「グッヘッヘッヘッへッ!測らせろ~!ピピーッ!」
「恥ずかしい数字で苦しめ~!!」
スーツアクター:兼任、手塚陸斗
登場話数:バクアゲ40「はかれない男」
データ
全高/187cm(ギャーソリン大暴走体/44.3m)
重量/256kg(ギャーソリン大暴走体/607.2t)
エンジン/見やすい体重計
スピード/測定最速
カスタム/ハカルーラー、重量制限2000t
ナンバー/7144
ファーストラウンド(コース/市街地)
ファイナルラウンド(コース/ビル街)
概要
ハシリヤンが見やすい体重計に込められた燃えるメジャー魂をイグニッションし、地球に納車されたパワーアップ苦魔獣。
頭部は踵側を正面にした体重計そのまんまで、縁部分に口が形作られその上に燃える双眸が噴き出た眼鏡が置かれて顔を構成。後頭部(体重計の爪先側)には体重の計測メーターが出っ張る形で置かれる。実質上、地球人の恥を測って暴くスカウターとも言えなくもない。
胴体は4種類の体重計が段違いで重なった中央部とそれを覆う膨らんだ両脇パーツから成り、いわゆるメタボ体型と三段腹を表現した物。また、両肩は卵型の体重計(というよりは計量機)になっていて、左手首には体重測定用のスマートウォッチを付けている。
その体型故、ナンバープレートが付いたバックルと腰ベルトははち切れんばかりになっており、ナンバーは「7144」。
体重計が誰にも知られたくない事=自らの体重を測る用途の物だからか、「計る物」の拡大解釈で眼鏡から放った光線を浴びせた地球人へ幅広サイズのメジャールーラー・『ハカルーラー』を巻き付け、面接に落ちた回数や今付き合っている彼氏の人数などの周りに知られたくない恥ずかしい数字を晒させ冷や水を走らせる精神攻撃を仕掛け、ギャーソリンを捻出しハイウェイ空間を介してハシリヤン本家へ直接納入する。
もっとも内容的に作戦規模は小さく、ギャーソリンは生成出来ても効率が悪いのが窺えデコトラーデからは「くだらな過ぎる」とぼやかれている。一応ハカルーラーを巻き付けられた人はその場から動けず恥を晒された状況に放置されて悶え苦しむ羽目になるも、その晒された数字=トラウマ(恥)と認識した過去を本人が受け入れていた場合は拘束を自力で破って脱出する事も可能。
詰まる所、能力に捕まった者の自己認識や評価に頼る面が大きく、相手が過去の恥に蓋をして忘れていればほぼ成す術なく嵌るし、逆に過去の捉え方を変えて受け入れていれば能力の実質的な無効化が可能とも言える。そしてそういう心の在り方を示した人物を認識し真似る事で、能力に嵌った者も自己認識を改変し脱出する事が出来る。
戦闘力は大した事が無いが、胴体から体重計型のエネルギー弾を乱射したり出現させた巨大体重計で敵の重量を測る芸当が可能。そして測った情報を元に一定重量以上の対象をシャットアウトする制限標識型の障壁を発生させる『重量制限2000t』で敵の接近を阻む事が出来る。
ただしこの重量制限は“車”限定で、それ以外の乗り物は測定範囲外という穴がある。また、障壁の発生対象は一つだけで一度破られると張り直せないらしく、防御手段としては粗が多い。
知的ぶった口ぶりで他人の恥を測定し暴露、拘束された状態で悶え苦しむ様を呑気に笑う陰湿さのある性格。他人の恥の内容に強い興味を示す下衆な出歯亀根性も完備。
一方で、自らの能力に嵌めた相手が発想を変えて状況を打ち破るのを心底驚くと、妙な素直さあるいは頭の固さとも取れる面も見せた。
その際は「測った/図った」ならぬ「謀った」ことに憤慨することが多い。
本編での動向
遂に地球へ到着したスピンドーや、お世辞でも激励の言葉を賜ったグランツに功績を挙げて気に入って貰い、ハシリヤンの大幹部に出世しようと張り切るサンシーター。その足掛かりとして早速、アジト内の体重計へイターシャがイグニッションを施し「んん~~っ、タ~イジュ~ケ~イ!」と言いながら誕生した。
納車後は市街地で、一般人相手に面接に落ちた回数や現在彼氏がいる人数(要は浮気)、1回毎に使用するトイレットペーパーの長さ等、周りから辱めを受ける様な数字を晒して拘束しギャーソリンを捻出・納入。この作戦内容にはサンシーターもある意味恐怖しつつ、取りあえずは状況を見守られる。
それからしばらく後、未来・錠と遭遇。一緒に連れていた広瀬イツキを逃がした2人がブンブンチェンジする前に「お前も測られたいか~!?」「もっと測らせろ~!」と言いつつハカルーラーで拘束し、2人の恥ずかしい数字(未来は運転免許試験に落ちた回数【6回】、錠はこれまでに取ったテストで一番悪い点数【-10点】(※)、最後におねしょした年齢【13歳】、社会の窓が開いていた回数【108回】、貯金の残高【2024円】、人生の中で大きな失敗(父親の服をヒーターで温めようとしてボヤを起こした)をした年齢【9歳】)を晒す精神攻撃を敢行。
※普通は0点が最低点数のはずだが、何でこんな点数を取ったのかは最後まで明かされなかった。
これで未来は恥辱のショックで戦意喪失させるも、一方の錠には一旦掛かったものの、最後の一言の際に幼少期に父親に「何が危ないかなんて親が教えてやんないとわかんないよな」「これからもその優しさ、失くすんじゃねえぞ」と諭されたことを思い出し根性で耐え抜き、挙句に拘束を自力で破られ能力を突破されてしまう。
錠「イツキ君! 俺も君も、この先たくさん間違える! 中には、取り返しのつかない間違いがあるかもしれない! でも!…怖がって自分にブレーキ掛けるのはもったいないよ!
100点満点の正しいヒーローなんていない! 自分の心が向いた方に、100%のアクセルを踏む! 君は、君のなりたいヒーローになるんだ!!」
この事態へ「ななな…何故、貴様は平気なんだ!?一番の間違いを測ってやったのに!?」と狼狽えている内に、胸倉を錠に掴まれ「間違いから学べばそれは間違いじゃない! つまり、“お前は何も測れてない”っ!!」と持論ごと断言を叩き付けられた結果、自身のアイデンティティが否定され「ぬわんですってぇぇぇ~!!?」と叫びながら高く飛び上がり墜落。
これで未来の拘束も解けた上、錠の持論で自分の恥の過去も良く捉え直せばいいと気付いた為精神的にも復帰。「おのれ〜!この俺を謀ったな〜!」と悔しがりながらも、2人の改めてのチェンジを許してしまい、呼び出したネジレッタも蹴散らされた上でブンブンスーツから生成したタイヤをだるま落としの要領でぶつけられる羽目に。
その上で更にブンレッド・ブンブルー・ブンオレンジも参戦、チャンピオンブンブンジャーの投入も許してしまう。胴体からの体重計型エネルギー弾も撃ち落とされながら接近されて反撃を貰い、チャンピオンブンブラックからはブンブンパトカー1をカスタマイズしてのスパイク付きタイヤを蹴り込まれて直撃、ダウンしてしまう。
その上で「何があっても皆を守り、勝利を掴むのがブンブンジャーだ!!」との決め台詞を発したCブラックを中心にバクアゲチャンピオンドライブが発動され、「この覚悟、測れる物なら測ってみろ!!」と啖呵を切ったCブラックにハカルーラーを巻き付け戦闘力を測定するが、錠の熱い決意の元無限に上がる戦闘力は数値化不能で測定器が故障しハカルーラーは再び破壊。「戦闘力は、無限大…」と眼鏡をずらしながら日和っている所にCブラックの拳の一撃をモロに喰らわされ、後ずさりながら叫び声と共に爆ぜて敗北した。
その後、ヤルカーのハイウェイ光線でギャーソリン大暴走体化、「まだまだ、測り足んね〜ぜ~!」と言いつつビル街に再出現。
繰り出されたブンブンジャーロボチャンピオンの体重を測り、それを基準に重量制限2000tを発動。障壁で接近を阻み、「重いからって思い悩まないぜ!」とのギャグをかましながらの追加パーツを一旦外して軽量化する相手の奇策も意に介さず、「俺って思いの外、重い~…」と攻めあぐねさせる。
「グッヒャッヒャッヒャ~!無理なダイエットは、禁物なんだよな~♪」と笑っていたが、ここで乱入したビュンビュンマッハーロボトッキュウカスタムが「四肢部分が車でなくて烈車」という屁理屈で障壁を無効化し破壊、そのまま追撃を浴び転倒。
「バカな…!測らずとも分かる!その車はどう見たって、重量オーバーだ!」と悔しがりながら呆気に取られた隙に、すかさず再合体したチャンピオンから止めのバクアゲチャンピオン・ブンブンゴールインを不意打ちで喰らい、「また謀りやがったな~?!!」との悔しさに溢れた辞世の句を残して爆散。図らずもフィニッシュした。
余談
- ナンバーは「内緒」の語呂合わせと思われる(7:な、1:い、4:し、4:ょ)。
- 体重計がモチーフの戦隊怪人は初。
- CVとSAを兼演した寺本氏は、同作でブロックベイグルマーのCVとSAも担当している。怪人のSAを担当した演者が同作の別の怪人のSAを掛け持ちするのはよくあることだが、CVまで掛け持ちする例はかなり珍しい(過去には『忍風戦隊ハリケンジャー』において宇宙忍猿ブリザールと漫才忍者ツッコ・ミーナのCVとSAを担当した村岡弘之氏などがいる)。
- 「頭の上に数字が表示され、恥ずかしめを受ける」という能力に対し視聴者からは予告後「薄い本や同人誌とかでしか見ない展開」「そんなのニチアサでやれるんだ(笑)」といったある意味阿鼻叫喚(?)な反応が相次いだ。
- また、この手のコミカル要素にもとれる能力のお約束としてシャーシロが掛かる事を密かに期待していた視聴者もいた様だが、当人は別行動を取っていた為か残念ながら掛かる事はなかった(それどころか今回の総論を語る美味しい役をちゃっかり担当した)。
- ギャーソリン大暴走体で発動した重量制限2000tだが、2,000t以上の接近を阻むため、ブンブンジャーロボ(素体のブンブントレーラーが2,500t)やビュンビュンマッハーロボ(2,300t)はもちろん、ブンブンレオンでさえジャスト2,000tであるためロボによる正攻法での攻略は困難である。ブンブン消防車(500t)が分離したブンブンレオレスキュー(1,500t)ならば接近できたものと思われる。
- しかし、パトカー2カスタマイズでのアウトレンジからの銃撃や、ビュンビュンマッハーロボやウイングブンブンジャーロボでの空中からの攻撃を仕掛けていればどうなっていたのかは不明である。
関連タグ
ズボシメシ:15年前の戦隊に登場する彼と似た様な作戦を行った戦隊怪人。こちらは物理的な衝撃による外傷も伴うので、悪質性も捻出される嘆き(負の感情)の濃さも上回る。
八神洋子:3代前(人によっては2代前)の車戦隊のピンク。異常に太りやすい体質で自身が太ったのを怪人が体重計の数字を操ったからと決めつけ一方的に叩き潰した事がある。