ウエディングドレスグルマー
うえでぃんぐどれすぐるまー
全高/188cm(ギャーソリン大暴走体/44.5m)
重量/250kg (ギャーソリン大暴走体/539.0t)
エンジン/志布戸未来のウエディングドレス
スピード/お色直し最速
カスタム/ケーキ入刀、ベイキングバスター
ナンバー/1003
ファーストラウンド(コース/市街地)
セカンドラウンド(コース/ハイウェイ空間)
ファイナルラウンド(コース/ビル街)
ハシリヤンが、志布戸未来のウエディングドレス(祖母の形見らしい)に込められた燃える結婚魂をイグニッションし、地球に納車された苦魔獣。
物語上最初に登場した苦魔獣第一号。
苦魔獣共通の素体にネジ止めされた外装は、左肩にブーケが飾り立てられた一見すると華やかなウエディングドレスに見えるが、ビリビリに引き裂いた様々な布を強引にドレスに見せかけたような粗悪な状態になっており、本来ロングなはずのスカートも丈が足りず裾が腿上の位置に来ている。ドレスヴェール状の頭部は大きく捲れ上がってターバン状になっている。
そのため、苦魔獣の共通要素の一つである「炎が噴き出したような目元の意匠」と合わせ、全体的に晴れがましさよりも所属組織のカラーに違わぬ、マフィアのような荒々しさや剣呑さの漂う出で立ちが特徴である。
この他、右腕は炎に包まれた入刀用のナイフを思わせる刀剣『ケーキ入刀』、左腕はウェディングケーキに酷似した形状のガトリング砲『ケーキ砲ベイキングバスター』でそれぞれ武装しており、いずれも結婚式にちなんだ要素を強調する武装品となっている。
腰ベルトのバックルに付いているナンバープレートのナンバーは「1003」。
「結婚しろー!」と喚きつつ幽霊の様なドレス型のエネルギーを口から放って、地球人を強制的に結婚へと走らせる『ドレスアップシャワー』を能力として備える。
これを浴びた相手は上記のイラストのように無理やりウエディングドレスを着せ付けられ……というよりは絡みつかれて身動きが取れなくなり、望まぬお色直しに混乱状態に陥った人々の叫びから発生したギャーソリンを体内へと吸収する形で回収するのが、この苦魔獣の行動の主体である。
戦闘では、前述した両腕の武装による斬撃や弾幕を畳み掛け、あたかも結婚を迫る如き勢いのゴリ押し近接スタイルを好むが、その戦闘能力は概ね外装パーツに依拠したものであり、これを取っ払われてしまうと途端に弱体化してしまうという難点も有している。
未来の彼氏からの依頼を受けた、「届け屋」の範道大也によって結婚式場から連れ出された未来であったが、その途上でサンシーターとのカーチェイスに巻き込まれた際、身に着けていたままのウエディングドレスがイターシャに目を付けられてしまう。
イターシャ「あっ!あのヒラヒラ、走らせたい!デコトラーデ!」
デコトラーデ「オッケー、イターシャ!記念すべき初デッコデコだ!」
そのことを看破した大也は、彼等からの追跡を回避すべく自身が買い上げたブティックにて、未来に服を着替えるよう促し、彼女もまた不承不承ながらもこれに従うのだが……着替え終わったところで待ち構えていたイターシャと鉢合わせ。
持っていたドレスにハシリヤンイグニッションキーを差し込まれてしまい、ドレスはそのまま「ウエディング〜、ドレス!」との叫びと共に苦魔獣への「納車」を完了してしまう。
ブティックから街中に繰り出すや、ドレスアップシャワーを所構わず乱射し、パトロール中の警官も含めた周囲の人々の身動きを封じてみせると、イターシャが差し向けたネジレッタによる乱暴狼藉と合わせて、人々の悲鳴から発生したギャーソリンを首尾よく回収し始める。
すると、祖母の形見の大切なドレスを取り戻したいという未来の意思を汲み、大也がブンレッドにチェンジして挑みかかるとネジレッタと共にこれに応戦。ベイキングバスターによる砲撃を見舞うも、相手の繰り出したタイヤ状のエネルギーで防御・反撃されるなど押されてしまい、さらに未来が射士郎に伴われてその場を後にしようとした際には追跡を図るも、すぐさまレッドに阻まれてしまう。
ネジレッタを一掃されながら、なおもレッドへの抵抗を続けるウエディングドレスグルマーであったが、空港へ向かったはずの未来と射士郎がその場へ踵を返したことで、彼等が変身したブンブルー・ブンピンクも含めた3人のブンブンジャーと戦うことを余儀なくされる。
増援のネジレッタもブルーとピンクに片付けられ、自身もゴリ押し同然の動きをレッドに見切られ軽くあしらわれた末に、3人揃っての「バクアゲハンドリングドライブが炸裂。「結婚、出来n…」と断末魔を残しきれぬまま敗北を喫した。
……が、爆散時に空気中に散乱したギャーソリンは、突如ヤイヤイ・ヤルカーが吸収・巨大化しハイウェイ空間へと飛び込んだ結果、今度はこれをブンブンカーで追撃するブンブンジャーとのカーチェイスにもつれ込む。
ピンクの駆るブンブンワゴンとの激しいデッドヒートの末、一旦は相手を追い詰めながらも手痛い反撃を許し、ハイウェイ空間から元の世界へと放逐されたヤルカーからギャーソリンを吐き出し、ウエディングドレスグルマーもギャーソリン大暴走体となって巨大化・復活を果たした。
ブンブンジャーロボとの戦闘に突入し、なおも懲りずに「結婚しろぉぉ!!」と喚きながら市街地にて一進一退の攻防を繰り広げるが、ベイキングバスターを乱射しながら間合いを詰めようとしたところで、「お前と結婚なんか、するかぁ!」とブンブンとの切り返しと共に、バクアゲドライバーによってネジ止めされていた外装を取っ払われ弱体化、完全に丸腰にされてしまう。
さらにそれに続けて、ブンブンジャーロボはバクアゲハンドを駆使し、辺りに散乱した廃材でウェディングケーキ型のケージ(ご丁寧にも頂点にはハシリヤンのマークを象った飾り付きである)を構築。これに閉じ込められたウエディングドレスグルマーは身動きを封じられる。
ブンブン「恥じらっての〜…初めての、共同作業☆」
「なにコレ…?」
未来「ウェディングケーキ♪」
大也「…フッ。じゃあ、ケーキ入刀だ!」
最期は隙だらけな所を「バクアゲドライバー・ブンブンフィニッシュ」を喰らい、逆に自分がケーキ入刀されるが如く一刀両断され、「結婚…、出来なぁぁ~〜い!!」と等身大時と同様に悲しみの断末魔を残して完全に撃破されフィニッシュした。
これにより、元の姿へと戻ったドレスも無事未来の手に渡ったが、この一件を切っ掛けに彼女は彼氏の誘いをキッパリ断り、ブンブンジャーの一員になる道を選択するのだった。
- 今作のハシリヤンのデザインを担当した島本和彦氏は、苦魔獣一発目からして「降ります!」と思わせた程にデザイン作業に難航したことが、初回放送時の同時視聴配信の際に語られている。
- CV担当の佐藤氏は、スーパー戦隊シリーズへは主に2000年代前半~中頃を中心に多数出演経験を持ち、『手裏剣戦隊ニンニンジャー』(2015年-2016年)の妖怪テング以来、9年ぶりの参加となった。
ウェディングドレスオルグ:『百獣戦隊ガオレンジャー』に登場する敵怪人の一体。ウェディングドレスをモチーフとした戦隊怪人の先輩格に当たる
ダンジーム←ウエディングドレスグルマー→???