概要
蛸壺とは、その名の通りタコ(主にマダコ)が入る壷のことである。
タコが海底の穴に潜む習性を利用して捕獲する漁具。素焼の壺で、大きさや構造など地方によって多少異なるが、普通、口径10~20cm、深さ20~40cm、重量1~1.5㎏。操業方法は、100~200mの幹縄に5~10m間隔に1m程度の枝縄をつけ、その先に壺を1個ずつ結び付ける。これを一筋とし、タコが生息していそうな岩礁付近の海底に10~20筋を投入する。2、3日間放置してから幹縄をたぐって壺をあげ、中に入ったタコを船内に収納し、空になった壷は再び海中に投入する。漁獲性能をよくするため、コンクリートあるいはプラスチック製の壷の中に餌を入れ、タコが餌を取ると蓋が閉じる有蓋式蛸壺も使用されている。