苦魔獣
くるまじゅう
イターシャ 「ガッチャン、イグニッション♪」
大宇宙侵略大走力団ハシリヤンが使役する機械生命体。
本作における「今週の怪人」に相当し、人間の悲鳴から生み出されるエネルギー「ギャーソリン」を集めるのを目的として送り込まれる。
サンシーターの1人であるイターシャ(稀に彼女以外のハシリヤンの構成員や政府の地球人)が「走らせたい」と興味を持った地球の様々な物品を「エンジン」として、ハシリヤンイグニッションキーと呼ばれる特殊なキーを上記の台詞と共に挿し込んで捻り、その物品が燃え盛る目と紫色の炎を噴き出しながら人型に変形、納車(誕生)を完了する。誕生の際にはモデルの物品の名称を口にする。
なおシステムの根幹は、ハシリヤン時代のブンブンが「走れない奴が走れるようにする」思想のもと設計したものであり、ブンブンが苦魔獣に詳しいのはそのためである。
名称はいずれも「(物品名)+グルマー」のフォーマットで統一されている。
車のフロントグリルの様な腰当てを備えたタイヤが寄り集まって構成されたような素体の上半身に、基になった物品の要素を含んだ外装がネジ止めされているのが外見上の大きな特徴で、あたかも不必要な部品を組み込んだ改造車のような出で立ちとなっている。
また、基本的に炎が噴き出したような目元の意匠や、タイヤ痕で数字が刻まれたナンバープレート状のバックルなどの共通した特徴も備わっており、このうち後者のナンバーは基になった物品に関連した語呂合わせになっている。
一応人語を喋る、ネジレッタを率いるなど知能自体はそこまで低くないようだが、基本的には基になった物品に由来する言葉(一例として、ウエディングドレスグルマーは「結婚しろーっ!」などの語句を連呼している)をひたすら叫び続けつつ、至上命令である「ギャーソリンを発生・収集」を遂行するのみとなっている。ただ、徐々に生み出し続けて練度が上がっているのか、回が進むごとに会話が流暢・饒舌になってきている。
加えて、本質的に使い捨ての兵器に近い生態からか『敵と味方』や『上下関係』の観念が希薄な上に、原型となった物のアイデンティティー(や恨みなどの情念)に振り回されているのも併さり、個体によっては敵味方問わず手当たり次第に襲い掛かる危険性もあるなど、知性があるタイプの戦隊怪人としてはかなり難を抱えている。
上記の通り基本的な行動指針が「人間に悲鳴を上げさせる」事であるため、直接的な殺人や破壊活動はあまり行わない傾向にある。
ただしあくまで「あまり行わない」だけであって、邪魔者の排除自体は積極的に行う。
と言うより、「人間の悲鳴を煽り立てる」存在理由からして他者への害意と加虐性がそもそも強く、どの個体も他者に長く苦痛を与えようと目論む基本思考を根本に持つ。それ故にコミカルな言動に対し、非道・卑劣・悪逆といった邪悪な性根を見せる者が多い。
ブンブンジャーとの戦闘で倒されると、体内に溜め込まれたギャーソリンが暴走を引き起こし、「ハイウェイ空間」と呼ばれる異空間を経由して50m級の大きさで再生・巨大化する。この巨大化状態は「ギャーソリン大暴走体」と呼ばれる。
巨大化の際には、ヤイヤイ・ヤルカーが暴走したギャーソリンを取り込んで自らも巨大化し、しばしの暴走の後にこれを吐き出すプロセスも挿まれるが、一方でこの行動はヤルカーの意思なのか判然としておらず、彼と巨大化現象との間にどのような因果関係があるのかも、現時点ではまだハッキリとしていない。
バクアゲ17では改造隊長・キャノンボーグが密かにヤルカーに施した魔改造によって、ハイウェイ空間にわざわざ行かなくても同等の効果を発動できるハイウェイ光線で、ギャーソリン大暴走体に巨大化できるようにもなった。
しかし、例外としてカセキグルマーはキャノンボーグのチューンナップで暴走する形で暴走体になった。
全て描写されている訳では無いが、設計したブンブンの性格もあって苦魔獣が撃破されると、素体にされた道具は傷一つない元の状態に戻る(バクアゲ1、15、16、27)ようになっている。
その為、ソードグルマーやトイレグルマーのように一度撃破された苦魔獣を再納車することも可能であり、「リベンジ」や「リミテッド」といったオリジナルと差別化を測る名称が付けられることもある。
中盤以降はディスレースの関与もあって、再建パワー苦魔獣と呼ばれる個体が登場した。
集めたギャーソリンをハイウェイ空間に介して本家に直送でき、溜め込んだギャーソリンを納品できずに撃破され続けたこれまでの失敗を解消、効率よく集める事ができるようになった。
戦闘力は据え置きだが、特殊な空間を形成したり、2代目だが初代と違い技を封じることが難しい等これまでの苦魔獣と一線を画す能力を持つ。ただ能力を理解していれば、撃破もそんなに難しくない。
尚、ディスレース死後も「パワーアップ苦魔獣」と名前を変えて引き続き運用されている。
ハシリヤンイグニッションキーさえあればハシリヤンでなくとも生成が可能で、バクアゲ37のカメラグルマーは地球の人間によって生み出された。この場合生成した人間に従い、サンシーターの指示は無視する(巨大化にヤルカーのハイウェイ光線が必要な点は変わらず)。
※はイターシャ以外の人物が生み出した個体
★は再建パワー苦魔獣
TVシリーズ
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- 近年の一般怪人としては珍しく、番組公式サイトの「ハシリヤン暴走ハイライト」では納車から倒されるまでの顛末も解説されており、それぞれ「ファーストラウンド(誕生時)」「セカンドラウンド(ヤルカー暴走時)」「ファイナルラウンド(ギャーソリン大暴走体時)」といった項目に分けられている。「ハイライト」として文末には「フィニッシュ(走り切った)」と表現されている。ただし、ギャーソリン大暴走体になる前に倒された場合は「リタイヤ」になる。
- また、説明文の中には必ず「走る」事に関する言葉が入っている。
- 前年の『王様戦隊キングオージャー』に引き続き、本作でも「共通の素体に各回ごとの異なるモチーフを組み込む」スタイルが踏襲されているが、一方で『仮面ライダーセイバー』のメギドなどのように、ベースとなる戦闘員や怪人は存在せず、最初から固有の姿で生成される方式が採用されている。
- 近年の一般怪人としては珍しく、CVとスーツアクターを兼演している演者が多い。
コメント
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