「片付けろ~、片付けろ~!」
「片付けろ~、片付けろ~っ♪ ズッオ~ン!片付けろ~!」
登場話数:バクアゲ2「情報屋は認めない」
データ
全高/191cm(ギャーソリン大暴走体/45.3m)
重量/254kg(ギャーソリン大暴走体/602.4t)
エンジン/スティック型掃除機
スピード/集塵最速
カスタム/カミツクリーナー、ダストキランブラシ
ナンバー/3196
ファーストラウンド(コース/スクラップ場)
セカンドラウンド(コース/ハイウェイ空間)
ファイナルランド(コース/工場地帯)
概要
ハシリヤンが、スティック型掃除機に込められた燃える吸引魂をイグニッションし、地球に納車された苦魔獣。
素体の上半身にネジ止めされている外装も、鶏冠の様に頭頂部から突き出たハンドルや、背面から両肩へと伸びる蛇腹ホースなど、掃除機のパーツが多く配されており、中には頭の上半分や肩に配されたロボット掃除機を模した円盤状のパーツも確認でき、様々な掃除機の部品を片っ端から取り付けた様な正に改造車の如き容姿を有する。
口部分は狭い所を吸う際に差し替える櫛型アクセサリーヘッドを模していると思われ、その奥にある歯は複数の歯車が嚙み合った形状で表現されている。
装備として、右腕に先端がトラバサミ型となっている吸引ノズル兼拳具武器『カミツクリーナー』を装備。左腕には吸い込んだ物を溜め込む、ダストカップ型の着脱式圧縮集積タンクを対として装着している。
腰ベルトのバックルに付いているナンバープレートのナンバーは「3196」。
鼻歌感覚で「片付けろー!」と連呼しては、成人男性1人を容易く吸い寄せるカミツクリーナーの自慢の吸引力で無差別に地球人の大切なものの「お片付け」に走り、ギャーソリンを発生させるのを主目的として活動を行う。
吸引だけでなく、口からは排気も可能としており、いずれも凄まじい勢いを持つため戦闘においても、相手の動きを制限・牽制したりと大いに活用され、障害を片づけながらの任務遂行を可能としている。
一方で、元の掃除機がサイクロン式であるがゆえに、吸引できる容量にも限界がある他、不意打ちなどで一瞬でも動きが阻害されると吸引が中断されたり、タンクが腕から外れた状態ではそもそも吸引ができなくなるなど弱点も多い。
一応、吸引能力を封じられた万が一の保険として、『ダストキランブラシ』と呼ばれる羽箒を空いた左手に装備し、ここからローラーブラシを模したエネルギー弾を発して不規則な弾幕を張れる他、くすぐりで油断させての不意打ちはたき攻撃を繰り出すこともできる。
元になった掃除機と暴走させられた思念の影響で、とかくゴミを掃除したがる衝動に常時駆られており、ギャーソリンの収集に邁進する一方で、辺り構わず物を吸い尽くそうとしたり、ちょっとした埃をダストキランブラシで払おうとするなど、傍から見ると無駄とも取れる挙動も目立つ。
また、吸引した「大切なもの」については特に執着心は抱いておらず(吸引行為自体に満足感を見出している?)、レッドに吸引物で満杯になったタンクを没収されても奪い返す様な素振りは特段見せなかった(そもそもブンブンジャー側にしても「吸われた物の中にある依頼品」さえ奪還出来れば良かったとはいえ、タンクを返す様促しても良かった気もするが…)。
本編での動向
とある倉庫内にて、斬込隊隊長のマッドレックスから発破をかけられたサンシーターは、士気も新たにギャーソリンを確保すべく、近くに転がっていた掃除機にハシリヤンイグニッションキーを挿し込みソウジキグルマーを「納車」。
「掃除機~! 掃除機……♪」の掛け声と共に生まれたソウジキグルマーは、いきなりサンシーターを吸い込みかけるというアクシデントを引き起こしながらも、彼等の意を受け市街地へとギャーソリン収集に繰り出した。
折しもこの時、「届け屋」の依頼を受けた射士郎と未来は、依頼主である某国駐日大使と待ち合わせていたのだが……そこに出現したソウジキグルマーは、大使の持つ「積荷」のケースを皮切りに、手当たり次第に周囲の物を吸い込み出しては人々を混乱に陥れる。
この事態を前に、射士郎の提案でしばし様子を窺おうとした2人だったが、その場に駆け付けた警察官までもが吸われそうになったため、それを止めるべくブンピンクに変身して飛び出した未来との戦闘を開始。
ピンクの攻撃を難なくいなし、さらに飛んで来た看板の直撃で気絶した警察官を吸い込もうとすることで、彼女の動きを制限せしめたソウジキグルマーは、「吸うんだよ〜!」とそのまま2人まとめて吸い込もうと吸引力を上昇させるが、そこを大也が蹴り飛ばしピンクが手放したブンブンハンドルロッドモードを使った追撃で転倒させられ、彼等の一時避難を許してしまう。
3人を逃がした後もなお、その場にて活動を続けていたソウジキグルマーは、再びブンピンクと大也と交戦。強烈な吸引だけでなく口からの排気で接近を許さず、相手の放つ銃弾を吸い込んで無効化し、優位に戦いを進めるが、とある事情から姿を消した射士郎の意図を読み取っていたレッドが、頃合いを見計らって側面攻撃を叩き込んだことで攻撃を中断された上、間髪を容れずに現れた射士郎/ブンブルーが操縦するブンブンワゴンに捕縛。「片付けたい〜!…」と叫びつつ、ソウジキグルマーはそのままどこかへと移送されてしまった。
そして、ソウジキグルマーが運ばれた先は町外れのゴミ処理場。大量のスクラップの山を前に掃除機としての本能と、暴走した思念を掻き立てられたソウジキグルマーは「おおぉ〜!ゴミだらけ~!片付けなければ~っ!!」とノリノリであたり一面の鉄屑を吸引するが、途中でタンクの容量限界を迎えてカミツクリーナーが詰まり、吸引不能に陥ってしまった。
「うげぇ! 詰まったぁ~っ!?」
レッド「それが狙いだ。荷物を回収した、シャーシロ!」
ここまでの流れは全て射士郎の立てた作戦通りであり、観察眼で短時間でソウジキグルマーの特性と弱点を看破し、ゴミ置き場へと移送することで容量の限界を迎えさせ、自慢の吸引能力を封じるという意図があった。未来をその場に残したのも、彼女が当面の時間稼ぎを果たしてくれると判断してのことのであり、同時にその場の状況から大也(と、玄蕃)も自身の意図を察してアシストしてくれると見越していたのである。
かくして、狼狽えている間にまんまとレッドによってタンクを没収され、ブルーの攻撃で離れた屑山に蹴り飛ばされたソウジキグルマーであったが、程なくして屑山から抜け出すと、「片付けてやる〜!!」と怒りつつ増援として呼び寄せたネジレッタの一団とともに、3人のブンブンジャーと戦闘に突入。
とはいえ、差し向けたネジレッタはあっさり一掃され、自身もダストキランブラシからのエネルギー弾で攻撃を仕掛けるも、ブンブンジャーには巧みに回避された挙句、間合いを詰めての同時攻撃で吹き飛ばされたのに続けて「バクアゲハンドリングドライブ(ブンブンハンドルガンモードVer.)」で蜂の巣にされ、「片付けられた~!」と断末魔を上げ敗北。
敗北後、ヤイヤイ・ヤルカーによるギャーソリン吸引・カーチェイスを経て、とある工業地帯にて「まだ片付けろぉぉ~っ!」との叫びとともにギャーソリン大暴走体となり再生・巨大化。そこでもまた、本能で付近にあった煙突の煤が目に付くや「お片付け」とダストキランブラシで掃除にかかっていた。
ブンブンジャーロボの戦闘に突入し、「ホコリを払え~」の言と共にダストキランブラシを掛けくすぐりながらの不意打ちで先制をしかけ、そのまま相手がよろけた所を吸い込もうとするが、その吸引力を逆手に取ったレッドの策により、至近距離まで引き寄せられたタイミングでブンブントレーラーへ戻ったロボに押し潰される手痛い反撃を食らってしまう。
そのまま即座に再合体したロボの連続攻撃に圧倒され、最後は「バクアゲドライバー・ブンブンフィニッシュ」が炸裂、「片付けられちゃった~!!」の断末魔と共に爆発四散してフィニッシュした。
「積荷」のケースも無事に取り返し、届け先である某国大統領に引き渡されたことで届け屋としてのミッションも達成と相成ったのだが……大也達も立ち会いの上で披露されたカバンの中身、それは……
大統領 「モモチャン…!モモチャン! 次ノ大統領選モ、頑張ルカラネ! 大切ニスルヨ」
「コンカフェで撮影したメイドと大統領のツーショット写真」という、想像とは別の意味で極秘にしなければならない何とも言えない代物であった。
未来 「コレが……国家機密?」
大也 「まぁ……ある意味、国家機密だったな」
ソウジキグルマー・二台目
「ソウジキグルマー・二台目!まだ使えるのにもったいな~い!!」
「暴走大合体!!俺達に勝つ事は出来ないぞ!!」
CV:かぬか光明
データ
全高/191cm(ギャーソリン大暴走体/45.3m)
重量/254kg(ギャーソリン大暴走体/602.4t)
エンジン/粗大ごみの掃除機
スピード/冷風最速
カスタム/粗大ごみ処理券、カミツクリーナー、超ハシリヤン大次元シュート、ダブルチョップ、大回転ツイスター
ナンバー/5353
ファーストラウンド(コース/市街地)
ファイナルラウンド(コース/ビル街)
概要
バクアゲ36に登場。
ハシリヤンが、粗大ごみの掃除機(こちらはキャニスター型掃除機)に込められた燃える吸引魂をイグニッションし、地球に再納車されたパワーアップ苦魔獣(※ディスレースのパワーを込めたイグニッションキーで製造された様なのだが、彼が戦死した事から『再建パワー』の冠詞が変更された)。
相方にして姉貴分のレイゾウコグルマー・二台目共々捨てられた事への恨みを持っており、それを晴らそうと積極的に人間を襲い悲鳴を上げさせるのに躊躇が無い。
また、初代とは違い基本的には饒舌に喋る。
エンジン(製造元)が粗大ごみだからか、装甲に劣化が見られる他、額の部分に『粗大ごみ処理券』が貼られており、プレートのナンバーも「5353」になっている。
その為か右腕のカミツクリーナーも性能的には壊れており、対象を一瞬で霜で覆う極寒の冷風を放出する仕様に変化。逃げ走る地球人を凍らされる恐怖などで追い詰め、ギャーソリンを捻出しハイウェイ空間を介してハシリヤン本家に直接納入する。
恐らくは掃除機のゴミを吸う機能が故障して風を吹き出す様になったイメージからだが、更に冷気を発する=周りから熱を奪う機能まで獲得している為、実際は故障どころかイレギュラーな進化をしたとも見れる。
姉貴分と2人同時で上段から浴びせる『ダブルチョップ』といった合体技を繰り出し、『超ハシリヤン大次元シュート』では冷気を固めた氷塊ボールの生成役を担当。
暴走大合体形態・レイゾウコソウジキグルマーでも両腕の装備を姉貴分に譲渡し、自身は身体を圧縮し頭だけの兜になって姉貴分に被られると、戦闘では弟分らしくアシストに徹する。そしてこの合体形態から繰り出す、熱風と冷風を纏い回転しながら体当たりする『大回転ツイスター』を必殺技にしている。
本編での動向
前話でディスレースが戦死し、行動隊長がまたも居なくなる事態になったサンシーター。しかしもう慣れた事だとすぐにスイッチを切り替え、ギャーソリン収集を再開、ヤルカーの提案でアジト内の粗大ごみにイグニッションした事でレイゾウコグルマー・二台目と同時に納車された。
再納車後は、ヤルカーの考案した「二箇所同時攻撃作戦」に従事。林の中で周辺を凍らせながら人々を追い回して悲鳴を煽り、別行動の相方と共にギャーソリン集めへ勤しむ。
そこをパトロール中の錠に目撃され、他のブンブンジャーを呼ばれた後市街地でブンブルー・ブンブラック・ブンオレンジと交戦。だが2体の苦魔獣が別行動しているのはブンブンジャーより把握されており、戦闘へ釘付けする形で2体は一所に誘導されてしまう。
更に同士討ちも狙われ、相手が相方と挟み撃ちになるポジションで冷気を浴びせるが、狙い通りとかわされて熱風と冷気が衝突、発生した上昇気流に巻き込まれて上空で激突し、仲良く地面に墜落。
すぐに立ち上がると、近くで言い合いをしていた未来と秋を襲ってギャーソリンを得ようとする相方に「行くぞ、兄貴!」と同調。「お姉様とお呼び!」と訂正されつつ超ハシリヤン大次元シュートを発動して二人に蹴り込むが、未来の咄嗟の判断で地面に伏せられかわされてしまう。
それへ呆然としている隙にブンブンジャーの反撃を受け手こずっている内に、秋と和解した未来がブンブンチェンジャーを返してもらいブンピンクへチェンジ。更にチャンピオンブンピンクとなって参戦する。
他のブンブンジャーが秋を連れて下がる中、Cピンクはチャンピオンジャケットの機能でブンブンパトカー2の能力をカスタマイズし2人に分身。カウンターで繰り出したダブルチョップをかわされて2対2の対決に持ち込まれ、一方的に翻弄されてしまう。
そしてブンブンレオンをカスタマイズして放たれた火炎クラクションで吹き飛ばされ、そこから立ち上がった所にバクアゲチャンピオンドライブが直撃。相方と仲良く「まだ使えるのに…もったいなァァァいっ!!」と叫んで敗北した。
程無く、ヤルカーのハイウェイ光線でギャーソリン大暴走体化しビル街に再出現。繰り出されたブンブンジャーロボチャンピオンに対し相方との暴走大合体を行い、レイゾウコソウジキグルマーに進化する。
のっけから大回転ツイスターを繰り出すも、バクアゲマグナムで武装したチャンピオンに迎撃されて止められ、逆にバクアゲソードの一太刀を浴びてしまう。
その流れでバクアゲチャンピオン・ブンブンゴールインを叩き込まれ、「ごみ処理券を…忘れるなよぉぉーーーーー!!!!」と言い残して爆散。二台とも仲良くフィニッシュした。
余談
- プレートのナンバーは「サイクロン」の語呂合わせ(3=サ、1=イ、9=ク、6=ロン)。
- 二台目は相棒のレイゾウコグルマー・二台目及び合体形態のレイゾウコソウジキグルマー同様「ゴミ」を2回繰り返した語呂合わせ(5=ゴ、3=ミ)。
- CV担当のかぬか氏は、スーパー戦隊シリーズへは『機界戦隊ゼンカイジャー』(2021年-2022年、キノコワルド/ダイキノコワルド役)以来の出演であり、奇しくも同作出演時に続いて第2話での登板ともなった。番組公式サイトでは、少し抜けたもわんと響くお声がぴったりと評されており、また演出を担当した中澤祥次郎氏からもアフレコの際、終始好評であったことについても言及されている。
- 掃除機モデルの戦隊怪人は、平成戦隊で多く採用されたポピュラーなモチーフだが、その殆どはキャニスタータイプの掃除機の為、スティックタイプの掃除機をモデルにしたのは、このソウジキグルマーが初となる。
- スーツアクターの尾野氏は、本作でブンオレンジ役としての起用が発表されており、作中へのブンオレンジの本格登場を前に戦隊怪人を演じる形となった。
- 作中にて、ソウジキグルマーが吸引能力を発揮する際のSEは、音響効果を担当する桑原秀綱氏の自宅にある掃除機の駆動音が用いられている(参考リンク)。
関連タグ
ソウジキジゲン、バラバキューム、掃除機オルグ、 ザクロバキューム、カワズガミ、バキュームバンキ、ソウジキロイド、ソウジキシャドー:スーパー戦隊シリーズの他作品に登場する、掃除機モチーフの戦隊怪人達。