「まずい・・・!何としてもこの石を砕かねば、某(それがし)の・・・ひいては御大将の面目も丸潰れ・・・!」
CV:長嶝高士
登場話数:第十八章「謎の黒騎士」
概要
宇宙海賊バルバンの4軍団のうち、ブドー魔人衆に属する魔人の一人。
中世日本の僧兵の如き出で立ちと、その上に着けている珊瑚を思わせる朱色の甲冑が特徴で、「某」を一人称とするなど、古めかしい言い回しも目立つ。
ブドーへの忠義心厚い剛毅な性格の持ち主でもある一方、後述の目的達成の為にギンガマンの攻撃を利用し、またそれに失敗してもすぐさま作戦変更に及ぶなど、地味ながらも咄嗟の頭の回転の速さにも目を瞠るものがある。一方で、バルバンの中では比較的新参であるらしく、ブルブラックの事も知らなかった。
ギンガマン5人を1人で圧倒するなど、見た目やその名同様に途方もない腕力を発揮し、作戦遂行においては背負った7つの武器のうち、薙刀や大槌を主に使用するほか、口からの光線を攻撃手段として用いた。
作中での動向
ブドーが列挙した「ギンガの光が光が姿を潜ませるもの」のうち半分が空振りに終わる中、次なる目標と定めたのは「砕かれぬもの」、即ちこの世で最も硬いものであった。そこからダイヤモンドを連想したブクラテスの言を「そこまでは素人でも考えつくことでござる」と一蹴したブドーは、それよりもさらに硬いと謳われる「鬼の石」の強奪と破壊を目論み、力に秀でた壊力坊にその実行を命じる。
「大槌に さしもの石も 砕け散り」(ブドーの句より)
その鬼の石は、折しも安置されていたとある神社から解析のため宇宙科学研究所へと輸送中であったが、その輸送車は壊力坊・・・ではなく黒騎士ブルブラックの襲撃を先に受けており、それと止めようとするギンガマンとの間で小競り合いが生じている隙を突き、壊力坊はまんまと鬼の石を手に入れ「長居は無用」と撤退に及ぶ。
ここまでは首尾よく運んだものの、いざ鬼の石を砕こうという段になると、七つ道具の一つである大槌もまるで歯が立たぬばかりか壊れるなど、「ダイヤモンドより硬い」との謳い文句が伊達ではないことを痛感させられることとなる。ここで壊力坊は自力での破壊から、ギンガマンを利用してのそれへと作戦を変更。果たし状を街中にばらまいて彼等を地獄谷へと誘き出し、しばし戦闘に及んだその流れでギンガマンが銀河獣撃弾を繰り出そうとするのを見て取るや、待ってましたとばかりに壊力坊は鬼の石でこれを受け止める構えを見せ、その必殺級の一撃をモロに受けた鬼の石は狙い通り砕け・・・る事はなかった。
この思わぬ事態を前に動揺の色を隠せない壊力坊であったが、ならばせめてギンガマンの首だけでも手土産に持ち帰らねばとここでも即座に目標を切り替え、鬼の石によって跳ね返された銀河獣撃弾でダメージを負ったギンガマンを圧倒。レッドの首を取ろうと長刀を振り下ろそうとしたその時、今度は鬼の石をなおも付け狙うブルブラックからの横槍を受けることとなる。
差し向けたヤートット達も蹴散らされ、ブルブラックとの一対一の勝負にもつれ込んだ壊力坊はしかし、渾身の長刀の一閃を受け止められた上にブルライアットによる連続攻撃を食らった末、必殺の黒の一撃により鬼の石もろとも一刀両断されたのであった。
深手を負った上に、鬼の石が砕けてなおギンガの光が現れず、進退窮まった壊力坊は巨大化してブルブラックに一矢報いようとするも、ギンガイオーにこれを阻まれて銀鎧剣で腹部を貫かれ、投げ飛ばされたところに止めの流星弾を受けて最期を遂げたのであった。
ギンガの光争奪戦にブルブラックが参戦したという事実は、度重なる空振りに起因したゼイハブ達からの反感や不信と併せて、バルバン内部でのブドーの立場を揺るがすものに他ならず、そうした空気を薄々感じ取っていたブドーもまた、配下の中でも精鋭中の精鋭である「四将軍」の投入に踏み切ることとなる・・・。
備考
デザインは野崎明が担当。武蔵坊弁慶のシルエットに珊瑚をミックスした、剛力系の武闘派怪人が志向されており、後年のインタビューにおいて漆黒の僧衣に(甲冑の)珊瑚の朱色が上手く映えてコントラストが効いていると評するとともに、造形の面でも珊瑚の凹凸感などを上手く再現してもらい、重厚さと堅牢さを備えた怪人に仕上がったとも語っている。背負っている七つ道具は固定式とされており、作中では前述の通り2種類のみが使用されるのみに留まった。
関連タグ
アリジゴクネジレ 忍耐力サイマ獣ガルバリア:前後のシリーズ作品において、CV担当の長嶝が演じた戦隊怪人達