概要
掃除機とは、吸引力の変わらないただひとつの家電製品(※ただしダイソンに限る)。
国会議事堂のカーペット掃除は壁に吸引孔がつけられホースノズルをつけるだけでチリや砂は、地下の真空掃除機に送られる(モーター音が会議などに影響を及ぼさないため)。
紙屑・埃・綿・毛・砂・食べカス・世の中の不条理・忌まわしき過去の記憶・終わらない戦争等の汚れを吸い取り、世の中を綺麗にしてくれるお掃除アイテム。
つまると、中の汚れが溢れ出し宇宙の法則が乱れることになるので、取り扱いには非常に注意が必要。
吸い込む先が異次元空間という掃除機を操る娘さんもいますが…
コード式 ACモーター
直巻式モーターを使い、力強いが騒音も大きい、電子制御により最近はパワーも変えられるが、昭和時代のものは風量調節リングを回すことでパイプの穴が開きパワーが弱くなる代物だった。(業務用では今でも風量調節リングが採用されている。)
また放熱と作りやすさから金属筒になったものが多く耐熱プラスチックスになっても大体はその意匠は大きくは変わらなかった。(キャニスター、スツール(ポット)形、肩掛形に大別される) 昭和後期に充電式が出始め、タテ型掃除機もつくられたが、使用時間、パワーともに満足いくものではなかった。(平成の高容量充電池まで待つことになった)
ゼンマイバネを使ったコード収納は1960年代から既に存在し、枯れた技術になっているがそれでも巻取りが弱い、絡む、コードが熱くなることがまだある。(多くはユーザーの使い方なのだが)
巻き取りに関する問題:引き出したコードをプラグまでなるべく一直線にし巻き取りボタンを押すことで改善できる。(引き出しで引っかかる場合は、巻き取り、引き出しを繰り返すと直る場合がある(引き出す際は無理は禁物))
コードが熱くなる コードをリールに巻いたままでハイパワーのまま使うことでコードの放熱がうまくいかない。コードは黄色のビニルテープまで引き出す。赤色のビニルテープまで出すと断線の原因になるので注意。これでコードの放熱は充分です。もちろん使用中にコードが温かくなることはありますが問題ありません。(使用中はできればとぐろを巻かず蛇が動くように軽く曲がる状態に)
電源はかつては本体のフットスイッチが主流だったが、昭和40年代以降は手元グリップのリモコンスイッチが主流である。(業務用のポット形は大電流ON-OFFが可能なトグルスイッチ 欧米では現在もフットスイッチが主流)
コードレスタイプ
充電池ないし乾電池で駆動するタイプ。コードがないため電源プラグを差し込む手間がなく、ちょっとした汚れもサッと掃除できるが、使用時間に限りがあるためゆっくり掃除する場合や広い家の掃除には不向き。また、AC電源に比べて吸引力は弱めなほか、バッテリーが劣化すると連続稼働時間が短くなり、モーターの寿命より先にバッテリーの寿命が来ることも少なくない。本体の製造中止から年数が経っている場合、予備のバッテリーも製造中止になっている場合がある。その場合は本体に異常がなくとも中古で状態の良いバッテリーを見つけ出さない限り使用することが不可能になる。
愛称
三菱電機:風神 カラーテレビ黎明期にプロレス中継の提供社になりラウンド間のリングの清掃をテレビ中継した(実質、実演コマーシャルの先駆けにも)。1967年に登場、一度は消えたが2010年にプレミアムタイプのサイクロン式掃除機として復活。
同上:Be-K(ビケイ)
東芝:マジックバック ダストポン ワンハンドパック
日立製作所:チリコン ゴミパック(日本における紙パック式掃除機のパイオニア)
シャープ:nonnon
三洋電機:太郎 エアシス(合併後はパナソニックからも発売)
選び方
基本的には国内有名メーカー製(シャープ、東芝、パナソニック、日立、三菱)を選ぶのがおすすめ。これらのメーカーは長年にわたって培ってきた掃除機造りのノウハウがあるため、品質・性能において最も信頼できる。
昨今では無名メーカー製の格安モデルが蔓延っているが、こちらは掃除機造りの歴史が浅く、基本性能が低かったり耐久性に難があったりするため、多少高くても有名メーカー製を買ったほうが実はお得だったりする。
吸塵方式
- 紙パック式
最もメジャーな方式。1980年に日立のCV-8500が発売されて以降、爆発的に広まった。紙パックにゴミを溜め、満タンになったら紙パックごと捨てる。空気の流路がシンプルなため吸引力は強い。ごみ捨ての際、ホコリが舞うことがなく、また紙パックがフィルターの役目も果たす為、フィルターの劣化が起きず、寿命が長い傾向にある。交換用紙パックはできるだけ純正品を使うのが好ましい。ボール紙をカットするタイプの汎用品も存在するが、こちらはボール紙のチリが合わずにゴミが紙パックの外に漏れ、排気口から埃が吹き出したり、モーターが故障する恐れがある。また、汎用品を使用して故障した場合、メーカー保証も受けられなくなる。
- サイクロン式
イギリスのダイソン社が実用化した方式で、集塵設備で使われるサイクロン分離機構を掃除機に適用したもの。吸引力の低下が緩やかなのが特徴である。サイクロンと言えば強そうな印象を与えるため、市場での人気は高く、価格も高めであるが、空気の流路が複雑なためパワーロスが激しく、実は紙パック式に比べて吸引力は弱い。また、熱がこもりやすく寿命は短めである。紙パックが要らないためランニングコストはかからないが、頻繁なゴミ捨てと定期的なフィルター掃除が必要である。
- フィルター式
紙パック式が普及する以前から使われている方式。ゴミを溜めすぎると悪臭の原因になるため、頻繁なごみ捨てが必要であり家庭用では紙パック式の登場と共に市場から瞬く間に駆逐されていったが、紙パックが不要なことと、サイクロン式よりシンプルな構造のため、ごみ捨てが頻繁でパワーと耐久性が必要な業務用では今でも採用する機種が多い。
タイプ
- 床移動型(シリンダー型)
最もメジャーなタイプ。近年ではコードレスのスティック型(後述)に押されつつあるものの、吸引力の高さから依然として人気は高い。数は少ないがコードレスタイプも存在する。
- ほうき型(アップライト型)
ヘッド・集塵タンク・モーターが下にあるタイプ。重心が下にあるため操作が軽く、立てて収納できるため、部屋の隅に置いても場所を取らない。
- スティック型/ハンド型
コードレスタイプに多い。ほうき型と形状は似ているが、こちらば集塵タンクとモーターが上についている。重心が上にあるため操作は重い。延長管を外せばハンド型としても使える。
- ショルダータイプ(肩掛け式)
掃除機本体を肩にかけて使用するタイプ。かつては様々なメーカーから出ていたが、令和6年現在、パナソニックのMC-K10Pが生産終了して以降、国内有名メーカーでは日立のCV-21が唯一である。
掃除機を建物に組み込むタイプ。国会議事堂でも使われている最強の方式。掃除機本体を屋外、もしくは床下に設置し、壁や床に長いホースを差し込んで使用する。ゴミは配管を通して掃除機本体に送られる。本体が離れているため音が静かで、室内に排気しないため悪臭を放つことはおろか排気が埃を巻き上げることもない。また、箱が大きいためごみ捨ての頻度も少なくて済む。まさに真の掃除機と言うべき存在である。
デメリットは初期費用が高いことと、配管内にゴミが詰まると取り除くのが難しいことである。(これに関しては大きなゴミを吸い込まないよう気をつければいいだけだが)これが原因か最強であるにもかかわらず殆ど普及していない。
令和6年現在、国内有名メーカーで製造しているのは日立のみである。
新築時に組み込むのが一般的だが後付も可能。
業務用掃除機(産業用掃除機)
店舗やオフィスの清掃や工場などで発生する粉塵の吸引に使われる掃除機。長時間の運転で大量のゴミを吸引するため家庭用と比べて大容量であり、モーターも高耐久・ハイパワーのものが使われている。耐久性重視ため家庭用で一般的な装備(リモコンスイッチ、パワーブラシ、コードリール等)は省かれていることが多い。機種によっては工具に接続できたり水も吸えるほか、クリーンルーム用やトナー用など、特殊用途に特化した機種も存在する。
家庭用を業務用の代わりに使うと、寿命を縮めるばかりかメーカー保証を受けられなくなる。用途に合った機種を選ぼう。
主なメーカー
- 京セラ(リョービ)
- 東芝
- ハイコーキ(日立工機)
- パナソニック(サンヨー/ナショナル)
- 日立:大手でトナー用・クリーンルーム用を生産している唯一のメーカー
- マキタ 新幹線の清掃員が使っているので有名。使用時間が問題になると思うがその時間内で清掃を完了する術を持っているので問題ない。その後はダストカップの埃がとられ、充電され次の到着時は別の清掃充電済みの掃除機で清掃される。軽量の古い機種を使っているが電池供給は問題ないようだ。(マキタも宣伝になるとメンテナンスしてくれていそう(新幹線の色使いに合わせてラッピングされている)。
- 三菱(2006年撤退)
最近では上記メーカー以外にも9000円前後の格安機が蔓延っているが、こちらは品質があまり高くないため注意が必要である。
黒板拭き用
その名の通り黒板拭きに付着したチョーク粉を吸引する掃除機。学生時代にお世話になった人は多いのではないだろうか...
こちらは『黒板消しクリーナー』って呼ぶのが一般的なほか、口頭では単に『クリーナー』って呼ばれることも多い。
フィルターは昭和40年代によく見られた布フィルターとスポンジフィルターの組み合わせしかなく、紙パック式は現在販売されていない。令和6年現在、有名メーカーではパナソニックと日立が製造している。
定期的にメンテナンスしないとすぐ目詰まりを起こすので注意が必要である。
関連イラスト
最近は猫が乗る掃除機は昔は子供の自動車ごっこの道具でもあった。
箒の代わりにした子もいます。
ロボット掃除機は嘗てNHKの魔改造の夜で実際に飛ばした実績がある。
主なメーカー
関連タグ
吸引力の変わらないただ1つの掃除機 ダイソン ルンバ シャーク
オバキューム:『ルイージマンション』等に登場する掃除機型アイテム。
バラバキューム、ソウジキジゲン、掃除機オルグ、ザクロバキューム、カワズガミ、バキュームバンキ、ソウジキロイド、ソウジキシャドー、ソウジキグルマー:掃除機モチーフの戦隊怪人達。
ライオンクリーナーフォーム:仮面ライダービルドの一形態。
メイプル:『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実』に登場する魔女。最初は箒に乗ってるが、条件を満たすと掃除機に乗る。更に条件を満たすと……?