「超力モビルのデータは、貴様等を八つ裂きにしてからゆっくりいただく。覚悟しろ、オーレンジャー!」
登場話数:第10話「参上 泥棒だヨン」
概要
マシン帝国バラノイアが開発したマシン獣の一体。
コンピューターのセキュリティの突破、それにデータの書き換えに特化した個体であり、一度に複数のコンピューターへの侵入を自在に行い、幾重にも仕掛けられたパスワードさえもことごとく解読・突破せしめる等、そのハッキング能力の高さは相当なものである。
そうした側面はブラウン管モニターを模した形状の頭部や、胸部に備わったキーボード等、外見の方にも色濃く現れており、ハッキングの際には自身の姿をデフォルメしたCGをモニターに映し出し、それを介して相手を挑発するかのような言動に及ぶこともある。
無論ハッキングばかりが能ではなく、戦闘面においても目から放つ光線、ボディから伸びた複数のコードを相手に絡みつけての放電、顔のモニターによる武器の選択・実体化等、多様にして強力な能力を駆使することも可能である。作中では電動ノコギリ等を実体化させ、オーレンジャーを苦戦に追い込んでいる。
さらに相手の武器を分析することにより、それを寄せつけない強力なバリアを張ることもでき、その際には顔面から腹にかけての一部分が、シャッターで覆われたような出で立ちへと変化する。このバリアは自らが記録しているオーレンジャーの戦闘データと合わせることで、彼等の繰り出すあらゆる攻撃に対応・無効化することすらできるが、一方でデータに無い攻撃には弱いという、この手のタイプにありがちな弱点も抱えている。
作中での動向
機体そのものの破壊を狙ったバラミサイラー、パイロットの無力化に狙いを定めたバラダーツと、バラノイアによるオーレンジャーロボへの対策がことごとく失敗に終わる中、今度は超力モビルのデータに目をつけ、これを書き換えることで合体自体を不可能にするという作戦をブルドントが立案。その実行役として地上に送り込まれたのがバラハッカーであった。
手始めにUAOH第130情報基地を襲撃し、基地内のコンピューターのハッキングに及ぶと、さらに出動した吾郎と樹里にも襲いかかり、変身した2人の攻撃を無効化・苦戦させた上、残る3人が駆けつけ全員揃ってもなお優位を崩さぬまま、「超力モビルのデータがほしいよン」と嘯く余裕ぶりを見せつけ、オーレンジャーを一時撤退に追い込んでみせた。
その後も保安システム内の超力モビルのデータにアクセスすべく、21ものパスワードを次々と解読する傍ら、銀行や信号機のデータにもハッキングを行い、それらのシステムを次々暴走させては市街地を混乱に陥れ、オーレンジャーの目すらもそちらへ引きつけてみせた。
結果、後はデータバンクに侵入し超力モビルのデータ書き換えを実行するところまでこぎつけたバラハッカーであったが、アクセスを試みたところモニターに映し出されたオーレッドのCGと、「ハイ、コレマデヨ」とのメッセージと共にアクセスを強制的に中止させられるという、思わぬ事態が発生してしまう。実はバラノイアの狙いは既に三浦参謀長によって看破されており、オーレンジャーもまたそれに乗せられたと見せかけて既に対策を打っていたのであった。
超力モビルのデータへのアクセスという目的こそ寸前で阻まれたとはいえ、バラハッカーも冒頭の台詞の後に即座にオーレンジャーを打倒し再度のハッキングに及ぶべく計画を変更。武器の実体化能力や強化バリアを駆使してオーレンジャーを圧倒し、遂には必殺のビッグバンバスターまでも無力化、彼等を絶体絶命の窮地に追いやってみせた。
・・・のだが、そうした事態さえも三浦は織り込み済みであり、レッドからの要請に応えて新兵器・ジャイアントローラーを投入。この予想外の一手を前に、バラハッカーも自慢の分析能力を駆使する暇も与えられぬまま、高速で突っ込んでくるジャイアントローラーの直撃を喰らって敗北を喫した。
その直後アチャ&コチャによって巨大化し、オーレンジャーロボにコードを巻きつけて高圧電流で攻撃するも、これを逆流させられてダメージを負うに留まらず、ホーンヘッドの「タウラスダイブ」と「超力タウラスサンダー」、グラビトンヘッドの「超力レオンビーム」を立て続けに喰らい、顔面のモニターを破壊されたところに「クラウンファイナルクラッシュ」を叩き込まれて最期を迎えた。
備考
デザインは阿部統が担当。デザインモチーフとして亀の要素が盛り込まれているが、これについてはハッキングをしてシャッターが閉まってといったスタッフ間での話から、さらにシャッターから亀を連想した上でのものであったようで、これを反映してかモニターに浮かび上がるような形とされている顔面も、亀のそれに近い形状となっている。後年のインタビューでは「色々やりたいことがあっただろうけどまとめきれてない感じがする」と、バラハッカーのデザインについて振り返っている。
CV担当の新井は、本作へは同話数の放送に先駆けて公開された劇場版(カメラトリック役)に続けての参加であり、これ以外にもほぼ同時期に放送された『重甲ビーファイター』にも、顔出しでゲスト出演している。
関連タグ
ハッカーヅノー、電脳サイマ獣サイバギルド、ハッカー・ユーゲント:いずれもスーパー戦隊シリーズの他作品に登場するサイバーテロを行った戦隊怪人達。
マモリガミ:『轟轟戦隊ボウケンジャー』に登場する怪人でしかも裏モチーフがオーレンジャーに関与したメカがモデルのためある意味近い存在と思われる。
SSパマーン、策士サイマ獣スパイダラス、研究のアバウタ:こちらはバラハッカーと同様に、データにない攻撃に対応しきれず敗北を喫したという共通項を持つ戦隊怪人達。