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デギウス

でぎうす

『星獣戦隊ギンガマン』に登場する敵怪人で、バットバス魔人部隊の一員。
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「すまねえ…結局俺は、星を裏切り続けちまったな…」

CV:小林清志

概要

第四十章『哀しみの魔人』に登場したバットバス魔人部隊の1人。

バットバス魔人部隊の老兵で、デザインの武器モチーフは鉄球。
元々はギンガマンと同じ星を守る戦士だったが、バルバンとの戦いで家族や故郷を失い、疲れ果てて気が付いた時にはバルバンに入っていたという経緯を持つ悲劇の魔人である。星をバルバンに滅ぼされ、自身もバルバンの一員として大勢の命を奪って来た為、被害者であり加害者でもある存在と言える。

バルバンの中でもかなりの老兵だが、生粋の悪党ではなく元々は星を守る戦士だった。
その事もあって、組織の中では作戦で死んでも惜しくない奴とかなり軽んじられている。

掟を破って奸計でブドーを嵌めたイリエスや、それを見抜けず切腹を言い渡された彼は兎も角、バルバンでは基本的に船員の命を最初から捨て駒にする様な事は無い。そんな組織の中に有って軽んじられるデギウスはかなり異質な存在と言えるだろう。

戦いのドサクサに一緒に崖から転落し、自身の出自を話したヒカルからは「もう一度星を守る戦士に戻れよ!!」と説得されるが、あくまでも彼との決闘に固執。その姿勢からは、心身共に疲れ果てていたとは言え自発的にバルバンに加入し、結果として既に幾多の星で多くの人々を殺し過ぎているとしてもう後戻り出来ず、あたかも死に場所を追い求めている感じが見受けられる。

だが、剣を交えたヒカルはその太刀筋はバルバンの剣ではなく星を守る戦士の剣だと気づき、心にまだ戦士の誇りがあると見抜き手を差し伸べたのだが……。

バルバンに人生を狂わされ、最期には捨て駒にされるという哀しき魔人だったが、最後にヒカルに胸の内を打ち明け、戦士として戦う事が出来たのが、彼にとっては唯一の救いかもしれない。

活躍

魔獣ダイタニクス復活の為、地球に接近する彗星の巨大なエネルギーをその心臓に転送する作戦が魔獣要塞ダイタニックで立案されたが、その為にはバルバンの魔人の誰かがバルバエキスを飲んで巨大化しなければならない。だが、それは魔人の命を縮める行為でしかも魔人は星のエネルギーに耐え切れずに死んでしまう。

そんな中で白羽の矢が立ったのがデギウスであった。
「おめぇなら大丈夫だ!」と煽てるバットバス。だが、シェリンダ達は「あいつなら死んでも惜しくはない」と、冷たい言葉を投げかけるのだった……。

落命する前にギンガマンと一戦交える為、鉄球を武器に黒岩岬で破壊活動を実行。
誘き寄せたギンガマンを圧倒するが、イエローと揉み合っている内に彼と共に崖から転落してしまう。足を怪我したヒカルに傷薬を渡したデギウスは、自分が昔の戦いで目を怪我して暗い洞窟の中で右も左も分からない為、洞窟を出る為に一時休戦を提案する。
歩けないヒカルをデギウスが背負い、目の見えないデギウスに代わってヒカルが後ろから目となって道案内する事になった訳だが、ヒカルはおぶってもらっていても殺気を絶やさない。そんな彼に対してデギウスは「おめぇが最期の勝負の相手だ」と意味深な言葉を放つ。

無事に洞窟を抜けた二人だが、待ち構えていたのは何時まで経っても巨大化しないデギウスに痺れを切らしたバットバスだった。「早いとこダイタニクスを復活させてくたばっちまえ!」と本音をぶちまけられて呆れるも、老兵とは思えないパワフルな戦いでバットバスを撃退。ヒカルを連れて逃亡する。


星を守れなかった戦士

逃亡の道すがら、何故自分を助けたのかをヒカルが問うと、デギウスは「俺の最期の相手だからさ」と答え、続いて「てめぇこそ、何で俺を助けた?」と逆にヒカルに尋ね返す。
デギウスが倒れればダイタニクスは復活するので、地球の為にそんな事はさせないと、戦士としての強い使命感を見せるヒカル。それに対し、懐かしさを感じたデギウスは彼に自身の生い立ちを語る。

「いい目だな坊や。俺も昔、そんな目をして星を守っていたんだ」

「え……!?」

「すげぇ昔だ。だがな、戦うたびに大事なモンがなくなっちまうんだ。親や兄弟や故郷なんかがな。坊やもそうじゃねぇのか? 何だか疲れて馬鹿馬鹿しくなっちまってなぁ、気がついたらバルバンに入ってたって訳だ」

星獣剣の戦士に選ばれたあの日、ヒカルも一度は憧れの戦士であるヒュウガを、そして故郷たるギンガの森をバルバンに襲撃され長老オーギ共々喪っている。
若き戦士には過酷とも言える状況が重なり続けてもなお、星の為に戦い続けているヒカルは、彼の生い立ちを知って叫ぶ。

「全部失くしたからって……星も、それを守る自分も捨てるのかよ!? 良いのかよそれで!? やり直せよ!! 星を守る戦士に戻れよ!!」

だが、星を守る若き戦士の主張に対して星を守れなかった老兵は頑なにこう返した。

「そうするには俺は人を殺し過ぎた。元に戻ったんじゃあ虫が良過ぎるんだよ!」

あくまで若き戦士との最期の決闘に固執し、自身のケジメの為にダイタニクスを復活させようとするデギウス。
その姿勢を受けて意を決したヒカルは、ギンガイエローにギンガ転生。星獣剣を抜き、身構える。
星を守るために戦う若き戦士と、バルバンに堕ちた星を守れなかった老兵
2人は寸分の隙を逃さず、互いに太刀を入れていく激闘を展開。「良い気分だ……昔を思い出すぜ」と、戦うデギウスは何処か嬉しそうな顔を見せる。

戦いの果てに満身創痍となった二人は互いに睨み合う2人だったが、ギンガイエロー渾身の雷一掃が炸裂。デギウスは倒れ、2人の一騎打ちはギンガイエローの勝利に終わった。

「お前に殺されるなら本望だ」と覚悟を決めるデギウス。だが、それに対してギンガイエローはこう返した。

「お前は敵なんかじゃない! お前の剣はあんなに真っ直ぐじゃないか! 俺には分かる。あれはバルバンの剣じゃない! 星を守る剣だ!」

その言葉にハッとなるデギウス。ギンガイエローは続ける。

「残ってるんだよ、戦士の心が。もう一度、星のために戦えよ。まだ遅くない」
「坊や……」

戦いの中でヒカルは気付いていたのだ。バルバンとの戦いの中で故郷の星や家族、仲間を失い、身も心もボロボロに疲弊した末に憎き怨敵の一員にまで堕ちたデギウス。けれど、彼の心の中にはまだ戦士としての心が消えずに残っていた事を。
剣を収めてデギウスに手を差し伸べるヒカルに対し、デギウスもそれに応え手を取ろうするが――――――。


哀しみの魔人

然し、運命は残酷だった。戦いの一部始終を見ていたビズネラが、死角を突いてバルバエキス入りの弾丸を見兼ねてテギウスの身体に狙撃したのだ。これによってデギウスは強制的に巨大化。ビズネラのコントロール装置により、かつての鋼星獣の如く操り人形にされてしまう。
駆け付けたギンガレッドらと共にギンガイオーを駆り、ギガライノスの援護を受けて必死にデギウスのコントロール装置を止めようとするギンガイエローだが、デギウスのパワーを止められず苦戦。

「死なせない!やり直すんだ!戦士として!」

だが、無情にも彗星がすぐ傍まで近づいており、このままではギンガイオーとギガライノスもろとも直撃を受けてしまう。
自らの死期を悟ったのか、デギウスは両者を庇う形でコントロールを振りほどき……そのまま彗星に直撃。その強大なエネルギーはやがてダイタニックへと伝わり、遂に魔獣ダイタニクスは復活してしまう。

そして、デギウスは上記の言葉を遺し、悲痛な声で彼の名を呼ぶヒカルの目の前で、炎の中へと消えて逝った……。
星を守る戦士として、もう一度やり直せたかも知れなかった老兵は、星を喰らう魔獣復活の捨て駒にされると言う、余りにも残酷な形でその辛い生涯を終えるのであった。

仲間になれたかも知れない戦士を失ったヒカル。
その背中を無言で見つめるリョウマ達。
サヤは彼に声をかけようとするが、ハヤテは無言で静止し首を横に振る。
下手な慰めは余計に彼を傷つけると思ったのだろう。
……やがて、デギウスの遺品の剣を掲げ、墓標に見立てる形で地表に突き刺しながらヒカルは誓う。

「デギウスみたいな奴は一人で十分だ。バルバンは、絶対に倒す!!」

そして次回、遂に魔獣ダイタニクスとの戦いの火蓋が切って落とされる……。


余談

デギウスが登場したこの第四十章は、これまで純粋悪として描かれていた宇宙海賊バルバンの魔人の一人にスポットが当たった珍しい回であり、同時に戦隊物恒例のヒーローと怪人の交流回でもある。

だがデギウスの場合、善も悪も分からなかったり渋々悪事をしていた怪人達とは違い、全てを失ったからとは言え、バルバンという組織で長きに渡り悪事を働いていた経緯が有り、単純な怪人の中にも良い奴や可哀想な奴はいるんだと言う話の枠に縛られていないのが特徴である。

そんな彼がどうケジメを付けるのか、どうヒカルと対峙していくのかが今回の見所の一つ。

幹部でもない一介の怪人が、どう言った経緯で悪の軍団に入る事になったかが語られる描写も、特撮全体で見ても余り類を見ない珍しい描写である。

何よりこのエピソードで忘れてはいけないのが、ギンガマンもデギウスと同じ末路を辿っていたかも知れないと言う事である。
もし、リョウマ達仲間がバルバンに負けて命を落とし、ヒカルただ一人だけが生き残ってしまい、勇太や晴彦の様な親しい人々が蹂躙されて行く光景を眺める事しか出来なくなったら……?そしてそのまま絶望の淵に立たされたとしたら、彼はどんな行動に走るだろうか?
何も守る物が無くなり、無気力のままにバルバンの軍門に下ったデギウスや、故郷と肉親への復讐の為に他の犠牲を厭わなった黒騎士ブルブラックの様になっていた可能性も充分に有り得る。

つまり、デギウスはギンガマンのIFと言える存在なのだ。

もしデギウスにも自分が辛い時に支えてくれる仲間がいれば……、もう少し早くギンガマンと出会えていれば……、7人目の戦士として戦う彼の姿も有り得たのかも知れない。
これはギンガマンに限った事ではないが、だからこそこう言った悲劇を繰り返さない為にもヒーローは勝ち続けなければならず、敗北は絶対に許されないのだ。
デギウスの様な思いをする者は、一人として居てはいけないのだから……。

この哀しみの余韻に浸る間も無く、次の回である第四十一章から魔獣ダイタニクス決戦の前後編へと突入して行く。
年末商戦と言ったら身も蓋もないが、善悪双方の総力戦という面でも怒涛の展開に見逃せない。

鉄球をモチーフにした戦隊怪人は『超電子バイオマン』のハンマーカンス以来の登場となる。

声を演じた小林氏は2年前にも激走戦隊カーレンジャーVRVマスターとして出演しており、こちらも当作の敵組織によって故郷の星を滅ぼされたと言う共通点が有り、奇しくも敵味方で故郷を敵に奪われた被害者の役を短い期間で演じる事となった。

関連タグ

星獣戦隊ギンガマン 宇宙海賊バルバン 哀しき悪役
黒騎士ブルブラック:同じくバルバンに星を滅ぼされた戦士だが、こちらは復讐者として第三勢力の立ち位置を担った。
ヨシー・ウラザー:同じく敵組織の思惑に翻弄されて捨て駒同然の扱いを受けた繋がり。但し、こちらは洗脳同然で善人に無理矢理性格を変えられた挙句、巨大化すらさせて貰えずに倒される等、扱いがより悲惨。

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