「ギンガの光は必ずや我等ブドー軍団が探し出し、頂戴する」(第十三章)
CV:土屋利秀
登場話数:第二章「星獣の再来」、第十二章「悪夢の再会」、第十三章「逆転の獣撃棒」
概要
宇宙海賊バルバンの4軍団のうち、ブドー魔人衆に属する魔人の一人。
その名に違わず虚無僧の如き出で立ち、それにその装束を取り巻くようなタコを思わせる意匠の数々が特徴で、トレードマークとも言うべき深編み笠を常に目深に被り、その素顔はわずかに口元が垣間見えるのみである。
主要な能力として、人間の虚無僧の姿へと姿を変えることができる他、尺八を奏でることで特殊な宇宙カビの胞子を噴霧することもできる。このカビは地上の樹木を侵し、やがてはこれを腐食・死滅に至らしめるという恐るべき効果を発揮する。
戦闘面においても、仕込み刀となっているタコ足型の尺八や、蛸壺を模した大筒を武器とし、7体の幻影を発生させて相手を攻撃する「魔人殺法・幻の舞」を得意技とする。のみならず、仕込み刀を振るって機刃の激輪を両断した「激輪返し」なる技までも繰り出しており、軍団の一番手ながらそれまでギンガマンが戦ってきたサンバッシュ魔人団との格の違いを、彼等にまざまざと示してみせた。
作中での動向
初出である第二章では、魔獣ダイタニクス復活のための作戦実行を巡って4軍団が一触即発の状態となる中で、ブドー配下の代表格として他の軍団の魔人達とぶつかり合う姿が描かれている。
その後サンバッシュが最後の作戦に着手する中、虚無八はブドーの命を受けてその動向を監視、結果としてサンバッシュとその軍団の最期を見届ける格好となった。
サンバッシュの死により、次の行動隊長を巡って再度の内紛が起ころうとする中、虚無八からサンバッシュが切り札としていた「ギンガの光」の存在を伝えられていたブドーは、ゼイハブに対しギンガの光こそがダイタニクス復活の鍵となると進言。その上で、予め調べ上げていた「ギンガの光が姿を潜ませるもの」を一つ一つ当たっていくという指針を示すことで、ゼイハブからの行動隊長任命を引き出すに至った。
かくして、首尾よく作戦指揮権を得たブドー魔人衆はギンガの光捜索に着手。その実行役として最初に選ばれた虚無八は、前述のギンガの光が姿を潜ませるものの1つ目である「根を張るもの」に目標を定め、ヤートットらと共に虚無僧に扮して各地で尺八を奏でては宇宙カビの胞子を蔓延させることで、ギンガの光出現に向けた仕込みを着々と進めていった。
「尺八で ギンガの光 探し出し」(ブドーの句より)
その宇宙カビの影響は知恵の樹モークにまでも波及しており、このままではモークも含めた地球上のあらゆる樹木が、数時間後には腐食・死滅に至るという事態にまで発展していた。虚無八(と、ブドー)の狙いは正にそこにあり、樹木の死滅によって潜むべき場所を失ったギンガの光が、自ずから姿を現したところでこれを得ようとせんと目論んでいたのである。
とはいえ、この目論見がすんなりと達成されるはずもなく、程なく虚無八達の動きはギンガマンによって捕捉されることとなる。先の「仕込み」の折に、偶然街中で彼等とすれ違っていたリョウマが、モークからの報せを受けてこの事態に彼等が絡んでいると見たことによるものであった。
これを迎え撃つ虚無八は、挑みかかったギンガレッドを仕込み刀を駆使した剣技で軽くあしらうのみならず、ギンガマンの放った機刃の激輪を「激輪返し」で難なく打ち破ってみせると、ダメ押しとばかりに「幻の舞い」を繰り出し圧倒。必殺技すら破られなす術のないギンガマンを後目に、進みつつある樹木の腐食の進みようからギンガの光の出現を確信した虚無八は、遂に樹木の中より現れたギンガの光と遭遇する・・・のだが、その目の前でギンガの光が消失するという思わぬ事態が発生してしまう。
実はこのギンガの光はモークが用意した偽物であり、これに虚無八が気取られている間に自らの命を賭して新武器・獣撃棒を完成させ、ボックを介してギンガマンの元へと送り届けていたのであった。この獣撃棒の登場により戦況は一気に逆転、幻の舞を打ち破ってレッドが獣撃棒で繰り出した「猛火獣撃」に怯みながらもなお、大筒で応戦するなど意地を見せた虚無八であったが、新必殺技・「銀河獣撃弾」の前には太刀打ちできず木端微塵に吹き飛ばされた。
・・・それでも、深手を負いながらなおも生き延びており、巨大化に及んだ虚無八はギンガイオーと干戈を交えるも、銀河獣王斬りと流星弾のコンボの前に撃破され、その最期と連動するかのように宇宙カビも死滅。モークや樹木達もすんでのところで生命の危機を脱したのであった。
『星獣戦隊ギンガマンvsメガレンジャー』では再生怪人として登場するが、鬼丸と闇丸兄弟共々ギンガレッドの炎一閃でまとめて瞬殺された。
備考
デザインは頼兼和男が担当。プロデューサーの髙寺成紀から、「海洋生物と和風のテイストを混ぜた感じで」との注文を受け、虚無僧の笠が何となくタコっぽく見えるところから着想を得てこの両者を組み合わせたもので、当初は決定稿に比べてゴテゴテしていたとのことであるが、企画者104の葛西おとからのアドバイスもあって余計な要素を取り払い、シンプルな形に落ち着いたという経緯がある。前述の尺八型の仕込み刀も含め、頼兼としては今でもすごく気に入っているデザインの怪人であるという。
ネーミングも、モチーフの一つである虚無僧と、得物である尺八をそのままかけ合わせたものとなっている。
『パワーレンジャー・ロスト・ギャラクシー』ではテクサ名義で登場(CV:飛鳥井豊)。
クバック(CV:斉藤瑞樹)と共にデビオットの配下を務め、邪魔者となるトラキーナ殺害を請け負うが、両者共に返り討ちに遭う(巨大戦はクバックのみ描写)。
関連タグ
軟体サイマ獣デスマイン:『救急戦隊ゴーゴーファイブ』に登場する敵怪人の一体。虚無八と同様にタコをモチーフとした戦隊怪人の後輩に当たる
ハチョウチン:『侍戦隊シンケンジャー』に登場する敵怪人の一体。こちらは虚無僧をモチーフとしている点で共通項を有する