「貴様等の動きも武器も、全て調べ尽くした!この俺に指一本触れることすら出来んぞ!? 次にどういう攻撃に出るか・・・全て分かるからな!」
登場話数:第三十七章「ブクラテスの野望」
概要
宇宙海賊バルバンの4軍団のうち、バットバス魔人部隊に属する魔人の一人。
重厚な出で立ちの魔人が大半を占める魔人部隊の中にあって、例外とも言えるスマートなフォルムの持ち主であり、その中世の騎士然とした全身の至るところには白黒の市松模様が多数配されている。
事前に調べ上げた相手の戦闘パターンを分析し、その武器や動きそれに技に至るまで、寸分違わず模倣・再現することのできる、極めて高度なコピー能力の持ち主であり、この能力を発揮する際には「○○モード!」の掛け声とともに額の色が変化し、対峙する相手に合わせたモードへの切り替えを行う。作中にて、ゴビースが使い分けたモードとコピーした技は以下の通り。
モード | 武器 | 技 |
---|---|---|
レッドモード(赤) | 星獣剣 | 炎一閃 |
ブルーモード(青) | 獣撃棒 | 獣撃破 |
グリーンモード(緑) | 無し | ガルコンフライ、キバショット |
イエローモード(黄) | 無し | ガベリックラン |
ピンクモード(桃) | 無し | ガットクロー |
黒騎士モード(黒) | ブルライアット | 黒の一撃 |
獣装光モード(金) | 閃光星獣剣 | 銀河の戦光 |
ギンガイオーモード(銀) | 銀鎧剣 | 無し |
ギガフェニックスモード(青) | ギガニックブーメラン | 無し |
以上の内容からも分かる通り、ギンガの光に由来する能力や技さえも完全に模倣・再現し、ギンガマンや黒騎士の動きを常に先読みする形で繰り出すことで、常に相手より優位に立つその戦闘スタイルは、正しく軍団随一の業師とも言えるものである。
他方でこの模倣は、対応できるパターンがあくまで「特定の相手の得意とする、特定の戦闘スタイル」と決まり切ってしまっているため、相手が通常とは異なる戦闘スタイルを取るなどした場合、それには全くと言っていいほど対応できないという、致命的な穴も存在する。
作中での動向
魔獣ダイタニクス復活に向け、バルバンではまた新たな作戦に向けての動きが着々と進められていた。
ゴビース「俺達は」
ヤートット「バットバス魔人部隊!」
ゴビース「頭足りない?」
ヤートット「ギンガマン!」
ゴビース「クールなのは?」
ヤートット「俺達だ!」
ビズネラの立案した次なる作戦、それは「星獣の心臓をダイタニクスに移植」するというものであった。星獣の中でも、邪帝イリエスとの決戦からこの方、長引く療養の中で結界を張る力が衰えていたゴウタウラスの所在は既にバルバンの知るところであり、その心臓を確保すべくゴビースとその部隊は大量の麻酔弾を携え、ゴウタウラスが身を潜める荒雲岳へと進軍を開始した。
とはいえその動きは、木々を介してモークにも程なく知られることとなり、ゴウタウラスの治療のために荒雲岳に滞在していたヒュウガとリョウマにもその報せがもたらされたことで、彼等は遅れて駆けつけた他の4人と共にゴビースの動きを阻止しようと立ちはだかる。
出鼻を挫かれる格好とはなったものの、ゴビースはヤートットと刃を交える黒騎士を分析し、持ち前のコピー能力によってブルライアットを再現すると、一手先を行く形で射撃と黒の一撃を繰り出してこれを完封。さらにヒュウガをゴウタウラスの元へ急がせるべく足止めを買って出たギンガマンに対しても、その武器や技をコピーした上で完全に優位に立ち、遂には彼らが繰り出した銀河の戦光さえも模倣の末に打ち破り、見事完勝してみせたのであった。
かくして、邪魔者を排除したゴビース達は改めてゴウタウラスの捜索を再開するも、ここで山中にいるべきはずのゴウタウラスの姿が何処にもないという、予想外の事態に直面することとなる。業を煮やしたゴビースは山を爆破して燻り出そうと目論むが、傷つきながらもゴウタウラスとヒュウガに合流しようとしていたギンガマンと遭遇、再び干戈を交えることとなる。
「まだ分からんのか・・・貴様等の技は通用しない!」
初戦でギンガマンの動きや技を完全に見切っていたゴビースは、ここでも余裕綽々で彼らに相対してみせたのだがしかし、その読みが甘きに過ぎたことを程なく思い知らされることとなる。
実はギンガマンも無策のままゴビースとの再戦に及んだ訳ではなく、ここに至るまでの間にヒカルが何気なく発した一言から、「コピーできるのはあくまでその色に対応する相手の武器と技だけ」という穴があることを、ハヤテが既に看破していた。
そしてその推測から、ギンガマンは「他のメンバーの戦闘スタイルを用いる」という対抗策をもって再戦に臨み、事前の分析とは異なる彼らの動きにすっかり恐慌を来したゴビースは、初戦とは打って変わってギンガマンに散々に痛めつけられた末に、機動馬ガレオパルサーによる獅子の装光で完敗を喫してしまう。
それでも、巨大戦ではコピーした銀鎧剣でギンガイオーを斬りつけ、救援に入ったギガフェニックスに対してもギガニックブーメランをコピーしてみせるなど意地を見せるが、そのギガフェニックスは予めギガライノスのギガンティスバスターを携えてくるという変幻自在ぶりを発揮。ここでもまたパターン破りの攻撃に翻弄された挙句に、銀河大獣王斬りで敢えない最期を迎えたのであった。
こうして、星獣の心臓を標的としたバルバンの作戦は失敗に終わったものの・・・この間バルバンとは別に、辛くも生き延びていたブクラテスがヒュウガを自らの復讐のための手駒とすべく、ゴウタウラスを確保し人質としており、勝利したとはいえヒュウガとゴウタウラスが忽然と姿を消したという事実は、リョウマ達の胸中に不吉な影を落とす格好となったのである。
備考
デザインは下條美治が担当。ゴビースのデザインについてはあまり印象に残っていなかったのか、後年のインタビューにおいてもモチーフやコンセプトについては詳細に言及されていない。
CV担当の成田は、本作以前にも東映制作のドラマに複数出演経験があり、スーパー戦隊シリーズへは本作が初めてにして、2023年現在唯一の参加となる。
『ギンガマン』の英語版ローカライズ作品『パワーレンジャー・ロスト・ギャラクシー』にも、カメリアックの名義で登場。日本語吹替版では遊佐浩二が吹き替えを担当している。敵の作戦内容こそ相違しているものの、その能力やストーリーの展開は概ね原典に準じたものとなっている。
関連タグ
ゲルトゲルト:ゴビースと同様に騎士然とした出で立ちが特徴の、他の軍団に属する魔人の一人
邪悪竜ダガーギン:『轟轟戦隊ボウケンジャー』に登場する敵怪人の一体。相手からの攻撃(とその衝撃度)を記憶し、それと同様の攻撃を倍返しで繰り出すという、ゴビースに近似した能力を有する
ドルイドン族:『騎士竜戦隊リュウソウジャー』に登場する敵組織。こちらも戦闘員であるドルン兵を筆頭に、構成員のデザインにチェスの要素が含まれているという点でゴビースとの近似点を有する
策士サイマ獣スパイダラス、研究のアバウタ:いずれもスーパー戦隊シリーズの他作品に登場する、敵の過去の戦闘データを活かした攻撃を得意とする戦隊怪人達。いずれもデータにない攻撃によって逆転敗北を喫した点でもゴビースと共通している