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魔獣ダイタニクス

まじゅうだいたにくす

魔獣ダイタニクスとは、特撮テレビドラマ『星獣戦隊ギンガマン』の登場キャラクター、および巨大戦力の一つ。
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ゼイハブ「ダイタニクスさえ復活すればこっちのもんだ! また昔みてぇに壊して殺して奪いまくれるぜ」(第四十一章)


登場話数:第四十一・四十二章


概要編集

宇宙海賊バルバンが擁する最強の戦力にして、彼等の「」でもある巨大生命体。

その出で立ちは一般的にイメージされる二足歩行の怪獣恐竜のそれに準じており、下顎がしゃくれたワニのような面構えと頭側部から生えた水牛の如き一対のが特徴。岩山のように至るところが鋭く隆起した体表は、毒々しい緑色に染め上げられている。


実際にダイタニクスは、ゼイハブ船長の生まれ故郷である汚れきった惑星から、その膨大な量の汚染物質や毒素を凝縮する形で誕生し、生まれた時点から星を滅ぼす事を本能的に定められた邪悪にして凶悪な存在でもある。その点においてダイタニクスを始めとする「魔獣」達は星を守る事を使命とする「星獣」達とは対をなす正に宿敵とも言うべき関係性にあたる。


主要な能力として宇宙空間を自在に高速航行でき、さらに星が持つ「星の命」を喰らってその星を滅ぼし、星の命を宝石へと変えてしまうというものが挙げられる。

ゼイハブはこれらの能力に着目し、自分達の居城である荒くれ無敵城をダイタニクスの背中に建設する事で海賊船「魔獣要塞ダイタニック」として自分達の意のままに操ってきた。そしてダイタニクスが生み出す星の命由来の宝石を、ゼイハブは自らのコレクションとして収集している。地球に飛来したのも、元々は地球を喰らわせれば過去最高の宝石を作れると見越したからである。


戦闘においても、背びれを光らせた後に放つ口からの破壊光線(※)、鋭いを生かした噛みつき攻撃、器用な動きを見せる尻尾での打擲を武器とし、いずれも単純ながらも高い攻撃力を叩き出す。十全な状態であれば、星獣達はおろか彼等が合体した巨大獣士達でさえ、束になっても圧倒してみせる程の凄まじい実力を発揮する。

しかし、3000年前の地球における戦いにおいて、星獣達と初代ギンガマンの奮戦によってバルバン諸共海底へと封印されてしまった。しかしこの封印の要であった「封印の石」が、現代に至って偶発的な海底地震で砕けたことがバルバンの復活、ひいては本作の物語の端緒となったのである・・・。


(※ 資料によっては「強酸」とするものも存在する)


復活までの経緯編集

海底地震の影響により、バルバンは3000年ぶりに封印から解き放たれたものの復活に至る程のエネルギーが不足していた事が原因でダイタニクスの封印までは解けてはおらず、岩礁のような状態で海上に浮かび、霧の中にその身を潜ませることを余儀なくされた。

自分達の「船」が動かないことは、即ち地球を宝石にする事はおろか地球から移動する事すらもできないという、宇宙海賊として致命的な事態に他ならず、それ故に復活後のバルバンはダイタニクスを復活させることを最優先事項と定め、復活に向けてあらゆる手立てを講じる。


最初に復活作戦に着手したサンバッシュ魔人団は、ブクラテスからの助言を頼りにガソリン電気等の「エネルギー」を収集、それによってダイタニクスを復活させようと目論み、彼等の後を受けて行動を開始したブドー魔人衆は、サンバッシュが切り札としていた超エネルギーギンガの光が復活の鍵と睨んでその確保に奔走するも、いずれも目立った成果を上げるには至らなかった。


それに対して呪術的なアプローチで「人間の生命エネルギー」を復活のために利用しようとしたイリエス魔人族は、度々部分的な封印の解除には成功していたものの、この中途半端な形での封印解除がむしろ災いしてダイタニクスと無敵城とを繋ぐ背中の部分が腐り始めるという復活どころかダイタニクスの命に関わる事態を誘発してしまう。結果としてイリエスを切り捨てると共に彼女が遺した魂の宝石をダイタニクスの防腐剤とすることで事なきを得たのだが・・・これが思わぬ形で事態の進展を呼び込むこととなる。


この宝石に秘められていた強大な魔力が腐敗の停止のみならずダイタニクスの心臓をも動かすという予想外の効果を発揮したことにより、最後に復活作戦を手掛けたバットバス魔人部隊ビズネラの立案した「心臓への一点集中」を狙った作戦を次々と展開。

そして軍団員の一人であるデギウスを捨て駒とし、地球に接近しつつあった彗星からの膨大なエネルギーを注ぎ込む作戦が成功したことで、ダイタニクスはここに完全復活を果たすに至ったのである。


戦慄の魔獣編集

長い年月と少なからぬ犠牲を払って完全復活に至ったダイタニクスは、バルバンの本来の目的である略奪と破壊の前に恨み重なるギンガマンへの復讐を遂げるべく、シェリンダの操縦の元活動を開始。


これに立ち向かったギンガマンと巨大獣士達も超装光ギンガイオーは超銀鎧剣の一撃を難なく受け止められた上に、破壊光線を喰らって合体解除に追い込まれ、ギガライノスギガフェニックスに至っては噛みつきによって腕をもがれる等、完全に圧倒される有様であったのだが・・・ここで背中の発熱によって体温が急上昇するという予期せぬ事態が発生したことによりダイタニクスは一時撤退を余儀なくされてしまう。

これは前述した腐敗の、言わば後遺症とも言うべき現象でもあり、3000年前にはなかった「弱点」が生じた事が発覚したダイタニクスを、その時点でゼイハブは躊躇なく見限ることを決断。無敵城と分離したダイタニクスはバルバンの制御下を離れ、本能のまま暴れ回る存在に転じた。


かくして、市街地へと出現したダイタニクスは迎え撃つ5星獣、そしてブルタウラスと再び相まみえ、初戦と同様にこれを一蹴してみせたのだが、一連の戦いの中で傷つき戦線離脱していたリョウマが復帰し、ギンガレオンと共に先の戦闘で弱点ではないかと見越していたダイタニクスの背に一撃を浴びせた事で、その圧倒的優位も一挙に崩される事となる。

この一撃によりギンガマンはダイタニクスの背中が「弱点」である事を改めて確信し、ダイタニクスは揃い踏みした全巨大獣士からの、背中を狙った集中攻撃に晒されることとなり、ブルタウラスの野牛烈断と鋼星獣による合体技を立て続けに喰らった末に、超装光ギンガイオーの繰り出す銀河獣王無尽斬りにより、巨大なキノコ雲が発生する程の大爆発を起こして死亡した。


ダイタニクスが滅んだと知ってなお、ゼイハブ達の余裕が崩れることはなかった。全てはこの顛末、そしてその後に起こるであろうとある事態を見越した上での行動であり、実際にギンガマンがダイタニクスを倒した事でゼイハブの見立て通り彼等の新たな「船」、そしてダイタニクスをも凌ぐ脅威が、地球において密かに生まれようとしていたのである。


ゼイハブ「――俺たちゃもっと強くなる」(第四十二章)


備考編集

デザインは魔獣要塞状態も含めて野崎明が担当。デザインに当たっては最初にプロデューサーの髙寺成紀より、ダイタニクスが空を泳ぐ横向きのラフスケッチが提示されたといい、そこから「岩山が怪獣」のようなニュアンスを含めつつ、角が生えていないものなど様々なバリエーションを提示した後に決定稿に至ったという。このラフスケッチについて、髙寺には「鬼の形をした鬼ヶ島」のような、敵の拠点に対するわかりやすいイメージが念頭にあったようで、さらに星獣と対になる「星を滅ぼす獣」という要素を加えたという。

魔獣要塞時のデザイン画稿は、封印された状態をイメージした海に浮かんでいる姿と、復活後の活躍を念頭に置いたより戦闘的なフォルムの二通りが描かれており、さらに物語終盤にて実際に作中に登場するに当たり、改めて二足歩行状態での画稿が起こされてもいる。こちらでは前出の2パターンの画稿以上に、力強い前腕やずっしりとした両脚が強調されるなど、怪獣好きとして知られる髙寺の拘りが反映されたものとなっている。


着ぐるみも2種類製作されており、物語中盤でイメージとして登場した最初の造形物は、後にOV『星獣戦隊ギンガマンVSメガレンジャー』に登場する魔獣ゲルマディクスへとリペイントされ、物語終盤に登場したものはそれよりもさらにサイズアップされる形で新規に造形されている。


関連タグ編集

星獣戦隊ギンガマン

宇宙海賊バルバン

荒くれ無敵城 地球魔獣


銀河戦艦バルガイヤー:『地球戦隊ファイブマン』に登場する巨大戦力の一つ。敵組織が母船として利用していた生命体、という点で共通項を有する一方、こちらは生命体であることが物語終盤まで判明せず、さらに主従関係も真逆であったという点で相違している

ラゲム:『鳥人戦隊ジェットマン』の登場キャラクターの一体。こちらもダイタニクスと同様に二足歩行の怪獣という出で立ちと、戦隊側の巨大戦力が束になっても圧倒せしめるほどの実力の持ち主であり、さらに背中に後天的に発生した弱点を持つという点も共通している

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