「この星を、ギャーソリンで“ととのえて”やるぜ~!」
「よっしゃあ! ととのえ~! 汗かけ~っ!」
登場話数:バクアゲ4「ヒーローを呼ぶ声」
データ
全高/189cm(ギャーソリン大暴走体/44.8m)
重量/251kg (ギャーソリン大暴走体/595.3t)
エンジン/銭湯のサウナ
スピード/発汗最速
カスタム/ヒシャクラッシャー、アウフグースタオル
ナンバー/0307
ファーストラウンド(コース/市街地)
セカンドラウンド(コース/ハイウェイ空間)
ファイナルラウンド(コース/ビル街)
概要
ハシリヤンが、銭湯のサウナ(正確にはサウナ室に据えられたストーブ)に込められた燃えるサウナ魂をイグニッションし、地球に納車された苦魔獣。
焼き石の頭部と肩上が収められたサウナストーブ(窯)を丸ごと被せた上半身を中心に、タオルとサウナハットで構成されるフリルで覆われた両腕、ネジ止めされた桶を繋げた腰ベルト、無数の温度メーターが配された腹部など様々なサウナ用具で武装した様な容姿を持ち、加えて頭部は苦魔獣共通の燃える双眸で溶岩石の如く彩られ、どこかヒーローのマスクも思わせる。
また、肩後ろに柄杓の掬い口、胸の中央には砂時計が配置され、背中にはストーブに掛ける水を入れた桶を背負っている。
携行装備として、武器としても使える『ヒシャクラッシャー』と熱風を送るのにも銭湯ならぬ戦闘にも使える『アウフグースタオル』を有している。
独自のベルトがある事からバックルは、銭湯の更衣室のロッカーキーを収めるリストバンドの如く左手首に付いており、ナンバープレートのナンバーは「0307」。
「ととのえ!汗かけ!」と宣いながら、ヒシャクラッシャーで背中の桶から汲んだ水を頭から浴びてロウリュを行い高温の蒸気を発生、それをアウフグースタオルで回し仰いで拡散させ、サウナ室内と同じ摂氏80℃の高温多湿空間を作り出し、額に汗が走るほど人々をのぼせて動けなくする方法でギャーソリンを捻出する。
見た目はシュールだが、そもそもサウナ室内の環境は入ったら短時間で発汗作用が起こる一方で息苦しさを感じる様に、平均温度がサウナ室の半分(40℃)ぐらいにしか届かない夏季の時期でも音を上げてしまう生身の人間が長時間耐えられる物では無い。それが遮蔽物の無い屋外で発生するという異常現象が起きるのだから、熱波に捕まったら逃げ場の無い高温と呼吸困難に襲われ続ける灼熱地獄に陥る事となる。
熱波の発生にアシスト(水掛けと仰ぎ)役のネジレッタを随伴させなければならない制約こそあれど、一度発生させれば広範囲の人々を熱地獄で苦しめ悲鳴を煽れるので、作戦効率はかなり高いと言えよう。
戦闘ではヒシャクラッシャーを振り下ろして柄杓型の光弾を複数放てる他、アウフグースタオルで敵の腕や武器を絡め取るカンフーめいた動きを見せたが、直接的な攻撃能力は低めで実力は今一つ。
無論、熱波を浴びせて相手を怯ませる技を駆使し、それを発展させたマグマの様に煮えたぎる超高温の熱波で相手を苦しめる『アウフグーストーム』も繰り出す。
モチーフに即してか威勢の良い暑苦しい性格でギャーソリン収集も積極的に行う。
しかし、人々を灼熱地獄に陥れる事へ罪悪感が無いばかりかより調子に乗って更に熱波を浴びせており、その言動には非道で身勝手な本性が滲み出ている。
本編での動向
ヤルカー「“町を救った謎の巨大ロボの正体は!?”……な~んでカー達、写ってないカ〜? なんでなんカ〜?」
イターシャ「こっちから映りに行ってやんのよ。 アタシもう、決めちゃってんのよね。 このサウナ、走らせるって」
ヤルカー「この暑さ、人間達をギャーギャーさせるのに最高カ~♪」
デコトラーデ「バッファーム! おい、イターシャ! デッコデコなサウナにしてやれ!!」
何故か、銭湯のサウナにいた(作戦失敗後の気分転換?)サンシーターは、新聞に自分達が載っていない事に愚痴りながら、逆にギャーソリンを集めるついでにこっちから名乗り出てやろうと思い立つ。
その手段としてイターシャがサウナの窯に目を付けて、火傷しそうになりつつもハシリヤンイグニッションキーを挿す事で誕生。サンシーターをサウナ室より追い出しつつ屋外へ飛び出し「サ~ウナ~!!」と言いながら納車を完了した。
そのままネジレッタ達を引き連れ、市街地の広場に出現。ネジレッタに手伝ってもらって自らロウリュを行い、発生させた蒸気をアウフグースタオルを振り熱波を拡散。瞬く間に街中を80℃はくだらない気温のサウナに変え、人々を高温と呼吸困難で苦しめて大量のギャーソリンを捻出、回収し始める。
更にその場に居た報道番組の実況をサンシーターがジャック、ハシリヤンの名を告げて目論見通り世間に自分達の存在を喧伝する事に成功した。
大也「やめろ、ハシリヤン!」
「何だ~、お前は~!?」
大也「俺達が、“届け物”さ」
これに対してブンブンジャーは、阿久瀬錠を引き連れたI.S.Aの細武調から公的違反の名目で出動を止められるも、現場を遠巻きに見ていた玄蕃から「調達屋を通した人々からの救助依頼」という体裁で出動を正当化し駆け付ける。
そのブンブンジャー3人がブンブンチェンジすると、先程まで苦しめていた人々に希望が宿り悲鳴が収まりギャーソリンの発生が途切れてしまい、その上で同行した錠に避難させられたので、一転して怒ってネジレッタを引き連れつつ交戦に突入。
アウフグースタオルをヌンチャク代わりにしての乱戦を挑むも、相手はブンブンスーツの機能やブンブンハンドルの各モードを活用して三者三様の動きで反撃、ネジレッタは難無く片付けられてしまう。
その上で、ブンレッドとのタオルヌンチャク対決で劣勢となっていた所でブンブンジャー3人が合流。「小癪な~! よぉ〜し……お前ら全員、ととのえてやる!!」と叫んで熱波を放出し、相手の動きを鈍らせようとするも、「まだまだだな」と嘯くレッドに憤慨してヒシャクラッシャーからの光弾を浴びせるも、ブンブンジャーが弾いた光弾の一つが3人の背後にあった池に落下。これで立ち上がった水柱からの冷気で熱波が相殺されてしまう。
これでクールダウンし、正しく“ととのった”3人からブンブンハンドル各モードによる固有技のコンボをまともに喰らった挙句、バクアゲハンドリングドライブ(ロッドVer.)を叩き込まれ「俺はまだ、ととのってねぇ~!!」と叫び敗北。
直後にヤルカーを介しギャーソリン大暴走体として巨大化、「ヌッハッハッハ!ととのってるか~い!?」と言いながらビル街に復活し、ブンブンジャーロボと交戦。
しばしの接近戦の後、「なかなかやるな! ならば、ととのえ~っ!」と言いつつアウフグースドームを浴びせてくるも、週3で通うサウナ好きであった射士郎/ブンブルーからは「あいつはサウナを根本的に履き違えている…! “ととのう”とは、熱くするだけじゃない!」と断言され、その言葉に閃いたレッドの指示で未来/ブンピンクがブンブンワゴンを射出。バクアゲハンドで武装一式を奪われて熱波攻撃を封じられ、続け様にバクアゲドライバーで外装を解体、完全に丸腰にされてしまう。
貧相な格好にされて寒がりながらも「まだまだ…ヤー!」とやる気を見せるが、為す術も無くバクアゲドライバー・ブンブンフィニッシュでトドメを刺され「湯冷めには、御注意を~!!」と、丸裸同然にされた自分を皮肉る様な断末魔を残し爆散、自らがととのってフィニッシュした。
余談
- プレートのナンバーは「サウナ」の語呂合わせ(03=サ、0=ウ、7=ナ)。
- またこのナンバーは、記念日に指定されている「サウナの日」と同じ数字である。
- サウナモチーフの怪人は『特捜戦隊デカレンジャーVSアバレンジャー』に登場するサウナギンナン以来20年ぶりだがあくまで合成怪人の為サウナ単体でモチーフは今回が初。
- またあちらのモチーフはサウナスーツなのに対し、サウナグルマーはサウナ室(の備品)をモチーフとしている。
- CVの土屋氏は『星獣戦隊ギンガマン』の虚無八役(当時土屋利秀)以来27年振りの出演となった。
- ブンオレンジ役に起用されたスーツアクターの尾野氏はソウジキグルマーに次いで2体目の一般怪人役となる。
- スーツは後にバクアゲ33に登場するイシヤキイモキグルマーのものに流用・リペイントされた。