩具(ピエロ)として復活、利用された挙句、自我に取り戻すも捨て石同然に利用され、最後は宇宙の果てまで走り続け、誰にも看取れず一人寂しく爆発するという最期を迎えたマッドレックスだったが、自我を取り戻した後、洗脳した振りをしながら可愛い子分を見守ったり、サンシーターを洗脳し、操り人形にしようと考えるディスレースに激昂したり、健気にも記憶を取り戻そうとするサンシーターに激励と別れを告げるなど、最後まで良き兄貴分を見せたり、復讐に凝り固まり、目が曇ってハンドルを見失っていた玄蕃に引き留めの言葉を掛け、「てめぇはまだ、ハンドルを取り戻せる。俺と違ってな...。」と檄を飛ばし、自身のハンドルを取り戻し、ブンブンジャーに復帰する遠因を作るなど、敵でありながらどこかお節介かつ憎めない一面を見せたり、最後はディスレースの策略で暴走したエネルギーにより爆発寸前になりながらも、最後までその顔はどこか清々しく満足しており、その最期は最後まで斬込隊長としての己の信念と誇りを持って貫き通したその姿はまさに誇り高き暴走魂そのものであった。
一方、短いながらも彼と激闘を繰り広げたブンレッドこと大也も彼の実力と信念を認めており、変わり果てた姿に複雑な感情を抱いており、自我を失った自身を幾度も呼びかけたり、ディスレースに違法改造パーツ「ナンバーディスプレート」を取り付けられ、暴走状態になった際、ナンバーディスプレートだけ破壊され正気を取り戻せるなど、敵味方を超えた友情みたいなものが築かれており、玄蕃も当時ディスレースへの復讐のみ凝り固まり、自身(ハンドル)を見失っていた事を指摘され、ブンブンジャーに復帰する切っ掛けを作ってくれた事に感謝されており、ブンレッドに俺を殺せという伝言を自身を倒し、ディスレースの呪縛から解放してほしいという依頼として受け取り、大地達と協力し、「お前さんのハンドルは、ディスレースなんかには奪えない......だから、自分で握れ」と言い放った。
それ故、爆発寸前に追い込まれ、別れを告げて一人飛び去る彼の死を悼むなど、敵であるはずのブンブンジャーに大きな影響を与えるなど、ハシリヤン隊長達の中でもまさに偉大なる好敵手であった。
余談
- 名前の由来はおそらくオーストラリアのアクション映画シリーズ『マッドマックス』、武器及び必殺技はその4作目『怒りのデス・ロード』、ナンバープレートの数字は本作歴代作品の公開年。古い順にマッドマックス(1979年)、マッドマックス2(1981年)、マッドマックス/サンダードーム(1985年)である(ちなみに怒りのデス・ロードは2015年に公開された)。その語感の近似性に加えこちらもカーアクションとバイオレンスな作風を売りとしている作品である事から名前の由来となっていると思われ、公式としても意識している様子。
- マッドレックスの服装は「マッドマックス」の主人公である、マックス・ロカタンスキーのレザージャケットがモチーフだと思われ、またペットにハシリ犬がいるのは、マックスには相棒として犬がいたことから由来しているものだと考えられる。
- ちなみに、マッドレックス殉職後の同年5月に『マッドマックス』シリーズ最新作『マッドマックス:フュリオサ』が公開。恐らく「フューリー」はここから、あるいは『怒りのデス・ロード』 の原題である「Fury Road」(フューリーロード)から来ていると思われる。『怒りのデス・ロード』及び『マッドマックス:フュリオサ』の登場人物であるフュリオサ大隊長は左腕の前腕部から先を欠損しており、金属製の義手を装着していることから、ハシリ犬がパペットよろしく左腕に接合したマッドレックス・Fの容姿の元ネタになっていると思われる。
- 復活後にガラッと雰囲気が変わってしまった様子から、ファンからはフューリーの裏モチーフは「前作とストーリーが一転した続編映画なのではないか?」と考察されている。
- ちなみに、マッドレックス殉職後の同年5月に『マッドマックス』シリーズ最新作『マッドマックス:フュリオサ』が公開。恐らく「フューリー」はここから、あるいは『怒りのデス・ロード』 の原題である「Fury Road」(フューリーロード)から来ていると思われる。『怒りのデス・ロード』及び『マッドマックス:フュリオサ』の登場人物であるフュリオサ大隊長は左腕の前腕部から先を欠損しており、金属製の義手を装着していることから、ハシリ犬がパペットよろしく左腕に接合したマッドレックス・Fの容姿の元ネタになっていると思われる。
- CV担当の神谷氏は『宇宙戦隊キュウレンジャー』のショウ・ロンポー/リュウコマンダー以来のTVシリーズ出演となる。番組公式サイトでも「宇宙がよく似合うマスター級の声優さん」と同作に絡めた紹介がなされている。更にハシリ犬の鳴き声も神谷氏が担当。ちなみにマッドレックスのジャケットと、ショウ司令のロングコートのカラーリングは似ていたりする他、本格登場時の流れ星の演出はショウ司令がリュウコマンダーに覚醒するシーンの一幕を連想させてもいる。
- またその間にも、スーパー戦隊シリーズの関連作品である、『魔進戦隊キラメイジャー』のスピンオフ・『ヨドンナ』にてモーズを演じており、同作に続いて悪役としての出演となった。
- スーツアクターの清家氏は前作『王様戦隊キングオージャー』でデズナラク8世とダグデド・ドゥジャルダンの2体のボスキャラを演じていた。
- ブンブンジャーの個人名乗りはカーレンジャーの様に少し伸ばした物であるが、マッドレックスはブンレッドの名乗りをそのまんま復唱していた。これは公式によると “ドクトルG/カニレーザーが仮面ライダーV3の伸ばした名乗りをそのまんま覚えた事へのオマージュである” と答えている(そのカーレンジャーに出てきた追加戦士の様に伸ばしたまま覚えたのか、きちんと脳内変化して覚えたかは不明……と思われていたが、バクアゲ7にてそのまま覚えていた実態が判明した。まあその追加戦士も最終的には普通に覚えていたが)。
- 圧倒的な戦闘力、ブンブンジャーを何度も変身解除に追い込んだ実績、演者の神谷氏の耳に残る巻き舌ボイスが人気を読んだのか、彼の登場回後のX上には「マッドレックス様」がトレンド入りしていた。更に2rd LAP終盤、3rd LAP序盤の回想シーンで明かされた過去の描写も相まって「理想の上司」「サンシーターが慕う理由がよくわかる」など、死後もその株はうなぎ登りに上がり続けている。
- そして、キャノンボーグの死後より始まるブンブンジャー3rd LAPのビジュアルには、退場したはずの彼の姿が写っており、キャノンボーグ退場直前や上記の通りサンシーターの回想による客演で再登場を果たした。結局この回はイメージだけだったが、バクアゲ27のラストシーンで放置されていた残骸から、生き延びていたハシリ犬が現れ、何か行動を起こす事態が示唆されており、バクアゲ28の予告ではディスレースの秘術により、マッドレックス本人が再生する展開が明かされた。
関連タグ
アイガロンは一度死んで、死者兵士として復活され、死して尚も利用されたり、ドゴルドも反逆の罰として角に制御装置を付けられて下僕として絶対服従の奴隷と成り下がってしまうも、最後は誇りを取り戻し、満足して散るなど、マッドレックスと同じような共通点を持つ。