「ヒューッ! 皆今日は集まってくれてサンキュー!」
登場話数:バクアゲ24「届けたい歌」
データ
全高/191cm(ギャーソリン大暴走体/45.3m)
重量/249kg(ギャーソリン大暴走体/590.6t)
エンジン/アコースティックギター
スピード/弾き語り最速
カスタム/ドリームギター、ビックリピック
ナンバー/8251
ファーストラウンド(コース/公園)
ファイナルラウンド(コース/ビル街)
概要
ハシリヤンが、アコースティックギターに込められた燃えるアーティスト魂をイグニッションし、地球に納車された苦魔獣。
外見は一見して、ポンチョを羽織りテンガロンハットを被った風来のギタリスト(ミュージシャン)。一番目を引く身体中心の『ドリームギター』はネジで身体に固定されていて、張られた弦と竿部分にポンチョから伸びた三対六本の腕(本来の腕はその脇下から出ている)がある異様な風体を持つ。恐らくはギターの速弾きをイメージした物だろう。
頭部は上部分に弦を張ったテンガロンハットを被りスカーフで覆面をした人物に見えるが、よく見ると羽飾り風の赤いパーツが苦魔獣共通の炎の双眸で、実際は邪悪な嘲りの表情を浮かべた顔なのが分かる。ちなみに口元もアコギのボディ部分を模した物。
他にもポンチョには差し色として、ブンブンジャー6人中5人と同色の6本のライン(もう1色は黒ではなく黄色)も入っている。
腰ベルトのバックルに付いているナンバープレートのナンバーは「8251」。
ドリームギターを掻き鳴らして不協和音を演奏し、発生させた毒々しい紫色の音符が走る五線譜を人々に浴びせ眠らせる能力を行使する。眠らされた人物は印象に残っている過去の記憶のビジョンを見せられた上、そこに居る人物から優しく甘い言葉で懐柔され意識を束縛されてしまううえ、現実にある身体は覚醒しようと抵抗して心身に齟齬が生じ、結果生体エネルギーがギャーソリンに変換されアコギグルマーへと回収される仕組みとなっている。
そして夢に囚われた人物は外部からの刺激で覚醒させる事は不可能で、対象が「この夢は偽物」と自覚し夢の世界より確固たる意志を持って自分から抜け出すしか突破法が無い。ただし見ている夢と関連する音楽(といっても騒音では無理)を聴かせるなりすれば、ある程度夢による意識の束縛が緩む隙も存在する。
戦闘では、ハシリヤンマークが刻印されたギターピック・『ビックリピック』を複数投げ付ける、ドリームギターを搔き鳴らして発生させた五線譜からの音符弾による波状攻撃といった遠距離攻撃を繰り出す。
更にとっておきのオリジナルソング「赤信号にご用心」を奏でる事で、赤ランプしかない信号機を無数に設置し交通ルールを破れないブンブンジャーを牽制、そこへ信号機ランプからのビームを浴びせる交通ルールを盾にしつつ悪用した戦術も取れる。一方攻撃手段が飛び道具に偏ってしまっており、攻撃を突破されて接近戦になるとほぼ丸腰に陥ってしまう。
アコースティックギターが製造元だからか常にテンションが高い性格で、口調も巻き舌気味。
本編での動向
地球へ来訪してからの度重なる失態により、ハシリヤン本家から大目玉を喰らったキャノンボーグ。その後ろで能天気に談笑するサンシーターを制裁の電撃でノックアウトした上で、「もう、後がない…!」と焦燥の呟きを漏らしつつその場に捨てられていたアコースティックギターにハシリヤンイグニッションキーを装填し、「YOYOYO~! アコースティック、ギタ~!!」と演奏しながら誕生。
納車後はサンシーターに見守られながら公園に出現、逃げ惑う人々を追いかけドリームギターからの五線譜を浴びせ相手を虚偽の夢の中に閉じ込める活動の最中、届け屋の仕事で学童達と一緒に遊んでいたブンブンジャーの面々と遭遇。逃げようとした子供達にも五線譜を飛ばすもそれを庇った大也と先斗を夢の世界で囚われの身にする事に成功する。
思わぬ戦果のチャンスが生まれたのを逃さんと、「YO~、イイねイイね~! 盛り上がって行こうぜ~っ♪」と言いつつビックリピックを投げつけ追撃するがそれを射士郎/ブンブルーに迎撃され交戦。ブルーが時間を稼いでいる内に他のブンブンジャーは大也と先斗を叩き起こそうとするも全く効果は無く、やがて2人を始めとした夢に囚われた人からギャーソリンが生成され始めた。
キャノンボーグ「地球人を眠らせて、吸い取った生体エネルギーをギャーソリンに変換!外から起こす事は出来ませんよ……!」
ところが、夢の中で親友に自分の選択を否定される発言をされた先斗が発奮し、自力で夢を打ち破り復帰。「幼馴染のありもしねぇ姿見せられて、気分悪ぃぜ!」と怒り心頭のままブンバイオレットにチェンジしてブルーとバトンタッチ。そして先斗に大也を覚醒させる様促された残りのブンブンジャーが一旦退避、戻って来るまでの時間稼ぎを引き受けたバイオレットに対し「ライブはこれからだ、スタッフゥ~!」とネジレッタを召喚しつつ攻撃を続ける。
しかし戦闘の裏で、大也の初恋の人であるまひろ先生が好きだった歌「にじ」をブンブンジャー4人+ブンブン&ビュンディー+学童と先生達で歌い、それを聴いて偽物の過去を振り切った大也が覚醒。
こうして5人揃ったブンブンジャーが駆け付けてしまい、形勢は逆転。吹っ飛ばしたバイオレットに浴びせたビックリピックが撃ち落とされる格好で横槍を入れられ、嗾けたネジレッタは難無く掃討。ブンレッドとバイオレットに押された所を「こうなったら、大ヒット曲をお見舞いしてやるぜ~!」と叫びつつ五線譜で2人を囲っての音符で集中砲火するも、バイオレットがブンブンコントローラーガトリングモードで音符と五線譜を纏めて撃ち落とす。
更にその間でチェンジしたブンレッド119のフォースインパクトに対し、大型音符を生み出して蹴っ飛ばすも、呆気無く跳ね返され背後の池に落水。続けて起き上がりにズンズンオーバードライブを喰らい、「ビッグなアーティストに……なりた~いッ!!!」と夢を諦めたかの様に叫び敗北。
直後、ヤルカーのハイウェイ光線でギャーソリン大暴走体化、「ビ~ッグになったぜ~!!」と違う意味合いでビッグなアーティストとなってビル街に再出現。
ブンブン「アコギ(阿漕)な悪は成敗してくれるぜ!」
(※タオルを振り回して投げ捨てる)「次はこの曲だぁっ!“赤信号にご用心”ッ!!」
ブンブン「赤信号!?交通ルールは守らないと…!」
ぶっつけ本番の「赤信号にご用心」を歌って交通ルールを無理矢理操作し、迎撃に現れたブンブンジャーロボの行動を封じ一方的な集中砲火を浴びせる。
しかし信号無視可能···もとい緊急車両モチーフゆえに通行が許されるブンブンレオレスキューに赤信号を突破され、そのまま接近を許した上で跳ね飛ばされダウン。そのままブンブンジャーロボ119の合体を許してしまった時点で最早為す術も無く、ほぼ一方的に押された末でバクアゲレスキュー・ブンブンフィニッシュを喰らい「アンコール…ちょうだぁぁぁぁいッッッ!!!」とシャウトしつつ爆散。残念ながら尺の都合でアンコールを貰えないままフィニッシュを迎えた。
そしてこのアコギグルマーの敗北を以って遂に後がなくなったキャノンボーグは次回、ギャーソリンの強制回収という最終手段に出る事になる…。
アニキのアコギグルマー・ジョン
「アニキのアコギ・ジョン!」
「イッツ・マイ・ライフ!!」
CV:林勇
スーツアクター:梶山翔太郎
データ
全高/191cm
重量/249kg
エンジン/アニキのアコースティックギター
スピード/単独ライブ最速
カスタム/ウェイウェイビューイング、V8サウンド
ナンバー/5310
ファーストラウンド(コース/市街地)
概要
バクアゲ38に登場。
ヤルカー族のエリート・ウェイウェイ・ヤルカーがアニキのアコースティックギターに込められた燃えるミュージシャン魂をエリートイグニッションし、再納車されたエリート苦魔獣。
外見はプレートのナンバーが「5310」になっている以外は初代と同じでイトコのエレキグルマー・ボヴィと共に爆奏兄弟ジョン&ボヴィと言うデュオを組んでいる。
ボヴィと共にウェイウェイが走らせた『ウェイウェイビューイング』(本編では『ハイウェイビューイング』)を浴び胸のアコギから大音量の『V8サウンド』を放つ。この音の範囲は日本全国に及び、騒々しいライブで地球人から大量のギャーソリンを放出させる。そしてそれをウェイウェイが回収し、一度に相当量のギャーソリンを稼ぐという寸法である。
戦闘でもV8サウンドで攻撃するが攻撃手段はこれの一点張りで、音を遮断されると為す術なく反撃を貰ってしまう。
ボヴィと同じく、初代より超が付く程のハイテンションな性格の持ち主。そのテンションぶりからか、チャンピオンブンブンジャーに押されつつも気合で粘ってしばらく持ち堪えてもいた。
本編での動向
ワルイド・スピンドーが地球に来訪すると知り、大掃除に明け暮れていたサンシーターの前にヤルカーをスカウトしに来たウェイウェイが登場。
エリートを名乗る自身の仕事ぶりのデモンストレーションとして、市街地でライブをしていたストリートミュージシャンコンビの持っていたアコースティックギターにハシリヤンイグニッションキーを打ち込んで装填、ボヴィと同時に誕生させた。
納車してすぐ、ウェイウェイビューイングを浴びてテンションMAXになり、相方と共にV8サウンドを奏で大騒音のリサイタルを敢行。更にライブ映像を日本各地に飛ばして広範囲の人々を苦しませ膨大なギャーソリンを捻出、それをウェイウェイが各地を掛け回って回収した。
だが程無く、案の定騒ぎを聞き付けたブンブンジャー5人に妨害され交戦。惜しまずチャンピオンブンブンジャーになった相手へV8サウンドで音波攻撃を仕掛け一旦は圧倒するも、チャンピオンブンブルーがブンブンマリンをカスタマイズして発生させた水ドームにより音波は減衰され封殺。更に水ドームを内側から破裂させて生成したサメ型散弾で反撃されてしまう。
そのまま相手のペースに持ち込まれ、ブンブンサファリをカスタマイズしたチャンピオンブンピンクから錐揉み回転アタックを貰って転倒。
トドメを刺されようとした直後、スピンドーに先んじて地球に到着したハシリヤン大番頭・グランツ・リスクが上空より出現。「何だぁ?飛び入り参加かぁ?」と喋るも、続くボヴィの発言は五月蠅さがボスの機嫌を損ねると判断したグランツに遮られた上、「リスクは、避けねば…」の一言と共にイグニッションを解除され消滅・リタイア。
跡にはエンジンにされたアコースティックギターとイグニッションキーが残った。
なお、爆奏兄弟が捻出したギャーソリンはウェイウェイがワルイドへ直接献上しようとしたが、気まぐれでサンシーターの奮闘を見物していたウェイウェイがしばし無駄な時間を過ごした事で撤収時を狙ったスピードルに正面衝突される失態を晒してしまう。
これで吹っ飛ばされた時にウェイウェイが撒き散らしてしまい、無駄になった模様。
余談
- プレートナンバーは本話のキーワードの「初恋」の語呂合わせ(8(は)2(つ)5(こ)1(い))。
- ジョンのプレートナンバーはイトコのボヴィ同様「コンサート」の語呂合わせ(5(コン)3(サー)10(ト))。
- CVの林勇氏は声優としては特撮初出演であり特撮全般では『ウルトラマンデッカー』で林氏が「勇-YOU」名義でメンバーを務める音楽ユニット・『SCREEN mode』で主題歌を担当した事がある。
- スーツアクターの竹内氏は前作でキョウリュウブラックとしてゲスト出演をしていた。前々作『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』まで戦隊ヒーローのスーツアクターを長年担当していた為、ゲスト怪人役での出演は近年では初である。
- ちなみに東映公式サイトのバクアゲタイムズでは、スタッフのミスで一貫してギターグルマーの名称で呼ばれている。
- 本編にて狩野英孝氏のネタ、「スタッフ〜!」をやったが、奇しくもブンブンジャーと同期になる特撮作品の主題歌をあろうことか50TA名義で狩野英孝氏が起用されるドッキリが仕掛けられたために少し親和性も感じた(?)ともいえよう。(本当はFANTASTICSが担当することも後に明かされる事となった。)
- ジョンの名前の由来はボヴィと共にアメリカのロックバンド・『BonJovi』のリーダー「ジョン・ボン・ジョヴィ」から来ており、ジョンの記事冒頭二番目の台詞は同ロックバンドの楽曲である。ちなみにボン・ジョヴィは日本レーベル公式把握済み。
- バクアゲ38で素体となったアコギの持ち主は相棒から察するに坂崎幸之助にも見える(ただしメガネは掛けていない)が、東映サイトでは「あなたはもう忘れたかしら、な感じの。」などと書かれていることから、南こうせつにも見える(もっとも、坂崎本人もこうせつを意識している)。
関連タグ
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